マルセル・ペラン Marcel Perrinという奏者についてHarry R. Gee「Saxophone Soloists and Their Music」から経歴を引用する。
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1912年6月1日アルジェリアのアルジェ生まれ。幼少より著名なトランペット奏者であった父の手ほどきを受けた。アルジェ音楽院で学び、ヴァイオリン、サクソフォン、和声学、対位法でそれぞれ一等賞をエた。パリでマルセル・ミュールの下で学び、音楽教育学の教員免状を獲得。アルジェに戻り、サクソフォン講師、コンサートアーティストとして活動を始めた。1935年、アルジェ・サクソフォン四重奏団を結成、1962年までコンサートツアー、放送向け収録で活動。独奏者としては、妻のスザンヌ・ペラン・ヴァルスや、各地のオーケストラと共演しながら、1933年から1980年までベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、ポルトガル、スウェーデン、スイスなどを周遊した。この演奏活動が認められ、多くの作曲家から作品の献呈を受けている。さらに作曲、著作活動も展開し、1954年に出版された「Le saxophone」により教育功労賞を受賞した。フランス・サクソフォン界黎明期において、各国を周り演奏活動を行った奏者の一人である。
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よく知られたところでは、Marc Eychenne「Cantilene et Danse」を献呈され、また、Roger Calmelからも「Les Caracteres」というサクソフォン、フルート、ピアノのための作品を献呈されている。ペラン氏の名前をあまり知らなかったのだが、マルセル・ミュールと同時期に活動した奏者としては注目すべき奏者の一人であろう。
アフリカのアルジェリア出身、というのも驚いたが、1962年のエビアン協定締結までアルジェリアはフランスの植民地であったため、有能なアーティストであったペラン氏がパリへ学びに行く、というのは自然なことであったと思われる。
写真等は下記リンクからどうぞ。父のクレマン・ペラン氏の写真や、アルジェ四重奏団の写真も掲載されている。演奏を聴くこともできる。
http://tournantsrovigo.free.fr/portraits.htm
マルセル・ペラン氏と、妻のスザンヌ・ペラン氏。
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