2005/10/12

四重奏協奏曲集

「SAXILAND(Corelia CC 802874)」はディアフェーズ四重奏団がフォーラム・シンフォニエッタの伴奏で演奏した四重奏+オーケストラという珍しいCD。デュボワやカルメルといったこの形態ならばおなじみの作品や、吹奏楽の世界でも有名なフェランの委嘱作品(世界初録音)が収録されている。

同じようなコンセプトのCDに、キャトゥル・ロゾーの「25年の軌跡(Brain OSBR 17060,17060)」に収録された東フィルとのライブ版があるが、デュボワとカルメルがまるで同じ曲には聴こえないのが面白い。キャトゥル・ロゾーが厚みのある弦楽器の上で丁丁発止の演奏を繰り広げたかと思えば、ディアフェーズは精密に揃った薄めの伴奏の上で、これまた精密に揃ったアンサンブルを創ってゆく。私はキャトゥルの豪快さと分厚い弦の響きが堪能できる演奏が好きだが、どちらが良いかは好みだろう。ブートリの「スケッチ」のエスプリの再現は見事だし、世界初録音のフェラン「SAXILAD」も軽快なメロディを持つ佳作。

オーケストラと四重奏のバランスの良さは特筆できよう。レコーディングの写真を見ると、四重奏はストリング群から少し離れたところで別マイクで録音しているようだ。ここまで精密なバランスを取ったレコーディング・エンジニアに拍手。若干音場が遠い気もするが…。

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