(2015/3/28に記事を加筆・修正)
在籍していた大学の吹奏楽団で、ユーフォニアム奏者の深石宗太郎先生には、ひょんなことから何度かお世話になった。私はサックスパートだったし、ユーフォニアムの人たちに比べれば直接お話しする機会は少なかったのだが、いつぞやの合宿@新潟で先生を囲むユーフォコンパにお邪魔して話し込んだことが、ずいぶんと印象に残っている。パートの人そっちのけで1時間近く話し込んでしまい(悪い癖…)、コンパ後に後輩に呆れられたのも、もう昔の話だ。
以前、サクソフォン四重奏のレッスンをしていただいた時のことを思い出す。ひと通りデザンクロの四重奏曲を聴いていただいたあと、「サックスが専門でないけれど、」との枕詞の後に続いて、とても興味深いコメントをいただいた。また、ユーフォニアムの後輩から聞いた話では、ユーフォとテナーサックスがユニゾンで演奏する課題曲「リベラメンテ」のソリを解釈を教えてください、と頼んだ時は「子供が描く象のように吹きなさい」というアドバイスを頂いたのだとか…これは喩え話のひとつである。(後日深石先生から直接伺うことができたのだが)、象の鼻を幼稚園生が作るとまだ皆で協力することが出来ないので、一つの胴体にたくさん鼻が生えた象の粘土細工が出来上がる、そこに引っ掛けて、皆さんの演奏がとても協力的、協調性がありすぎる、つまり「一人一人の対比や対立、アピール」という要素がもっと欲しい、ということを伝えるための言葉だったそうだ。
表面上は謙虚ながらも、音楽に対する深い洞察力を持ち、喩え話も面白く、一筋縄ではいかない思考の回転の速さを持つ方だ、と感じる(深石先生に限らず音楽を専門とする方々って、物凄く明晰な思考を持っている方が多いのだが)。2015年、ひょんなことから久々にお話することができたのだが、短い時間ながら、またお話出来てとても感動してしまったのだった。
さて、深石先生、お話するのも面白いが、書く文章も実に含蓄があって面白い。しかも、幸いなことにウェブサイトを公開しておられる。
→http://sound.jp/sotaeuph/index.html
大長編「ユーフォニアムについて」は、ユーフォニアムという楽器に関する一大資料だ。ウェブ上に、ここまでこの楽器についてしっかりまとまった資料って他になさそう。ぜひ一読いただくことをおすすめする。
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