2009/02/06

練習再開

修士論文の審査も終わったということで(まあまだ研究室の引継ぎとか残ってはいるが)、空いた時間を利用して演奏会の曲をさらっている。Tsukuba Saxophone Quartetの3/14の演奏会は、以前取り上げた曲を2曲ほど取り上げるので、まずはそれのさらいなおし。音運びは忘れていても、指のほうは覚えているもので、思ったより練習が早く進んでいる。

現在のところ、ほぼ確定しているプログラムは、
P.クレストン「ソナタ」
G.ロッシーニ「デュオ」
M.ブンス「ウォーターウィングス」
F.フェラン「ソナティナ"パールサックス"」
A.マルチェロ「協奏曲(フルート独奏:渡瀬英彦)」
D.マスランカ「レシテーション・ブック」

というところ。これに、楽譜やエレクトロニクスパートや演奏時間の問題で、あといくつかの曲が追加…されたりされなかったりする予定(「Vertical Study Time II」、「Buleria」、「Four 5」、「Tread on the Trail」あたり)。なんだか独奏が多いが、まあいつものことだ。曲想がばらついてしまったのは、今回はしょうがないと言えばしょうがない。準備期間も取れなかったし。

あー、アンコールもどうしようかなあ。そして…あああ、「ウォーターウィングス」のための、オーディオインタフェース買わないと(出費が…泣)。

個人的には、コンスタントに、一日2時間~3時間くらいは吹けるといいな。と言いつつも、日曜日の夜からは長野へスキー旅行に行ってくるけど。そちらはそちらで、たのしみー(^∀^)ノ

2009/02/05

修士論文審査

私の専門はコンピュータサイエンスで、それに関する論文の執筆と発表、単位の取得により、修士を得ることができるということになる。今日は自分の大学院卒業のための審査だった。おそらく、大丈夫だろう…。

これにて、小学校から続いてきた計18年間の勉強が終了となる。感慨深いことだ。これまで学業と課外活動を多くの面から支えてくださった両親に、まずは感謝したい。

2009/02/04

祝!

大学の吹奏楽団の同期の友人が、本日入籍したとのこと。結婚すると、家庭とかそんなちっぽけなものではなく、"小宇宙"が生まれる、と言ったのは誰だったっけ。本当に見ていて幸せそうで、結婚て凄いことなんだなあと思った。

おめでとうございます!

ぱぱぱぱーーん、ぱぱぱぱーーん、ぱぱぱぱん、ぱぱぱぱん…(結婚行進曲のつもり)

木下直人さんから(デファイエとロンデックスのCrest盤)

すでに頂戴していた2枚だが、今回の復刻完了にともない決定版として送っていただいた(ありがとうございます!)。Crestレーベルに吹き込まれた「Recital Series」と呼ばれる企画物のLPのうちの2枚。ここに復刻された2枚のCD-Rこそが、世界最高"レベル"どころではなく、これは間違いなく世界最高の復刻である。マスターテープは散逸してしまったという話なので、オリジナルを復刻することは不可能なのである。

「Daniel Deffayet Saxophone(Crest RE-7051)」
Daniel Deffayet ダニエル・デファイエ(sax)
Zita Carno ジータ・カルノ(pf.)
曲目:
R.Gallois-Montbrun - Six pieces musicales d'etudes
R.Boutry - Divertimento
C.Pascal - Sonatine
J.Rueff - Sonate seul

「Jean-Marie Londeix(Golden Crest RE-7066)」
Jean-Marie Londeix ジャン=マリー・ロンデックス(sax)
Anne-Marie SCHIELIN アンネ=マリー・シェリン(piano)
曲目:
C.Delvincourt - Croquembouches
A.Desenclos - Prelude, cadence et finale
L.Robert - Cadenza
D.Milhaud - Scaramouche
I.Markovitch - Complainte et danse

単に資料的価値に留まらず、演奏内容も素晴らしいものだ。デファイエとロンデックス、演奏家としての最盛期における、それぞれがそれぞれの十八番を取り上た渾身の一番といった感じで、甲乙付けがたい。現代では、この2枚を両方きちんと聴いたことがないサックス吹きって、けっこう多いんだろうなあ。実にもったいないことだ。サックスをやっているなら、つべこべ言わずにこの2枚を聴かなければ。

それぞれから一曲ずつ取り上げるなら…。

デファイエ演奏のブートリー「ディヴェルティメント」。こちらのページでは、DONAXさんによる「ディヴェルティメント」の描写が読めるが、とにかく考えられないほどの美しいリズムと響きを聴くことができる。一度聴いただけで、頭から離れなくなってしまう音楽だ。他の演奏者による「ディヴェルティメント」とは、雲泥の差だ…。デファイエは、第1回のワールドサクソフォンコングレスでも同曲を取り上げており、満を持してのレコーディングといったところだろう。

ロンデックス演奏のロベール「カデンツァ」。ロンデックスの演奏は、様々なところに残されているが、この演奏はその中でも集中力という点で最高峰に位置するもの。ロンデックスの演奏は、リズム処理が比較的甘いことが多いのだが、このLPの、特に「カデンツァ」での演奏はそんなことを微塵も感じさせない完成度。若さから来る天才的な閃きと、大御所としての風格を獲得しつつある部分が同居した、最高の演奏。

改めて聴いてみたが、やっぱりこの2枚は「サックスのレコード」という枠では、括ることができなさそうだ。

ジャケットの縮小コピーも、一緒に送っていただいた!

2009/02/03

藝大院の学位審査会

「平成20年度東京藝術大学大学院音楽研究科(修士課程)学位審査会公開演奏会」の最終日、管打楽器のセクションのうち、サクソフォンの演奏者は3名、10:00より30分ずつの持ち時間で各人が2曲を披露した。公開審査ということだったが、ぱっと見50人以上の聴衆が集まっていた。関係者が多かったかな?客席後方には、おそらく管楽器科の教授陣・講師陣である先生方が着席し、審査を行っていた。

石橋梓
E.デニゾフ - ソナタ
J.イベール - コンチェルティーノ(1920年代のアドルフ・サックス社製楽器を使用)

ピアノは羽石道代さん。デニゾフは、とてもスタイリッシュな演奏だった。ピアノとのアンサンブルの面でもかなり精度が高く、とても楽しめた。大好きな曲だが、実演を聴くたびにはっとさせられるなあ。こういう音楽を、いったいどのように着想するのだろうか。
イベールは、遠目で見ても非常に状態の良い古楽器を使用して演奏された。デニゾフと比較して、ヴィブラートを深めにして演奏しているように聴こえた。音色は、確かに現代の楽器とはかなり違うもの。演奏はどうなることかと思ったが、コントロールや音程の破綻は殆どなく、純粋に音色の美しさとイベール独特の軽やかさに酔いしれた。あわよくば、マウスピースやピアノも当時のものを使用したら面白かったかもしれない。

田村哲
D.ベダール - ファンタジー
M.ナイマン - 蜜蜂が踊る場所(マリンバ2台版)

ナイマンが素晴らしかった。およそ17分(スコアは30ページ!)に及ぶ大作だが、最後まで独奏、マリンバともに驚異的な集中力を維持していた。特に最後のコーダ部では、敷き詰められる大量の音符に、聴いているこちらが息をするのを忘れるほどであった。こりゃすごいや。
マリンバの素朴な音色の上で軽々と歌うサクソフォンは、さながらバレエのような情景を想起させる…っていうか、もともとバレエ音楽が基になっているんだっけ。同曲のマリンバ2台への編曲版(オリジナルではない)は、まだほとんど演奏されていないということだが、オーケストラ版の実演機会がないなかで、この名曲が広まるきっかけになってくれれば良いな、とも思った。
ベダールは、ソプラノサクソフォンの実演では今まで一回しか聴いたことがない曲だったが、すべての音域に渡る音色の美しさを堪能した。いかにもフランス産の一口菓子的なコンサート・ピースという趣で、もうちょっと重い曲(フィトキンの「Gate」とか)を聴いてみたかったなー、なんて。

伊藤あさぎ
野平一郎 - 舵手の書
A.カプレ - 伝説(室内オーケストラとの演奏)

「舵手の書」は、最近ドゥラングル教授のCDも発売されたばかりでかなり聴き込んでいるが、聴く度毎に新しい発見があり、素晴らしい名曲である。今日は、指定のメゾ=ソプラノではなく、ソプラノ歌手との演奏。サクソフォンの演奏(鬼気迫る!)が良かったのは言うまでもないが、デュエットのアンサンブルの妙を感じられたのも収穫だった。
カプレは…何よりもまず、今までこの曲ってサクソフォン協奏曲だと勘違いしていたのだが、そうか、室内オーケストラの作品だったのか!舞台下手より、vn, vn, va, vc, cb, fg, sax, cl, obと並び、サクソフォンはその室内アンサンブルの一員として神妙なアンサンブルを繰り広げていた(と言っても、こういう並びの中だと、やはりサクソフォンという楽器の雄弁さを再認識するのだが)。サクソフォンの他で印象に残ったのは:クラリネットの方がかなり上手かった。弦楽器の方は、トップの方は以前佐藤淳一さんの博士リサイタルで演奏しているところをお見かけしたような。コントラバスの音が、なんか妙にジャズっぽく聞こえて面白かった。…といったところ。

2009/02/02

UTSBアンサンブルコンサート2009

取り急ぎ、自分が参加した演奏の記録をリストアップしておく。感想等は後日。今年は珍しく、小編成のアンサンブルには参加しなかったな。

ビッグバンドで…(今年で6年目になるのか)
G.ガーシュウィン - 魅惑のリズム
C.コリア - ラ・フィエスタ

吹奏楽で…
小島里美編 - 童謡メドレー
J.ヴァン=デル=ロースト - カンタベリー・コラール
A.リード - アルメニアン・ダンスより"ロリの歌"
伊藤康英 - 吹奏楽のための祝祭曲"集え、祝え、歌え"
P.スパーク - ジュビリー序曲
福島弘和 - 稲穂の波
伊藤康英 - 舞子スプリングマーチ

2009/02/01

木下直人さんから(クリュイタンスのラヴェル全集)

アンドレ・クリュイタンスとパリ音楽院管弦楽団のコンビによるラヴェルの管弦楽作品全集(EMI)は、他を寄せ付けない圧倒的名演奏として、現在まで語り継がれている録音である。現在でもCDで入手可能であり(amazonへのリンク)、私もボレロやスペイン狂詩曲が入った盤は所持している。他の録音では聴けない圧倒的に煌びやかな音色、今では名実ともに失われてしまったパリ音楽院管弦楽団の、栄華の極み!その瞬間を捉えた録音だと言える。この演奏の前では、演奏技術的な問題などを気に留める暇もなく、ただただその音に身を委ねるのみである。そんなわけで、CDとして手に入りやすいこともあり、ラヴェル好きだったら一度は聴いておきたい音盤。

本全集は、まずはじめにイギリスのEMIにて「初版盤」がプレス&リリースされ、その後フランスEMI盤や国内盤が発売されていったという経緯があるそうだ。それぞれのプレスによる差異はかなりのものであり、その中でも初版の盤をめぐっては、オークションで時たま信じられないほどの高値がついているようだ(セットで数万円とか)。

今回、木下直人さんは、自身が所有するラヴェル全集の初版盤をトランスファーして送ってくださった(いつもありがとうございます!)。実は、購入されて以来全く針を通していなかったそうなのだが、復刻環境整備の完了に伴い、初めて再生を行ったそうだ。カートリッジを巡る試行錯誤や、装置のオーバーホールについては、多くの苦労話を聴かせてくださったのだが、今回のラヴェル全集の復刻は、まさに念願かなってのものとなったようだ。

そうそう、イギリス盤は、ボックスの表紙がこの青い踊り手(バレエ「ダフニスとクロエ」で使われた衣装)のジャケットなのだよな。バラ売りされたフランス盤は、たしか4人の踊り手がそれぞれ描かれているはずなのだが。このジャケット写真はインターネットから拾ってきたもので、左上に赤い「EMI」の刻印が見られる。送っていただいたジャケット写真の左上には、Columbiaのマークが刻印されていた(輸入盤だから、ということだろうか?)。全4枚で、収録曲は以下の通り。

Ravel Complete Orchestral Works (The Complete Orchestral Works of Maurice Ravel)
André Cluytens
Société des Concerts du Conservatoire

SAX 2476
Daphnis et Chloé - Ballet in one Act by Michel Fokine

SAX 2477
Boléro
Rapsodie espagnole
La valse

SAX 2478
Ma mère l'oye
Valses nobles et sentimentales

SAX 2479
Le tombeau de couperin
Menuet antique
Alborada del gracioso
Une barque sur l'ocean
Pavane pour une infante defunte

今日は一日、こればかり聴いて過ごしていたが、もう最高ですね!たぶん、一週間、二週間に渡ってこの4枚をずっと聴き続けたとしても飽きることはないだろう。この曲がこうだとか、あの曲がこうだとか、詳しく書くことすらはばかられる。ここに再現されているアトモスフェールを、ただただ享受するのみ。ちなみに、ボレロのサクソフォンはジャック・テリーとミシェル・ヌオーではないか、とのこと。確かに、ソプラノの音色はデファイエとはちょっと違うような感じがする。

そもそも、元の盤が近代クラシック音楽における最大の財産の一つなのである。そればかりか、木下さんがトランスファーしてくださったこのCD-Rは、盤がプレスされた当時の再生環境を最高の形で追い求めた結果だ。この4枚のCD-Rは、近代クラシック音楽の価値が凝縮され、21世紀という時代にそれが再現された、大変貴重なものなのである。

私のお知り合いで、興味がある方はメールをください(→kuri_saxo@yahoo.co.jp)。

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…それにしても、木下さんをはじめとする多くの方々から頂戴した数々の録音を引き継いでいけそうな人は誰かいないかな。こういった音楽に興味があって、もちろんそれだけではなく資料としてのアーカイヴの整理とデータ公開を積極的に行い、さらに次の世代に繋いでいってくれる人。そういった人が現れるまでは、このブログの更新を止めることはできない。

あと20年は待たないとダメだろうなあ。特に若い世代であるほど、近代フランス音楽の美意識を理解できるようになる土壌がないもんな。それにしても、自分がデファイエやミュールといったスタイルに取り憑かれたのは、いったいなぜだったのだろうか(取り憑かれたからこそ、このブログがあり、こういったご縁があるのだが…)。つくづく不思議なことだ。