これも、あかいけさんに録画して送ってもらったDVD。
いくらクラシック・サックス畑の人でも、清水靖晃の名前を知らない人はいないだろう。ジャズ畑の出身ながら「チェロ・スウィーツ(バッハの「無伴奏チェロ組曲」テナーサクソフォン版)」の演奏によって一世を風靡したサクソフォン奏者である。私自身はバッハの作品はもっと端正に演奏されるべきだと考えているので、やや趣向からは外れるのだが、それにしても人気の高い演奏家であることは間違いない。
そういえば、サキソフォネッツ(後ろで和音を重ねたりしている奏者たち)のメンバーが豪華だということでも話題になったなあ。確か、田中靖人、新井靖志、大城正司、二宮和弘、平野公崇…(敬称略)という感じだったような(この映像の冒頭参照のこと)。
その清水靖晃氏、今度は同じバッハの「ゴルトベルク変奏曲」に挑んだらしい。サクソフォネッツのメンバーは、サクソフォーン四重奏団"STRIKE"の江川良子、東涼太、林田祐和、鈴木広志(敬称略)という布陣。さらにコントラバスも加えて、清水靖晃氏の独自アレンジによる演奏が展開されている。
冒頭の「アリア」を聴き始めたときに「うわっ」と思ってしまった(繰り返すが、私は端正なバッハが好きなのだ)のだが、聴いているうちに気にならなくなってきて、最終的には大変楽しめた。清水靖晃氏による編曲は非常に変化に富んだもので、変奏曲をより変奏曲らしく聴かせることに一役買っている。変奏の中には、かなりテクニカルな側面が押し出されたものもあるのだが、見事に吹ききっていて恐れ入る。
STRIKEの面々も、さすがに上手いなあ。って、これは当たり前か。音をばらまくようなフレーズであっても、どこまでも音色が瑞々しい。
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