河口湖に昨日より1泊し、明けて本日は河口湖から鈍行列車で岡谷へ。PCを開いて文字書きをしつつ過ごしていたが、4時間くらいかかったかな。さすがに腰が痛くなった。
【カノラータ・オーケストラ第15回定期演奏会】
出演:カノラータ・オーケストラ、鈴木竜哉(指揮)
日時:2016年7月17日(日曜)14:00開演
会場:カノラホール・大ホール(長野県岡谷市)
プログラム:
C.M.v.ウェーバー - 歌劇「オベロン」序曲
F.シューベルト - 交響曲第2番
J.ブラームス - 交響曲第1番
岡谷のカノラホールを拠点に活動するアマチュアのオーケストラ。妹が乗っているのと、数年前より鈴木先生(大学時代にお世話になった)が指揮者に就任した、ということで、聴きに行きたいと思っていたのだ。人数は都内のアマオケと比べると多くはないのだが、広いホールをしっかり鳴らしていた。
交響曲を2曲とはなかなかヘヴィなプログラムだが、特にブラームスが素晴らしかった、というか、ブラームスへの気合いの入れ方が他の2曲と比べて別格だったと思う。特に第1楽章の集中力、第3楽章から第4楽章にかけてのクライマックスへの持って行き方、構成感には興奮させられた。奏者のパワーのみならず、鈴木先生の手腕によるところも大きいだろう。独奏によって、安定度にムラがある(もちろん上手い方は上手い)のは、アマチュアオケあるある、かなあ。オーケストラの中の独奏は難しいですね…やったことないけど。
それにしても、久々のカノラホールだったなあ。関東近郊以外でも、こうやって積極的に活動している団体を聴き、様々に思い巡らせることがあったのだった。
2016/07/17
2016/07/15
Trio "Airs"の演奏会
国外で学んだ奏者や、国外生まれの奏者の演奏を聴くのは面白い。今日の演奏会中のトークでも少し話題に上っていたが、普段我々が触れている、日本の文化や言語とは、全く違ったバックグラウンドは、演奏に如実に表出するものだと思うのだ。今年に入ってからヴァンサン・ダヴィッド氏、ミーハ・ロギーナ氏、ジュリアン・プティ氏、ニキータ・ズィミン氏など、国外奏者を聴く機会に幸運にも多く恵まれているが、そういった中で耳を柔軟にしていくことも、聴き手としては必要なことだろう。
【音のパレット番外編:若手音楽家シリーズVol.1 フランスの風に吹かれて Trio "Airs"】
出演:小澤瑠衣、ロマン・フルニエ(以上sax)、宮野志織(pf)
日時:2016年7月15日(金曜)19:00開演
会場:横浜市磯子区民文化センター杉田劇場 コスモス
プログラム:
D.ミヨー - スカラムーシュ(小澤、宮野)
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタより第1,2楽章(フルニエ、宮野)
P.ヒンデミット - コンチェルトシュトゥック(小澤、フルニエ)
オムニバス - 日本の歌メドレー(小澤、フルニエ)
C.ドビュッシー - 喜びの島(宮野)
J.イベール - 2つの間奏曲(小澤、フルニエ、宮野)
J.ドゥメルスマン - ファンタジー・コンチェルタント(小澤、フルニエ、宮野)
C.ケックラン - ジーン・ハーロウの墓碑銘(小澤、フルニエ、宮野)(アンコール)
独奏で演奏されたミヨー、フランクは、上述したような特徴が特に表れていた。会場がそこまで大きくないせいか、奏者の息遣いや繊細なコントロールが良く聴こえてくる。なかでも、聴いて(観て)面白かったのは、サクソフォンのみで演奏されたヒンデミットと日本の童謡メドレー。 ここまで濃密なアンサンブルはちょっと久々に聴いたかもしれないな(笑)。取り巻きがいない(ピアノがいない)、いち奏者といち奏者の純粋な組み合わせは、その人間関係が演奏にもやはりにじみ出るようだ、と感じ入ったのだった。
また、フルート、オーボエ、ピアノのために書かれたというドゥメルスマンの作品が、いかにもヴィルトゥオーゾ・スタイル、という趣で聴き応えがあった。瑠衣さんもロマン氏もすらすらとフラジオまで駆け上り、難度の高いフレーズを連発していた。アンコールは、フルートパートをソプラノサクソフォンに置き換えた「ジーン・ハーロウの墓碑銘」。
客層は、サクソフォン関係者はあまりおらず、地元の方が多かったかな。こういうときの客席の反応って、普段自分自身が面白いと思う箇所から少し外れたところにあるのだから、興味深い。そこにツボがあるのか!と驚くことしばしば。休憩なし留学エピソードに関するトークをは挟みながらのコンサートだったが、こういったスタイルもまた良さがあるものだ。
【音のパレット番外編:若手音楽家シリーズVol.1 フランスの風に吹かれて Trio "Airs"】
出演:小澤瑠衣、ロマン・フルニエ(以上sax)、宮野志織(pf)
日時:2016年7月15日(金曜)19:00開演
会場:横浜市磯子区民文化センター杉田劇場 コスモス
プログラム:
D.ミヨー - スカラムーシュ(小澤、宮野)
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタより第1,2楽章(フルニエ、宮野)
P.ヒンデミット - コンチェルトシュトゥック(小澤、フルニエ)
オムニバス - 日本の歌メドレー(小澤、フルニエ)
C.ドビュッシー - 喜びの島(宮野)
J.イベール - 2つの間奏曲(小澤、フルニエ、宮野)
J.ドゥメルスマン - ファンタジー・コンチェルタント(小澤、フルニエ、宮野)
C.ケックラン - ジーン・ハーロウの墓碑銘(小澤、フルニエ、宮野)(アンコール)
独奏で演奏されたミヨー、フランクは、上述したような特徴が特に表れていた。会場がそこまで大きくないせいか、奏者の息遣いや繊細なコントロールが良く聴こえてくる。なかでも、聴いて(観て)面白かったのは、サクソフォンのみで演奏されたヒンデミットと日本の童謡メドレー。 ここまで濃密なアンサンブルはちょっと久々に聴いたかもしれないな(笑)。取り巻きがいない(ピアノがいない)、いち奏者といち奏者の純粋な組み合わせは、その人間関係が演奏にもやはりにじみ出るようだ、と感じ入ったのだった。
また、フルート、オーボエ、ピアノのために書かれたというドゥメルスマンの作品が、いかにもヴィルトゥオーゾ・スタイル、という趣で聴き応えがあった。瑠衣さんもロマン氏もすらすらとフラジオまで駆け上り、難度の高いフレーズを連発していた。アンコールは、フルートパートをソプラノサクソフォンに置き換えた「ジーン・ハーロウの墓碑銘」。
客層は、サクソフォン関係者はあまりおらず、地元の方が多かったかな。こういうときの客席の反応って、普段自分自身が面白いと思う箇所から少し外れたところにあるのだから、興味深い。そこにツボがあるのか!と驚くことしばしば。休憩なし留学エピソードに関するトークをは挟みながらのコンサートだったが、こういったスタイルもまた良さがあるものだ。
2016/07/12
演奏会情報:Trio Airs演奏会
小澤瑠衣さんより演奏会をご案内頂いた。共演は、サクソフォンのロマン・フルニエ Romain FOURNIER氏と、ピアノの宮野志織氏。
小澤瑠衣さんの名前はいまさら改めて紹介するまでもないが、フルニエ氏の名前はまだあまり知られていないので、簡単に書いておこう。1993年生まれ(若い!)のフランス出身のサクソフォン奏者。ブーローニュ音楽院、セルジー・ポントワーズ音楽院を経て、パリ国立高等音楽院へ入学。パリ管やシャトレ座管等へ呼ばれているほか、Aeolus国際コンクール等で入賞している。来日は昨年に引き続き、2度目となる。
今回、私は杉田劇場の演奏会に行く予定。ざっと見た感じ、プログラムはスタンダードそのもの、という印象だが、若い感性でそれらの作品がどのように料理されるのか、楽しみだ。
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~(杉田劇場主催公演)】
日時:2016年7月15日(金)19:00開演
会場:横浜市磯子区民センター杉田劇場コスモス
料金:一般2500円(全席自由)
プログラム:
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
D.ミヨー - スカラムーシュ
オムニバス - 日本の歌メドレー 他
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~(汐留ホール木曜日の調べ)】
日時:2016年7月21日(木)19:00開演
料金:一般2500円
プログラム:
C.ケックラン - ジーン・ハーロウの墓標
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
D.べダール - ファンタジー
C.ドビュッシー - 喜びの島 他
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~】
日時:2016年7月24日(日)16:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
料金:一般2000円 高校生以下1500円
プログラム:
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
A.ハチャトゥリアン - ヴァイオリン・ソナタ第1楽章
J.ドゥメルスマン - 協奏的幻想曲作品36
P.ヒンデミット - コンチェルトシュテュック
J.イベール - 2つの間奏曲 他
小澤瑠衣さんの名前はいまさら改めて紹介するまでもないが、フルニエ氏の名前はまだあまり知られていないので、簡単に書いておこう。1993年生まれ(若い!)のフランス出身のサクソフォン奏者。ブーローニュ音楽院、セルジー・ポントワーズ音楽院を経て、パリ国立高等音楽院へ入学。パリ管やシャトレ座管等へ呼ばれているほか、Aeolus国際コンクール等で入賞している。来日は昨年に引き続き、2度目となる。
今回、私は杉田劇場の演奏会に行く予定。ざっと見た感じ、プログラムはスタンダードそのもの、という印象だが、若い感性でそれらの作品がどのように料理されるのか、楽しみだ。
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~(杉田劇場主催公演)】
日時:2016年7月15日(金)19:00開演
会場:横浜市磯子区民センター杉田劇場コスモス
料金:一般2500円(全席自由)
プログラム:
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
D.ミヨー - スカラムーシュ
オムニバス - 日本の歌メドレー 他
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~(汐留ホール木曜日の調べ)】
日時:2016年7月21日(木)19:00開演
料金:一般2500円
プログラム:
C.ケックラン - ジーン・ハーロウの墓標
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
D.べダール - ファンタジー
C.ドビュッシー - 喜びの島 他
【フランスの風に吹かれて~Trio "Airs"~】
日時:2016年7月24日(日)16:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
料金:一般2000円 高校生以下1500円
プログラム:
C.フランク - ソナタ第1,2楽章
A.ハチャトゥリアン - ヴァイオリン・ソナタ第1楽章
J.ドゥメルスマン - 協奏的幻想曲作品36
P.ヒンデミット - コンチェルトシュテュック
J.イベール - 2つの間奏曲 他
ラベル:
情報
2016/07/10
Fitkin Project@Guildhall School of Music & Drama
グラハム・フィトキン Graham Fitkin氏は、イギリスの現代作曲家。ミニマル・ミュージックの手法を拡張したポスト・ミニマル的な作風が特徴。ジャズ等に影響を受けた、非常に厚みのある和声と、推進力のあるリズム。サクソフォンにも四重奏のための「STUB」や、ソプラノサクソフォンと2台ピアノのための「Hard Fairy」等を提供している。
もう3年前だが、イギリスのギルドホール音楽院で「Fitkin Project」なる、フィトキン氏の個展が開かれたそうだ。すべてサクソフォンを含む編成による演奏で、「ARACT」「Hard Fairy」「Sciosophy」「Jim & Pam & Pam & Jim」「Passing」「CUD」といった作品が演奏されたようだ。その、ダイジェスト演奏の模様がYouTubeにアップされている。演奏クオリティは少々厳しい部分もあるのだが(フィトキン氏の作品は、聴いたら心地よいのだが演奏するとめっぽう難しい)、個人的に非常に魅力的なコンサートで、この場にいたかったなあと思わせる内容だ。
もう3年前だが、イギリスのギルドホール音楽院で「Fitkin Project」なる、フィトキン氏の個展が開かれたそうだ。すべてサクソフォンを含む編成による演奏で、「ARACT」「Hard Fairy」「Sciosophy」「Jim & Pam & Pam & Jim」「Passing」「CUD」といった作品が演奏されたようだ。その、ダイジェスト演奏の模様がYouTubeにアップされている。演奏クオリティは少々厳しい部分もあるのだが(フィトキン氏の作品は、聴いたら心地よいのだが演奏するとめっぽう難しい)、個人的に非常に魅力的なコンサートで、この場にいたかったなあと思わせる内容だ。
デアクライス・ブラスオルケスター 第7回定期演奏会
雨の降りしきるなか、デアクライス・ブラスオルケスターの定期演奏会を聴きに伺った。文京シビックホールは、以前プリモアンサンブル東京の演奏会を聴いて以来。客席の椅子の角度が不思議ですよね(笑)。
【デアクライス・ブラスオルケスター 第7回定期演奏会】
出演:佐川聖二(指揮)、デアクライス・ブラスオルケスター
日時:2016年7月9日(土)14:00開演
会場:文京シビックホール大ホール
プログラム:
酒井格 - たなばた
矢藤学 - マーチ・スカイブルー・ドリーム
樽屋雅徳 - 白磁の月の輝宮夜
G.プッチーニ/後藤洋 - 歌劇「蝶々夫人」より
S.バーバー/C.カスター - アダージョ
O.レスピーギ/木村吉宏 - バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
真島俊夫 - シーガル(クラリネット:佐川聖二)(アンコール)
真島俊夫 - 五月の風(アンコール)
この団体の演奏は、佐川聖二氏の還暦記念コンサートにて聴いたことがあった。当時、まだ結成1年足らずだったはずだが、よく練られたサウンドに感銘を受けた覚えがある。その印象は、今回の演奏会においても変わること無く、さらに安定度や地力の高さに印象的を受けた。木管、金管、打楽器ととにかく基礎的な鳴りやアタックについて隙がなく、とにかく「上手い」と思えるバンドだ。とても広いホールだが、しっかりと響きを会場に満たしている。
佐川氏の的確なバトン。さすが吹奏楽界を代表する指揮者のひとりだ。じっくり振り方を観察しても、特別なことをやっているようには見えないのだが、瞬間瞬間のバランスの作り方が絶妙。ポリフォニックに織りなされる各フレーズの、特に裏で鳴っている対旋律を前面に押し出すような作り方が心地良い。その対旋律の、フレーズの持続性を重視しているようにも聴こえる。
特に吹奏楽コンクール向けに取り組んでいると思われる矢藤作品と樽屋作品、そしてメインのレスピーギ作品は、完成度の高さが伝わってきた。「白磁の月の輝宮夜」は、断片的なフレーズが徐々に集積されて、クライマックスを形作る、とにかく演奏者側にとっては演奏に難儀する作品だと思うのだが、バンドの性能もあって、高い完成度に仕上がっていた。「シバの女王ベルキス」は、輝かしい音が響いたパワー系の部分はもちろん、繊細なソロなども聴き応えがあり、メインに相応しい内容だった。ところで、フルートが樽屋&レスピーギ作品で何度かソロを取っていたが、安定的かつ規範となるような演奏で、唸らされたのだった。
アンコールは真島俊夫氏追悼。佐川氏がクラリネットを持ってサクソフォン協奏曲「Birds」から「シーガル」を演奏するというのには驚かされたが、感動的というか、ちょっと感じたことのない心の動かされ方をした。ここぞ、という箇所で織り込まれるヴィブラートまでをも交え…クラリネットって魅力的だ。「五月の風」も、久々に聴いたが良い作品だ。
ということで、大満足の演奏会。願わくば、これだけ質の高い演奏ができるのであれば、取り上げる作品についてもさらなるコダワリが欲しいな。吹奏楽は久々に聴いたが、やはり作品や編曲によって良し悪しがあるというか…いやまあどの世界でもそうなのだが。
いやー、でも吹奏楽、良いですね。これだけ良い演奏を聴くと、何だか自分も吹きたくなってしまうなあ。
【デアクライス・ブラスオルケスター 第7回定期演奏会】
出演:佐川聖二(指揮)、デアクライス・ブラスオルケスター
日時:2016年7月9日(土)14:00開演
会場:文京シビックホール大ホール
プログラム:
酒井格 - たなばた
矢藤学 - マーチ・スカイブルー・ドリーム
樽屋雅徳 - 白磁の月の輝宮夜
G.プッチーニ/後藤洋 - 歌劇「蝶々夫人」より
S.バーバー/C.カスター - アダージョ
O.レスピーギ/木村吉宏 - バレエ組曲「シバの女王ベルキス」
真島俊夫 - シーガル(クラリネット:佐川聖二)(アンコール)
真島俊夫 - 五月の風(アンコール)
この団体の演奏は、佐川聖二氏の還暦記念コンサートにて聴いたことがあった。当時、まだ結成1年足らずだったはずだが、よく練られたサウンドに感銘を受けた覚えがある。その印象は、今回の演奏会においても変わること無く、さらに安定度や地力の高さに印象的を受けた。木管、金管、打楽器ととにかく基礎的な鳴りやアタックについて隙がなく、とにかく「上手い」と思えるバンドだ。とても広いホールだが、しっかりと響きを会場に満たしている。
佐川氏の的確なバトン。さすが吹奏楽界を代表する指揮者のひとりだ。じっくり振り方を観察しても、特別なことをやっているようには見えないのだが、瞬間瞬間のバランスの作り方が絶妙。ポリフォニックに織りなされる各フレーズの、特に裏で鳴っている対旋律を前面に押し出すような作り方が心地良い。その対旋律の、フレーズの持続性を重視しているようにも聴こえる。
特に吹奏楽コンクール向けに取り組んでいると思われる矢藤作品と樽屋作品、そしてメインのレスピーギ作品は、完成度の高さが伝わってきた。「白磁の月の輝宮夜」は、断片的なフレーズが徐々に集積されて、クライマックスを形作る、とにかく演奏者側にとっては演奏に難儀する作品だと思うのだが、バンドの性能もあって、高い完成度に仕上がっていた。「シバの女王ベルキス」は、輝かしい音が響いたパワー系の部分はもちろん、繊細なソロなども聴き応えがあり、メインに相応しい内容だった。ところで、フルートが樽屋&レスピーギ作品で何度かソロを取っていたが、安定的かつ規範となるような演奏で、唸らされたのだった。
アンコールは真島俊夫氏追悼。佐川氏がクラリネットを持ってサクソフォン協奏曲「Birds」から「シーガル」を演奏するというのには驚かされたが、感動的というか、ちょっと感じたことのない心の動かされ方をした。ここぞ、という箇所で織り込まれるヴィブラートまでをも交え…クラリネットって魅力的だ。「五月の風」も、久々に聴いたが良い作品だ。
ということで、大満足の演奏会。願わくば、これだけ質の高い演奏ができるのであれば、取り上げる作品についてもさらなるコダワリが欲しいな。吹奏楽は久々に聴いたが、やはり作品や編曲によって良し悪しがあるというか…いやまあどの世界でもそうなのだが。
いやー、でも吹奏楽、良いですね。これだけ良い演奏を聴くと、何だか自分も吹きたくなってしまうなあ。
2016/07/04
アポロSQ plays ベネット「四重奏曲」 on YouTube
イギリスのアポロサクソフォン四重奏団は、これまでに様々な作品を委嘱/献呈&初演しているが、その中でも重要な作品のひとつとして、リチャード・ロドニー・ベネット Richard Rodney Bennett「四重奏曲」がある。同団体のアルバム「worksforus」に収録されているほか、アポロ四重奏団以外にも取り上げる団体があり、日本で聴く機会も増えてきている。
初演者であるアポロ四重奏団が、昨年のRNCM Saxophone Dayで、同作品を演奏した動画がYouTubeにアップロードされている。このキレキレ感と遠慮のない音色、そしてダイナミックな音楽作りを聴いて、アポロ四重奏団を初めて聴いた時(ナイマン「ソングス・フォー・トニー」だった)の衝撃を思い出した。
ベネット「四重奏曲」第1楽章
彼らのYouTubeアカウントには、他の楽章や、他の作品の演奏もアップされている。
初演者であるアポロ四重奏団が、昨年のRNCM Saxophone Dayで、同作品を演奏した動画がYouTubeにアップロードされている。このキレキレ感と遠慮のない音色、そしてダイナミックな音楽作りを聴いて、アポロ四重奏団を初めて聴いた時(ナイマン「ソングス・フォー・トニー」だった)の衝撃を思い出した。
ベネット「四重奏曲」第1楽章
彼らのYouTubeアカウントには、他の楽章や、他の作品の演奏もアップされている。
2016/07/02
松下洋サクソフォンリサイタルVol.5~ニキータ・ズィミン氏を迎えて~
JML1位とディナン1位の揃い踏み。お互いまだ20代とはいえ、それぞれが完成した世界観を持った、卓越した奏者である。その2名が同じステージに乗るのだから、凄くならないはずがない。
【松下洋サクソフォンリサイタルVol.5
~世界のサクソフォニストより II~
第6回アドルフ・サックス国際コンクール優勝者ニキータ・ズィミン氏を迎えて】
出演:松下洋、ニキータ・ズィミン Nikita Zimin(以上sax)、永井基慎(pf)
日時:2016年7月1日(金曜)19:00開演
会場:青葉台フィリアホール
プログラム:
B.セコーン - パズル・ソナタ
P.サラサーテ - ツィゴイネルワイゼン
旭井翔一 - ジャズ・ソナタ
A.ピアソラ - エスクァロ
A.ピアソラ - 悪魔のロマンス
F.プーランク - トリオ
P.ジュナン/旭井翔一 - ヴェニスの謝肉祭
松下くんは、セコーンの新作、そして旭井さんの名作を取り上げた。セコーンは、楽章ごとにやや取っ付きづらい部分も散見されるが、瞬間瞬間の響きや、聴衆をがっちり掴んで離さない響きの作り方が随所に見られる。特に、第2楽章の一部にはペンタトニック・スケールを利用した日本風なメロディまでも出現し、さらにサクソフォンのダーティな部分と美しい部分を上手に共存させている、佳作だと感じた。旭井さんの作品の面白さは、言わずもがな。特に第1楽章のすっきりとしたジャズ風の部分など、爽快そのものである。
いずれも松下くんのキャラクターにとてもマッチしており、大きな振れ幅を各所に見事に当てはめ、作品の魅力を存分に引き出していた。期待通り、いや、毎度のことながら"期待以上!"(期待以上、って言葉で言うのは簡単だが、実際それをステージで出して聴衆に届けるのって凄いことで、並大抵の努力と才能ではできないものだと思う)のステージだった。
ニキータ氏は、サラサーテとピアソラという、アレンジ物の演奏。内容は、何かをスペシャルにするといったことはない、至極まっとうな編曲…しかしそれはすなわち、ヴァイオリン作品etc.をそのまま、忠実にサクソフォンで再現せねばならない、ということである。激烈な技術と安定性が求められる。
YouTubeなどで彼の演奏を聴くと、ロシアらしい(師匠のマルガリータ・シャポシュニコワに影響を受けたような)、非常にダイナミックで爆音系の音、というイメージを持っていたのだが、一発目の音から驚いた。瞬間瞬間に表情やアタックを変えていく、繊細な音楽作りが耳に残った。隣りにいたけいとさんと話したのだが、コンクールはやはりコンクール仕様のセッティング、また、マイク乗りが良い倍音構造など、そういったところも関係しているのかもしれない。もちろん、繊細なだけではない。実に深みのあるしなやかな音色。曲作りにおける大胆な立ち振舞い、超絶技巧(と感じさせないほど鮮やか)、ステージマナーなど、多くの点で完成された素晴らしい奏者だと思った。いやー、ライヴで聴けて良かった。
最後の3曲は、松下くん、ニキータ氏のデュオ。ピアソラの美しい作品で、軽くジャブを打ち、プーランクへ。サクソフォンデュオで演奏されすぎ、というほど演奏されているプーランクだが、本日のような演奏を聴くと、まだまだサクソフォンでも開拓の余地がある作品だと感じる。若さゆえのスリリングさと、互いを尊敬しあう幸福感を併せ持つ、稀有な演奏となった。
旭井さんがオブリガードを書いたという「ヴェニスの謝肉祭」は、これはもう言葉にするのが意味を成さないほど。「つべこべ言わず聴いてみてくれ、凄いから!」と、そんな感想しか書けない。敢えて言うなら、2人同時K点越え100連発、といったところだろうか(笑)。
アンコールは、ローゼンブラットのロシア民謡を、これまた超絶アレンジで。全編通して、心からブラヴォーを送った、そんな演奏会であった。また聴きたいなあ。ブログが饒舌になってしまった。
【松下洋サクソフォンリサイタルVol.5
~世界のサクソフォニストより II~
第6回アドルフ・サックス国際コンクール優勝者ニキータ・ズィミン氏を迎えて】
出演:松下洋、ニキータ・ズィミン Nikita Zimin(以上sax)、永井基慎(pf)
日時:2016年7月1日(金曜)19:00開演
会場:青葉台フィリアホール
プログラム:
B.セコーン - パズル・ソナタ
P.サラサーテ - ツィゴイネルワイゼン
旭井翔一 - ジャズ・ソナタ
A.ピアソラ - エスクァロ
A.ピアソラ - 悪魔のロマンス
F.プーランク - トリオ
P.ジュナン/旭井翔一 - ヴェニスの謝肉祭
松下くんは、セコーンの新作、そして旭井さんの名作を取り上げた。セコーンは、楽章ごとにやや取っ付きづらい部分も散見されるが、瞬間瞬間の響きや、聴衆をがっちり掴んで離さない響きの作り方が随所に見られる。特に、第2楽章の一部にはペンタトニック・スケールを利用した日本風なメロディまでも出現し、さらにサクソフォンのダーティな部分と美しい部分を上手に共存させている、佳作だと感じた。旭井さんの作品の面白さは、言わずもがな。特に第1楽章のすっきりとしたジャズ風の部分など、爽快そのものである。
いずれも松下くんのキャラクターにとてもマッチしており、大きな振れ幅を各所に見事に当てはめ、作品の魅力を存分に引き出していた。期待通り、いや、毎度のことながら"期待以上!"(期待以上、って言葉で言うのは簡単だが、実際それをステージで出して聴衆に届けるのって凄いことで、並大抵の努力と才能ではできないものだと思う)のステージだった。
ニキータ氏は、サラサーテとピアソラという、アレンジ物の演奏。内容は、何かをスペシャルにするといったことはない、至極まっとうな編曲…しかしそれはすなわち、ヴァイオリン作品etc.をそのまま、忠実にサクソフォンで再現せねばならない、ということである。激烈な技術と安定性が求められる。
YouTubeなどで彼の演奏を聴くと、ロシアらしい(師匠のマルガリータ・シャポシュニコワに影響を受けたような)、非常にダイナミックで爆音系の音、というイメージを持っていたのだが、一発目の音から驚いた。瞬間瞬間に表情やアタックを変えていく、繊細な音楽作りが耳に残った。隣りにいたけいとさんと話したのだが、コンクールはやはりコンクール仕様のセッティング、また、マイク乗りが良い倍音構造など、そういったところも関係しているのかもしれない。もちろん、繊細なだけではない。実に深みのあるしなやかな音色。曲作りにおける大胆な立ち振舞い、超絶技巧(と感じさせないほど鮮やか)、ステージマナーなど、多くの点で完成された素晴らしい奏者だと思った。いやー、ライヴで聴けて良かった。
最後の3曲は、松下くん、ニキータ氏のデュオ。ピアソラの美しい作品で、軽くジャブを打ち、プーランクへ。サクソフォンデュオで演奏されすぎ、というほど演奏されているプーランクだが、本日のような演奏を聴くと、まだまだサクソフォンでも開拓の余地がある作品だと感じる。若さゆえのスリリングさと、互いを尊敬しあう幸福感を併せ持つ、稀有な演奏となった。
旭井さんがオブリガードを書いたという「ヴェニスの謝肉祭」は、これはもう言葉にするのが意味を成さないほど。「つべこべ言わず聴いてみてくれ、凄いから!」と、そんな感想しか書けない。敢えて言うなら、2人同時K点越え100連発、といったところだろうか(笑)。
アンコールは、ローゼンブラットのロシア民謡を、これまた超絶アレンジで。全編通して、心からブラヴォーを送った、そんな演奏会であった。また聴きたいなあ。ブログが饒舌になってしまった。
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