2007/02/04

Trio Saxiana「Nachtgesang」

先週末、小森伸二さんから届いた、トリオ・サクシアーナ Trio Saxianaのアレンジ作品集。小森さんはトリオ・サクシアーナを主宰する、ニコラ・プロスト Nicolas Prost氏と親交があり(フランスで師事されていたそうだ)、新しいCDを販売用に何枚か送ってもらったんだとか。余りがあればまだ買えるようだ→こちらの記事参照。

演奏は、アンネ・ルカプラン(ssax)、ニコラ・プロスト(asax,tsax)、ローラン・ヴァグシャル(pf)。曲目は以下のとおり。

・Arnold Bax - Elegic Trio
・Dmitri Shostakovich - Trio no1, op.8
・Andre Caplet - Legende
・Max Bruch - Nachtgesang
・Francis Poulenc - Trio
・Jacques Ibert - Deux interludes
・Nino Rota - Trio

そういえば、プーランクの「オーボエとバソン、ピアノのためのトリオ」って、ソプラノサックス+テナーサックス+ピアノや、ソプラノサックス+バリトンサックス+ピアノで演奏される機会は多いけれど、こうやってきちんとCDになっているものって、今まで無かったんじゃないだろうか?

カプレをこの編成のために編曲するのも面白い試みだし、バックスの「悲歌の三重奏曲」、ロータの「トリオ」などの秘曲も面白い。特に前者は、オリジナルがフルート+ヴィオラ+ハープという編成だが、この編成でトライすることにより、曲の新しい魅力が引き出されていると感じた。

演奏も素晴らしい。ぜひこれからも長く活動して、このサックス2本+ピアノという編成での、様々な試みにチャレンジして欲しいものだと願う次第。

RIT2練習へ

今日はRIT2(茨城県四大学吹奏楽合同演奏会)練習@常磐大学。つくばから水戸って、意外と近いもんだ。高速を使うとほんの45分程度で着いた。

3年ぶりの常磐大学の練習場所だったが、あの高天井スペースの音響は個人的にお気に入り。全曲をざっと通して、今日はおしまい。

吹奏楽のなかで演奏するのは、大学の吹奏楽団を引退してからはほとんど機会に恵まれないが、こうして久々に吹いてみると、疲れはするけれどなかなか楽しいもの。せっかくの機会なので、しっかりやりたい。自分の初見能力の落ちっぷりには、ちょいと凹んだ。

本番は3/27@つくば市ノバホール。近づいたら、また告知します。

2007/02/03

先週の土日

もう一週間経ってしまったが、きちんと書いておかないと。

1/27(土)
筑波大学管弦楽団プロムナードコンサートの、吹奏楽ステージにサックスで出演。ホルスト「第一組曲」は、本番も上手くいって楽しかった。ヴォーン=ウィリアムズの「『テューバ協奏曲』よりロマンス」での、指揮のmihaさんによるソロにはただただ脱帽。

他のプログラムの時は客席にいたが、トマジの「木管五重奏曲」全曲を聴けたり、管弦楽ステージのハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」を聴けたり、「だったん人の踊り」はグラズノフの編曲だったりと、いろいろ興味深く聴けた。

1/28(日)
内輪向けのアンサンブルマラソンコンサート。発表の機会がほぼ公平にあるのはありがたいが、演奏レベルとしてはもうちょっとなんとかならんもんでしょうか(笑)。自分が言えた立場じゃないけれど。

グラズノフの最終楽章は、現在のメンバーでの初ステージだったが、うーん、普段の練習の70%くらいだったかも…(--;反省点を挙げるとすればキリがないが、なんというか、まだメンバー同士の演奏中のコミュニケーションができていないのかしらん。まだまだこれからかな。活動スタンスも、模索中。

ピアノ四重奏(ssax, asax, tsax, pf)でやった、サミュエル・バーバー「思い出(Souvenirs)」の演奏が楽しかった。半ば勢いで録音入手、楽譜入手、演奏まで進めてしまったが、快くアンサンブルを引き受けてくれたメンバーの皆さんには感謝。なかなか合わせの機会が取れず、おまけにピアノパートがかなりの難物でmkさんには苦労をかけてしまった。本番は、かなりキズが合ったものの、かなりテンションの高い演奏で、客席にいた友達からもなかなかの好評を得たほか、渡瀬英彦先生にもポジティブな評価をいただけて、嬉しかった。機会があれば、再演したい。

…バーバーの演奏に際しては、洗足音楽大学作曲科教授の生野裕久氏、それからサックスの服部吉之先生にお世話になった。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

吹奏楽のステージは、楽器側としても指揮側としても楽しめた。指揮を振っていた「風紋」は、たくさんの人に乗っていただけて、有難かった。聴いていた中で印象に残ったのは…やっぱ「シンフォニア・フェスティーヴァ」でしょう。ブラヴォー2回出たうち、1回は私です>Tくん。良かったよー。

2007/02/02

ファビエン・ショウラキ「Paysaginaire」

さて、卒論シーズン中にたまりにたまったCDを、ちょこちょこと紹介していこう。どれから書いていこうと思ったのだが、まあ、まずはこちら。ファビエン・ショウラキ Fabien Chouraki氏の演奏による、サクソフォンとテープのための作品集「Paysaginaire(Visages du Saxophone VDS-005)」。

・Jacob ter Veldhuis - Grab It!
・Jacques Lejeune - Paysaginaire
・Jean-Louis Dhermy - Shalom
・Etienne Rolin - No Tenor Tech Out
・Bernard Cavanna - Goutte d'or blues
・Jean-Claude Risset - Voilements
・Jacques Becker - Western Ghats

うーん、聴いたことのない作曲家のオンパレード(^^;というか、そもそもの目的がフェルドハウスの「Grab It!」だったので、こんなもんか?

ショウラキ氏はソリストとしても有名だが、最近はロンデックス~ベルデナッド=シャリエと続いた、あのボルドー音楽院のサクソフォーン科教授に就任したことでも有名(なのかな)。

伝統的なフレンチスタイルとは一線を画す音色がなんとも耳につくが、奏法としてはリラックスしているのだろうか、決して「耳障り」にはならない。このちょっと特殊なサックスの音色は、肉声をサンプリングした効果音やシンセサイザーの音色になかなかマッチする気もする。過多なヴィブラートや、余計な倍音がサックスパートに含まれない分、素材の一つとしてサクソフォンが効果的に溶け込むのだ。

さて、お目当ての「Grab It!」だが、この演奏は良いですね!テープと細かい部分のアンサンブルが合わなくとも、ロック風のノリを前面に押し出した熱い演奏。テーマが回帰する部分のサックスなんて、サイコーです。これ聴くと、ボーンカンプ氏の演奏が大人しく聴こえるほど。技術的には(おそらく)ボーンカンプのほうが上なのだろうが…まあ、個性の違い、ですかね。

そのほかの曲で気に入ったのは、子供の声がサンプリングされたブキミな雰囲気の「Paysaginaire」、冒頭の無伴奏カデンツァが聴きもの「No Tenor Tech Out」、インド的音世界と西洋の音楽がミックスされた不思議な曲「Western Ghats」。サックスとテープ(コンピュータ)にしかできない表現を駆使した曲ばかりで、楽しい。

今まで、アコースティック楽器以外:コンピュータやテープとサクソフォンのデュオを何曲か耳にしてきた。シンセサイザーから飛び出すような音色が、サックスと自然にアンサンブルしているのを聴くと、サクソフォンの様々な音楽ジャンルへの適応力の強さを、再認識する思いだ。今度「サックス+コンピュータ、テープ、ライヴエレクトロニクス」のプレイリストでも作ってみようかな。

parisjazzcorner
というサイトで購入した。送料込みで20ユーロ(高いよ…)。オンラインショップでは、なぜかジャズに分類されていることが多く、探すのにひと苦労。

提出しました

卒業論文を、本日無事提出。今度は一週間後の発表練習に向けて、怒涛の資料作りと発表練習を開始。

2007/02/01

モルゴーア・クァルテット「Destruction」

日本を代表する弦楽器奏者たちによって結成されたモルゴーア・クァルテットのCD「Destruction(東芝EMI TOCE-9650, PCDZ-1981)」。~Rock meets Strings~という副題からも判るとおり、なんと1970年代のプログレッシヴ・ロックをそのまま弦楽四重奏の演奏に置き換えてしまったと言う、なんとも挑戦的なアルバムだ。「Destruction ディストラクション」というタイトルは、なんだかまさにドンピシャというか。

・吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ・クァルテット」
・レッド・ツェッペリン/長生淳「レッド・ツェッペリンに導かれて」
・イエス/佐橋俊彦「イエス・ストーリー」
 ラウンド・アバウト、ロング・ディスタンス・ラン・アラウンド、シベリアン・カトゥルー
・キング・クリムゾン/荒井英治「キング・クリムゾンの肖像」
 レディース・オブ・ザ・ロード、太陽と戦慄パートI、21世紀の精神異常者

ロック大好き作曲家、吉松隆氏が世紀末音楽へのオマージュとして書き下ろした秘曲「アトム・ハーツ・クラブ」を冒頭に配置し、さらにレッド・ツェッペリン、イエス、キング・クリムゾン…ブリティッシュ・ロック好きにはたまらない名前が並ぶ。ここまで読むと、「あれでしょ、クラシック奏者がアソビでロックの旋律を弾いているだけのやつ」のように、多少ニヤニヤする方も、あるいはいるかもしれないが、アルバムを聴き始めると、その嘲笑が驚愕に変わること間違いなし。

音自体の強烈さは、確かにオリジナルに比べれば僅かに劣るかもしれない(エフェクタ&アンプを通したギターの音に、アコースティックのヴァイオリンが打ち勝て、というのはさすがに無茶な注文だろうし)。しかし、なんだこの演奏は!圧倒的なテンション、ビート、上手さ…。弦楽四重奏で、ここまでオリジナルに近づく演奏を再現できるのか(いや…もしかしたらオリジナルの強烈さを超えている部分すらあるかもしれない)という驚き。

吉松氏の「アトム・ハーツ・クラブ」冒らテンション全開。ド頭からガシガシ弾かれていく変拍子の導入部は、これはELPの「タルカス」そのまんまだな(笑)。第2楽章の叙情性なんかは弦楽器の独壇場だと思うし、第3楽章の軽めのピツィカートによるスケルツォを経た第4楽章が圧巻の弾きっぷり!トルヴェール・クヮルテットのあのサックス四重奏版の演奏が、優しく聴こえてしまうほど。

レッド・ツェッペリンは、オリジナルの曲をよく知らないのだが、これまた激しい演奏で…オリジナルを知っている人が聴いても、これならば首を縦に振るんじゃないだろうか。最終部で現れる「天国への階段」は、全楽章を回顧するような弾きこみ。冷静に弾いてちゃ、こんな演奏はできないだろう…凄すぎ。

イエスの「ラウンド・アバウト」や「シベリアン・カトゥルー」を弦楽四重奏で聴けるとはねえ。「ラウンド・アバウト」の冒頭、ヴァイオリンで演奏されるリフの美しいこと。直後に刻み始められるビートとの対比が、なんとも良い。編曲者の佐橋俊彦氏も、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックが大好きなんだそうだ。

そして最後に置かれたキング・クリムゾンの3曲!編曲が第1ヴァイオリンの荒井英治氏だというのも驚きだ。いやー、やばいですよ、かっこよすぎですよ。「Yeah」もハマりまくっているし、「太陽と戦慄」の刻み、「21世紀の精神異常者」のあの長大なソロに、超絶ユニゾン、やりたい放題のコーダと、挙げていけばきりがない。ここまで聴いてくると、モルゴーア・クァルテットのメンバーの、プログレッシヴ・ロックに対する果てしない愛情が、アルバムの隅から隅まで溢れ返っていることに、気付かない者はいないだろう。

ああ、ちょっと情熱的に紹介しすぎたかしらん。いやしかし、これはクラシックファンとロックファンの全員が聴くべき超々名盤!多少の思い入れ先行型紹介文はお許し願いたい。

本CDは、廃盤となってしばらく経ち、CDショップはおろか、中古ショップやオークションで見かけることすらほとんど無いと言える。しかしなんとモルゴーアの演奏会の会場では売っている…先日の演奏会で帰りがけに見たときは、まだニ、三十枚ほど残っていた。欲しくなっちゃったあなたは、ぜひ次回のモルゴーアの演奏会を聴きに行きましょう(ちなみに、CDで聴ける弾きっぷりの凄さは、生でモルゴーアの演奏を体験すると「こういうことだったのね」と、納得できる)。

アトム・ハーツ新録音

吉松隆氏のブログ(→http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/)を眺めていたら、氏の「アトム・ハーツ・クラブ」トリオ版(vn, vc, pf)が、今度録音されるとの情報が。この編成の存在は知っていたのだが、ようやくCDになるということで、ちょっと嬉しい。

けっこう好きな曲で、以下の編成で録音されたCDは、全部持っている。そういえば、自分たちでサックス四重奏版を演奏したこともあるなあ。

弦楽四重奏版:モルゴーア・クァルテット
サクソフォーン四重奏版:トルヴェール・クヮルテット
ギターデュオ版:福田進一&エドゥアルド・フェルナンデス
弦楽合奏版:BBCフィルハーモニック