30年前、1987年に開催された、Donemusの40周年記念公演"Dutch Music Gala"での一幕。Donemusは、オランダの、著名な現代音楽関連の出版社。トリスタン・クーリス Tristan Keuris氏の「Concerto 協奏曲(サクソフォン四重奏とオーケストラのための)」を、ラッシャー・サクソフォン四重奏団が演奏している映像だ。Hans Vonk指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団 Residentie Orchestraとの共演(Thunderさん情報ありがとうございます)。
1987年ということで、すでに同団体からは引退している旧メンバー…ソプラノ:カリーナ・ラッシャー、アルト:ジョン=エドワルド・ケリー、テナー:ブルース・ワインベルガー、バリトン、リンダ・バングス、という布陣での演奏を観ることができる。このメンバーでの演奏は、録音は多く残されているが、映像はなかなか貴重。1989年のドイツでの演奏を記録した映像は有名かもしれないが。
聴いてすぐ気付くのは、クーリスが書いたサクソフォン四重奏曲、「Music for Saxophones」との音の関連性。私も「Music for Saxophones」を諳んじているわけではないので詳細を言えるわけではないのだが、例えば「Concerto」の冒頭のフレーズなどはほぼ「Music for Saxophones」と同じである。実は、「Concerto」をベースとして、四重奏だけで演奏できるように書かれたのが「Music for Saxophones」だとのこと。知らなかった…。
作品の云々は抜きにしたとしても、この演奏の驚異的な集中力は驚異的。冒頭のチューニングの長さに何だか不安になるが(笑)、音楽が始まってしまえばテンションの高さに飲み込まれてしまう。ラッシャー四重奏団の面々、そしてオーケストラとも、見事な音楽運び。ちょっと現代音楽に抵抗のある向きにも、ぜひ最後まで観てほしいと思う。
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