アメリカのサクソフォン奏者、ハーヴェイ・ピッテル Harvey Pittel氏の独奏によるインゴルフ・ダール「サクソフォン協奏曲」の演奏。指揮は、ダールに南カリフォルニア大学で学んだ、マイケル・ティルソン・トーマスで、オーケストラはボストン交響楽団。
ボストン交響楽団のアーカイヴをたどると、1971年(ダール死去の翌年である)にこの布陣で6回演奏しており、この演奏はこのリストなかのいずれかのライヴ録音と思われる。
極めてアグレッシヴに音楽を運んでおり、聴きごたえがある。マイケル・ティルソン・トーマスは、90年代にザ・ニュー・ワールド・シンフォニーと同曲を録音しており(独奏はジョン・ハール氏)、そちらも評価が高いことで有名だが、その片鱗という一言では片づけられない、若き時代の迸るような、湧き出るような、演奏だ。
ちなみに、原典版ではなく改訂版であり、独奏パートはossiaを多用。さすがにラッシャー派の、フラジオ音域を含む音運びにトライするような時代ではなかった…ということだろう。
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