10周年プレゼント企画、22名の方からの応募がございました。たくさんのご応募、ありがとうございました!
本日抽選を行いました。まずは応募順に名前を並べて、、、rand()関数を各名前の横に書き込み、乱数の最大値となる方を当選者とします。
rand()関数を横に書き込んだ結果。乱数が最大値となったのは、「ME-」さんです。当選おめでとうございます!(外れてしまった方、申し訳ありません)
「ME-」さんには、Quatuor Alexandre「Reminiscence」と、Sax 4th Avenue「Delusions de Grandeur」をお送りいたします。詳細は追って連絡申し上げますので、今しばらくお待ちください。
2015/02/09
2015/02/08
セルジュ・ビション氏のLP
島根県のF様より、セルジュ・ビション Serge BICHON氏のLP(1981年録音)を復刻したCD-Rをお送りいただいた。この場を借りて改めて御礼申し上げたい。
ビション氏は、長らくリヨン音楽院サクソフォン科の教授を務めたサクソフォン奏者である。現パリ国立高等音楽院教授のクロード・ドゥラングル氏を始めとする名奏者の輩出、リヨン・サクソフォンアンサンブルの結成などを行い、名教師として知られている。奏者としての活動は、現代にあっては、いくつかの録音や、Quatuor de saxophones Rhône-Alpesの活動が有名だ。この録音には、四重奏、独奏、室内楽が収録されている。
Serge Bichon, saxophone
Roger Muraro, pf
Florent Schmitt - Quatuor (Quatuor de saxophones Rhône-Alpes)
Ida Gotkovsky - Brillance
Alfred Desenclos - Prelude, cadence et finale
Lucie Robert - supplications (Trio Evolution)
丸く、澄んだ音色である。1981年という時代にあって、最近(2015年)のフランスの主流派に通じる部分が散見される。ヴィブラートは深くかかっているのだが、どこか無機質というか、あれ?これはドゥラングル教授のCD「Jardin Secret」あたりで聴かれるタイプの演奏にも似ているなあ、などと感じた。技術的には不安要素はなく、丁寧で落ち着いた演奏である。
作品としては、シュミット、ゴトコフスキー、デザンクロの作品は当たり前のように存じていたが、ロベールの「Supplications」という作品(サクソフォン、オーボエ、チェロ)をとても楽しく聴いた。この3本から生まれる響きは、聴く前は想像できなかったのだが、とにかく美しいのだ!こんな作品があったとは知らなかった。
今日のサクソフォンのトレンドにつながる、その萌芽を垣間見るようで、興味深く全編を聴いた。録音に聴かれるスタイルから、サクソフォンの系譜をたどってまとめていったら、楽しいだろうなあ。ある意味では「出発点」とでも言ってしまおうか、貴重な記録の一つであることには、間違いないだろう。
ピアノは、ロジェ・ムラロ Roger Muraro氏。1977年にパリ国立高等音楽院のピアノ科を卒業し、メシアン弾きとして高名な奏者である。のみならず、1978年にはパリ国立高等音楽院のサクソフォン科(ダニエル・デファイエ氏のクラス)をも卒業している、というスーパーマン。ピアノ科とサクソフォン科を両方卒業するって、どんなやねん!とツッコミを入れたくなるが、そんなこともあって録音のピアノとして招聘されたのではないかな。
Quatuor de saxophones Rhône-Alpesのメンバーは、下記の通り。
Serge Bichon, ssax
Daniel Gaudet, asax
Daniel Cochet, tsax
Roger Michel Frederique, bsax
ビション氏は、長らくリヨン音楽院サクソフォン科の教授を務めたサクソフォン奏者である。現パリ国立高等音楽院教授のクロード・ドゥラングル氏を始めとする名奏者の輩出、リヨン・サクソフォンアンサンブルの結成などを行い、名教師として知られている。奏者としての活動は、現代にあっては、いくつかの録音や、Quatuor de saxophones Rhône-Alpesの活動が有名だ。この録音には、四重奏、独奏、室内楽が収録されている。
Serge Bichon, saxophone
Roger Muraro, pf
Florent Schmitt - Quatuor (Quatuor de saxophones Rhône-Alpes)
Ida Gotkovsky - Brillance
Alfred Desenclos - Prelude, cadence et finale
Lucie Robert - supplications (Trio Evolution)
丸く、澄んだ音色である。1981年という時代にあって、最近(2015年)のフランスの主流派に通じる部分が散見される。ヴィブラートは深くかかっているのだが、どこか無機質というか、あれ?これはドゥラングル教授のCD「Jardin Secret」あたりで聴かれるタイプの演奏にも似ているなあ、などと感じた。技術的には不安要素はなく、丁寧で落ち着いた演奏である。
作品としては、シュミット、ゴトコフスキー、デザンクロの作品は当たり前のように存じていたが、ロベールの「Supplications」という作品(サクソフォン、オーボエ、チェロ)をとても楽しく聴いた。この3本から生まれる響きは、聴く前は想像できなかったのだが、とにかく美しいのだ!こんな作品があったとは知らなかった。
今日のサクソフォンのトレンドにつながる、その萌芽を垣間見るようで、興味深く全編を聴いた。録音に聴かれるスタイルから、サクソフォンの系譜をたどってまとめていったら、楽しいだろうなあ。ある意味では「出発点」とでも言ってしまおうか、貴重な記録の一つであることには、間違いないだろう。
ピアノは、ロジェ・ムラロ Roger Muraro氏。1977年にパリ国立高等音楽院のピアノ科を卒業し、メシアン弾きとして高名な奏者である。のみならず、1978年にはパリ国立高等音楽院のサクソフォン科(ダニエル・デファイエ氏のクラス)をも卒業している、というスーパーマン。ピアノ科とサクソフォン科を両方卒業するって、どんなやねん!とツッコミを入れたくなるが、そんなこともあって録音のピアノとして招聘されたのではないかな。
Quatuor de saxophones Rhône-Alpesのメンバーは、下記の通り。
Serge Bichon, ssax
Daniel Gaudet, asax
Daniel Cochet, tsax
Roger Michel Frederique, bsax
2015/02/06
上野星矢フルートリサイタル(2015年東京公演)
凄いものを聴いてしまった。
【上野星矢フルートリサイタル 東京公演】
出演:上野星矢(フルート)、内門卓也(ピアノ)
日時:2015年2月5日 19:00開演
会場:白寿ホール
プログラム:
フランシス・プーランク - 廃墟を見守る笛吹きの像
アンドレ・ジョリヴェ - リノスの歌
ピエール・ブーレーズ - ソナチネ
ベーラ・バルトーク - 15のハンガリー農民の歌 BB79/Sz.71
セルゲイ・プロコフィエフ - フルート・ソナタ ニ長調 作品94
ポール・タファネル - 魔弾の射手による幻想曲
尾崎豊 - I Love You(アンコール)
松任谷由実 - 海を見ていた午後(アンコール)
松任谷由実 - 春よ来い(アンコール)
昨年、リヨン歌劇場管にゲスト主席フルート奏者として客演したという話を聞き、気になっていた奏者。中学生の頃にはリサイタルを開催、藝大在学中に、J.P.ランパル国際コンクール優勝、パリ国立高等音楽院に留学し(だれに師事したのかな)、審査員全員一致の一等賞ならびに審査員特別賞を獲得して卒業…という、絵に描いたようなエリートコースを突き進んでいる演奏家である。その経歴に違わぬ、いやむしろその経歴すら意味をなさないほどの、素晴らしい演奏であった。
会場となった白寿ホール(白寿生科学研究所なる会社の付属ホールなのだそうな)には初めて入ったが、素晴らしい内装や音響が、コンサートの非日常感を演出していた。
なんだかフルートを聴いた、という感じがせず、純粋に音楽聴きました、という聴後感。まさに新世代の演奏家だ。堅牢なフレーズの保持力、ヴィブラートの使い分けを含む多彩な表現、高音から低音まで均一なパワー、初めて体験するほどのダイナミクス、そして何より輝かしい音色を武器に、重量級のプログラムを見事に吹ききっていた。
特に、第一部の印象は筆舌に尽くし難い。それでも敢えて書くならば…ジョリヴェ最終部の、細かいフレーズが幾重にも重なってゆくように錯覚するほどの音運び。また、曲の持つ世界観のせいか、聴き手を縛り付けて離さないような"強い"演奏だと感じた。バルトークは、上野氏のフルートの圧倒的なまでの表現力の豊かさを感じた。音符的には決して難しい作品ではないと思ったが、楽章ごとのスタイルの吹き分けの多彩さ・幅の広さに驚く。また、細かいアゴーギクやバランスの取り方等、ピアノとのアンサンブルの妙にも強い感動を覚えた。ブーレーズは、個人的には本日の白眉。呆れるほどのテクニカルなフレーズも飛び出し、人間業を超えた作品を、高い集中力で吹ききっていた。知らず知らずのうちに私自身も緊張し、聴き終わった瞬間に、思わず動悸が…。
ところで、ブーレーズの作品は、ほぼ初めて聴いたような作品だったが、実に面白い。作品自体は、12音技法のお手本のような(さらに突き進み、トータル・セリーの萌芽が一部に見られるほど)作品ながら、透明感のある響きが大部分を占める。さらに、時折現れるピアノのグリッサンドからは、実に"甘い"響きを感じた。中間部以降ではロックとでも形容してしまえるような高速なリズム…どこまでも続くと思われるような長大な…は、フルート、ピアノともども超高度なソルフェージュ能力を要求されること請け合いだが、ピシャリと決まればこれほどかっこいいことはないだろう(今日もそうだった)。
第二部は、第一部に比べればかなりリラックスした雰囲気があったが、それでも強靭な上手さを誇る。プロコフィエフにおいて、徹頭徹尾高尚な音楽表現から崩れなかった様子には、会場がとても沸いたし、タファネルに至っては19世紀ヴィルトゥオーゾ・スタイルの作品そのものを、わかりやすく楽しく、また暗譜で一気に吹ききっており、プログラムの最後にふさわしい盛り上がりをみせた。いやはや、素晴らしい。
アンコールは、日本の歌謡曲を3曲ほど。こうしたメロディ先行型の作品でも、嫌味にならないのは才能ですね。「海を見ていた午後」での、極小ppの響きには、しびれる。
また、全般を通してフルートの素晴らしさのみならず、ピアノの内門さんの素晴らしさも際立っていた。特に、ブーレーズ作品やプロコフィエフでの処理能力の高さ、タッチの多彩さなど、アンサンブル・ピアニストとして大成しつつある、そんなところを見通すことができるような演奏だった。東京藝術大学出身で、なんと大学での専門は作曲だそうで、作曲家ならではの高いソルフェージュ能力やアナリーゼ能力が、そのまま演奏に反映されているのかなあと、そんなことも思ったのだった。
【上野星矢フルートリサイタル 東京公演】
出演:上野星矢(フルート)、内門卓也(ピアノ)
日時:2015年2月5日 19:00開演
会場:白寿ホール
プログラム:
フランシス・プーランク - 廃墟を見守る笛吹きの像
アンドレ・ジョリヴェ - リノスの歌
ピエール・ブーレーズ - ソナチネ
ベーラ・バルトーク - 15のハンガリー農民の歌 BB79/Sz.71
セルゲイ・プロコフィエフ - フルート・ソナタ ニ長調 作品94
ポール・タファネル - 魔弾の射手による幻想曲
尾崎豊 - I Love You(アンコール)
松任谷由実 - 海を見ていた午後(アンコール)
松任谷由実 - 春よ来い(アンコール)
昨年、リヨン歌劇場管にゲスト主席フルート奏者として客演したという話を聞き、気になっていた奏者。中学生の頃にはリサイタルを開催、藝大在学中に、J.P.ランパル国際コンクール優勝、パリ国立高等音楽院に留学し(だれに師事したのかな)、審査員全員一致の一等賞ならびに審査員特別賞を獲得して卒業…という、絵に描いたようなエリートコースを突き進んでいる演奏家である。その経歴に違わぬ、いやむしろその経歴すら意味をなさないほどの、素晴らしい演奏であった。
会場となった白寿ホール(白寿生科学研究所なる会社の付属ホールなのだそうな)には初めて入ったが、素晴らしい内装や音響が、コンサートの非日常感を演出していた。
なんだかフルートを聴いた、という感じがせず、純粋に音楽聴きました、という聴後感。まさに新世代の演奏家だ。堅牢なフレーズの保持力、ヴィブラートの使い分けを含む多彩な表現、高音から低音まで均一なパワー、初めて体験するほどのダイナミクス、そして何より輝かしい音色を武器に、重量級のプログラムを見事に吹ききっていた。
特に、第一部の印象は筆舌に尽くし難い。それでも敢えて書くならば…ジョリヴェ最終部の、細かいフレーズが幾重にも重なってゆくように錯覚するほどの音運び。また、曲の持つ世界観のせいか、聴き手を縛り付けて離さないような"強い"演奏だと感じた。バルトークは、上野氏のフルートの圧倒的なまでの表現力の豊かさを感じた。音符的には決して難しい作品ではないと思ったが、楽章ごとのスタイルの吹き分けの多彩さ・幅の広さに驚く。また、細かいアゴーギクやバランスの取り方等、ピアノとのアンサンブルの妙にも強い感動を覚えた。ブーレーズは、個人的には本日の白眉。呆れるほどのテクニカルなフレーズも飛び出し、人間業を超えた作品を、高い集中力で吹ききっていた。知らず知らずのうちに私自身も緊張し、聴き終わった瞬間に、思わず動悸が…。
ところで、ブーレーズの作品は、ほぼ初めて聴いたような作品だったが、実に面白い。作品自体は、12音技法のお手本のような(さらに突き進み、トータル・セリーの萌芽が一部に見られるほど)作品ながら、透明感のある響きが大部分を占める。さらに、時折現れるピアノのグリッサンドからは、実に"甘い"響きを感じた。中間部以降ではロックとでも形容してしまえるような高速なリズム…どこまでも続くと思われるような長大な…は、フルート、ピアノともども超高度なソルフェージュ能力を要求されること請け合いだが、ピシャリと決まればこれほどかっこいいことはないだろう(今日もそうだった)。
第二部は、第一部に比べればかなりリラックスした雰囲気があったが、それでも強靭な上手さを誇る。プロコフィエフにおいて、徹頭徹尾高尚な音楽表現から崩れなかった様子には、会場がとても沸いたし、タファネルに至っては19世紀ヴィルトゥオーゾ・スタイルの作品そのものを、わかりやすく楽しく、また暗譜で一気に吹ききっており、プログラムの最後にふさわしい盛り上がりをみせた。いやはや、素晴らしい。
アンコールは、日本の歌謡曲を3曲ほど。こうしたメロディ先行型の作品でも、嫌味にならないのは才能ですね。「海を見ていた午後」での、極小ppの響きには、しびれる。
また、全般を通してフルートの素晴らしさのみならず、ピアノの内門さんの素晴らしさも際立っていた。特に、ブーレーズ作品やプロコフィエフでの処理能力の高さ、タッチの多彩さなど、アンサンブル・ピアニストとして大成しつつある、そんなところを見通すことができるような演奏だった。東京藝術大学出身で、なんと大学での専門は作曲だそうで、作曲家ならではの高いソルフェージュ能力やアナリーゼ能力が、そのまま演奏に反映されているのかなあと、そんなことも思ったのだった。
2015/02/04
"kuri_saxo"10周年プレゼントご応募ありがとうございました!
"kuri_saxo"10周年プレゼントご応募ありがとうございました!20ちょっとくらいの応募がありました。メッセージもありがたく読ませていただきました。時間はかかりますが、1件1件お返事させていただきます。
抽選は、今週末くらいを予定しております。今しばらくお待ちください。
抽選は、今週末くらいを予定しております。今しばらくお待ちください。
ラベル:
その他
第34回サクソフォーンフェスティバル2015(その2)
フェスティバルの感想。前回の記事のつづき。
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♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 斎藤健太
吉松隆 - ファジィバード・ソナタ
第二位と第三位の方は、二次予選での演奏曲を、第一位の方は本選での演奏曲を、それぞれ演奏するのが慣例となっている。斎藤さん演奏の「ファジィバード・ソナタ」は、もちろん初めて聴いたのだが、イントロのカチッとした演奏や、また全体を通してスタイリッシュな佇まいなど、ライヴとは思えない安定感など、新世代の演奏家として持つべき資質を多く備えていると感じるのだった。小ホールから大ホールに移動した直後で、自分の耳が慣れておらず、少し音場が遠目に聴こえた。
♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 松下洋
T.エスケシュ - リュット
私自身が初めてこの作品をYouTubeか何かで聴いたときは、頭の上にはてなマークが付いたのだが、今では、噛めば噛むほど味わい深いというか、奥深い素敵な作品だなと感じている。松下君の、この曲に対する没入度合いは相当なもので、またホールをよく満たす音響とも相まって、聴き手としてはハードな作品ながら、曲の魅力を存分に伝える演奏だったと思う。どんな曲も魅力的に聴かせてしまう、だなんて、夢想はするけどなかなか大変なことだ。こういうことができる演奏家はなかなか稀だと思う。あの独特の衣装(松下君本人の言葉によれば「アディダスのジャージに見えると言われた」とのこと)については、周囲から「マイケル・ジャクソン…」との声が漏れており、なんだか可笑しかった。
♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 中島諒
A.ウェニアン - ラプソディ
かつしかシンフォニーヒルズで聴いた大賞演奏会の様子を思い出す。あの時も、暗譜で、ホールをしっかりと鳴らし切る音で闊達に吹いていたなあ。今回はピアノとのデュオであったとはいえ、スケールの大きさを堪能した。初めて、拝聴したのは、彼がまだ高校生の頃だったが、もう大学院生なんだなあ。スタンダードなレパートリーについてはもはや当たり前のように上手く、作品の良さを聴き手にプレゼンテーションする能力に長けている。「未知の」レパートリーを、世に問うような、また、サクソフォンの素晴らしさを、未だ知らない人に広めるような、そんな活動にも飛び込んでいって欲しいなあと思う。例えば、ロバの「カブキ」の演奏や、管打での「アラベスク3(直接聴いてはいないが、話を聞く限り)」は、そういった境地に達するものであった。
♪第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクール優勝者披露演奏 - 松下洋
N.プランチャロワン - マハ・マントラ
昨年の、第4回ロンデックス国際コンクールでの松下君優勝のニュースは、驚きと賞賛を持って迎えられた。コンクールのすべての模様は中継&録画配信されており、私も本選での演奏はYouTubeでしっかりと観たのだった。思いがけずこのような場でその演奏を再度聴くことができ、嬉しい。エキゾチックなテイストあふれる、独特な作品であり、モードの影響を色濃く感じる旋律、民族楽器を模した特殊奏法(ストロー「オープン・シティ」ばりの二本同時奏法まで!)などが、耳に残る。が、決してワケノワカラナイ作品ではなく、すっと耳に入ってくるのは、やはり私がアジア人だからなのだろう。松下君の演奏は、上にも書いた通り、聴き手が初めて耳にする作品であっても、演奏で納得させてしまう、という才能を、この曲でも感じた。ピアノ黒岩くんとのアンサンブルも、おなじみになったが、相変わらずの強力なアンサンブルである。
♪須川展也が俯瞰するサクソフォーンレパートリー - 須川展也、小柳美奈子、SAXBAND、フェスティバル・サクソフォーン・アンサンブル
G.カッチーニ - アヴェ・マリア
狭間美帆 - 秘色の王国
J.ドーシー - ウードルズ・オブ・ヌードルズ
長生淳 - パガニーニ・ロスト
M.エレビー - シナモン・コンチェルト
フェスティバル・コンサートが一人の奏者をピックアップして企画されるのは、1997年のボーンカンプ氏来日リサイタルくらいではないだろうか。チラシもどかんと須川氏を載せて、全面推し、というような感じ。ここ数年の、須川氏の活動やレパートリーを一気に俯瞰できる内容となっており、とってもお得。もちろん、個人的にも大変興味深く聴いた。須川氏の演奏や活動の凄さはいまさら説明するまでもない。美しい音色と圧倒的な響き、整ったフレージング、超絶技巧も何のその、といった強力な武器を使って、作曲家や演奏家とのコラボレーションにより多くの聴衆にサクソフォンの魅力を伝えている。誤解を恐れず言えば、日本のサクソフォンが、須川氏に負っている部分の大きさたるや相当なもの、なのである。
最初の2曲は、奥様である小柳美奈子さんとの共演。日本を代表する室内楽の1つだ。カッチーニの「アヴェ・マリア」の儚げなメロディの美しさを歌い上げ(だが決して嫌味にならない)、さらに新作初演となる狭間美帆氏の「秘色の王国」では、タイトルからは想像もつかないようなハードかつファンキーな響きをがんがんと聴かせる。この新作、全編を通して良い作品と感じたが、第三楽章はかなり人気が出そうだ。
続いて、須川展也SAXBANDと須川氏の共演。お弟子さんたちと組んだアンサンブルで、「ウードルズ・オブ・ヌードルズ」「パガニーニ・ロスト」という、対照的、しかしどちらも超超テクニカルな作品たち。まるでお祭りのような楽しさで、一気に聴き通してしまった。
最後は、エレビーの「協奏曲」。もともとは吹奏楽のために書かれた作品を、サクソフォン・アンサンブル版に編み直したそうだ。なんとかっこいい。吹奏楽とサクソフォンのために書かれた作品の中でも、際立って楽しい作品と感じた。これはCDを買わないと!
♪フェスティバルオーケストラ
A.グラズノフ - バレエ音楽「ライモンダ」より
12年にわたってサクソフォーン・フェスティバルを聴いているが、フェスティバルオーケストラはずいぶんと布陣が若くなったなあ、という印象。平均年齢を算出したら、面白いかも。
♪SAX大合奏2015
G.ホルスト - 「惑星」より木星
J.P.スーザ - 星条旗よ永遠なれ
最近は、最後のこの企画までしっかり聴くようにしている。ホールを満たす大音響からは、なんとも形容しがたい感動を受ける。
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以上。毎度のことながら、フェスティバルを企画運営する、実行委員長ほかスタッフの方々に大感謝!である。こうして楽しく聴けるのも、裏で働いてくれている皆様のおかげだ。
来年は、上田卓氏が実行委員長で、2016/2/26,27に開催予定とのこと。
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♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 斎藤健太
吉松隆 - ファジィバード・ソナタ
第二位と第三位の方は、二次予選での演奏曲を、第一位の方は本選での演奏曲を、それぞれ演奏するのが慣例となっている。斎藤さん演奏の「ファジィバード・ソナタ」は、もちろん初めて聴いたのだが、イントロのカチッとした演奏や、また全体を通してスタイリッシュな佇まいなど、ライヴとは思えない安定感など、新世代の演奏家として持つべき資質を多く備えていると感じるのだった。小ホールから大ホールに移動した直後で、自分の耳が慣れておらず、少し音場が遠目に聴こえた。
♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 松下洋
T.エスケシュ - リュット
私自身が初めてこの作品をYouTubeか何かで聴いたときは、頭の上にはてなマークが付いたのだが、今では、噛めば噛むほど味わい深いというか、奥深い素敵な作品だなと感じている。松下君の、この曲に対する没入度合いは相当なもので、またホールをよく満たす音響とも相まって、聴き手としてはハードな作品ながら、曲の魅力を存分に伝える演奏だったと思う。どんな曲も魅力的に聴かせてしまう、だなんて、夢想はするけどなかなか大変なことだ。こういうことができる演奏家はなかなか稀だと思う。あの独特の衣装(松下君本人の言葉によれば「アディダスのジャージに見えると言われた」とのこと)については、周囲から「マイケル・ジャクソン…」との声が漏れており、なんだか可笑しかった。
♪第31回日本管打楽器コンクール入賞者披露演奏 - 中島諒
A.ウェニアン - ラプソディ
かつしかシンフォニーヒルズで聴いた大賞演奏会の様子を思い出す。あの時も、暗譜で、ホールをしっかりと鳴らし切る音で闊達に吹いていたなあ。今回はピアノとのデュオであったとはいえ、スケールの大きさを堪能した。初めて、拝聴したのは、彼がまだ高校生の頃だったが、もう大学院生なんだなあ。スタンダードなレパートリーについてはもはや当たり前のように上手く、作品の良さを聴き手にプレゼンテーションする能力に長けている。「未知の」レパートリーを、世に問うような、また、サクソフォンの素晴らしさを、未だ知らない人に広めるような、そんな活動にも飛び込んでいって欲しいなあと思う。例えば、ロバの「カブキ」の演奏や、管打での「アラベスク3(直接聴いてはいないが、話を聞く限り)」は、そういった境地に達するものであった。
♪第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクール優勝者披露演奏 - 松下洋
N.プランチャロワン - マハ・マントラ
昨年の、第4回ロンデックス国際コンクールでの松下君優勝のニュースは、驚きと賞賛を持って迎えられた。コンクールのすべての模様は中継&録画配信されており、私も本選での演奏はYouTubeでしっかりと観たのだった。思いがけずこのような場でその演奏を再度聴くことができ、嬉しい。エキゾチックなテイストあふれる、独特な作品であり、モードの影響を色濃く感じる旋律、民族楽器を模した特殊奏法(ストロー「オープン・シティ」ばりの二本同時奏法まで!)などが、耳に残る。が、決してワケノワカラナイ作品ではなく、すっと耳に入ってくるのは、やはり私がアジア人だからなのだろう。松下君の演奏は、上にも書いた通り、聴き手が初めて耳にする作品であっても、演奏で納得させてしまう、という才能を、この曲でも感じた。ピアノ黒岩くんとのアンサンブルも、おなじみになったが、相変わらずの強力なアンサンブルである。
♪須川展也が俯瞰するサクソフォーンレパートリー - 須川展也、小柳美奈子、SAXBAND、フェスティバル・サクソフォーン・アンサンブル
G.カッチーニ - アヴェ・マリア
狭間美帆 - 秘色の王国
J.ドーシー - ウードルズ・オブ・ヌードルズ
長生淳 - パガニーニ・ロスト
M.エレビー - シナモン・コンチェルト
フェスティバル・コンサートが一人の奏者をピックアップして企画されるのは、1997年のボーンカンプ氏来日リサイタルくらいではないだろうか。チラシもどかんと須川氏を載せて、全面推し、というような感じ。ここ数年の、須川氏の活動やレパートリーを一気に俯瞰できる内容となっており、とってもお得。もちろん、個人的にも大変興味深く聴いた。須川氏の演奏や活動の凄さはいまさら説明するまでもない。美しい音色と圧倒的な響き、整ったフレージング、超絶技巧も何のその、といった強力な武器を使って、作曲家や演奏家とのコラボレーションにより多くの聴衆にサクソフォンの魅力を伝えている。誤解を恐れず言えば、日本のサクソフォンが、須川氏に負っている部分の大きさたるや相当なもの、なのである。
最初の2曲は、奥様である小柳美奈子さんとの共演。日本を代表する室内楽の1つだ。カッチーニの「アヴェ・マリア」の儚げなメロディの美しさを歌い上げ(だが決して嫌味にならない)、さらに新作初演となる狭間美帆氏の「秘色の王国」では、タイトルからは想像もつかないようなハードかつファンキーな響きをがんがんと聴かせる。この新作、全編を通して良い作品と感じたが、第三楽章はかなり人気が出そうだ。
続いて、須川展也SAXBANDと須川氏の共演。お弟子さんたちと組んだアンサンブルで、「ウードルズ・オブ・ヌードルズ」「パガニーニ・ロスト」という、対照的、しかしどちらも超超テクニカルな作品たち。まるでお祭りのような楽しさで、一気に聴き通してしまった。
最後は、エレビーの「協奏曲」。もともとは吹奏楽のために書かれた作品を、サクソフォン・アンサンブル版に編み直したそうだ。なんとかっこいい。吹奏楽とサクソフォンのために書かれた作品の中でも、際立って楽しい作品と感じた。これはCDを買わないと!
♪フェスティバルオーケストラ
A.グラズノフ - バレエ音楽「ライモンダ」より
12年にわたってサクソフォーン・フェスティバルを聴いているが、フェスティバルオーケストラはずいぶんと布陣が若くなったなあ、という印象。平均年齢を算出したら、面白いかも。
♪SAX大合奏2015
G.ホルスト - 「惑星」より木星
J.P.スーザ - 星条旗よ永遠なれ
最近は、最後のこの企画までしっかり聴くようにしている。ホールを満たす大音響からは、なんとも形容しがたい感動を受ける。
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以上。毎度のことながら、フェスティバルを企画運営する、実行委員長ほかスタッフの方々に大感謝!である。こうして楽しく聴けるのも、裏で働いてくれている皆様のおかげだ。
来年は、上田卓氏が実行委員長で、2016/2/26,27に開催予定とのこと。
2015/02/02
友人夫妻の結婚式前撮りへ
有給休暇を取得し、友人M夫妻(大学時代の吹奏楽団の先輩後輩)の前撮りへ。もちろん本チャンのカメラマンはいるのだが、諸事情あって別のカメラも必要ということで、呼ばれて伺ったのだ。とっても素敵な会場、スタッフの行き届いた気遣い、何よりご夫妻の美しさ&かっこよさ!写真を撮るのはなかなか責任重大で大変だったが(ボディはNEX-5Nに、レンズは50mm F1.8、もしくは16mm F2.8&Fish-Eye Convなどを使用)、大変充実した時間を過ごすことができた。写真も気に入っていただけて良かった。
帰り際には、上野の大統領支店にて飲み。いろいろな話が飛び出して、時間を忘れ、こちらもとても楽しかった。
帰り際には、上野の大統領支店にて飲み。いろいろな話が飛び出して、時間を忘れ、こちらもとても楽しかった。
ラベル:
その他
第34回サクソフォーンフェスティバル2015(その1)
今年のサクソフォーン・フェスティバル。2日目(2015/2/1@パルテノン多摩)を最初から最後まで聴いた。以下に感想を。
♪音大生によるアンサンブル - 東邦音楽大学・短期大学
A.コレッリ/圓田勇一 - 合奏協奏曲集作品6より"クリスマス協奏曲"
コレルリの「クリスマス」とは、また曲が良いですね。少人数ながらかなり鳴らしている印象で、この曲が持つポリフォニックな効果がよく出ていた。この団体に限らず、中編成〜大編成であっても、光る奏者は目立ちますね。そういえば、大石さんの(サウンドペインティングではない)指揮って初めて見た気がする(笑)。
♪音大生によるアンサンブル - くらしき作陽大学
A.ヴィヴァルディ/長瀬敏和 - ヴァイオリン・ソナタ作品5より
30名弱の専攻生がいるところ、有志10名での参加とのこと。岡山から新幹線で4時間かかった、という紹介があった。整ったアンサンブル、そして音色が美しい。そして「ラ・フォリア」とは、なんという良いセレクト!こういった、関東圏以外の音楽大学のアンサンブルと、関東圏のアンサンブルの、上手い交流の場があると面白いのかも、などと思った。
♪音大生によるアンサンブル - 国立音楽院
A.ポンキエッリ/早川菜美 - 歌劇「ジョコンダ」より時の踊り
もともとの曲のせいなのか、編曲のせいなのか、全体的に音が薄くて、中規模編成の利点が活かされていないのが残念。波及的に音楽の流れが停滞してしまっていた。こういったサクソフォン編成での、編曲の難しさを感じさせられた。
♪音大生によるアンサンブル - 東京藝術大学
J.S.バッハ - トッカータとフーガ
「スペイン奇想曲」の旭井さんのアレンジも聴いてみたかったが、曲が変更。「トッカータとフーガ」は、誰のアレンジだったのだろう?(とても良いアレンジと思ったのだが)各個人はもはや当たり前のように鉄壁に漏れなく上手いのだが、指揮に指揮科の学生を迎えて、アンサンブルとしても良く練られていた。
♪音大生によるアンサンブル - 上野学園大学
G.ホルスト/梶原未知 - セント・ポール組曲
3人の先生がローテーションして教えるシステムを採っているそうだ。門下、という概念が無いということになるのかな?面白い。アンサンブルとして、丸く整った音色がポーンと飛んできて、最初の一音を聴いた瞬間に「おおっ」と思った。「セント・ポール組曲」は、個人的にとても好きな作品だが、サクソフォン・アンサンブルへとアレンジした際の相性の良さを感じた。
♪音大生によるアンサンブル - 東京音楽大学
E.エルガー - 威風堂々第一番
「威風堂々」とはまた意外な選曲、演奏時間としても短いが、面白い響きだった。ここもまた音色の丸さが良いですね。大きな集合体となってもなお(なったからこそ?)、個々の音色が増幅される、サクソフォンのラージアンサンブルのそんな性質を垣間見たような気がする。
♪音大生によるアンサンブル - 尚美ミュージックカレッジ専門学校
A.P.ボロディン/土田まゆみ - "イーゴリ公"よりダッタン人の踊り
原博巳さんの熱い指揮に煽られるように、ダイナミックな演奏が展開された。編曲のせいか、少々高音セクションの音程が気になったが、このくらいの人数が集まってpからfまでうねるような演奏となると、ぐっと引き込まれてしまう。
♪音大生によるアンサンブル - 洗足学園音楽大学
R.シュトラウス/岩本伸一 - アルプス交響曲より
最大人数で壮観。パーカッションも、ティンパニ2組、ウインドマシーンなどを駆使し=原曲と同じの、大音響。「サクソフォンオーケストラ」としては、やはり頻繁に演奏を行っているせいか、響きやダイナミクスの作り方など突出している。世界的に見ても珍しいアンサンブルだ。レパートリーは管弦楽からのアレンジが多いが、この先どのように活動を発展させていくか、注視していきたい。
♪A会員によるプレミアムコンサート - 原博巳
G.フォーレ - ヴァイオリン・ソナタ第一番
暗譜か!と、その時点で驚いたのだが、演奏も言わずもがな凄かった…。ソプラノサクソフォンで、かくも繊細な表現の変化が可能なのかと、驚きの連続だった。表現の変化とは、紐解いていけばアーティキュレーションやダイナミクスの変化なのだが、それをこういったアレンジ作品でひょいとやってのける原さん、さすがです(もちろん物凄い練習量の上に成り立つ演奏なのだろう)。
♪A会員によるプレミアムコンサート - トリビュート to ルチアーノ・ベリオ(佐藤淳一、白井奈緒美、西原亜子)
L.ベリオ - セクエンツァVIIb
L.ベリオ - 二重奏曲よりベラ、シュロミットゥ、ロディオン
L.ベリオ - セクエンツァIXb
佐藤淳一さんによる、ミニレクチャーといった趣。興味深い内容であることは間違いないのだが、私は曲そのものや佐藤さんの論文の内容を知っているので「ふむふむ」という感じであったが、全く知らない方からすると少し難しかったかなあ。あの会場では難しいが、やはりパワポやキーノートで説明を聴いてみたい。演奏はもちろん言わずもがな、深い理解や曲に対する愛に基づく、感銘を受けるものであった。佐藤さんの7bは、冒頭の一撃〜歌手の如き繊細な跳躍まで、表現の幅が広いのが良い。デュエットは、白井さんとお弟子さんとの共演。白井さんが9bを吹くというのは意外で、7bのほうがキャラが活かせそうだなー、などと、そんなことを思ったのだった。
♪A会員によるプレミアムコンサート - 陸上自衛隊中央音楽隊サクソフォーン四重奏団
A.グラズノフ - 四重奏曲作品109
とても良い音色、そして四人それぞれの音楽性の豊かさを感じた。アンサンブルとしてもしっかりと練られており、サクソフォンの音色が重なった時の、芳醇な響きの連続に溺れた。この、グラズノフの最高傑作のひとつという、作品の素晴らしさを良く伝える演奏だったと思う。ダイナミクスの面として、やや巡航速度的なところに落ち着きがちで、ピアノ方向へのダイナミクスの拡張が、もう少しいろいろな箇所に聞こえてきてほしいなー、とも思った。
♪各メーカー楽器デモ演奏 - フィグール・サクソフォーン・カルテット
J.B.サンジュレ - 四重奏曲第一番より一部抜粋(ヤマハ、ビュッフェ、ヤナギサワ、セルマー、モモ・リガチュア各使用)
同一の曲を、各楽器メーカーの楽器を使って、同一のアンサンブルが吹き分ける…という、妄想はしてもなかなか実現しなさそうな企画。楽器メーカーの全面的なバックアップが必要…ということで、フェスならでは!ではないだろうか。興味津々で聴いたが、確かに楽器による差は、私の耳にはそれなりに聴こえてきた。響き、音量、指向性など、メーカーごとの特色を面白く聴いた。もう少し選曲の幅を広くして(サンジュレだけだと、差はそこそこと思うので)、響きの少ない落ち着いた場所で、各楽器メーカーの協賛を得て、いくつかのカルテットを立てて、なんならアドルフ・サックスの古い楽器も混ぜて…ぜひ第二弾を期待してしまう。誰か、企画しませんかね。ところで、演奏の前には、各メーカー/代理店の営業さんが簡単にプレゼンを行っていたのだが、その口上の、過不足無くはっきりと流麗な様に、なんだか驚いてしまったのだった。
♪サクソフォーン四重奏名曲館 - The Rev Saxophone Quartet
R.プラネル - バーレスク
J.フランセ - 小四重奏曲
A.デザンクロ - 四重奏曲
The Rev Saxophone Quartetは昨年もこのコーナーに登場しており、そのスタイリッシュな演奏に驚いたものだったが、今年もまた登場。やや速めのテンポ設定ながら、アンサンブルには乱れがなく、見事というほかない。プラネルやフランセでは、これでもかというほど曲の仕掛けを全面に押し出すが、嫌味にならないのが面白い。デザンクロは、なんというか2015年のデザンクロ、という感じで、伝統を見据えつつ新たな世界を構築しようとする気概を感じた。第2楽章の最後、"耽美"とも形容できるような、あまりに美しい和音の極小ピアノの伸ばしには痺れたのだった。
続く。
♪音大生によるアンサンブル - 東邦音楽大学・短期大学
A.コレッリ/圓田勇一 - 合奏協奏曲集作品6より"クリスマス協奏曲"
コレルリの「クリスマス」とは、また曲が良いですね。少人数ながらかなり鳴らしている印象で、この曲が持つポリフォニックな効果がよく出ていた。この団体に限らず、中編成〜大編成であっても、光る奏者は目立ちますね。そういえば、大石さんの(サウンドペインティングではない)指揮って初めて見た気がする(笑)。
♪音大生によるアンサンブル - くらしき作陽大学
A.ヴィヴァルディ/長瀬敏和 - ヴァイオリン・ソナタ作品5より
30名弱の専攻生がいるところ、有志10名での参加とのこと。岡山から新幹線で4時間かかった、という紹介があった。整ったアンサンブル、そして音色が美しい。そして「ラ・フォリア」とは、なんという良いセレクト!こういった、関東圏以外の音楽大学のアンサンブルと、関東圏のアンサンブルの、上手い交流の場があると面白いのかも、などと思った。
♪音大生によるアンサンブル - 国立音楽院
A.ポンキエッリ/早川菜美 - 歌劇「ジョコンダ」より時の踊り
もともとの曲のせいなのか、編曲のせいなのか、全体的に音が薄くて、中規模編成の利点が活かされていないのが残念。波及的に音楽の流れが停滞してしまっていた。こういったサクソフォン編成での、編曲の難しさを感じさせられた。
♪音大生によるアンサンブル - 東京藝術大学
J.S.バッハ - トッカータとフーガ
「スペイン奇想曲」の旭井さんのアレンジも聴いてみたかったが、曲が変更。「トッカータとフーガ」は、誰のアレンジだったのだろう?(とても良いアレンジと思ったのだが)各個人はもはや当たり前のように鉄壁に漏れなく上手いのだが、指揮に指揮科の学生を迎えて、アンサンブルとしても良く練られていた。
♪音大生によるアンサンブル - 上野学園大学
G.ホルスト/梶原未知 - セント・ポール組曲
3人の先生がローテーションして教えるシステムを採っているそうだ。門下、という概念が無いということになるのかな?面白い。アンサンブルとして、丸く整った音色がポーンと飛んできて、最初の一音を聴いた瞬間に「おおっ」と思った。「セント・ポール組曲」は、個人的にとても好きな作品だが、サクソフォン・アンサンブルへとアレンジした際の相性の良さを感じた。
♪音大生によるアンサンブル - 東京音楽大学
E.エルガー - 威風堂々第一番
「威風堂々」とはまた意外な選曲、演奏時間としても短いが、面白い響きだった。ここもまた音色の丸さが良いですね。大きな集合体となってもなお(なったからこそ?)、個々の音色が増幅される、サクソフォンのラージアンサンブルのそんな性質を垣間見たような気がする。
♪音大生によるアンサンブル - 尚美ミュージックカレッジ専門学校
A.P.ボロディン/土田まゆみ - "イーゴリ公"よりダッタン人の踊り
原博巳さんの熱い指揮に煽られるように、ダイナミックな演奏が展開された。編曲のせいか、少々高音セクションの音程が気になったが、このくらいの人数が集まってpからfまでうねるような演奏となると、ぐっと引き込まれてしまう。
♪音大生によるアンサンブル - 洗足学園音楽大学
R.シュトラウス/岩本伸一 - アルプス交響曲より
最大人数で壮観。パーカッションも、ティンパニ2組、ウインドマシーンなどを駆使し=原曲と同じの、大音響。「サクソフォンオーケストラ」としては、やはり頻繁に演奏を行っているせいか、響きやダイナミクスの作り方など突出している。世界的に見ても珍しいアンサンブルだ。レパートリーは管弦楽からのアレンジが多いが、この先どのように活動を発展させていくか、注視していきたい。
♪A会員によるプレミアムコンサート - 原博巳
G.フォーレ - ヴァイオリン・ソナタ第一番
暗譜か!と、その時点で驚いたのだが、演奏も言わずもがな凄かった…。ソプラノサクソフォンで、かくも繊細な表現の変化が可能なのかと、驚きの連続だった。表現の変化とは、紐解いていけばアーティキュレーションやダイナミクスの変化なのだが、それをこういったアレンジ作品でひょいとやってのける原さん、さすがです(もちろん物凄い練習量の上に成り立つ演奏なのだろう)。
♪A会員によるプレミアムコンサート - トリビュート to ルチアーノ・ベリオ(佐藤淳一、白井奈緒美、西原亜子)
L.ベリオ - セクエンツァVIIb
L.ベリオ - 二重奏曲よりベラ、シュロミットゥ、ロディオン
L.ベリオ - セクエンツァIXb
佐藤淳一さんによる、ミニレクチャーといった趣。興味深い内容であることは間違いないのだが、私は曲そのものや佐藤さんの論文の内容を知っているので「ふむふむ」という感じであったが、全く知らない方からすると少し難しかったかなあ。あの会場では難しいが、やはりパワポやキーノートで説明を聴いてみたい。演奏はもちろん言わずもがな、深い理解や曲に対する愛に基づく、感銘を受けるものであった。佐藤さんの7bは、冒頭の一撃〜歌手の如き繊細な跳躍まで、表現の幅が広いのが良い。デュエットは、白井さんとお弟子さんとの共演。白井さんが9bを吹くというのは意外で、7bのほうがキャラが活かせそうだなー、などと、そんなことを思ったのだった。
♪A会員によるプレミアムコンサート - 陸上自衛隊中央音楽隊サクソフォーン四重奏団
A.グラズノフ - 四重奏曲作品109
とても良い音色、そして四人それぞれの音楽性の豊かさを感じた。アンサンブルとしてもしっかりと練られており、サクソフォンの音色が重なった時の、芳醇な響きの連続に溺れた。この、グラズノフの最高傑作のひとつという、作品の素晴らしさを良く伝える演奏だったと思う。ダイナミクスの面として、やや巡航速度的なところに落ち着きがちで、ピアノ方向へのダイナミクスの拡張が、もう少しいろいろな箇所に聞こえてきてほしいなー、とも思った。
♪各メーカー楽器デモ演奏 - フィグール・サクソフォーン・カルテット
J.B.サンジュレ - 四重奏曲第一番より一部抜粋(ヤマハ、ビュッフェ、ヤナギサワ、セルマー、モモ・リガチュア各使用)
同一の曲を、各楽器メーカーの楽器を使って、同一のアンサンブルが吹き分ける…という、妄想はしてもなかなか実現しなさそうな企画。楽器メーカーの全面的なバックアップが必要…ということで、フェスならでは!ではないだろうか。興味津々で聴いたが、確かに楽器による差は、私の耳にはそれなりに聴こえてきた。響き、音量、指向性など、メーカーごとの特色を面白く聴いた。もう少し選曲の幅を広くして(サンジュレだけだと、差はそこそこと思うので)、響きの少ない落ち着いた場所で、各楽器メーカーの協賛を得て、いくつかのカルテットを立てて、なんならアドルフ・サックスの古い楽器も混ぜて…ぜひ第二弾を期待してしまう。誰か、企画しませんかね。ところで、演奏の前には、各メーカー/代理店の営業さんが簡単にプレゼンを行っていたのだが、その口上の、過不足無くはっきりと流麗な様に、なんだか驚いてしまったのだった。
♪サクソフォーン四重奏名曲館 - The Rev Saxophone Quartet
R.プラネル - バーレスク
J.フランセ - 小四重奏曲
A.デザンクロ - 四重奏曲
The Rev Saxophone Quartetは昨年もこのコーナーに登場しており、そのスタイリッシュな演奏に驚いたものだったが、今年もまた登場。やや速めのテンポ設定ながら、アンサンブルには乱れがなく、見事というほかない。プラネルやフランセでは、これでもかというほど曲の仕掛けを全面に押し出すが、嫌味にならないのが面白い。デザンクロは、なんというか2015年のデザンクロ、という感じで、伝統を見据えつつ新たな世界を構築しようとする気概を感じた。第2楽章の最後、"耽美"とも形容できるような、あまりに美しい和音の極小ピアノの伸ばしには痺れたのだった。
続く。
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