2025/09/29

塙美里「ここは素晴らしい場所」

塙美里さんのアルバム「ここは素晴らしい場所(ADORA)」。

https://www.adoranewmusic.com/music/how-fair-this-spot

S.Rachmaninov - Daisies, Op.38 No.3
G.F.Handel - Recorder Sonata, Op.1 No.2 HWV 360: I. Larghetto
S. Rachmaninov - 12 Songs, Op. 21: How fair this spot
H.Wieniaski - Polonaise de Concert No.1
A.Scriabin - Prelude, Op.16 No.1
E.Bloch - Baal Shem: III. Simchas Torah
R.Schumann - Fantasiestücke, Op.12 No.3: Warum?
E.Kohler - Vals de fleurs, Op.87 (with F.C.Garcia)

スペインで録音・リリースされたCDで、一般的なサクソフォン向けではない歌曲、器楽曲を中心に構成された内容。

アルトサクソフォンによる演奏もいくつか収録されているが、やはり真骨頂はお得意のソプラノサクソフォンによる演奏だろう。歌心を持ちつつ、テクニカルな面をほとんど意識させない演奏。サクソフォンが本来持つ音色の不連続性を、逆にうまく使っている場所などもあり…ヴィエニャフスキの「ポロネーズ」など。

最近、デファイエ氏の世代の演奏と、ドゥラングル氏の世代の演奏を、交互に聴いているのだが、こういう演奏を聴くたびに、90年代以降のジャンプアップというか、方向転換というか、その影響力の大きさに驚かされる。

最終トラックは、スペインのサクソフォン奏者、Federico Coca Garcia氏との軽やかなデュエットで、アンコールのような一口菓子的雰囲気を楽しく聴いた。

水戸での初リサイタルの時を未だに覚えているのだが、全くその時とは違う活動方向性、確固たる個性といったものには、常々驚かされる。

2025/09/22

「浜辺のアインシュタイン」の演奏映像

最近、車の中でずっとフィリップ・グラス「浜辺のアインシュタイン」を聴いている。作品の存在を知ったのはだいぶ昔だが、繰り返し聴くのは初めて。オペラ作品におけるミニマル・ミュージックの金字塔ともいえる作品で、CD4枚に及ぶ大作(しかも、これでも一部カットが入っている)。数字・音階名を基調とする合唱、囁くようなナレーション、トランス状態に入っているかのような各楽器群、聴きどころは極めて多く、何度も聴いているうちに作品の面白さに気付かされる。

ライヴ演奏は一筋縄ではいかなさそうだが、数年前、日本で、バレエ、演奏会形式の両方で、ほぼ同時期に取り上げられたことがある。偶然にも双方の企画は全く別の方面から立ち上がったという。特に、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールで演奏された、演奏会形式のコンサートは、文化庁芸術祭大賞を受賞するなど、話題となった。

Knee Play1と、Trainの演奏動画をYouTubeで観ることができる。サクソフォンは、井上ハルカ氏と、大石将紀氏。