スティーヴン・メリロの吹奏楽曲で「Aurora」という作品がある。クリコフスキー監督の映画「Aurora」に寄せられたサウンドトラックから三曲を抜粋し、演奏会用に組みなおしたもの。図書館でなにわオーケストラルウィンズ2005のCDを見つけ、久々に聴くことができた。ちなみにこのCD、ライブならではの傷が多い(アンコールなどは大笑い)ものの、すばらしく純度の高いサウンドが聴ける甲種オススメ吹奏楽盤。
さて話を戻して、この「Aurora」の第三楽章「Of Valour in the Void」が個人的にすごく好きな吹奏楽曲なのだ。たぶん主題が好きとか雰囲気が好きとかなのだろうが、私的にツボにハマリまくっていて、初めて聴いたときからずっと好きな曲なのである。
例えば最初にホルンが吹くHeroic, from a Distanceのソロは「栄光の主題」(と勝手に命名)と言ったような誇り高さがあふれるメロディだし、オーボエがSuddenly Gentle...から奏でるのは「未来への不安」と言ったところ。直後にアルトサックスが受け持つメロディも「憧れと悲しみ」を連想させる響きで…例えて言えば卒業式の日に感じる複雑な心境にぴったりではないか!?
曲全体を支配する妙に荘厳な雰囲気といい、まるで卒業生退場のときに流れるバック・ミュージックのよう…そうだ、そうに違いない!これは卒業式のテーマだ!…と決め付けて以来、聴くたびにホロリとしてしまう(とは大げさか)素敵な曲です。メリロの作品の中で唯一好きなんだよなあ。ほかの作品はそれほど聴かないのになあ…不思議。スコアがStormworksのページからフルバージョンで参照できる(PDFファイル。印刷不可→http://www.stormworld.com/music/catalog/pdfmusic/aurora.pdf)。
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