マルセル・ミュール氏の録音の中でも、特に高名なSelmer盤(かつて、フランス・サクソフォン協会からASAX98という型番でCD化もなされている)の復刻盤を、木下直人さんに送っていただいた(いつも、ありがとうございます)。
P.クレストン - ソナタP.モーリス - プロヴァンスの風景
P.M.デュボワ - ディヴェルティスマン
E.グラナドス - ゴイエスカス
P.ボノー - ワルツ形式のカプリス
H.トマジ - ジラシオン
E.ボザ - カプリス
様々な形態で復刻されているが、それぞれの復刻ポリシーによって、少しずつ違う演奏に聴こえてくるのが実に面白い。音色や音の輪郭そのものにはエッジの効いた、眼前に迫るようなリアルさを感じるのだが、そのおかげでより各場面における違いが際立つ。
かつて、クレストンの冒頭を初めて聴いたとき「問答無用に感じた畏怖」のようなものは、ASAX98の復刻ポリシーによるものも大きかったのかもしれない。もう少し違う印象を持つようになったのは、大きな発見であった。
2 件のコメント:
フランスのモノラル期のイコライザーカーブはNABが多いのです。
それで、あえてピエールクレマンで再復刻してみました。
RIAAポジジョンしかないアンプの場合は、高域を減衰させれば良いのですが、出てくる音は低域が豊かになります。
仏コロンビア・グラモフォンのFALP,FCX盤もNABです。
ステレオ最初期のSAXFとASDF盤もNABでステレオ再生するとしっくりします。
英デッカの最初期SXL盤もNAB.
昔の管球式のコントロールアンプに音質コントロールが付いていたのは、自分でピタッと気に入った音に合わせるためです。
イコライザー不明盤を自分で好みに音を調節すると、結果ほぼ正確なイコライザーポジジョンになっていることが多いです。
市販のCDは音をいじりすぎているものが多く、結果こだわって自分で復刻するようになりました。
OLD COLUMBIAというイコライザーカーブは、米コロンビア盤対応のカーブです。
イコライザの話は興味深いです。RIAAしか分からないもので、NABというカーブの名前は初めて知りました。市場に出ている数ある復刻盤の中には、イコライザ設定を上手くできていないようなものもあるかもしれませんね。
DeccaやLondonは、Columbiaかffrrを使っていた、との記載を見つけましたが、木下さんがDeccaを復刻されるときにはどちらを使っているのでしょうか。もしくは、盤ごとに変えているのでしょうか。
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