2008/07/30

シャリエのマスタークラスレポートを読む

日本サクソフォーン協会々報の昔の号を引っ張り出して読んでいる。2005年に発行されたVol.27に掲載されていた、上田卓氏によるマリー=ベルナデット・シャリエ Marie-Bernadette Charrierのマスタークラスのレポートが面白かったので、ご紹介したい。

シャリエ氏は、フランスの女流サクソフォン奏者。ボルドー音楽院においてジャン=マリー・ロンデックス氏に師事し、一等賞を得て卒業。1993年からボルドー音楽院の現代音楽アンサンブルクラスの教授に就任し、さらに1994年からはロンデックス氏の後任としてサクソフォン科インターナショナルクラスの教授に就任した。

教育活動だけでなく、夫であるクリストフ・アヴェル Christophe Havel(作曲家)とともに現代音楽アンサンブルのプロクシマ・ケンタウリ(プロクシマ・ソントリ)Proxima Centauriを結成し、新作の初演を数多く手がけている。これはシャリエ女史の写真だが、ソプラノからバリトンまでを操る姿が、これほど当てはまるサクソフォン奏者はそうはいないだろう。

来日は2004年。同時期に開かれた"音楽・芸術表現のための新インタフェース"国際会議へ、クリストフ・アヴェル氏が招かれたことをきっかけに、プロクシマ・ケンタウリとしての来日が実現したそうだ。国際会議への参加の傍ら、アクタスにてマスタークラスを行った、ということである。マスタークラス招聘の発起人は上田卓氏。上田氏は、ボルドー音楽院にてシャリエ氏の下で学んだことがあるのだそうだ。

ちなみに私は当時大学の2年生。まだまだサクソフォンの現代作品には疎い身で、このマスタークラスの存在すら知らなかった。もし今、同様のイベントが開かれるならば、研究室サボってでも聴きに行ってしまうと思うのだが。

受講曲は、小山弦太郎さんの演奏でクリスチャン・ローバ「バラフォン」「ジャングル」、大栗司麻さんと貝沼拓実さんの演奏で、同じくローバの「アドリア」。普段演奏する機会は多い作品群だが、ボルドー発のこの作品を、現地のサクソフォン科教授に教えてもらう機会って、そうはないのではないか。

マスタークラスの後は、シャリエ女史のミニ・コンサート。これまた凄いプログラムで、
Hans-Joachim Hespos - Ikas (Alto Saxophone Solo)
Christophe Havel - Oxyton (Baritone Saxophone Solo)
Bruno Giner - Et interra... (Snaredrum Solo)
François Rosse - Huk'kuSpatuS (2 Voices)
Jérôme Jois - Overwritten (Soprano Saxophoe Solo)
Philippe Laval - Enfin (Tenor Saxophone & Percussion)

うーむ、きちんと聴いたことがあるのは、アヴェルの「Oxyton」くらいだ。フランスの現代作品とはいっても、パリ周辺の作品については日本への情報の輸入量がそこそこ多いが、ボルドー周辺の作品に関しては、日本ではほとんど知られていない、ということなのだろう。どんな音がする作品なのか、興味あるところだ。

レポートの最後に、上田卓氏からシャリエ女史へのインタビューが掲載されていた。ボルドー音楽院への留学の情報もわずかながら話されていた。日本からボルドーへ留学して、そこで取り込んだことを生かした活動を行ってくれる方がいると、面白いだろうなあ。

BGMは、「ær(Alba musica / MUSIDISC MU291672)」。以前、上田卓氏から送っていただいたものであり、ブログ上でレビューした。「S」が特にお気に入り。電子部品を散りばめた万華鏡のような響きが心地よい。

色を塗りたい

このブログの右下にそれとなく貼り付けてある「Geotargeting」というブログパーツがある。アクセスのあった都道府県を、アクセス数別に色分けして表示してくれるもので、アクセスが多いほど都道府県の色が赤くなる。アクセス解析のパブリック版のようなもの。

色が塗られていない都道府県は、最近一週間のうちにアクセスがない場所であり、つまり一週間のうちに全ての都道府県から一件でもアクセスがあれば、全ての県に色が塗られる、ということだ。どうも岩手県や島根県には、定期的に読んでくださっている方がいらっしゃらないようである(ということが判る)。ざんねん。

いつか、全ての県に色を塗りたいなー。もっともっと記事が蓄積していけば、検索で飛んでくる方が増え、いずれ可能となるとは思うが。あと、茨城<神奈川<東京というのには、微妙に納得がいかない。

MAI? on YouTube

なーんかブキミ(笑)。曲は、野田燎「MAI」だと思うんだがな。途中でインプロヴィゼイションも挟まれているような、そうではないような。

演奏者はマスクをつけているが、これはGAPERAと呼ばれる芸術表現のひとつであり、「GAPERAは、演奏にマスクを利用した特殊な芸術表現のテクニックのひとつで、演奏者の内的心理をマスクと演奏で表現する種類のロマンチックな手法として、目の前で瞬時に顔の形を変える魔法のような演技手法中の顔の表情と演奏家ジョフワロウムを成し遂げた演奏劇である」とのこと。うーん、良く分からん。



2008/07/28

長野県下諏訪町でのTSQ公演

二月ほど前からぼんやりと計画していた、Tsukuba Saxophone Quartet長野公演のご案内。9人のメンバーのうち、3人が長野県出身ということもあり、お盆の時期に合わせて信州公演を行います。

休憩なし、司会を挟みながらの一時間ほどのミニコンサート。前半は四重奏、後半はラージアンサンブルという感じになると思われます。ちなみに、9月のつくば公演のプログラムと、いくつかかぶせてありますので、お近くの方はぜひどうぞ。フェルドの四重奏曲に関しては、長野県内初演だったりして…(大いにありうる話だ)。

期日が近づいたら、また告知します。

【Tsukuba Saxophone Quartet - 信州コンサートツアー Saxophone "Mini" Concert】
出演:Tsukuba Saxophone Quartet
日時:2008年8月17日(日曜)15:30開演
場所:長野県下諏訪町ハーモ美術館ティーセントホール
料金:入場無料(美術館への入場料は必要ありません)
プログラム:
J.フェルド - サクソフォン四重奏曲より
オムニバス - 日本のメロディ
G.ホルスト/TSQ - セント・ポール組曲より 他
問い合わせ:
http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
kuri_saxo@yahoo.co.jp

ティーセントホール内部の様子。オサレー(*・ω・)

2008/07/27

芸術の復刻

最近クランポンのスーパーダイナクションっていうアルト(60年代のもの)も買っちゃったんだよね。ガロワ=モンブランとか吹くと「コレだよね!」って感じに、無駄な苦労をしなくてもその時代のスタイルに入れる。…

先日も紹介した、日本サクソフォーン協会の機関紙Vol.20で、雲井雅人氏が古楽器についての魅力を語っている記事の一節に見られる文である。私は古楽器を吹いたことがないので、「へえ、そうなのかー」という程度の感想しか持つことができないのだが、どこかで似たようなことを聞いたことがあるなあ、と思ったら木下直人さんと話していたときに出た話題との関連性があるのだった。

木下直人さんが、ご自身が所有するLPの復刻に関して、トーレンスのターンテーブルや、オルトフォンのカートリッジを使用する理由…現代のシステムではなく、50年代、60年代のシステムを、当時の形で完璧にオーバーホールして再生環境を整える理由。それは「当時の機器で再生されることを前提にした録音は、当時の最高の機器でこそ本来の音楽を奏でる」という木下さんの信念によるものだった。そのため、例えばフレンチ・レーベルのステレオLPを再生するために、ORTFご用達のピエール・クレマンのステレオ用カートリッジとアームを、今も捜し続けている、ということだった(アームは4月頃に入手したということだ)。

それにはきちんとした理由があって、木下直人さんの長年の研究による、イコライザの設定やプレスされた国などの様々な要素から導き出した結論なのだそうだ。録音環境(プレス環境)と、再生環境の一致。これこそが、当時の音楽家たちの姿を現代に蘇らせる唯一無二の方法…。

楽器と作品の関係も、よくよく考えてみれば、確かにそうだよなあ。イベールの時代にはセルマー・シリーズ3はなかったのだ。当たり前だけれど、実はすごく重要なことなのではないか。結局のところ、昔の芸術のスタイルを理想的に再現するためには、当時のハード(楽器)と現代のソフト(演奏技術・表現方法)を上手く組み合わせるのが良い、というのが、究極の結論なのか。

現代の楽器で吹いているイベールやグラズノフは、もしかしたらこんな感じか(笑)。きっと、近いところはあるのだろうけれど、現代の人が見ても、当時の人が見ても、「なんか違うんだよなー」と首をひねってしまうものなのかもしれない。

2008/07/26

Aurelia SQ plays Barber, Piazzolla, van Norden on YouTube

アウレリア(オーレリア)サクソフォン四重奏団 Aurelia Saxophone Quartetの最新の演奏動画が、YouTube上にアップされていたのでご紹介。毎度の事ながら、アップロードを行っているのはソプラノのリンデン氏のようである。

・Samuel Barber「Adagio」…美しい。ライヴ盤「Blow!」よりも濃密で、テンションの高い演奏だ。


・Astor Piazzolla「Contrabajeando」…アルバム「Two to Tango」でも魅せた演奏が、さらにブラッシュアップ。動きはコミカルだけど、流れている音楽は見事としか言いようがない。


・Maarten van Norden「Battle of the Saxes」…盛大なオチ。大爆笑。

2008/07/25

練習、とか

6月の下旬ごろから、毎日のように合わせ練習や個人練習をやっている。今日は「セント・ポール組曲」のテナーサックス練習。残念ながら、体調不良により一人欠席(=二人で練習)。

やっぱあれだな、練習時間よりも練習内容だな。「どれだけ練習したか」で満足してはいけなくて、「どのくらい吹けるようになったか」というところに落としどころを持っていかないとだめかな。今日はまったりと3時間ほどかけたが、今日くらいの練習内容ならば2時間でこなせるくらいにしないと。

魅力的な中音域目指してがんばります(^∀^)ノ⌒☆わあい

小田桐さんの調整から帰ってきたテナーサックス、ずいぶん吹きやすくはなったのだが、音程のクセが変わっていて、まだまだ慣れないなあ。試行錯誤中~。

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本日の驚き:久々に訪れた雲井雅人サックス四重奏団のサイト、リニューアル準備中!だそうだ。