2013/12/31
デファイエとランスロが写っている写真
「(ジャック・ランスロは)1953年から1999年までビュッフェ・クランポンのテスターでした」とのことで、クランポンの工場?でのショットのようだ。ランスロ氏の目の前にあるのは、ストロボチューナーのように見える。推測であるが、写真のための写真、というわけでもないだろう。ランスロ氏とデファイエ氏の間で、どのような意見が交わされたのか、興味あるところだ。
元記事はこちら。http://jeanpaulodiau.unblog.fr/category/non-classe/
2013/12/29
ヴィオラ版のデュクリュック「ソナタ」の演奏
ヴィオラを演奏するのは、Jarita Ng(→公式サイト)。香港出身で、トリニティ・カレッジとミシガン大学に学び、現在はライス大学で勉強を続けているヴィオリスト/ヴァイオリニストだそうだ。ちょっと調べてみたところ、ミシガン大学つながりで、Donald Sinta Quartetのメンバーと交流があるようで、推測だがそんなところからデュクリュックを演奏することになったのではないかな、と思う。
まずはその音域に注目。ぐっと1.5倍くらいに拡張されている感覚。第4楽章冒頭のフラジオレット音域など、最初は驚くが、何度か聴いているうちにしっくりきてしまう。また、第2楽章でのピツィカートなど、サクソフォンでは決してできない表現もあり、複雑な気分。また、長大なフレーズを弾ききるその持続力はヴィオラならではのものだろう。
数年前に訳出したデュクリュックのバイオグラフィでも見ながら聴いていただければと思う。
ところで…不勉強で申し訳ないんですが、アルトサクソフォン版が先、ヴィオラ版が後からできたんでしたっけ(逆でしたっけ)。
LSO plays "City Noir"
この記事によれば、サクソフォンはサイモン・ハラーム Simon Haram氏が担当しているとのこと。アメリカやオーストラリアではマカリスター氏、オランダではボーンカンプ氏がそれぞれ担当しており、このサクソフォン奏者のリストを見るだけで、サクソフォンパートのウルトラCっぷりを象徴していると思う。
このLSOの演奏を聴いてもなお、やはりマカリスター氏が初演した際のライヴ録音を思い出し、その超人的な演奏技術・音楽性に驚くばかり(要はマカリスター氏が参加した初演の演奏が一番好き、ということなのだが…)。
2013/12/28
つくばで練習
曲は、ヤン・ヴァン=デル・ロースト/柏原卓之「アルセナール」。ある意味、柏原さんの代表曲と言っても過言ではないだろう。とてもよく出来た編曲である、ということは、周知のとおり。指揮者も迎えて、バランスやイメージを整えながら2時間弱。一回目にしてはかなりまとまったような。大人数になったときに、どんな響きになるのかが楽しみだ。
2013/12/27
1998年のヨーロッパフィギュアスケート選手権に…
使用曲はマイケル・ナイマンの「Memorial Requiem」という曲だそうだ。演技とのシンクロ性など聴いていると、そこら辺のオーケストラ曲よりも、ナイマンの曲がフィギュアスケートに合っているのかなあ、などと、素人なりに思ってしまう。バックのナイマン・バンドで咆哮するサクソフォンは、おそらくジョン・ハールだろう。超一流のスポーツと絡むクラシカル・サクソフォンなど、めったに聴けるものではない。貴重な記録である(結局そこかい、という声が聞こえてきそうだが)。
スポーツと絡むサクソフォンというと、他にはあまり思いつかないが…例えば、シドニーオリンピックのシンクロ・デュエット(銀メダル受賞)のBGMでは、栃尾克樹氏のバリトンサクソフォンを聴くことができる。
ギャルド復刻CD(GDWS-0009)レビュー
収録曲目は下記の通り…グリーンドア音楽出版のページからコピペした。とにかく注目すべきは、1961年11月3日の厚生年金ホールにおけるライヴ録音=ギャルド歓迎演奏会、である。木下直人さんが書いたライナーノーツによれば「この録音は某音楽団体によって永く秘蔵されてきたが(後略)」ということで、この録音が残っていたのかという大きな驚きがあった。これを探し当てて世に送り出した木下さんの努力に感服である。
◇ギャルド歓迎演奏会/厚生年金ホール (Rec.3.Nov.1961)
1.ベルリオーズ:「ローマの謝肉祭」序曲
2.ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」より(近所の人々の踊り/粉屋の踊り/終幕の踊り)
3.リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
◇朝日ソノラマ昭和36年12月号より
4.リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
◇コンサート・プログラムより
5.フランス国家・君が代・英雄行進曲(サン・サーンス)
◇Masterworks from France 462 (Rec.1959)
6. ミゴー:教会交響曲 (祈りと入祭唱 犠牲 信奉ミサ)
ということで、あまり冷静に聴けないのだが…。まずは冒頭のベルリオーズを聴いてみよう。冒頭一発目のサウンドから、信じられない瞬間が続く。なんという輝かしく、魅力的な音色だろうか。管楽器を重ねあわせるだけで、このようなサウンドが生まれることがある意味信じられない。彼らは、オーケストラに追いつこうとしてオーケストラのレパートリーに取り組んでいるのではなく、オーケストラと同系列か、もしくはそれらを上回るものとして吹奏楽を位置づけ、実際そのレベルの演奏を提示しているのだから凄い。この曲と、あと「ハンガリー狂詩曲第2番」はNHKホールでも演奏されているが、それと聴き比べてみるのも一興だろう。
ファリャの「三角帽子」は、実に音楽的だ。ブラン楽長の手腕が遺憾なく発揮され、この絶妙な間合いやテンポ取りが実現できているのだろう。ブートリー時代のギャルドの録音にみられるような、適当に音楽を流していくような瞬間は皆無。各ソリストもそれは見事なもので、一級の管楽器奏者が多数在籍していた同時代のギャルドのポテンシャルの高さを思い知らされる。
朝日ソノラマのソノシート(ソノシートって知ってますか?こんなのです。)を復刻したという「ハンガリー狂詩曲第2番」と「ラ・マルセイエーズ」「君が代」「英雄行進曲」は、さすがにソノシートならではの音質の悪さがあるものの、しかし音楽が持つパワーは生半可なものではない。こういった演奏で「君が代」を聴けるというのも嬉しいものがあるなあ。また、放送用録音を復刻したというジョルジュ・ミゴの「教会交響曲」は、吹奏楽のオリジナル作品だそうだ。冒頭の得も言われぬコラールのサウンド。いったい、各楽器をどのようにブレンドすれば、こんな不思議な音が出るのだろう。作品としても実に良く出来ており(さすがにちょっと"渋い"響きだが)、現代であまり演奏されないのは疑問。
とにかく手にとって、聴いてみていただきたい。単なる懐古趣味ではない、1960年代に"吹奏楽"が到達した世界最高の音楽がここにある。
Amazonから入手可能:ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
2013/12/25
ミュージックビデオレコーダー:SONY HDR-MV1レビュー
以前にも書いたが、自分たちの演奏を映像として残すことには興味があって、Tsukuba Saxophone QuartetのYouTubeアカウントにはいくつも演奏をアップしてある。音質の面で満足いくものはあまり無く、小さい音は大きく、大きい音は小さく録れてしまい…なぜかというと、多くの場合音声部分にコンプレッサーが挟んであるからなのだが…特に音圧という点で自然な動画を得ることができなかった。これまでZOOMやOlympusが、リニアPCMレコーダーとムービーカメラを組み合わせた製品をいくつか出しており、購入を検討したことも合ったが、映像側があまりに適当すぎる印象があり、購入とまではいかなかった。SONYがこの機種を発表した時、ようやく動くべきところが動いた、という印象を受け、検討を開始した。
事前情報調査やYouTube上に上がっている購入者のレビュー動画等を経て、購入を決定。実売で26800円というのも魅力的だった(ちなみに、カメラ関係はぜんぶ500円貯金からまかなっており、今回もそこから捻出)。初期不良はさすがに想定外で、利用を考えていたFour Seasons Trioの本番では使うことができなかったが、返品直前に練習で試用することができた。
なかなか所有欲をくすぐるデザインだ。縦長でちょっと不安定にも思えるが、スタイリッシュ。プラスチック筐体だが、Made in Chinaとはいえさすが日本発の製品、曲面を多用しながらもしっかりした作りで好感が持てる。小型軽量という点も良い。
録音されている音声は、さすがである。非常に良く撮れており、その辺りのリニアPCMレコーダーと遜色ない。平常時のノイズも乗らず、全周波数帯域…といっても、管楽器相手だとたかが知れているが…にわたって、そこにある音のまま記録されるのが良い。この当たり前のことができるビデオカメラがほとんど存在しないのだ。映像なしで、リニアPCMレコーダーとして利用するモードもあるのだが、今後レコーダーをわざわざ持っていく必要はないと思ってしまったくらいだ。ステレオ感もかなりある。外部からのLINE INがあるのもポイント高し。超気合の入った録音のときには、すでに所持しているRode NT5ペアマイクとZOOM H4nを使って、さらに音声部分を強化することができる。
画質も良い。さすがにNEXムービーと比べると解像感や高感度耐性など雲泥の差だが、おおむね良好な画質である。そして、なによりその画角である。120°という広角っぷりは、練習場所などやや狭い場所で扱うには最適で、ここまで広く写るか、と驚くこと請け合いである。画角はX-Y方式のマイクと合わせてあるとのことで、それはつまり画像に収まっている範囲をしっかりと捉えられるとうことで、そんなところもコダワリを感じる。逆に、例えばコンサートホールのような場所では、かなり近づけなければ対象物があまりに小さく写ってしまうだろうとも感じた。これは、今後何かの機会で実際に使用して試してみたい。逆光時の補正などもきちんと効いており、極端に明るい部分と暗い部分が混在していても、暗い部分がつぶれず、全体として自然な風合いになるのにはびっくりした。解像度については、Full-HDでの撮影もできるが、私のユースケースでは、HDでも十分かと感じた。
スマートフォンと接続してWifi経由で遠隔地から録画・停止できる機能は、そこそこ使える。接続が不安定だというレビューをときどき見かけるが、私の場合は4回試したうちの1回、途中で接続が切断されてしまっていた。ただ、操作できるのは録画のスタート/ストップと、映像記録/音声記録の切り替え程度。音声レベルの調整や、プレビューがスマートフォンから行えたら、もっと良かった。さすがにプレビューするには帯域が足りないのだろうか?
F値が暗くなっても良いから4倍程度のズーム機能があったらな、とか、Ustreamへのダイレクトストリーミング機能があったらな、とか、ないものねだりしはじめたらキリがないが、それでもひとつ完成されたガジェットだなと感じた。特に練習では活躍しそう。SONY ミュージックビデオレコーダー MV1 HDR-MV1
最近、ZOOMがQ4という類似製品をリリースしたが、そちらはどうなのだろうか。まあ、私はもうこちらを買ってしまったので、使い倒すのみなのだが…。
初期不良返品前に撮影した、Four Seasons Trioの練習風景(練習なので、演奏自体のクオリティはごかんべんを)。公開許可は得ている。フルートの音が小さめに収録されているのは、マイクからの距離が遠いせい。
2013/12/24
「焚き火」の主題による変装?曲
さて、このアルバムの中に入っている作品で最も注目すべきは、栃尾克樹氏と中村均一氏の合作による"「焚き火」の主題による変装?曲"という作品である。例の「たき火」の変奏曲なのだが、入っているネタがすごい!サクソフォン吹き必聴である。逆に、一般の方が聴いても認識できないだろうなあ。何が入っているかはぜひ聴いてご自身の耳で確かめてみていただきたい。Amazonの購入リンクを貼り付けておく→ギフト
2013/12/23
原博巳さん演奏の「サイバーバード協奏曲」 on YouTube
十分なスペックのPCであれば、なんとFull-HDでの視聴も可能。私のPCではHDが限界だったが…。
暗譜!という時点で驚きだが、もちろん続く演奏も高テンション。日本には、そして世界には、オーケストラとこれだけ渡り合えるサクソフォン奏者がどれだけいるだろうか。特に第2楽章から第3楽章にかけての構成などソリスト・オーケストラともに見事で、名演として多くの方にこの動画は知られるべきだろう。こういった素晴らしい演奏が、ごく普通の多くの聴き手に届けられたということは(後半の第九を目当てにこの演奏会に来ていた方もいただろうから…)本当に良かったと思う。
ライヴでぜひ聴いてみたかったな。今回のみと言わず、ぜひ再演を期待したいところ!(ぜひぜひお願いします)
どの都道府県で演奏したことがあるか…
本番に限っており、合宿などの練習は除いている(例えば山梨へは大学の吹奏楽団の合宿で行ったことがあるはず)。日本国外も除いた。もっといろんなところに行っているかなあと思ったのだが、塗り絵してみると実感できるが意外と少ないものなのだな…と。比較的近郊のイメージがあった山梨県や静岡県での演奏機会がこれまでに無いのはちょっと不思議。
白地図は例えばこちらなどいろいろなサイトからダウンロードできるので、時間があれば塗り絵してみてください。"見える化"の初歩の初歩なのだろうが(これを基に何かPDCAを回すわけでもないので、もしかしたら"見える化"とも言わないのかもしれないが)、話のネタくらいには使えるかも。みなさまもどうぞ。
岩手:某一般バンドやアンコン
宮城:女川町出島
福島:モアレSE等
新潟:大学の吹奏楽団の冬季演奏旅行
栃木:夏コンやアンコンの支部大会
群馬:昨日のFST
長野:数えきれないくらい
茨城:数えきれないくらい
東京:数えきれないくらい
千葉:千葉大SaxPrjや支部大会
埼玉:数えきれないくらい
神奈川:意外と少ないかも
愛知:サクソフォン交流会
香川:サクソフォニーフェスティバル
2013/12/22
群馬県高崎市の"いきいきハウス・中屋敷"で演奏
青春18きっぷを使って鈍行(高崎線直通の湘南新宿ライン)で高崎市へ。おしゃべりしつつ過ごしていると、あっという間に到着。倉賀野駅で降車し、ちさ氏のおじさまに車で迎えに来ていただいた。昼食までごちそうになってしまい、会場へ。ちさ氏のおばさま(フラダンスの踊り手!)との合同ステージで、14:00から演奏開始。演奏は、共用スペースを使わせてもらった。セットリストは次のとおり(新曲多し・笑)。
冬景色(FST)
雪(FST)
たき火(FST)
クリスマスメドレー1(FST)
クリスマスメドレー2(FST)
月の夜は(フラダンス)
さよならの向う側(FST)
津軽海峡・冬景色(FST)
長崎は今日も雨だった(FST)
涙そうそう(フラダンス+S.Sax)
サザエさんメドレー(FST)
特に童謡や昔の歌謡曲は演奏していると、聴いている方が歌ってくださる、そんな反応を演奏しながら感じ、とにかくそれが嬉しかった。演奏し終わった後の、みなさまの満足の表情を見るのも、それもまた嬉しい。暖かい気持ちになるような演奏機会は、実に稀有なことである。さらに発展させて、もうちょっと歌いやすい編曲であったら、また、歌詞カードのようなものがあっても良かったかなあ、などとも思うが、これは次回以降に活かしていきたい。終わった後には聴いてくださったみなさまと集合写真を撮って、Selphy CP900を使って即時プリント、これもまた面白かった。
演奏が終わった後は、共用スペースでお茶を頂きながらちさ氏の親族の皆様方と談笑。暖かく迎えて下さり、ありがたいことこの上ない。名残惜しかったが16:30くらいにはお別れとなり、ふたたびおじさまに車にて高崎駅へと送ってもらった。
練習の機会はまだあるが、年内の"本番"はこれにておしまい。良い形で締めくくることができて良かった。
集合写真はこんな感じ。演奏者以外も写っているため、顔が認識できない程度に縮小している。そういえば、家に帰ってから気付いたこと…私のデジカメNEX-5NはWifi機能がなく、その場でのネット共有ができないのだが、100円ショップで売っていたOTG-Host機能のケーブルとUSB-Miniケーブルをつなげば、有線でスマフォのHTL22に取り込めることが分かった。今度はこの手を使おうっと。
2013/12/21
練習と先日の打ち上げ
我孫子に一日篭ってFour Seasons Trio練習。明日の高崎での本番に向けて、新曲を一気に合わせた。この編成(フルート、ソプラノサクソフォン、テナーサクソフォン)であるとテナーサクソフォンはベース役が多いので、低い音・テンポキープの取り扱いに苦労しつつ…。
夕方まで練習した後は、平井にて先日の四賀公民館での演奏の打ち上げ。Sさんにご紹介いただいたお店にて…。ワインも食事も素晴らしく、3時間かけてゆっくりと頂いた。美味しかったなあ。
2013/12/20
即興二題@シルバーマウンテン on YouTube
2013/10/22の演奏会「"今うまれる音楽"~シルバーマウンテンから生み出される今日(こんにち)の音空間・即興」。
2013/12/1の演奏会「地球上の即興音楽家」。シルバーマウンテンとフランスをインターネット中継でつないで、Vincent le Quangらと共に即興を行うという試み(なんだか凄い)。遅延の問題は避けられていないようだが、それでもしっかりとまとめてしまうあたりさすが。
2013/12/19
アジア吹奏楽交流演奏会 in 洗足
今日は、サクソフォン的興味として文京シビック、洗足前田、洗足シルバーマウンテン、昭和で分かれたことと思うが、私は洗足前田だった。伊藤康英先生がオーガナイズした演奏会。
【アジア吹奏楽交流演奏会 in 洗足】
指揮:伊藤康英他
(プログラム他詳細は後日追記します)
洗足学園音楽大学のグリーンタイウィンドアンサンブルには昔から注目している。吹奏楽のまさに「名曲」を、伊藤康英先生プロデュースのもとたびたび高品質で提供しており、これまでも何度か演奏会に伺ったことがある。今回はアジア各地の吹奏楽団のメンバーを交えての演奏会である。作品は、多くを伊藤康英先生の作品が占める。お客さんはちょっと少なめかなという印象だが(如何せん日が難しかったのか)、とても楽しむことができた。
とてもクールかつ重厚な新作のファンファーレによって幕を開ける。若手の作曲家の手によるものとはいえ、技術的にも音楽的にも素晴らしい。演奏会は、伊藤康英先生のトークを交えなら進む。前半は、このファンファーレのほか、協奏曲が二曲演奏された。
「津軽三味線協奏曲」は、11月に一宮市の消防音楽隊によって初演されたばかりの作品。調弦から始まり、カデンツ的な要素も交えつつ最後はロック風に。前半から中盤にかけてはソリストの力量的に苦しい部分があったような気もしたが、最終部に向けては熱演。それにしても、三味線という楽器の、一発弾いた時の存在感たるや、物凄いなと改めて感じ入ったのだった。
「協奏的幻想曲」は、伊藤康英先生が大学4年の時に、伊藤康英先生、そして須川展也氏の母校である浜松北高との共演のために制作された作品。作風としては「ツヴァイザムカイトへの補足的一章」や「サクソフォン協奏曲」とのダイレクトなリンクを感じる。松下君の独奏は相変わらずのキレっぷり!曲想にマッチしつつ、要所ではバイアスを越えた表現の幅を持つ。やはり聴衆へのアピール度は相当なものだ。ちなみに大学の9代下、10代の吹奏楽団の後輩(フルート吹き)が聴きに来ていたのだが、そういった他の楽器の人をも巻き込んでしまうような魅力がある。実際、その後輩もびっくりしていたようだ。
(続きのレビューは後日追記します)
2013/12/18
中橋愛生「静寂の森、饒舌な雨」 on YouTube
演奏している「サックス・パーティー!」は、蓼沼雅紀氏と野島玲菜氏を中心としたメンバーにより結成された、プロフェッショナルの集団。こういったサクソフォンラージアンサンブルのプロフェッショナル団体は、長きにわたって限定的だったが(ミ・ベモルくらいだろうか)、ここ数年ほどで新規団体が多発しており、とても面白い傾向だと感じている。
冒頭のテロップで観る気をなくすが(いやまあ確かに名曲なのだけれどわざわざこんなテロップ入れなくても…笑)、続く演奏は絶品。もちろん作品そのものもとても良い…タイトル通り、冒頭は静寂、8分超えた辺りから饒舌(にぎやか)な曲想。全編を通して集中力が高く、演奏レベルもかなりの境地に到達しており、特に後半ではとても熱い音楽が展開されており、ついつい引き込まれてしまう。聴いたことのない方には、ぜひ耳にしていただきたいところ。
いろんな人の"楽器自伝"を知りたい
どのように楽器を手にし、どのように楽器にはまり、今に至るまでどのような活動をしてきたか、ということ。「どこどこ高校を卒業してどこどこ大学を出て~」のような型にはまったプロフィール文ではなく、どちらかというとエッセイのようなもの、もしくはインタビュー形式のようなものを読んでみたい。
それは、プロフェッショナルの方はもちろんのこと、アマチュアの方も。サクソフォンだけではなく、他の楽器でも。楽器をやっていて、ずっと平坦なまま過ごしてきた、という方はいないはずで、その人を知っていればくすりと笑ってしまうようなエピソードがきっと満載となることだろう。
FacebookやTwitterを読んでいると、基本的に現在のことがほとんど、時折過去の話が出てきても断片的。楽器を始めてから今に至るまでを一気に駆け抜け、要所要所を膨らませているような文章は、ほとんど見たことがない。基本的に自分のことをしゃべることが好きな人は割合で考えればとても多いはずで(いやホント)、だがしかしあまりそういった文章を見かけないのは、やっぱり長文をポストするような場所があまり無いからなのだろうか。
ちなみに私自身は、昔こんな記事を書いている:その1、その2。この記事を書いてから5年経つので、そろそろ続きを書いても良いかもしれない(笑)。
2013/12/17
気になること
とっても昔の記憶なのだが、中学時代にバリトンサクソフォンを手にして暫くは、親に「息を吹き込んでから音が出るまでに数秒かかるんだ。"フーブーーー"、みたいに」と話していた記憶がある。そんな状態で曲なんて吹けたもんではない(笑)今思えば考えられないが。だが、いつしか「ミッキーマウスマーチ」も吹けるようになっていたし、中学を卒業する頃にはホルスト作品やヤン・ヴァン=デル=ロースト作品も演奏していたし。
どのように発音のヴァリエーションや息の使い方や楽譜の読み方を覚えたのか。毎日毎日非効率に練習して1年位はかかったはずで…ただ非効率だったとはいえ、その一連のプロセスに不思議と興味がある。血潮だかナンチャラ欲だか、若さに任せてひたすら力押し・試行錯誤の連続だったと言えば、実際そうなのかもしれないが。
例えばフランスの音楽院では、サクソフォンを初めて手にした人のための年齢別シラバスのようなものがあるのかな。そういったものがあるならば、ぜひそれらと比べてみたい…。
2013/12/16
東京現音計画 Silver Mountain Opening Concert
【東京現音計画 Silver Mountain Opening Concert】
出演:有馬純寿(electo.)、大石将紀(sax.)、橋本晋哉(tub.)
日時:2013年12月16日(月曜)18:30開演
会場:シルバーマウンテンB1F
プログラム:
ブルーノ・マデルナ「ディアローディーア」
ルイジ・ノーノ「後-前-奏曲第一番"ドナウのための"」
有馬純寿「うつしのエチュードI」
松平頼暁「サクソフォンのためのジェスタフォニー」
エルネスト・H・パピエ「急ぎ仕事」
スティーヴ・ライヒ「ニューヨーク・カウンターポイント」
杉山洋一「ファンファーレ」
川上統「羅鱶」(委嘱初演)
ライヒ以外はすべて初めて聴く作品。最初から最後までとても興味深く聴いた/観た。各曲の様子を簡単に述べていこう。
マデルナは、大石氏(Bsax)と橋本氏のデュオ。不協和音を並べつつも、時折現れる協和音の響きは、実に"甘く"感じる!しかし、こうして並べて聴くといかにサクソフォンがイロモノであるかが、良く解る。それに比べてテューバの響きの、なんとシンプルかつプリミティブなことか。人間が太古の昔から鳴り続けているような、そんな印象すら受ける。響きや音色を完全にコントロールしたいと思う作曲家にとっては、やはりサクソフォンという楽器はとても扱いづらいものなのかなとも感じた。
ノーノはテューバソロとエレクトロニクス。シンプルな響きがコンピュータ処理によって幾重にも折り重なり、やがて聴いたことのないような響きが立ち上がる。とても穏やかな盛り上がりを何度か経て幕。テューバパートは、シンプルな音素材を求められるこそ難しいと思うのだが、さすが橋本氏、楽器を完全にコントロールしていた。有馬氏の作品は、エレクトロニクスのソロ。特に説明もプログラム冊子もないので、タイトル「うつし」の意味するところはわからなかった。きらめくような響き、時折挟み込まれるミュージック・コンクレートが美しい。
松平作品は、サクソフォンソロ。シアターピースといった趣。ソプラニーノからバリトンまで、5本のサクソフォンを操りながら、また、時間感覚(やっぱり日本人の作品は断絶部分の取り扱いが楽しい。それでこそだ)をもステージングに取り入れて、まるでサクソフォンを使った日本の伝統芸能の舞台を鑑賞する感覚。ふしぎ。いったいどこからどこまでが楽譜に書かれているのか、それともある部分は即興なのか、楽譜を眺めたいくらいだ。大石さんのこういったシアターピース作品に対する適応能力の高さはYAMATONATTO時代の動画から拝見しているが、相変わらずの素晴らしいステージだった。コミカルなのだけれどシリアスで、西洋なのだけれど東洋で、ストップ&ゴーで…これはとにかく観てみなければわからないものだと思う。今日臨席できて良かった!
休憩を挟んでパピエ。大石氏と橋本氏が机に向かい合って座り、目の前に並べられたマウスピースを、手に取っては吹き、机上に打ちつける。タイトルの「急ぎ仕事」のとおり、せわしなく、目まぐるしく、リズムを刻みながら、時に2つ同時吹きなども交え、さらにはコミカルな幕間も交え、曲が進む。クラッピングミュージックの進化系かな?などと言ってしまっても良いかもしれないが、なぜかくラッピングミュージックにはない面白さをじわじわと感じる。実に面白い。
ライヒは…実はこの曲が演奏されることを知らずに伺ったのだが、大好きな曲であるので思いがけず聴くことができて嬉しかった。ライヴで聴くことのできる機会など、そうそうあるものではない。大石氏の演奏の素晴らしさはもちろんのこと、4本のスピーカーから各パートのバランスを絶妙に変えて、立体的な音響を作り出していたのは有馬氏の手腕だろうか。いずれにせよ、この響きは万人に受け入れられるもののはずで、特にライヴで演奏された時の印象は強烈だ。いろいろなところでもっと演奏されてほしい。
杉山作品は、テューバソロ。タイトル通りの短くシンプルなファンファーレ風のフレーズが演奏されたと思ったら、曲が進むにつれて徐々にそのフレーズがぶっ壊れていく。特殊奏法(テューバでこんなことできるのか!という驚きが多発)をふんだんに交え、安定した演奏で…いや、あまりに安定しすぎて、曲の難しさすらわからないほどだったが(^^;見事に吹ききった!凄すぎてよくわからなくなることって時々あるのだが、そんな感覚。
最後の川上作品は、なんと委嘱初演。バリトンサクソフォン、テューバ、エレクトロニクス。川上氏の作品には動物の名前が付くことが多いというが「羅鱶」もご多分に漏れずそのシリーズに連なる。羅鱶は"らぶか"と読むが、こんな生物だそうだ。…あまりかわいくないな。冗談はさておき、バリトンサクソフォンとテューバの、連続的な、畳み込むような変調の応酬は、聴いていてとてもエキサイティングなものだった。編成的にも設備的にもかなりこれはぜひ再演を期待したいところだ。同じバリトンサクソフォンとテューバ、という編成でも、マデルナ作品よりこちらのほうがより楽器としての特性が近いところにあるように聴こえたのは、なぜだろう。エレクトロニクスの有無だけが理由ではないと思うのだが。
いやー、楽しかった。ピアノの黒田亜樹氏やパーカッションの神田佳子氏が参加した時の演奏もそのうち聴いてみたいなあ。
帰りに溝の口駅近くの「博多っ子」に寄り道して帰宅。ここはなかなかいいですね。
2013/12/15
ピッテル氏からマルセル・ミュール氏へのインタビュー(後半メモ書き)
前回の記事同様、自分用の走り書き。誤字脱字はそのまま。内容のチェックもしていない。間違っている可能性もあるので、情報を引っぱり出す時はかならず元の動画を参照いただきたい。
通訳をしている女性はSandra Rhee(ミュールのかつての生徒とのこと)、ビデオを撮っているのはミュールの息子でフルート吹きのジャック・ミュールだそうだ。
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私達はスター歌手を知っているが、他の歌手も素晴らしい歌を歌う。なぜか?なぜなら、彼らは表現に対して確固たる規律を持っているからだ。でも、彼らはそのことに気づいていない。本能的にそうしているんだろう。全ての歌手は、本能のまま歌っている。ジャックには先生がついていたが、本人が素晴らしい音を持っていることを知らなかった。それと同じことだ。彼は自然体だったが、他の人にとってはそれは良いことだったが、本人にとっては良くないことだった。自然に才能を持つ人は幸せだが、それは他者にとって、なのかもしれない。私は、それを獲得しようとした。努力して努力して、そして一部を手に入れることができた時、私のように吹きたいという生徒を持つことができた。私はそのことを生徒に対して説明しなければならなかった。つまり、私はなぜ生徒がこの演奏に魅力を感じるかを、説明し、分析しなければならなかった。なぜ私がそれを好きなのか?なぜならば、それをしなければ私はできなかったから。しかし、なぜ彼ら自身がそれを好きなのかを知らなければならない。同様に、他の多くの人がなぜそれを好きなのかを知らなければならない。
これが、パリでの流行の始まりだった。いずれ、他の地でも。私は、自分のたくさんの生徒に何年にもわたってそのことを教えた。私は、徹底的に音色について勉強した。私が美しく好みの声楽の声を聴いた時、一般的に、私ではなく他の人にとってもそれは好まれるものであった。皆がその声を楽しむのだ。2つの声があったとすれば、こちらのほうが好みである、というものが存在する。しかしそれは、私だけではなく他の人も同様に、その声を楽しむのだ。声楽には、完全性を持つ瞬間がある。弦楽器のように。どちらも美しい。ヴァイオリンや、チェロには美しい音というものがある。私は常に、Pierre Fournierを規範とした。何度も一緒に仕事をしたことを覚えているよ。私達はお互いのことをよく知っていた。彼は、ひとつの例のようなものだった。私は、彼のように上手くやろうとした。私はその後、分析した。こういうわけで、私の父が私に教えてくれたことと、その後に起こったことは全く違うことだったんだ。しかし、根本にあるものは同じだ。根本と、音楽の贈り物、父は音楽を深く愛していた。私は上手く演奏できた。父は音楽を感じていた。どちらも、大きな学校で学んだわけではないのだが。父は本能的にそういったものを持っていた。だから、父が私の先生なんだ。その後は、私が聴いたものすべてが私の先生だった。
そしてヴァイオリンについても、父は素晴らしいヴァイオリンの先生だった。特に、素晴らしいソノリテを持っていた、という点において。父はすばらしい芸術家だった。素晴らしいソノリテと、解釈を、いくつかの重要な視野とともに持っていた。それは事実であり、他の音楽家…素晴らしいソリストを聴いた時に、私が楽しむことであった。素晴らしいソノリテに、耳がその音に没入し、雰囲気に飲み込まれる。驚異的なことだ。そういったことにインスピレーションを受けた。
私はそれをコピーした。そういった意味で私は日本人が好きだったな。日本人は全てをコピーするからね。ものをコピーするのは良いことだ。日本人はコピーして、それを上手くやるからね。そう、全てを。それは本当だ。かれらはたやすく全てをコピーする。彼らはとても良い耳を持っているんだ。まったく同じ複製を作ってしまう。また彼らはそういったことが好きなんだ。凄いことだ。
私は偉大な音楽家をきいたときそういった精神状態にあって、それが私を成功へと導いた。他の皆も成功した。
私が言えるのは、先生というものは、私が20歳の時パリに住んでおり、その環境の端々がすべて先生だった。私が聴いたものすべてが先生だ。実際、私の父はこう教えてくれた。彼は私にパリに行って音楽環境に触れてほしいと考えていたが、こう言った「お前はパリに行かなければならない。そこでいろんな芸術家を聴くことが、真の教育だ」と。それは本当だった。もちろん、私は素晴らしいヴァイオリンの先生についていたが、私は自分が勉強したいほどヴァイオリンを学べなかった。なぜなら時間がなかったから。
私は生涯にたくさんのヴァイオリンやチェロを聴いたが「選択」をした。どれも美しいソノリテをもっていが…。それは、私に確信を与えた。声楽、弦楽器、器楽家…。管楽器では、何人かは素晴らしいソノリテを持っていた。私はそれらに影響を受けた。全てが私の先生だ。私が聴くことができたもの、全てだ。
私が選択を行ったあと、私は生徒を持ちたくなった。私は彼らの前でたくさん演奏し、私自身が演奏しているのを観察しなければならなかった。生徒に何かを指導する時は、私自身がそれをできなければならない。
私達は音楽の一般的なことについて話しているが、良い耳を持たなければならない。耳はどんな間違いも犯さない。耳が間違いを犯さないというのは、純粋に幸福なことだ。私のことを考えても、それほど多くの間違いをしたとは考えていない。多くの機会があったから。しかし、そういったチャンスがなければ、事前に悪くなることはないが、分析することも難しいだろうし、何が起こっているかを分析することもできないだろう。「なんと素晴らしい歌手、なんと素晴らしい歌声だろう、しかしなぜ?」
音楽院では、1クラスあたり5~6人の生徒がいた。全員が出席して、ひとりが良い演奏をすると、全員に良いソノリテが生まれる。だから、誰かが良い演奏をしているのを聴けば、他の皆はそれを聴いている。その時私は、聴いている生徒に向かって、それについて何を思うかを尋ねた。彼らは「素晴らしいと思いました」と言った。私も同感だった。しかし、なぜ敢えて私は聴いている生徒にそのことを尋ねたのか?「なぜ良いと思ったか説明して下さい」と尋ねるのだ。なぜ良いかを知らなければならない。それは分析の力であり、それは私達が間違っていないことと示してくれるのだ。
とある曲目解説書き進行中
2013/12/13
ピッテル氏からマルセル・ミュール氏へのインタビュー(前半メモ書き)
ミュール氏へのインタビューというと、ヴァンドレン制作のビデオが有名だが、このビデオはもっとおしゃべり風というか、リラックスした雰囲気の中で話されているのが面白い。「ブランデンブルク協奏曲」に初めてサクソフォンが参加した時のエピソードは初出だろう。てっきりカザルスとともにプラド音楽祭で演奏したときが最初だと思っていたのだが、まさかミュンシュとの共演が初だったとは!知らなかった。
また、ミュール氏の奥様であるポレット氏がしゃべっている様子を観られるというのが、個人的に感慨深い。
以下、自分用の走り書き。誤字脱字はそのまま。間違っている可能性もあるので、情報を引っぱり出す時はかならず元の動画を参照いただきたい。
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8歳のときにサクソフォンを初めて、9歳の時にヴァイオリンを始め、3~4年続けた。教師になるべく勉強を始めた。音楽教師ではない。そのあと、軍楽隊に2年いて、その後ギャルドに入隊した。それからオーケストラの中で少しずつ演奏し始めた。協奏曲・カルテット。カルテットは1929年に結成している。カルテットはフランス、ヨーロッパ、最後はカナダでも演奏した。カルテットでアメリカに行ったことはない。音楽院の仕事が忙しかった。
女性:ミュールはアドルフ・サックスの息子から受け取った美しい手紙を持っているんです。そこには、ミュールへの感謝の気持ちが綴られているんですよ(中略)。
そのアドルフ・サックスの息子が亡くなった時、私は教会で演奏した。1945年に亡くなった。彼はサクソフォンを演奏しなかった。オペラ劇場のファンファーレ音楽隊の指揮者だった。ステージ・ミュージックの指揮者だ。
P:私が初めてクラシックサクソフォンを聴いたのは、あなたのサクソフォンカルテットだったんです。16歳の頃。イベールが2番目。そうやってマルセル・ミュールが好きになった。
女性:私は8歳の時にサクソフォンを聴いた。恋に落ちた。
彼女はとても上手くサクソフォンを吹くんだ。
女性:もう吹いていないけど(笑)
ボストン・シンフォニーのソロクラリネット奏者。その後パリに来て、国立オケのソロクラリネット奏者となった。毎回ではないけれど、楽器を構えながらなぜか息を吸うんだ。そのうち飲み込むんじゃないかと思った(笑)。
P:私の先生はJoe Allardだが、亡くなりました
前のシカゴのコングレスの時に会いました。いや、ジュネーブだったかも。
女性:ヘムケは、あなた(ミュール)のディスクを遅く再生して、どういうふうに音楽が作られているか詳細に分析しようとしていた。ソノリテの科学。彼の生徒みんないっしょにやっていて、彼はビデオカセットレコーダーを持っていたからそんなことができたのだけど、あなた(ミュール)が何をやっているか、あなたの秘密を理解するためにそんなことまでしていた(笑)。面白いでしょう。
P:私はそうやってマルセル・ミュールと勉強しました。
女性:でも、そうやっても、同じには演奏できなかった。
(中略)
女性:ヘムケは私に、多くの人々はいまだに、あなたの録音を聞いている人は多いと教えてくれた。少なくともアメリカではそう!
ポレット:彼はアメリカに行ったの。
なぜかというと、シャルル・ミュンシュと一緒に演奏するため。Trocadero…今はなんて言ったかな、Palais de Chaillotか。ある日、そこで開かれた演奏会で、「ブランデンブルク協奏曲」のトランペットを演奏できる人がいなかった。コンサートの直前に、トランペット奏者がいないなんてありえないけど、実際そうだった!その時、指揮者のミュンシュに言われて「ブランデンブルク協奏曲」をソプラノサクソフォンで初めて吹いた。チェロのトゥルトゥリエがなぜかそのことを知っていてね、彼がスペインのプラドで音楽祭に参加した時、やっぱりトランペット奏者がいなかったんだ。パブロ・カザルスがバッハ「ブランデンブルク協奏曲」を振った時(おそらく速すぎて)トランペット奏者が「できません」と言っていなくなってしまったんだろうね。
トゥルトゥリエがカザルスに、ミュールを呼びましょうと進言したらしい。それほど自信はなかったらしいけど。私がプラドに到着して、最初のリハーサルで、ブランデンブルク協奏曲を演奏して、第1楽章の終わりで…ずいぶん速かったが…指揮を止めずに、「ブラボー!ムシュー!」と叫んだ(笑)。カザルスは幸福だっただろうが、演奏はやっぱり少し速かったな(笑)。
P:つまり、カザルスとの演奏が最初ではなく、ミュンシュとの演奏が最初だったと。なぜミュンシュは「ブランデンブルク協奏曲」の演奏にあなたを呼んだのでしょう?
(Palais de Chaillotの演奏会の時に)トランペット奏者がいなかったから。それを演奏できるトランペット奏者が、そこにいなかったのだと思う。そのいなかったトランペット奏者が誰だかは私は知らないが、とにかくいなかったのだ。
P:サクソフォンの先生はいたのですか?それとも自分でサクソフォンを学んだのですか?
いたよ。私の父だ。実際、私の人生の中で受け入れられなかったものというのは多いが、そのサクソフォンを教えられたことについてはまったくそうは思わなかった。実際、父は全てを私に教えてくれた。でも、どうやって演奏するかではない。父に続いて演奏したわけではない。イメージで、父は全てのことを私に教えてくれたのだ。父は素晴らしいサクソフォン奏者だった。音楽を奏でていた。パリで多くの音楽家とともに暮らしたが、父はそれを職とはしなかった。なぜなら、それで生活していくのは大変だったから。父は音楽を愛し、音楽のためだけに演奏した。彼はパリの軍楽隊で演奏していたとき、オペラや演奏会に行くための安いチケットしか買うことができなった。軍楽隊以外の音楽家にもたくさん会って、そうやって音楽への情熱を増していった。私達はそういう人のことを「Music Lover」とも呼びますね。父はプロフェッショナルとして評価されており、ギャルドにも簡単に入れただろう。そうしていたら、凄いキャリアを積んでいただろうね。私は、学んだことによって自分の演奏を変えた。修正して、変えて…そうやって、新しい表現方法を会得していった。より、表情豊かに。これがあなたも録音で聴いた表現だ。私は、表現には2つの種類があると思う。あなた自身の中にある表現:聴き手としてではなく、演奏家として感じるもの。もうひとつは、外部とコミュニケーションして得るもの。声にもいえるし、他のもの…ヴァイオリン、チェロ、他の楽器すべて。弦楽器の表情を作り出すものとは何か?それは音の波。それを私達はヴィブラート、と長いこと呼んでいる。ある人は、ヴィブラートは貧しい人々のためだと言う。だから、誰も不確かな音程に気付かない。ヴィブラートはそういった意味でパーフェクトだ。その昔、弦楽器はヴィブラートをかけていなかった。弦楽器でヴィブラートが使われるようになったのは、2世紀ほど前のことだ。ヴィブラートが全てを変えた。弦楽器は、歌い手、良い歌い手、女性の歌い手、良い女性の歌い手のような表現を行うことができる。時折、私達は誰も聴いたことのないような美しい女声の歌声を聴く。
(…続く)
2013/12/12
Terry Riley "Olson III"
超巨大な合唱…そのミュージックスクールの生徒たちだろう…と、ライリー氏自身が演奏するソプラノサクソフォンによる録音が残っている:「Olson III(organ of corti 3)」。冒頭から「to begin to think about how we are to be」を断片的に繰り返しながら、休みなく50分間にわたって歌い続ける合唱団。絶妙なソプラノサクソフォンの即興。トランス状態が続き、最終部では興奮が頂点に達したのだろう、合唱団の絶叫が聴かれて幕となる。初めて聴いた時は戦慄すら覚えたほど。これ→Olson 3
ライヴを聴いてみたいけれど、いろんな意味で無理だろうなあ(^^;
2013/12/10
第5回交流会、準備中
ウェブとFacebookページで情報公開を進めていく予定。ご興味ある方はチェックのほどを。
2013/12/09
Terry Riley「Assassin Reverie」の楽譜
サウンドトラック部分のサクソフォンパートへの指示は、アルテSQの演奏を聴いただけでは想像できなかったのだが…このライリー氏の手書きの譜面を追ってみると…なるほど、こうなっていたのか、といういろいろな発見があった。
2013/12/08
週末小演奏旅行(府中&諏訪)
9:00に東府中駅に集合し、タクシーで生涯学習センターに移動。すぐに合わせ練習を始め、11:00からロビーコンサート会場でリハーサル。とても大きな吹き抜け(4階まで!)があり、なかなかよく響く場所だった。12:00からの演奏には、とてもたくさんの方…地元の方が多かったかな?…に聴いていただけて、反応もよく、とても嬉しかった。プログラムはこんな感じ。
・私のお気に入り
・ビリーブ
・茶色の小瓶
・クリスマスメドレー
・クリスマスメドレー2
・ジブリメドレー
・ふるさと(アンコール)
演奏したあとは、聴きに来てくれた友達と、このセンターで働いている友達と近くのパスタ屋さんでお昼ごはん。1000円ちょっとでピザ食べ放題、メインのパスタ、サラダ、ドリンクバーがセットになるという破格っぷり(笑)。また、久々に会ったということもあり、いろいろな話題が飛び出した。
中央道府中のバス停に移動して、高速バスで諏訪へ。ぼんやりとしていたらあっという間。降り場まで迎えに来てもらい、私もやすこさんもちさ氏のご実家にお世話になった。日帰り温泉のすわっこランドに連れて行ってもらい、温泉で長風呂し、家に戻って夕食。お料理も多種多様なお酒もとても美味しく、とにかくお世話になりっぱなしだったが、ちさ氏のご両親ともテーブルを囲んで夜遅くまでとても楽しく過ごした(とくにちさ氏のご実家のご両親には今回何から何までお世話になりっぱなしで、この場を借りて改めて御礼申し上げたい)。
明けて日曜日。朝ごはんもご馳走になり、音出しをしてから会場の十間堂茶屋へ。歴史ある古い建物を移設した素敵なお茶屋さんだ。まかないのお昼ごはんを頂いたあと(ここの食事も自然志向で本当に美味しい)、なぜかチケットもぎりやサーブのお手伝いをしながら開演時間を迎えた。
・私のお気に入り
・ビリーブ
・茶色の小瓶
・クリスマスメドレー
・クリスマスメドレー2
・ジブリメドレー
休憩
・小諸馬子唄
・Grab It!
・2人でカルメンを
・ふるさと(アンコール)
お客様は30人近くいらっしゃったが、お客様との距離がここまで近いというのはなかなか珍しく、メンバー全員ずいぶん緊張した中での演奏となったが、お楽しみいただけたようで嬉しい。何となくプログラミングをすすめる中で、結果的にずいぶん幅広い選曲(トリオ、デュオ、無伴奏民謡、エレクトロニクス作品、ナレーション付きミニオペラ風作品)となったが、好意的に受け止められたようで良かった。…というかGrab It!ちゃんと吹けて良かった。。。
17:00代のスーパーあずさに乗って東京へ。電車は久々だが、さすが速いなあ。
2013/12/05
興味の中心
あまり楽器本体とかマウスピース・リード等小物には興味がない。メイン使いも、Selmer Reference 54, Selmer S90-170, Vandoren Traditional 3.5といった感じで、いたって普通、変えたいとも思わない。時々その系統で盛り上がっている話題を見ると(知識がないので)ついつい逃げ出したくなってしまう。フラジオなど、奏法にもあまり興味はない(演奏で必要になれば勉強するけれど…)。
時間もお金も無尽蔵にあるわけがないので、今くらいのスタンスが良いのかなあなんて思っている。
2013/12/04
Asagi Ito plays Ravel "Sonatine"
ライヴで聴いた時はもっと天地がひっくり返るような衝撃を受けたものだが、録画にしてしまうと少し感動が薄れてしまうのは仕方がないかな(まあ、録画や録音って本質的にそういうものなのだろうと思う)。とはいえ、「サクソフォンでラヴェルのソナチネ」という演奏の中では屈指のもの、さらに、クラシック音楽の中へと足を踏み入れている演奏であることに間違いはない。サクソフォン・ピアノの相互のアンサンブルや、極上の音色(この楽器は本当にご自身が気に入っているものだそうで)、見事な発音から始まる格調高い音楽の流れ…等々、その魅力を挙げていけばきりがない。またリサイタルやってくれないかな。
あれ、なんだか画質が変?(反射部分の色収差が気になる…)
2013/12/03
ご案内:クリスマスロビーコンサート@府中
フルートとサックス2本などという楽譜は(当たり前ですが)存在しないので、自分で書いたりtfm氏に外部委託したり、また練習では楽器間のバランスを取るのも難しく、いろいろ大変だった…。
この演奏が終わった後はそのまま長野に移動し、日曜日には長野県諏訪市の十間堂茶屋にて演奏。
2013/12/02
「ラブユー東京」のサックスソロ
阪口新氏と言えば、最近見つけたこの演奏が絶品。
2013/12/01
この週末
土曜日は我孫子に篭って一日練習。9:00〜17:30でがっつりと。来週末、土曜に府中、日曜に長野県諏訪市で演奏するためのトリオ(fl、sax、sax)で、編成が編成だけにアレンジも新たに起こすなどしてなかなか大変。メンバーは大学の吹奏楽団時代によく知った仲であるので、そういう意味ではお互い気を遣うこともない。そういえば、諏訪のプログラミングの関係で、5年ぶりに「Grab It!」を吹いたのだが、意外と覚えていて良かった。練習では新しく導入したSONY HDR-MV1を使ったが、想像以上に良く撮れて、もちろん音質もよく、かなり使える物だと思った(初期不良に当たったので、レビューは返品交換後に行うつもり)。
その日は夕方に自宅に戻り、荷物を入れ替えて20:00過ぎ新宿発の高速バスで実家へ。その日のうちには到着できて良かった。明けて日曜。朝から2014/12/21ホール取得の連絡を受け取る。良かった…(ありがとうございました)。
今回の帰省の目的である、実家での法事に参加し、親戚とともに昼食をとった。14:00過ぎのバスで東京へ向けて出発。途中の双葉SA休憩時に、なんとバス故障ということで別のバスに乗り換えることとなった(さすがに初めての経験)。また、日曜午後の中央道渋滞に巻き込まれながらも、なんとか当初予定の1時間15分遅れ位で新宿に到着できそうだ。
バス移動中はたいてい音楽を聴いているか物書きをしていることが多いのだが、今回はギャルド吹奏楽団とトルヴェールQがメインだった。
2013/11/29
Collection Jeunes Solistes - Alexandre Souillart
アレクサンドル・スーヤ氏は、"テナーサクソフォン"をコンセプトにCDを制作した。タイトルは「Ténor! Quand tu me tiens!」英語で言えば、「Tenor! When you hold me!」ってところだろうか。私自身がカルテットでテナーを吹いていることもあり、注目しながら聴いた。…のだがが、とんでもない次元の演奏が展開されており、ちょっとまともに感想を書くことができない。
Frédéric Durieux - Ubersicht II
Alexandre Markeas - Engrenages
Philippe Leroux - Un Lieu Verdoyant
Alain Savouret - A Flanc de Bozat
Nicolas Mondon - Ravine
Oscar Carmona - Uni-pacio en Espa-verso
無伴奏テナーサクソフォンのための「Ubersicht」から驚異的である。こと、パームキー&サイドキーを使う音域、かつ、超弱音が、どうしたらこのような美しい音色で響かせられるのかと思う。マスタリングも弱音を捉えることに躊躇しておらず、小さい音はとことん小さく捉えられている。録音環境の良さも特筆モノだろう。マルケアスは、サクソフォン四重奏+即興という編成で、ルイ・スクラヴィス&ハバネラ四重奏団の演奏がどうしても頭にあるのだが、74小節目以降の即興のアプローチ(実に長大な!)は、これは実に興味深い解釈で、耳を洗い直されてしまった。
ルルー作品は声楽のテナーとの共演。ジェラール・グリゼイへのオマージュとして書かれた作品だというが、シェルシの「yamaon」を思い出す、パワー溢れる作品だ。ちょっと神秘的な感じもあるが、なにせ曲目解説がフランス語しかなく、読む気がおきないのだ(失敬)。続くアラン・サヴレーの「ボザ山中腹」は、安井さんのリサイタルに伺った方ならトークに出てきたのでご存知と思うが、プリペアド・ピアノとソプラノサクソフォン/テナーサクソフォン持ち替えのための作品。作品としても、もちろん演奏としても非常に完成度が高く、このディスク中の重心となっている印象を受ける。
「Ravine」もやはりプリペアド・ピアノとの作品だが、ぼやけた・たゆたうような雰囲気。なんとなく環境音楽のようにも聴けてしまうのだが、時折のビート感のある曲想また、後半でのプリペアド・ピアノのなんとも言えない雰囲気など、ちょっとヨーロッパ産の作品には思えず、"多国籍"というキーワードが思い浮かんだが…。最後はテナーサクソフォンとエレクトロニクス。冒頭、息の音しかせずに驚くが、徐々に盛り上がり、まさにエレクトロニクスとの室内楽。最終部に向けてのアオリは、本当に見事という他ない。ステレオだとわからないが、マルチチャンネルだと音がぐるぐる回るのだろうか。
共演陣も豪華。奥様の安井寛絵さんのほか、Quatuor Osmoseのメンバー(Mathilde Salvi, Frantz Gandubert、Carmen Lefrancois)、ピアノはMatthieu Acar、ヴァイオリンのSimon Milone、チェロのMyrtille Hetzelなど、スーヤ氏の演奏に見事に華を添えている。
日本国内でのCDの入手は至難だが、スーヤ氏の公式サイトのAudioのメニューから全編聴くことができるようだ。その他面白そうな録音多数。ぜひ訪れてみていただきたい。
2013/11/28
お知り合いの演奏会ご案内2件
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まずは、今週末の野村さんのリサイタル。
【野村亮太サクソフォンコンサート】
出演:野村亮太、神崎えり
日時:2013年11月30日(土曜)14:00開演
会場:ノナカアクタス・アンナホール
料金:2000円※要予約
プログラム:
H.ヴィエニャフスキ - ポロネーズ第一番
C.ドビュッシー - アラベスク第一番
T.ヴィターリ - シャコンヌ
H.ヴュータン - アメリカの思い出
N.パガニーニ - ヴァイオリン協奏曲第二番より
A.グリュンフェルト - ウィーンの夜会
A.グラズノフ - サクソフォン協奏曲
問い合わせ:
http://www.nonaka.com/actus/selmer/
プログラムがとても面白そうで、気になっていた。基本的にヴァイオリンのレパートリーを軸にしつつ、最後に唯一のオリジナル作品であるグラズノフの「サクソフォン協奏曲」を持ってくるという構成から、野村さんがサクソフォンというツールを使って何を目指そうとしているのかがうっすらと見えてくる。このプログラムを見た時、知らなかった作品をいくつNMLで探索して聴いてみたのだが、名曲の多いこと!ヴィターリの高い精神性や、ヴュータン作品でのおなじみのあのメロディがぶっ壊れていく様(しかし決して羽目ははずさない)が、いずれもサクソフォンで奏でられるところを想像してワクワクしてしまった。
それにくらべてサクソフォンのオリジナル作品は玉石混交というか、まあだからこそその中に埋もれる玉を見つけるのが楽しいというか、そんなことも思うのだが。
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さらに一週間先の梅沢さんのリサイタル。
【梅沢洋サクソフォンリサイタル2013】
出演:梅沢洋、大嶋千暁
日時:2013年12月7日(土曜)18:00開演
会場:Salonfelice(サロンフェリーチェ)東急目黒線「洗足駅」徒歩3分
料金:2000円
プログラム:
J.イベール - 物語より
A.デザンクロ - プレリュード、カデンツァと終曲
R.シューマン - アダージョとアレグロ
J.ブラームス - クラリネットソナタop.120-2 他
問い合わせ:
saxophone_ume@yahoo.co.jp
あんまりアマチュアらしからぬプログラミングが鮮烈。PCFは横浜国際の録音を聴かせてもらったことがあるのだが、見事に吹いていて驚かされた。ロマン派のシューマン、ブラームスも、容易には登攀しがたいレパートリーであるが、どのような演奏を繰り広げるのだろうか。要注目。
2013/11/27
ギャルド復刻CD(GDWS-0012)レビュー
収録曲目は下記の通り…グリーンドア音楽出版のページからコピペした。先にレビューしたディスク同様、同封のライナーノーツには、各盤の正確な型番が示されているので、ぜひご覧頂きたい。復刻環境は、SP盤がPierre Clementカートリッジ、LP盤がOrtofon SPU-G、トーレンスターンテーブル、マランツ#1イコライザーアンプである。
資料音源集
ピエール・デュポン指揮/ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 (1928~1936 Columbia)
カミーユ・ルケッティ
1. PANPAN L'ARBI "Chant des Zouaves Chant populaire"
2. LA GALETTE "Chanson de Saint-Cyr Chant populaire"
3. LE SOLDAT DE FRANCE "Chanson de route"
4. LA SIDI BRAHIM Hymne des Chasseurs à pied Chant populaire
5. LA MURETAINO "Chanson régionale avec choeurs"
6. LA TOULOUSAINO "Chanson régionale avec choeurs"
ガストー
7. LA MADELON "Marche en oefile"
ジョルジュ・ティル
8. LE CHANT DU DÉPART "Chant patriotique"
9. LE RÊVE PASSE "Chanson patriotique"
10. CE QUE C'EST QU'UN DRAPEAU "Chanson patriotique"
11. HYMNE EN L'HONNEUR DE LA GENDARMERIE
フランソワ=ジュリアン・ブラン指揮 (Rec.1948~1957)
◇ジョセフ・ペイロン
12. F-Julien Brun:RHIN & DANUBE Hymns official de la 1re Armée Française
◇ミシェル・デン
13. Jacques Simonot:J'AI REVE DU PAY
14. Pierre Grosclaude:HYMNE DE LA LÉGION D'HONNEUR
15〜21. ヨーロッパ共同体国歌集(フランス、ベルギー、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ヨーロッパ合衆国)
22〜35. アフリカ諸国及びマダガスカル国歌集(カメルーン共和国、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、コートジボワール共和国、ダオメー共和国、ガボン共和国、オートボルタ共和国、マダガスカル共和国、モーリタニア・イスラム共和国、ニジェール共和国、セネガル共和国、チャド共和国、トーゴ共和国、ルワンダ共和国)
名歌手とともに奏でられるギャルドの演奏は、もちろん純粋に吹奏楽を聴きたい向きからすればちょっと余計にも思われるかもしれないが(正直なところ、私も聴き始めた瞬間はそう思った)、実はこれがとても面白いのだ!逆に新鮮というか、あまり現代にあって吹奏楽伴奏で歌うなどという録音があまりないものだから…。きっとこの頃はこの演奏形態が当たり前だったのだろう。ちなみに、ブラン楽長時代の録音で、ミシェル・デン Michel Densが歌う「J'AI REVE DU PAY」「HYMNE DE LA LÉGION D'HONNEUR」の2曲は、妙にノイズが少ないのだが、これはオープンリールテープか何かだろうか?
このディスク中最大の聴き物は、なんといってもブラン時代の「アフリカ諸国及びマダガスカル国歌集」であろう。原盤はOCORA OCR-13という型番だが、ワンポイント録音にこだわった名エンジニア、アンドレ・シャルランによる録音である。サクソフォン関連では、ダリウス・ミヨー指揮シャンゼリゼ劇場管の「世界の創造」や、デファイエ四重奏団のリュエフ、パスカル、ティスネが入ったLP等を手がけている。この録音でも、ワンポイントとは思えない高解像度の音質とバランスに驚いた。
私は、こういった録音を今の若い人たちにたくさん聴いてもらいたい。もちろん入り口は現代の吹奏楽であっても構わなくて、ただそれだけで思考停止状態となり現代の吹奏楽を至高とするのではなく、20世紀半ばに吹奏楽が到達した極地の録音を聴いて、何かを感じ取って欲しいのだ。もちろん気に入ってくれればなおのこと良いが、極論するならば嫌いになってしまっても良い。ただ、いろいろな側面の演奏を知ってほしいのだ。
Amazonから入手可能:ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
安井寛絵さんの演奏会:sax&electroによる空間表現の現在
【サキソフォーン、エレクトロニクスによる空間表現の現在】
出演:安井寛絵(sax)、松宮圭太(comp)、渡邉裕美(electro)、田野倉宏向(sound)
日時:2013/11/26(火曜)19:00
会場:トーキョーワンダーサイト渋谷
プログラム:
夏田昌和「Danse sacrée et danse profane au pays d'Extreme Orient」
松宮圭太「PHOTON EMISSION」
ホアン・アロヨ「SIKURI I」
エフェクトのデモンストレーション
即興(渡邉裕美のプログラミングによる)
ピエール・ジョドロフスキ「Mixtion」
渋谷の繁華街の一角の公民館のような場所。ワンダーサイト青山とは違った雰囲気に少したじろぐ。会場は、全方位コンクリート打ちっぱなしの白い壁。後方にはMac、オーディオインターフェイス、ミキサーが並び、客席を8本のスピーカーが取り囲む。8ch、って、なかなかすごいな…。
レクチャーコンサートといった趣。冒頭ならびに曲間には、作品やエレクトロニクス作品の演奏方法概観、また安井さんや共演陣が学んだ音楽院でのエピソードなどが話された。とてもおもしろい試みで、こういったコンサートがサクソフォンの世界にももっと増えて良いのではないかなと感じた。
そして肝心の演奏だが、以前聴いたリサイタルと同様、驚異的な技術レベルである。安井さんの演奏は、特殊奏法だろうが何だろうが、曖昧な部分がいっさい見当たらない。重音一つとっても、自身のコントロール下に置いているのだ。また、音色という点で、フランスそのままという感じは受けず、きちんと一旦内面で消化してからプレゼンテーションするあたり、実に稀有な存在だと思う。また、共演陣の仕事も鉄壁で、この種のコンサートに(時折)つきまとう不安定な要素を、全く感じなかった。
夏田氏の作品は、「West, or Evening Song in Autumn」の再構築作品と言えるだろうか。臨席した夏田氏からは、「(打楽器だと準備が大変だがエレクトロニクスならば)メトロでも演奏できるお手軽バージョン」との言葉も飛び出したが、これはこれで面白い内容だと思った。「Danse profane」は、ソプラノサクソフォンのエッジの効いたリズムがとても楽しかった。安井さんの修士リサイタルで委嘱初演された作品なのだそうだ。続く「今日完成した」という松宮作品は、これもまた興味深く聴いた。サクソフォンパートの扱いに、他のIRCAM発の作品と似たものを感じる。
ホアン・アロヨ氏の作品は、ここのリンク先でも安井さん自身による演奏を聴くことができるが、映像とは全く違った印象を受けた。もっとおとなしい作品かと思いきや、ある意味本日のプログラムの中で最もアグレッシヴな作品にも聴こえたのだから、面白い。続いて、客席から希望者を募って(tfm氏、かどぐちさん、安井さんの妹)、エフェクトのデモンストレーション。さらに、渡邉氏謹製のMAX/MSPパッチを使った即興。即興は、これまで聴いたことのあるどのタイプとも違う感じを受けたが…ちょっと私の言葉が足りず上手く表現できない(例えれば、平野さんや大石さんの即興とはまた違ったタイプ、ということ)。
楽しみにしていた「Mixtion」。自身の内面をひたすら掘り下げていくような演奏に感銘を受けた。この種の作品を演奏するときに演奏家に求められるのは、どれだけ自分を作品の中に埋没させる方向にシフトするか、それとも、とにかく作品を俯瞰する方面にシフトするか、なのだと思っているのだが、安井さんの演奏は没入型だっただろうか。それにしても、安井さんにはテナーサクソフォンがなんとも似合うこと!また、これだけテナーサクソフォンをダイナミック、かつ自在にコントロールできる演奏家を、あまり見たことがないなあ、とも思ったのだった。
あー!また聴きたいな!フランスにおいて最先端のサクソフォンに取り組む演奏家として、今後も時々日本のサクソフォン界にパンチを入れるような企画を聴かせてほしいものだ。
本日使われた3台のサクソフォン。
2013/11/25
テリー・ライリー「暗殺者の幻想」
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Terry Riley - Assassin Reverie (2001) for Saxophone Quartet and Tape
ARTE Quartettにより委嘱され、2001年6月16日にARTE QuartettとBeat Kappelerによって初演された。
Assassin Reverieは、単一楽章だが、音素材とステージングの指示によって3つのセクションから構成されている。"論理的な文脈"を持つステージングによって作曲されている。ライリーがスコアに書いた演奏ノートには、次のような指示が書いてある。カルテットの演奏者は全員、同じ色の服と帽子(hat)で身を固めなければならない。それは、白でも黒でも黄でも緑でも良い。
この視覚的側面は、もちろん録音においては失われているが、書いておくに値することだろう。曲の冒頭、ソプラノサクソフォンが叙情的なフレーズを奏で始めると、ステージ上は赤い色の光で包まれる。すぐにアルトサクソフォンとの絡みとなるが、アルトはカノン的にソプラノサクソフォンのフレーズを模倣する。さらにテナーサクソフォンが演奏し始め、やはりソプラノサクソフォンのパート模倣する。
冒頭の哀愁を帯びた曲のムードは、すぐに相反する上行形の連符によって、まったく違った性格を見せることとなる。19-23小節目と、36-38小節目に、ソプラノサクソフォンの上行形の連符を見ることができるだろう。2回めの上行形は、ソプラノサクソフォンが無伴奏のカデンツァへと進行するための境界となっている。そのカデンツァははやり上行形であり、ソプラノサクソフォンはカデンツァの最高音に達すると、痛みを伴った泣き声のように、ピッチベンドによって音程を下げる。
62-63小節目に現れるテナーサクソフォンとアルトサクソフォンが演奏する上行形のフレーズは、新たなエピソード(Con moto)の開始を告げる音形だ。アルトとテナーのシンコペーションの動きによって、ソプラノサクソフォンとバリトンサクソフォンが奏でるアラベスク風のメロディが出現する。楽器ごとの絡み合いはさらに複雑となり、演奏は徐々に強烈となり、ついに最初のセクションのクライマックスへと到達する。ここでは、4本のサクソフォンが、激烈な上行形の半音階のクラスターを奏でる(94-99小節目)。全てのパートにffffの指示があり、ステージングの指示には、灯されていた赤い光を突然消すように、との指示がある。同時に、サウンドトラックがスタートする。
ここから第2セクションである。攻撃的なサウンドトラック…銃器の発射音や、ヘリコプターの音が全編に渡って聞かれる…とともに、次のセクションまで暗闇からストロボを発光させるようにとの指示がある。ここでライリーは特に記譜を書いておらず、演奏の開始位置だけを厳格に定義している(ソリ、テュッティ、デュエット、等)。サウンドトラック中の別々のパッセージは、旋律のようなフレーズや音階に関連づいており、4人のプレイヤーによって自由に演奏されて良い。サクソフォンパートはサウンドトラックに聞かれる恐怖のサウンドに呼応して、本能的に即興を行わなければならない。この劇的で長大なセクションでは、ライリーによれば、演奏者は"ステージの周囲に"移動しなければならず、さらに"サウンドトラック中と同じような銃器の音や暴力の音を常に模倣しなければならない"そうだ。
サウンドトラックのキューイングにより、第2セクションが終わる。サクソフォン奏者は譜面台の場所に戻り、ストロボをは消され、青い光を灯すようにとの支持がある。サウンドトラックは徐々にフェードアウトし、サクソフォン四重奏は最終セクションを奏でる。ここで演奏される旋律は、冒頭の哀愁を帯びたフレーズと似通ったものである。
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Arte QuartettのこのCD→Terry Riley: Assassin Reverieで聴ける。「Uncle Jard」では、ライリーがヴォーカル&ハープシコード&ピアノで参加していたりと、なにげに豪華。演奏は妙に即物的なのだが、それもまた味わい。
2013/11/24
"ネットワークプリントサービス"で印刷
先日我孫子へ練習で伺った際に、楽譜の印刷にネットプリントを使おうと思ったものの、我孫子駅の近くにセブンイレブンがないことを知って、慌ててネットを探して見つけたのがこのサービス。我孫子駅近くのファミリーマートを使って印刷し、料金もネットプリントと同じだった。もちろん専用のスマホ用アプリもあり、スマホからデータをアップロードして印刷することも可能だ。
セブンイレブンだけかと思っていたところに、こうやって他のコンビニでも使えるなサービスが拡がっていくのは、便利で良いことだ。あまりに便利すぎて、常日頃から何とかなると思い込んでしまう、という弊害はあるが…(苦笑)。
2013/11/23
ボーンカンプ氏、来日中
Just started 3 weeks of masterclass at the Geidai-University of Arts in Tokyo with Nobuya and Minako Sugawa.
Concert on 28th of november: 'Bach in Image' and after the intermission piece with the sax-ensemble of Geidai (Debussy)
And last but not least: the Trio by Poulenc with Minako and Nobuya!
11月28日のコンサートについて全く情報が見つからないのだが、プライヴェートな演奏会なのだろうか(どのみち、仕事の都合で伺えなさそうなのだが…)。
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(追記)
原博巳さんのFBページから情報の詳細が載った画像をもらってきた。なるほど…要予約制とのことなので、希望の方はお早めに。
2013/11/21
マスランカ「Songs for the Coming Day」の楽譜購入方法
日本国内でいくつか代理店?がついているようだが、私は出版元のMaslanka Pressからの直接購入にトライした。Maslanka PressのFacebookページから購入希望の旨、メッセージを送ることで、価格と購入案内をもらうことができる。価格は、私が問い合わせた時は、印刷譜が85USDで送料が15USD、PDF版が55USDだった。支払い方法はPayPal。印刷譜を希望する場合は住所とメールアドレス、PDF版を希望する場合はメールアドレスのみを知らせる。発送は支払い前に行われるようだ。メールアドレス宛に届いた支払い案内に沿って、請求額の支払いを完了する。
ここに書いた手順や価格は将来的に変更になる可能性もあるので、必ず版元に確認の上、各自購入手続きを進めていただきたい。
2013/11/20
Russell Peterson "Trio"の楽譜
どんな曲か、というあたりは、下記のYouTube動画を観ていただければと(作曲者自身が参加するExcelsior TRIOによる演奏)。カッコイイですね。既に日本でも複数回演奏されており、今後も引き続き流行りそう。
楽譜の入手は実に簡単。rpeters@cord.edu(=Russell Peterson)宛に楽譜入手したい旨メールすれば、数日中に返信がある。メール中の指示に従ってPayPal経由で35USDを支払うことで、PDFでご本人から楽譜が送られてくる。
2013/11/19
ギャルド復刻CD(GDWS-0011)レビュー
収録曲目は下記の通り…グリーンドア音楽出版のページからコピペした。1928年から1936年にかけて、ColumbiaレーベルにSP盤として吹きこまれたものである。同封のライナーノーツには、各盤の正確な型番が示されているので、ぜひご覧頂きたい。復刻環境は、木下氏のシステム(それぞれ完璧に調整された、Pierre Clementカートリッジ&アーム、トーレンスターンテーブル、マランツ#1イコライザーアンプ)である。
1.リール:ラ・マルセイエーズ
2.ワーグナー:ワルキューレの騎行
3.ウェーバー:Bbクラリネット小協奏曲
4.ウェーバー:クラリネット協奏曲 第2番より レシタティーヴ(ルネ・ヴェルネイ)とポロネーズ
5.ビゼー:組曲「ローマ」より 第2楽章
6.ビゼー:歌劇「カルメン」より 前奏曲集
7.ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番
8.ブラームス:ハンガリー舞曲 第6番
9~16.国歌集(フランス、イギリス、ベルギー、アメリカ、オランダ、ポーランド、フィンランド、スイス)
17.ガンヌ:ロレーヌ行進曲
18.デュポン:アルザス行進曲
19.プランケット:行進曲 サンブル・エ・ムーズ連隊
20.メステール:コーカサスの擲弾兵
21.国民分列行進
22.ウェットジュ:ギャルド・レピュブリケーヌの分列行進
聴きどころは大変多いが、いくつか挙げていこう。
現代の奏者であっても登攀しがたいその圧倒的なテクニックに注目したい。ウェーバーの「クラリネット小協奏曲」「クラリネット協奏曲第2番"ポロネーズ"」では、なんとこの曲をクラリネットパートのユニゾンで聴かせている。高難易度のフレーズを、ユニゾンで見事にアンサンブルしてしまう手腕に驚いてしまう。前回の復刻盤におけるメサジェの「舞踏組曲"二羽の鳩"」での驚異的なアンサンブル能力が、こんなところでも聴けるとは思わなかった。
音色の妙。私は、デュポン楽長~ブラン楽長時代のギャルドの最大の魅力は、その不思議な音色にあると思っている。「組曲"ローマ"」の冒頭に聴かれるフーガは、一聴するといったい何の楽器で吹いているか解らないほどだ。おそらくクラリネットとサクソフォンとその他の楽器が絶妙にブレンドされた結果なのだろうが、ここまで多彩な響きを生み出すそのデュポン楽長の手腕に、改めて感心してしまう。続く「カルメン」では、おなじみのメロディが、次々と色を変えながら演奏される様子に、ついにやけてしまう。
ノイズは修正していない。例えば、冒頭のジョルジュ・ティルが歌う「ラ・マルセイエーズ(Columbia DF-76)」はMarianne Melodieから復刻されているのだが、ノイズを取り去っているMariannne Melodie盤と今回のグリーンドア音楽出版の盤を比べてしまうと、原音のリアルさという点でグリーンドア盤が圧倒的だ。原音をそのまま残すことにこだわる木下さんの姿勢は、多くの"復刻盤"と一線を画すものであるが、わたしは木下さんのポリシーを支持したい(とにかく、聴いていただければわかると思う)。
国歌集(Columbia DFX-234)で聴かれる響きは、とりわけ豪華絢爛であるが、編成の違いなどがあるのだろうか。おそらく編曲はデュポン楽長なのだろうが…特にオランダ国歌やスイス国歌なんて、実に感動的だ。全てではなににしろ、国歌のひとつひとつをこのようにギャルドの演奏の録音として残してくれたことは、実に幸いなことであったと思う。また、最後に6曲収められたマーチは、ブラン楽長時代にもいくつかマーチが録音されているが、デュポン楽長時代のマーチはさらにサウンドとして引き締まっており、聴き応えがある。(どちらも言わずもがなレベルが高く、ここまで来ると好みの問題かなと思うが)
Amazonから入手可能:ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団
2013/11/18
安井寛絵さんコンサートのチラシ
以下、安井寛絵さんからの案内文。
この度、久々に日本での演奏会を開催する事となりました。今回はサクソフォーン、エレクトロニクス、空間音楽の現在というテーマでサックスとエレクトロニクス作品のみで演奏します。エレクトロ作品と即興、さらにリアルタイム音響とマルチチャンネルスピーカーによるデモンストレーションや解説等もあり、解りやすくリアルタイム音響が体感できる様な演奏会になっています。
【サキソフォーン、エレクトロ二クスによる空間表現の現在】
出演:安井寛絵(sax)、松宮圭太(comp)、渡邊裕美(electro)
日時:2013年11月26日(火曜)19:00開演
会場:トーキョーワンダーサイト渋谷
料金:2500円(要予約)
プログラム:
夏田昌和 - Danse sacré et Danse profane au Pays d'Extrème Orient
松宮圭太 - Photon Emission
Juan Arroyo - Sikuri I
Pierre Jodlowski - Mixtion
Improvisation
問い合わせ・予約:
http://www.tokyo-ws.org/archive/2013/10/post-145.shtml
ジョドロフスキの「Mixtion」を演奏する、というだけで、これはもう行かなければならない(笑)。既に作曲から10年経ち"古典作品"となりつつあるが、いまだに私の中ではサクソフォンとエレクトロニクスのための作品の中でも、最高傑作の一つである(楽譜もMAX/MSPパッチも持っていて、いつか自分でも演奏しなければと思っている)。その他、日本初演多数。夏田昌和氏の新作は、これは要注目だろう。また、今回コラボレーションを行う松宮氏の作品も、気になっている。
(クリックすると拡大)
2013/11/17
Lepai LP-2020A+ (NFJストア別注モデル)
今日の午後は珍しく完全OFFだったので、部屋の片付け。やっぱり部屋を綺麗にしておくことは重要。いろいろと事務作業は溜まっているのだが、やはり部屋が綺麗かどうかで、進み方が違う気がする。
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「Lepai LP-2020A+」の"NFJストア別注モデル"が到着したので、鳴らしてみるなど。つないでいるスピーカーは、この12面体スピーカー。我ながら突っ込みどころ満載なセッティングであることは分かっているのだが、安く遊べるとついつい無駄なことをしてしまう(きちんとしたクラシック聴くためのシステム揃えなさい、と言われてしまいそうだ)。実際このアンプも2000円台だったからなあ…。
以前はMuse M50などというやはり激安のアンプをつないだこともあったのだが、ギャングエラーが大きく出てしまい、大音量ではともかく、部屋の中で小音量で聴く際には使い物にならなかった。何か同様に安くて面白そうなものは…ということで探し当てたのが、これ。ギャングエラーもなく(そもそもボリュームツマミがAカーブだというところが嬉しい)、価格のわりにきちんと鳴ってくれている。良かった良かった。
興味が有る方はこのあたり(ヤフオクストア)から買える。
2013/11/16
シルバーマウンテン演奏会の動画(一部)
サクスケルツェット:
平野公崇&塩谷哲:
2013/11/14
ギャルド新復刻盤(木下直人氏監修)
今回は同時に2セット発売となった。いずれも2枚組で、1セットはデュポン楽長が吹き込んだSP盤のうち、前回の復刻盤に収録できなかったぶんと、ブラン楽長時代の録音を復刻したものである。もう1セットは、1961年のギャルド初来日時の録音(厚生年金ホールで開かれたギャルド歓迎演奏会の)を含む、ブラン楽長時代の至芸を収録したものである。
まず1回、全編を通して聴いてみた印象を。もちろん詳しいレビューは後日行うつもりだが、これだけは断言しよう。「これを聴かずして吹奏楽を語ることなかれ」と。フランスやイタリアのオーケストラ・ダルモニーが、世界最高のレベルに達した20世紀半ばの幸福な時代の記録。世界最高クラスの復刻技術によって再現された音をじっくりと楽しみたい。ディスク1枚1枚、じっくりとレビューしていきます。
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(ブラン楽長)
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(デュポン楽長&ブラン楽長)
2013/11/12
マカリスター氏のFENAM2013リサイタル動画
http://www.livestream.com/csusmusic/video?clipId=pla_08f20da4-84ec-437f-9baf-90180bfe1b50
オール・アメリカンのプログラムは下記の通り(ところどころわかりませんでした)。
John Adams - Fearful Symmetries: Postmark
?
?
William Albright - Postcard from Kansas: Welcome to Interstate-70
Stacy Garrop - Pieces of Sanity
Roshanne Etezady - Streetlegal
? - Three Scene Sketches
William Albright - Sonata
相変わらず、唖然とするほどの巧さ。いったいどんな口と頭の構造をしているのかと。なんだか同じ人間とは思えない…。
冒頭ではポストカードシリーズから4曲(真ん中の2曲は知らない作品だった…おそらくどちらかがエリオット・カーターの作品なのだが)。ステイシー・ギャロップ氏の作品は初めて聴いたが、面白い。他にもサクソフォンの作品を書いているようで、気になっている。後半では、特にサクソフォン版初演となる「Three Scene Sketches」なる作品でのプレイたるや、いったい何が起こったのかと思うほどだ(オリジナルがクラリネットの作品をそのまま吹けるんですねえ)。続くオルブライトでは、日本で聴いたあのリサイタルの衝撃を思い起こさせる。
現代サクソフォン界における最強のヴィルトゥオーゾの一人として、これからも注目していきたい。ああ、またアダムズの「シティ・ノワール」聴きたくなってきた。
インドのサックス教則ビデオが凄い
サクソフォンの歴史(まあ普通ですね):
http://www.youtube.com/watch?v=t-DWm5cDtps
サクソフォンのパーツ紹介(なんかリガチュアの締め方がおかしいような):
http://www.youtube.com/watch?v=ZXtAZi2Z30M
サクソフォンの組み立て方(演奏スタイルは胡座ですね。あと、ダブルリップならぬダブルティースは笑いました):
http://www.youtube.com/watch?v=bXQER2YJLts
ベーシック・レッスン(この音階が基礎になるのか!!という衝撃。ちょっと調べてみたところ、ジプシー音階と同じバイラヴ・タートというらしい。音階名は"サラグマパダヌサ"という。そして、パーツのおすすめはYAMAHA C4 Beginner's Mouthpieceと、1 1/2もしくは2のリードとのこと…!):
http://www.youtube.com/watch?v=K3mlES3QRtM
…(中略)…
エレメンタリー・レッスン(高速化したスケール。生徒役の方、がんばれ!):
http://www.youtube.com/watch?v=B-5ymHPLjl4
イージー・ステップス・トゥ・ラーン(ジェンタヴァルセガル?の練習。サイドキーを使ったテクニックも。)
http://www.youtube.com/watch?v=8jOiSuRjNqo
コンサート・パターン(講師演奏。凄い):
http://www.youtube.com/watch?v=XLd1k6Wy-LQ
2013/11/11
2013/11/10
筑波大学吹奏楽団サクソフォンアンサンブルコンサート2013
【筑波大学吹奏楽団サクソフォンアンサンブルコンサート】
日時:2013年11月9日 13:30開演
会場:つくば市 ノバホール・小ホール
料金:入場無料
プログラム:
本多俊之「"家族ゲーム"より"遊戯"」
オムニバス「ディズニーメドレー」
中尾敦「おやつはチョコケーキ」
G.リチャーズ「高貴なる葡萄酒を讃えてより4」
横内章次「バラード・フォー・トルヴェール」
M.ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
M.ムソルグスキー「展覧会の絵より古城」
J.ヴァン=デル=ロースト「カンタベリーコラール」
発音がよく揃い(ここ、とっても重要)、どのパートもよく歌い、テクニカルな面も素晴らしい。ソロで丸裸になった時にも、なんの苦労もなく難しいフレーズをスイスイと吹き進めてしまう。小編成で何チームも安定して組め、いずれもかなり高レベルでプレゼンテーションできるなんて、羨ましいなあ。私達も負けていられない。
ラージの選曲は、アダージョ特集か!という感じで驚いてしまったのだが、意外にも面白く聴けた。というのも、ちゃんと曲ごとに音色の変化があるので、曲調が似通っていたとしても飽きが来ないのだ。これが弦楽合奏だとそうはいかないのかなあ、などとも思ったのだが、とにかく面白い気付きであった。
演奏会後は、ウエストハウスでワッフルを堪能し、18:00からの打ち上げにも参加させてもらった。ゆっくりと、かつ、にぎやかに飲んで、日付が変わって25:00まで。これがつくば時間!カメラを置いておいたところ、気がついたらいろんな写真が撮られていたのだが、ことフィッシュアイレンズを使って撮影された写真はあまりに変なものが多く、ちょっと公開できない雰囲気だ(苦笑)。ああ、楽しかった。
打ち上げの写真の一部。フィッシュアイがこんなに面白いとは。
珍しく
私自身は専門の教育を受けているわけではないので、ある程度の話を超える部分(奏法云々だったり、セッティングの話だったり、ソロ演奏の歌い方だったり…etc)については、自分の中にPedagogyがあろうがなかろうが教えるべきではないと考えていて、実際、話を受けた当初はかなり迷ったのだが…。状況に応じてプロフェッショナルの方を紹介する、ということはできるなと考え、まずは初期段階ということで感触を確かめるべく伺った。
なかなか自分にとっては面白い時間となった。状況に応じて適応しなければならないこともあるし、いろいろと気を遣うこともあるし、わかりやすく説明することの難しさもあるし…。また、それとは別に、わからないなりにひたすら練習していた自分の高校時代を思い出したりして、懐かしく感じるのだった。
2013/11/09
Saxophone d'Aujourd'hui et de Demain
実際の内容を確認したところ、不正確な情報があったのでまずは訂正から。まず、第1回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールの実況録音盤と書いたが、それは間違いで、第1回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクール入賞者記念コンサートの実況録音盤である。また、メセナ国際コンクールなどと書いたが、それも間違いで、あくまで第1回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールのみに関連した盤である。Mecenartは、ボルドーに本拠を置く文化振興を目的とした非営利団体なのだそうだ。間違った情報を書いてしまい、大変申し訳ありませんでした…。
気を取り直して、レビューを開始。第1回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールの開催後、1996年9月16日にフランス・ボルドー市のCentre Andre Malrauxで開かれた、入賞者記念演奏会の模様を録音したディスクである。このコンクールでは、平野公崇氏が日本人として初めてサクソフォンの国際コンクール優勝を果たした。また、第2位にヴァンサン・ダヴィッド Vincent David氏、第3位にオーティス・マーフィ Otis Murphy氏が、それぞれ入賞している。四重奏部門の優勝は、ハバネラ・サクソフォン四重奏団 Quatuor de saxophones Habaneraであった。…なんだか凄い名前ばかりで、それぞれの演奏者の現在の活躍を見るにつけ、当時のロンデックス氏を始めとした審査員の面々は見る目があったのだなあ、という思いを強くする。
プログラムは次の通り。面白そうでしょう?
Heitor Villa Lobos - Fantasia (Masataka Hirano)
Christian Lauba - Jungle (Masataka Hirano)
Edison Denisov - Sonata (Vincent David)
Luciano Berio - Sequenza VIIb (Vincent David)
Alfred Desenclos - PCF (Otis Murphy)
Luciano Berio - Balafon (Otis Murphy)
Alfred Desenclos - Quatuor (Quatuor Habanera)
演奏内容もかなり良い。疵も散見されるが、それよりも、これらの独奏者たちが若手のホープとして活躍していた頃の空気感をダイレクトに感じられるという点で、大変貴重な録音だ。平野氏の「ファンタジア」を聴いてみよう。コンクールの二次で平野氏はデニゾフ、ベリオ、ヴィラ=ロボス選択したが、真ん中のベリオが上手く行かなかったあとに、自由に開き直って演奏したヴィラ=ロボスが好評を得たことが、本選へと進むきっかけとなったという。なるほど、こんな解釈で吹いたプレイヤーがそれまでいたかどうか、というところ。実に興味深く聴いた。
ヴァンサン・ダヴィッド氏は、とにかくキレッキレの演奏だ。この時のダヴィッド氏の演奏には、あいまいな部分が一切ない。ライヴ録音ということが信じられないほどの完成度の高さと、ライヴ録音ならではの、特に後半における熱を帯びる具合が素晴らしい。それはデニゾフでもベリオでも同様で、このCDの中でもある意味異彩を放つほどのものだ。どちらもお手本かつ鑑賞対象たりえるもの。
マーフィ氏は、今のご本人の演奏よりも、もう少し個性が薄いという印象を受けた。逆に言えば、今のあのマーフィ氏の演奏がいかに魅力的か、ということにも繋がるのだが。「バラフォン」は面白いなあ!まさかマーフィ氏がクリスチャン・ロバの作品を吹いている録音を聴くことができるとは思わなかったが…。こんなに優しい「バラフォン」があるとは…途中で循環呼吸をやめているのもなんだか微笑ましい。
そして、ハバネラ四重奏団のデザンクロ。このCDの中で私的に一番の驚き。なんと丁寧で完成度が高い演奏であることか。楽譜に非常に忠実なのだが、そのように演奏されることで、ここまで魅力的な演奏に仕上がるのか…。さらに、聴こえてくる和音やリズムが、いちいち心地良すぎる。絶妙なアゴーギクや音色の変化、楽器ごとのバランス…ハバネラ四重奏団の"アンサンブル力"の源泉を垣間見る思いだ。特に第3楽章は絶品で、数多ある録音の中で、最も好きな演奏かもしれない。全体を通して聴いても、"現代のデザンクロ「四重奏曲」の演奏"として屈指のものであり、トルヴェールQ(旧録音)、アレクサンドルQあたりと比べても遜色ない。おそらく、今後デザンクロでおすすめの演奏は、と問われれば、デファイエQに次ぐものとしてこれを提示することになるだろう。それほどの魅力を感じている。まだ聴き込んでいる段階だが、20回聴いても飽きないってなかなかのものだ。
2013/11/07
ご案内:筑波大学吹奏楽団サクソフォンアンサンブルコンサート
吹奏楽団としてもいろいろ実績を積み上げているようで(今年は東関東大会金賞だったとのこと!)ほんのいちOBとしてではありますがとても嬉しく思います。
以前書いた記事も読んでもらえると嬉しいです。
【筑波大学吹奏楽団サクソフォンアンサンブルコンサート】
日時:2013年11月9日 13:30開演
会場:つくば市 ノバホール・小ホール
料金:入場無料
プログラム:
横内章次バラード・フォー・トルヴェール
本多俊之 - "家族ゲーム"より
M.ラヴェル - 亡き王女のためのパヴァーヌ 他
2013/11/06
Happy Birthday, Antoine Joseph Adolphe Sax!!
そういえば、サクソフォン界を賑わせているアドルフ・サックス製楽器関連のいろいろ関しては、なかなか自分の中で考えをまとめきれず、未だにブログにきちんと書けないでいる。魅力があることは間違いないのだが…その辺りの話をし始めると、音色や奏法云々という話にとどまらず、最終的にサクソフォンが将来どこへ向かうべきなのか、といった所まで論じないといけない気がして…。
Sony HDR-MV1が気になる
自分たちの演奏を映像として残すことには興味があって、実際Tsukuba Saxophone QuartetのYouTubeアカウントにはいくつも演奏をアップしてあるのだが、映像はともかく音声の部分は問題と感じていた。これらの映像は、過去はハンディカム、最近の演奏映像はNEX-5Nの動画機能を使って撮影している。こういったデジカメのおまけ機能やビデオ専用機は、映像はとても良く撮れるが、音声部分にはコンプレッサーが噛んでいることが多く、特に音圧という点で自然なものを撮ることができなかったのだ。
HDR-MV1は、どちらかと言うと音声重視。各周波数での特性はフラットで、音圧の自動調整も(レベル超え時のリミッター以外は)ないようだ。ORTF方式を彷彿とさせる120°X-Y方式のマイクを備えている。画像の点では1/2.3型裏面照射型CMOSセンサーによるフルHD動画撮影対応で、広角120°(35mm換算で18mm)の単焦点レンズを持ち、記録方式としてAVCHD/MP4をサポートしている。ZOOMやOLYMPUSも似たような機種を出しているが、ちょっと映像側が適当すぎる印象があって、購入に踏み切れなかったのだ。
個人的に嬉しいのがライン入力を持っていること。例えば録音セッションの映像記録用として、すでに所持しているRODE NT5からZOOM H4nを経由してLINE入力、ということもできる。また、最近のトレンドで、スマートフォンへのWi-fi接続機能があるという点も◎
スペック上の不満点は光学系が広角単焦点であること。コンサート会場の本番などで遠くから狙うのは難しそうだ。まあ、最悪近くに置いて撮影すれば良いかな(これだけ小さければあまり邪魔にもならなさそう)。もちろん、自分たちのためだけの記録、ということで考えれば全く問題はなさそうだ。そもそも、ズームなんか付けてしまったら光学系が大きくなるし、F値も下がるし、そこは割り切ったのだろう。バッテリーの持ちは未知数だが、ここはそもそもあまり期待していないポイント…コンサートを記録する際は、外部電源や予備バッテリーは必須だろう。
ということで、かなり前向きに検討中(初値で26800円というのも、なかなか食指が動く理由のひとつ)。触ってみて良さそうであれば、少し値段が下がったタイミングで狙ってみたい。
2013/11/05
第5回サクソフォン交流会キックオフ
…まあ、仕事が長引いて私は参加できなかったんですけどね(T_T)ううう。mckenさんほか参加された皆様、ありがとうございました。
2013/11/04
素敵な日(後輩の結婚式)
9:00に会場入りし、リハーサルを行い10:00からの式に備える。挙式並びに披露宴には、大学の吹奏楽団関係者が多数出席しており同窓会のよう。心配していた雨も肝心のところでは降らず、素敵な式となった。その後は披露宴で、バリチュー&サクソフォンカルテットにて、スキマスイッチの「奏」と、伊藤康英先生の「木星のファンタジー」を演奏した。「奏」ではドラマティックな演出も!
滞りなく式は終わり、二次会へ。なんと総勢120名近くが集まり、賑やかな会となった。新郎新婦の、様々な人とのつながりを感じさせる。いやあ、凄かった。TsukubaSQは、新婦たっての希望で吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」抜粋と、リチャード・インガムの「マルコム夫人のリール Mrs Malcolm, Her Reel 」を演奏。この二曲を演奏するとは、まさに前代未聞だったが…(笑)。
お二人の新たな人生の門出にふさわしい、素晴らしい一日だった。心より「おめでとう」という言葉を贈りたい!
ご案内:ファブリス・モレティ2013
毎年、エレクトロニクスの最先端からアドルフ・サックス楽器の演奏まで、様々なサクソフォンの演奏を聴くけれど、モレティ氏の演奏は、私の中にとっての重心のようなもので、巡り巡ってここでリセット!という位置を占めている。毎年聴きたい演奏会の一つ。
と、言っておきながら、今年は仕事のためほぼ伺うことが無理な状況にあるのだが…(泣)ううむ、ご盛会をお祈り申し上げます。
ファブリス・モレティ サクソフォン リサイタルツアー2013 東京公演
出演:ファブリス・モレティ(sax)、服部真理子(pf)
日時:2013年11月7日(木曜)19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター
料金:一般3,000円/学生2,000円 ※当日券500円増 (自由席)
プログラム
J-M.ルクレール(M.ミュール)「アダージョ、アルマンドとジーグ 」
R.ガロワ=モンブラン「アルトサックスの為の6つの練習曲」
H.トマジ「バラード」
J.リュエフ「コンチェルティーノ」
P.ボノー「組曲」
I.ゴトゴフスキー「ブリヤンス」
問い合わせ:鈴研音楽会 suzuken_concert@yahoo.co.jp
プログラムにゴトコフスキーが!モレティのゴトコフスキーというと、このキレッキレの演奏を思い出してしまうなあ(世界最強の録音だと思う)。
第1楽章~第2楽章
第3楽章
第4楽章
東京だけではなく、岐阜、静岡、福岡でも公演の予定がある。
2013年11月10日(日曜)岐阜県・真鍋記念館クララザール
2013年11月12日(火曜)静岡県・清水文化会館マリナート小ホール
2013年11月18日(月曜)福岡県・福岡市健康つくりサポートセンターあいれふホール
チラシは、クリックすると拡大できる。
京都市立芸術大学にサクソフォン科新設
http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=35774
また、客員教授として須川展也氏が内定している。
http://www.kcua.ac.jp/information/?mp=35875
客員教授は「…京都市立芸術大学における教育及び研究について一層の充実を図るため,各界で活躍されている著名人を招へいするもの。非常勤の教員として,業績・専門分野を生かした特別授業等を年数回行っていただく。」という定義であるため、常任講師もしくは非常勤講師は別途ポストが準備されるのであろう。現在の管打楽器専攻の教員一覧を参照したところ、専攻がfl, ob, cl, fg, hr, tp, tb, btb, tub, percであるのに対して、常任講師はtb, perc, flに各1名、あとは非常勤講師で補っているようで、サクソフォン科に常任講師が付く可能性は正直わからないが、常任にしろ非常勤にしろ、日本のサクソフォン界において、ひとつ重要な位置を占めるポストにはなりそうだ。
誰が講師として内定するのか、今から興味津々である。将来を見据えた、大胆な人選を期待したい。
2013/11/02
ギャルド新復刻盤の情報
http://greendoor.jp/whatsnew/index.php
以前の訪問の際に教えていただいた情報。木下直人氏監修のもと復刻・発売されたデュポン楽長時代のSP盤復刻の、実質的な続編と捉えて良いだろう。デュポン楽長時代・ブラン楽長時代のSP盤/LP盤を、木下直人氏がこだわって復刻したディスクが発売となった。2セットが同時発売となり、それぞれ2枚組。プレスCDに起こした時点での音質低下は避けられなかったというが、それでも万人に広く聴かれるきっかけになるという意味で、素直に嬉しい。
届いたらじっくりとレビューしようと思う。楽しみ!
Amazonでも早速売り出している。
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(デュポン楽長SP・ブラン楽長LP/LP45)ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(ブラン楽長LP/SP/ライブ)
2013/11/01
中川美保氏のステージ
http://www.ustream.tv/recorded/22431050
中川美保さんの名前は知っていたのだが、演奏は初めて聴いた。CDが出ているようで、気になっている。
2013/10/31
Eva Barthasが演奏するトマジ「バラード」
サクソフォンの自在なコントロールによる圧倒的な上手さ…というところにとどまらない。なんだか不思議な衣装での演奏だなあと思っていたら、途中から素敵な演出が入る。おそらく、楽譜に添えられたスザンヌ・マラールの詩を意識したものなのだろう。音楽科のみならず、舞踏科をも擁するパリ国立高等音楽院の強みだろうか。こういう発想、そして完成度の高いプレゼンテーションが凄いなと思う。
(だいぶ意訳な上にあまり韻を踏んでいないが…やっつけ仕事すみません)
夜も更けた頃、イギリスのメロディに乗せて道化師が語る
煙草をくゆらせ、口をついて出るその波瀾万丈のストーリー
客を笑わせるための、ダブダブの衣装と滑稽な化粧
サクソフォンはただ、愉しみと苦しみの間を行ったり来たり
いつの間にか道化の絶望は流れ去る
彼は再び観客を笑わせるのみ
2013/10/30
埼玉県立近代美術館ミュージアム・コンサートのハイライト動画
クローバーSQ:http://kurisaxo.blogspot.jp/2010/12/blog-post.html
江川良子氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2011/08/museum-concert.html
田村真寛氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/10/blog-post_20.html
田中拓也氏ほか:http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/11/blog-post_10.html
上野耕平氏:http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/blog-post_28.html
これまでご紹介した演奏会のうち、田村氏、田中氏、上野氏のステージを抜粋で鑑賞することができる。なんか上野氏と共演しているピアニストが妙にすごいなあと思ったら、CNSDMP准教授の上田晴子氏ではないですかあ!とか。いろいろと聴きどころは多い。
カントルーブ/伊藤康英「オーヴェルニュの歌」楽譜、発売!
1994年の初出以来、満を持しての出版だ。大学生だった頃になるが、Deccaから出版されていたキリ・テ・カナワの歌、そして、雲井雅人氏「ドリーム・ネット」でほぼ同時にこの作品を知り、以来お気に入り。アレンジが本当に良いのですよ。歌唱部分と管楽器のカデンツァ部分を実に上手く組み合わせ、さらに伊藤康英先生ならではの解釈を随所に盛り込んでいる。
すでにブレーンで取り扱いを開始している。
http://www.brain-shop.net/shop/g/gNAE-EA406/
先日の海老原恭平さんのリサイタル動画で、全編を鑑賞することができる。編曲が凄いことが実感できるだろう(こと、ピアノパートはオーケストラの如き多彩な音色が求められ、重要性が高い)。お2人による演奏も素晴らしい。
ケネス・チェ氏によるレコーディング「In Memory」や、雲井雅人氏によるレコーディング「ドリーム・ネット」(こちらはサクソフォン+ピアノ+弦楽四重奏版)も、いずれも一聴の価値あり。もっとリサイタル等で取り上げられても良いだろうなと思っている。
2013/10/29
サイバーバード、初演の頃
"須川展也・オンステージ"といった感じのプログラミング。ドビュッシー、モーリス、イベール、ディーリアス(これはサクソフォンは入っていない)、吉松隆。チラシには、まだ「サクソフォーン協奏曲」としか書いていないのだが、最終的にディーリアスと"鳥"つながりになるのが面白いなと思った。どんな演奏だったのだろう。今となっては知る由もないが…録音などは残っていないのかな。
一緒に、同演奏会のプログラム冊子も送っていただいたのだが、最後の2ページにわたって書かれている吉松氏と須川氏の対談が面白い(先の協会誌に掲載された対談は、この内容の多くを包含していそうだ)