2013/04/05

Saxophone Quartet桜 お花見コンサート

今日、日経ホールかスペースDOか、というので迷った方も多いのでは。私は、幸い「息の道」はドゥラングル教授の演奏を2回ライヴで聴いているのでこちらを選択した。…あ、「息の道」を知らない方はぜひ機会があれば聴いてみることをオススメ。

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Saxophone Quartet桜、もちろん名前は知っていたが、聴いたことがなく…テナーの田中さんにご案内いただき、伺った。いやはや、素晴らしいカルテットだ!

【Saxophone Quartet桜 お花見コンサート】
出演:Saxophone Quartet桜
日時:2013年4月5日(金)19:00開演
会場:スペースDo
プログラム:
松岡大祐 - SAKURA
J.S.バッハ - イタリア協奏曲
G.フォーレ - 組曲「ドリー」より1,2,3,6
A.グラズノフ - 四重奏曲より第3楽章
福岡民謡 - 黒田節
C.リオ - Tequila-Kahlua
森正明 - また君に恋してる
A.ピアソラ - リベルタンゴ
A.ベルノー - 四重奏曲
A.グラズノフ - 5つのノヴェレッテより"オリエンタル"

テーブルが並べられて飲食OK。後方ではお酒とおつまみの販売が(売り子は松井宏幸さん)。ステージ後方には、桜の幻燈が映し出され「お花見コンサート」と銘打っている…のだが、中身は立派なフルリサイタルプログラム。サクソフォーンアンサンブルの会の皆様が座っていたテーブルでご一緒させてもらった。

オリジナル曲「SAKURA」は、フランスの小品のような、しかし所々和風の響きがするような曲。曲中のVAMPでメンバー紹介をするという演出も入ったオープニング。一曲終わって入るMCも、聴き手のツボをきちんとおさえており好感がもてる。バッハ「イタリア協奏曲」では、このカルテットの実力をまざまざと見せつけられた。「よく揃った音色や発音、理想的なバランス」と、文字に起こしてしまえばそれまでなのだが、完全に垢抜けたわけではない非常にバランスの取れた音色を使って、特に第3楽章のプレストなんて興奮モノで、実によく演奏される作品だが、いまだかつてこれ以上スリリングな「イタリア協奏曲」があったかと(あのバリトンの難所をきちんと吹くのは、実演では初めて聴いた)思い巡らせてしまったほどだ。

外声が昭和音大の出身、内声が東京芸大の出身者とのこと。Thunderさんと帰り際に話していてそういえばと思ったのだが、意外と外声を張る昭和音大出身のサクソフォン奏者って多いよなあ。なにか傾向のようなものがあるのだろうか。もちろん最終的には個々の奏者に行きつくとは思うのだが…。

フォーレ「ドリー」も、同様の傾向である。ときどき、ふとオールドスタイルの響きがするところも面白く、実演では聴いたことがないがディアステマSQあたりになんとなく通じる在り方を感じる。しかし、リズムの安定性や和声感などは現代風。ヴィブラートだとか音色だとか、それだけではないものがあるかなと思う。グラズノフは終楽章だけの演奏だったが、このスタイルならばぜひ全楽章通しで聴いてみたいところ。

休憩時間には私もビールを購入して、しばし歓談。6月のサクソフォーンアンサンブルの会の演奏会の秘話など、いろいろと話題が飛び出す(笑)。ずいぶん休憩時間が長いと思ったら、お酒売り切れにより補充しに走っていたとのこと。

後半は、お酒にちなんだ福岡民謡の「黒田節(メロディだけなら越天楽今様とも言えるか)」。MCが入って、乾杯の音頭と同時になんと桜の花びらが舞う粋な演出が。続く3曲は「お酒が進むコーナー」として演奏された。テキーラ&カルーアは、意外にもおとなしい演奏で、それまでの鮮烈な演奏からすると意外すぎて拍子抜けしたが「また君に恋してる」の美しさやや「リベルタンゴ」での鮮やかなソロの畳み掛けなど興奮し、ついついお酒が進んでしまった。

最後に、なんとベルノー。この流れからのベルノーかと驚いたが、とにかく本気勝負、技術的にも完成され、積極的な仕掛けも織り込まれて、最後は大喝采となった。聴き手の多くはお酒を飲みつつ…といったところだと思うが、酔いが覚めるほど圧倒されてしまった。アンコールは、グラズノフの「5つのノヴェレッテ」から"オリエンタル"。最後まで一切手抜きなし…。うーん、まだまだポテンシャルがありそうで、次に何をやってくれるか楽しみ…また聴きたいな。

4月13日にはりゅーとぴあでのワンコインコンサートに出演されるとのこと。新潟方面の方はぜひ聴きに行ってみては。

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