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もう数日前のこととなってしまったが、ミシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルの演奏による「マタイ受難曲」をラ・フォル・ジュルネで聴いてきた。気付いたときにはチケットなど取れない状況だったのだが、たまたま行
けなくなった方からチケットを譲ってもらったのだ。当日は大雨。毎年のフェスティバルではにぎやかな屋外が、このときばかりは雨の音ばかりが響いていた。
会場は5000席のホールA。恥ずかしながら、「マタイ受難曲」を全曲通して一気に聴くのは初めてだったのだが、ちょっと言葉では言い表せない感動を覚えた。なんとなく普通の「マタイ」の演奏って、特に合唱部分はかなり威勢の良いイメージばかりがあったのだが、すべての音を両手の掌の中でそっと暖めていく、そんな音楽だった。実演と録音の違い?いや、それだけではないだろう。
対訳を手元に置きながら鑑賞していたが、得に後半の畳み掛けるような悲痛さ、そして最後の崇高な結末は、実に深く胸を打つことだ。想像を絶する美しい音楽と、目先にとらわれずに達観したような演奏…これ以上なにが必要だろうか。
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