2017/06/21

録音環境

Zoom H4n + Rode NT5 Matched Pair

合わせて5万円程度の安価な環境だが、ずいぶんと高い解像度で録音できるため気に入っている。NT5を音源方向に向け、さらにH4nの内蔵マイクを、音源方向とは逆に向けて残響を収録する、計4chの録音。あとからPC上でミキシングして、良いバランスを見つけ出して、マスタリングする。

2017/06/18

ジェローム・ララン「Hikari」

フランスのサクソフォン奏者、おなじみジェローム・ララン Jérôme Laran氏のCD。タイトルの「Hikari」とは、アルバムに収録された佐藤聰明氏の作品で、ジャケットやプログラム構成など、その響きから連想されるようなコンセプトで組み立てられているように思える。

「Hikari(Klarthe Records)」
Jérôme Laran, sax
Michaël Ertzscheid, pf
1. Sômei Satoh - Hikari
2. Barry Cockcroft - Melbourne Sonata
3. Arvo Pärt -Spiegel im Spiegel
4. Graham Fitkin - Gate
5. Ross Edwards - Raft Song at Sunrise
6. Bajlinder Singh Sekhon II - Gradient
7. Olivier Messiaens - Louange à l'éternité de Jésus

透明感のある演奏。それは、音色や音楽作りだけではなく、プログラミングによるところも大きいと思う。ポスト・ミニマルとも形容できる作品が目立つが、ともすればサクソフォンで演奏する時、演奏技術的に無理のある形になってしまうこれらの作品を、鮮やかに演奏しているのはさすがである。冒頭から聴き進めるに従い、"サクソフォンを聴いている"という意識が、徐々に薄れていって、アルヴォ・ペルトやメシアンあたりでは、周囲環境からメロディと和音だけが聴こえてくるような…不思議な感覚を得ることができる。

ガツンと響く聴きモノは、フィトキン、セコーン。フィトキンは最近、日本国内でも人気が出てきたのは嬉しい限り。フィトキンならではの厚みのある和音に、ジェローム氏が吹くサクソフォンの闊達なフレージングが絡む様子が爽快そのものだ。セコーンは、絶妙なバランスで特殊奏法が交えられた作品であるが、それを(ものともせずに)作品の構成感やリズムの面白さを伝えることに徹しているジェローム氏の演奏、さすがである。

アルバム中の白眉として、コッククロフトを挙げておこう。この超高難易度のスコアをスラスラと見事に演奏している様子など、なかなか聴けるものではない。"普通に聴こえる"ために必要な演奏技術は、いかばかりだろうか。そういえばジェローム氏、2015年のコングレスではコッククロフト氏とともにデュオのステージを踏んでおり「E2udes」という作品を演奏していた。仲がいいのだろうなあ。

ジェローム氏名義で制作されたアルバムは、これまで3枚。メイヤー財団の助成を受けて制作された「Paysages Lointains」、Cafuaから出版された「Impressions d'Automne」、そして今回の「Hikari」である。それぞれのCDが独特の魅力を放つが、非常に尖った「Paysages Lointains」、スタンダードな内容を揃えた「Impressions d'Automne」の、いずれにも属さない第3の方向性をアルバムにて提示してきたようだ。多忙を極めるジェローム氏だが、ますます今後の活動に注目していきたい。

Ensemble_TSUKUBA #3

【ensemble_TSUKUBA(アンサンブル_ツクバ)コンサート#3】
日時:2017年5月27日(土)16:00開場16:30開演
会場:つくばカピオ・ホール
料金:入場無料
プログラム:
フェリックス・メンデルスゾーン「管楽のための序曲」
木下正道「森の情景 三連画」(委嘱作品・初演)
木下正道「アインシュテュルツェンデ・ゴルトベルク」(委嘱作品・初演)
ヨハン=ゼバスチャン・バッハ/アルフレッド・リード「来たれ、甘き死よ」
http://www.en29.org/

だいぶ日が経ってしまった…テナーサクソフォンで演奏に参加した。吹奏楽で、このような演奏会(プログラム構成や、初演作品の多さ的な意味で)に乗ることは、非常に稀なことであり、単なる"吹奏楽の演奏会への参加"とは一線を画する体験だった。

2017/05/26

演奏会ご案内:Ensemble_TSUKUBA #3

出演する予定の吹奏楽の演奏会@つくば市のことをご案内。

【ensemble_TSUKUBA(アンサンブル_ツクバ)コンサート#3】
日時:2017年5月27日(土)16:00開場16:30開演
会場:つくばカピオ・ホール
料金:入場無料
プログラム:
フェリックス・メンデルスゾーン「管楽のための序曲」
木下正道「森の情景 三連画」(委嘱作品・初演)
木下正道「アインシュテュルツェンデ・ゴルトベルク」(委嘱作品・初演)
http://www.en29.org/

私の4つ~5つ上の大学の先輩方が中心となって結成されたensemble_TSUKUBAが、14年ぶりに復活、メンバーも新たに、明日コンサートを行う。委嘱作品を2つ取り上げるという、かなりボリューム感のある内容。久々ということで音楽作りも、宣伝もなかなかに苦労しているのだが、ぜひ聴きに来ていただければ幸い。

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多分にもれず、中学高校大学と、吹奏楽に関わってきた身としては、いわゆる一般的な「吹奏楽」が持つ楽しさや充足感に入り浸っていた一方、ある程度の本番をくぐり抜けると、テナーサクソフォンやバリトンサクソフォンで「吹奏楽」に参加することの虚無感を味わうことは多かった。特にクラシック作品においてこれらの楽器に割り当てられる音符たちは、どうも意味を感じるものが僅少であり(もちろん充実した音符を与えられることもあるのだが)、吹いていてそれらを無難に吹いていくことがほとんどだった。その後はまったのがサクソフォン四重奏だったのだが、ここでは吹奏楽では決して与えられることのない役割を楽しんでいたのだと思う。

今回(きっかけは別だが、結果的に)この団体が持つコンセプトに惹かれ、参加することとなった。古典作品を、現代の作曲家に依頼して再構成する、というプロセスを経て、果たしてテナーサクソフォンがどのような位置を占めるのか、その役割が気になったのだ。出来上がった楽譜を見て戦慄し、余裕がなくぎりぎりの箇所で吹いているのだが…。担当するテナーサクソフォンのみならず、全体の響きも、"創作"編曲そのものも、とても面白く楽しいものになっており、実際の音楽ができ上がってくるにつれてワクワク感が増している次第。

最後に、「アインシュテュルツェンデ・ゴルトベルク」について、簡単に…。バッハの名曲「ゴルトベルク変奏曲」を基にした、創作編曲である。アインシュテュルツェンデ、とは、ドイツのノイズ音楽バンドの名前だが、その印象を引っ張って?「崩れ落ちるゴルトベルク」という邦題が付く。原曲から、アリアといくつかの変奏がピックアップされている。最初、バス主題とアリアが原曲に忠実な形で管楽アンサンブルによって演奏されたかと思うと、変奏が進むに従って少しずつ別の要素が加えられていく、というもの。楽章が進むと"創作"感がさらに増し、ほぼ別の作品のような構成・和声・旋律となる。最終楽章は、打楽器も活躍する驚きの疾走感(演奏者は相当苦労するが…)で、爆発と収束を繰り返しながら最後のクォドリベットと最終アリアを導き出す…というもの。面白そうでしょう。

2017/05/25

The SAX Vol.83に寄稿

5/25発売のThe SAX Vol.83に、The Rev Saxophone Quartetの演奏会(ミューザ川崎 ランチタイムコンサートとミューザ川崎 Night Concert 60)のレビューを1200字で程度で寄稿した。昨年の引っ越しのせいか、まだ献本が到着せず中身は未確認だが(笑)。

1200字にどう収めるかということに苦労し、巡り巡って回りくどい表現を多用してしまったのだが、一言で表すのは難しいほど、素晴らしい演奏だった、ということで…(言い訳)。

本号に関する内容の概要は、以下のリンクより参照できる。
http://www.alsoj.net/store/view/S83.html

Amazonからの購入リンクはこちら:
http://amzn.to/2qfKQwE

2017/05/22

第8回サクソフォン交流会 in 長野

先週土曜は、長野市芸術館で開かれた第8回サクソフォン交流会に、事務局メンバーとして、また、シェラトン・カルテットのメンバーとして参加した。リハーサルから本番、打ち上げと、大きなトラブルもなく、無事に全日程が終了。

遠隔地での開催は、とにかく現地協力団体の方々の働きに依るところが大きい。そのような意味では、第4回のまいまいさん率いるカキツバタさん、第6回のきんじさん率いるダッパーさん、そして今回のUさん率いるMiSTさん、それぞれ、10をお願いして20くらい返ってくる、くらいの働きをしてくださるのだ。タスク量が増え、メールとファイルが飛び交う中、今回もまた、成功へと導いていただいた。本当に感謝、感謝だ。また、関東側の事務局メンバーも、このメンバーで失敗するはずがない、という各自最もノウハウを持つ箇所を担当するような布陣で固めたことも、良かったと思う。

原先生に加え、川島さん、村田さん、という、素晴らしい奏者・作編曲家に参画いただいたことも、大変ありがたかった。プーランクの鮮烈そのもの、という演奏は、それまでの空気を一変させるほどのもの。これは生で、そしてあのホールで聴けて良かった!ガーシュウィンのメドレー「ガーシュウィン・リズミクス」は、バックバンドもかなりの難曲に仕上がったのだが、ソロのお2人の素晴らしさ、村田さんの粘り強い指導と、個人参加者の集中力の高さのおかげで、なんとか演奏まで持っていけたこと、嬉しく思う。また、「信濃の国」のアレンジ、というアイディアも(どこから湧いて出たのか忘れたが)、結果的に村田さんの筆致や原先生の指導で演奏までこぎつけ、打ち上げでメロディを全員が合唱できる程度には印象に残った…という、なんだか可笑しくも面白いことになったのだった。

各アンサンブル団体のレベルの高さ(全員、ココ一番、という気合いの入った曲を持ってくる)も、例年のごとくで、長丁場だったが、飽きることは全くなく、楽しく聴くことができた。個人的な一番のヒットはラフォーレSEだなあ。まさかのラゴ「Ciudades」を、特殊奏法含め鮮やかに聴かせる手腕には恐れ入った。シェラトンは、演奏しながらの高揚感が凄かった(最後は超走った笑)が、ピアノとのアンサンブルでの、内声の音程のとり方はもう少し研究の余地あり(四重奏吹いている感覚ではだめだ…)。とはいえ、楽しく演奏できたのは、編曲の素晴らしさ、ピアノの素晴らしさ、気遣いなく付き合えるメンバーのおかげだ。

単身の長野旅行、ということで、子どもをほったらかし(妻とともに妻方のご実家にあずけるという…)家族には迷惑をかけまくってしまった。そんなことを許して送り出してくれる家族に感謝。家庭あっての趣味だからなあ。

さて、次は第9回。事務局メンバー絶賛募集中(←重要)。

【第8回サクソフォン交流会 in 長野】
日時:2017年5月20日(土) 12:45開場 13:00開演
会場:長野市芸術館・リサイタルホール(→長野市芸術館サイト 長野県長野市長野駅付近)
アドバイザー・指揮:原博巳
ゲスト:川島亜子、村田淳一
内容:
1)アンサンブルステージ
全国から集まったサクソフォンアンサンブルがそれぞれ演奏を披露するステージです。
参加団体:
サクソフォーンアンサンブルの会(東京都)
ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー(埼玉県)
シェラトン・カルテット(東京都)
ダッパーサクセーバーズ(香川県)
浜松サクソフォンクラブ(静岡県)
ちあきひと(東京都)
ラフォーレサクソフォンアンサンブル(東京都)
Business Class Saxophone Ensemble(東京都)
lalala 雷鳥カルテット(長野県)
MiST Saxophone Ensemble(長野県)
Saxofono Rosso(東京都)
Saxophone Laboratory ~さきそーら~ meets mcken(東京都)
2)企画ステージ
長野の愛好家と全国の個人参加者による演奏~原博巳先生とゲスト奏者を迎えて~
独奏:原博巳、川島亜子
F.プーランク - 2本のクラリネットのためのソナタ
G.ガーシュウィン/村田淳一 - ガーシュウィン・リズミクス(指揮:村田淳一)
3)全員合奏ステージ(指揮:原博巳)
和泉宏隆 - オーメンズ・オブ・ラブ
北村季晴/村田淳一 - 長野県歌「信濃の国」


2017/05/21

第9回大阪国際室内楽コンクール第二部門、本選結果

大阪国際室内楽コンクール第二部門、本選の審査結果が発表された。

第2部門(木管五重奏、サクソフォン四重奏、金管五重奏)
1.ザイーハ四重奏(フランス)
2.ニオベ・サクソフォン四重奏団(フランス)
3.パリ・ローカル金管五重奏団(フランス)
3.クンスト・クィンテット(ドイツ)