我がT大学の図書館は如何せんCDが少なくて困る…音楽教育科が無いからなのかどうなのか。とにかく聴きたい曲(=サクソフォーンの曲)がなかなか見つからなくて苦労するのだ。基本は押さえてあるのがせめてもの救いか。玄人受けするものを少しは増やしてほしいものだが。
さて、そんな先入観を持っていたため今まで図書館の蔵書検索で「saxophone」などという単語を検索したことは全くなかったのだが、ふとかけてみたところ、なんと湯山昭「マリンバとアルトサクソフォンのためのディヴェルティメント(1968)」収録のCDが検索に引っかかったのだ!嬉しくなって早速借りてきてしまった。
この音源、私の所有音源はジョン・ハールがエヴァリン・グレニーと演奏しているものだけで、他に出版されているものとしては初演コンビの宮島基栄&安部圭子や須川展也&山口多嘉子、渡辺貞夫&吉川雅夫のものなどがある。さてこの演奏は誰かな、と期待してライナーを開けてみたところ、なんと平野公崇!(マリンバは石崎陽子)。実はこのCD「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」というコンサートシリーズを収録したライヴ盤のうちの一枚である。
25回(!)にわたって150(!!)近くの邦人音楽作品を紹介したこの催しは各回で一流の音楽家を起用し、知られることの少ない邦人作品を高いクオリティで一般聴衆に紹介している(なんだかサクソフォンフェスティバル2004の薫りがしますね)。ディスクによってムラはあるが、ライブとは思えない演奏の質&ライブならではの演奏の気迫がバランスよく同居する様は見事。ライナーの解説が詳しいのも◎。お目当ての平野公崇氏の演奏も、音場が遠めながらかなり熱の入った取り組みで、好感が持てる。マリンバが若干ずっこけ気味なのが玉に傷か。
なかなか知られていない音源を発掘できて、なんだか得した気分。併録の甲斐説宗作曲のヴァイオリン作品も短時間ながら充実した作品で、面白く聴けた。
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