明日は面白い演奏会が2つも。2週間後に迫った自身の練習、その他諸事情により、いずれにも伺うことはできないのだが、ぜひご紹介しておきたい。2つの演奏会は、時間帯がかぶっていないため、"はしご"もできるのではないだろうか。
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1つ目は、須々木由子さんのリサイタル。須々木さんは、岡山大学教育学部を経て、洗足学園音楽大学大学院を卒業された奏者。現在は関東圏と岡山を行き来しながら活動しているが、今回は須々木さんにとって、関東圏での初めてのリサイタルなのだという。実は須々木さんの実演に接したことはただ1回…(その時はコンクール向けのおさらい会であった)。しかし、その時以上に印象に残っているのは、須々木さんが送ってくださった、グランプリ演奏会の録音である。聴き慣れたデニゾフの作品が、違った実像をもって迫ってくることに、驚き、興奮させられたものだ(ここに、当時聴いた感想が書いてある)。演奏技術、音楽性のみならず、大学院の卒業の折の研究テーマがデニゾフで、作品に深い理解があった、ということも、その理由のひとつだろう。修士論文は、日本サクソフォーン協会の協会誌にも掲載された。
関東圏でのリサイタル開催の折には、ぜひ伺いと思っていたのだが、残念…!得意のデニゾフを含むプログラミング。ぜひ多くの方に聴いていただきたいと思う。デニゾフのみならず、旭井翔一氏の新作(またまたとても難しい作品になったらしい笑)、そしてアイシェンヌのヴァイオリンとの共演作品にも注目。
【須々木由子サクソフォンリサイタル in Tokyo】
出演:須々木由子(sax)、成田良子(pf)、原田百恵実(vn)、旭井翔一(comp)
日時:2017年5月13日 18:30開演
会場:MUSICASA
料金:全席自由 一般3000円、学生2000円
プログラム:
P.ヴェローヌ - ラプソディ
M.アイシェンヌ - カンティレーヌとダンス
旭井翔一 - 競争的譚詩曲(委嘱新作)
L.バーンスタイン - クラリネット・ソナタ
M.シュルード - リニューイング・ザ・ミス
E.デニゾフ - 2つの小品
E.デニゾフ - ソナタ
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2つ目は、東京交響楽団の演奏会。波多江史朗さんが出演し、ジョナサン・ノット指揮の下、ハリソン・バートウィッスルの挑戦的作品、サクソフォン、ドラムセット、オーケストラのための「パニック」が演奏される。かつて、生前のゲルト・アルブレヒトが指揮した読売日本交響楽団×平野公崇氏、という組み合わせで日本初演しているが、日本で再演の機会が巡ってくるとは思わなかった。Argoレーベルからジョン・ハール(sax)、ポール・クラヴィス(dr)、アンドリュー・ディヴィス(cond)、BBC交響楽団という組み合わせによる録音もリリースされている。1996年のリリースだから、もう20年以上前なのか…。
作品は、聴いた感じはかなりフリージャズ風味、というか、サクソフォンパート、オーケストラともに、突き抜けた音響効果や走句が多用されるいわゆる「現代音楽」なのだが、そもそもこの凄まじい音響が楽譜に書き付けられている、という事実に驚かされる。はたしてバートウィッスルの頭の中はどんなことになっているのか…と、録音を聴くたびに感じ入るのだ。
この作品が、波多江さん&ジョナサン・ノット、というキャラクターにより演奏されたとき、果たしてどのようなサウンドになるのか、というのはとても気になるところ。
【東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第97回】
出演:ジョナサン・ノット(cond)、波多江史朗(sax)、萱谷亮一(dr)、東京交響楽団
日時:2017年5月13日 14:00開演
会場:東京オペラシティコンサートホール
料金:S8000円、A6000円、B4000円、C3000円
プログラム:
ハーマン - タクシードライバー
バートウィッスル - パニック
ベートーヴェン - 交響曲第8番
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