2022/03/30

アダムズ「シティ・ノワール」初演の補足

一つ前のエントリにて、初演ライヴ録音/演奏を紹介したが、その演奏の最後の描写がなかなか感動的なのだ。

実際の映像をぜひご確認いただきたいのだが、初演に臨席していたアダムズが、ドゥダメルに呼ばれて壇上に上がったのち、真っ先にマカリスターを聴衆に向けて紹介するのだ。それだけ、「シティ・ノワール」のサクソフォンのソロにアダムズが感銘を受けていた、ということなのだろう。この出来事が、その後の「サクソフォン協奏曲」の制作・初演に繋がっていることは明白である。

ニューヨーク・タイムズ紙の、アダムズのインタビューを抜粋する。

https://www.nytimes.com/2013/09/18/arts/music/classical-saxophone-an-outlier-is-anointed-by-john-adams-concerto.html

電話インタビューで、アダム氏はマカリスターの強みを熱心に語っていた。「偉大な芸術家にとっては、楽器の細部、つまりリード、マウスピース、パッド、そういった小さな、小さな、極小の物理的細部が極めて重要になってくるのです」とアダムズは言いました。「そして、彼の絶対的な、不屈の精神で、何でもやってみようとする姿勢も素晴らしいと思っています」。

マカリスターは、このチャンスを掴みました。「私個人としては、アダムスはNo.1でした。彼は、私たちが手に入れたい、いや手に入れる必要がある最大のゴールでした」と彼は言っています。「深いポリリズムの構造、巨大な氷河のような形こそが、彼の音楽のトレードマークです。その中でサクソフォンが扱われていることは本当にエキサイティングなことです」。

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