2005/09/30

雲カル第4回定期演奏会

雲井雅人サックス四重奏団の定期演奏会に行ってきた。一杯の客で埋まった満員の津田ホール。「メメント・モリ」に次いで聴いたのは二回目だったが、生で聴くこのクヮルテット・サウンドの豪華絢爛なこと。曲ごとに(楽章ごとに、フレーズごとに、一瞬一瞬に)変化するサクソフォーンの音色は変幻自在。休憩を挟んで聴いた西澤健一「四重奏曲」とイトゥラルデ「ギリシャ組曲」なんか、まるで同じ団体のサウンドには聴こえなかったぞ。

休憩後の第二部が特に印象的。イトゥラルデ「ギリシャ組曲」の第二楽章「Funky」はテナーの林田さんが途中から即興でソロを取り、聴衆もかなり沸いていた。トゥール「哀歌」の隅々まで神経の行き届いた豊かな表現と感情。バッハ「シャコンヌ」では音色の変化やテンションの高さに圧倒されたし、編曲も冴えまくっていた…さすが康英先生。雲井Qの演奏に関して今更ながらひとつ面白い発見をした:発音の仕方がかなり統一されていたということだ。このコントロールされた発音から生み出される音楽が、強烈なアイデンティティのひとつになってるのだろう。

会場で康英先生、Thunderさん、先輩のSさんにお会いすることができた。初めてお会いしたThunderさんとは、少しお話しすることもできました。

ちなみに、東京に出たついでに、アクタスで「Marcel Mule sa vie et le saxophone」購入。興味深い内容です。デザンクロ「四重奏曲」のミュールによる録音って、Eratoから出版されていたんですね…知らなかった。なんとかして聴いてみたいな。

タワレコで雲井雅人サックス四重奏団のセカンドアルバム「チェンバー・シンフォニー」と、Quatuor Diaphaseの「SAXILAND」を購入(後者は四重奏+オケという編成)。どちらもなかなか一癖あるCDで、じっくり聴くのが楽しみだ。スティラー「チェンバー・シンフォニー」だけはもう聴いたが、Amherst Saxophone Quartetのアルバムとは録音環境の違いが顕著で、聴き比べるとおもしろい。

その後民音でラーション「協奏曲」のミニスコアを借りて(吹きませんよ)、徒歩で隣駅前の津田ホールまで向かったのだった。信濃町から千駄ヶ谷まで歩くのは初めてだった、というか東京を電車から降りて歩くこと自体初めてだったのだが、なんとか辿り着けた…さすがに歩き疲れましたが。

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