2013/11/27

ギャルド復刻CD(GDWS-0012)レビュー

以前書いた記事の、2枚目のレビュー。ピエール・デュポン Pierre Dupont楽長、ならびに、フランソワ=ジュリアン・ブラン Francois-Julien Brun楽長指揮ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 Musique de la Garde Républicaine。デュポン楽長時代の録音は、いわゆる民衆歌や軍歌、ブラン楽長時代の録音は、歌モノが2曲と、国歌集である。

収録曲目は下記の通り…グリーンドア音楽出版のページからコピペした。先にレビューしたディスク同様、同封のライナーノーツには、各盤の正確な型番が示されているので、ぜひご覧頂きたい。復刻環境は、SP盤がPierre Clementカートリッジ、LP盤がOrtofon SPU-G、トーレンスターンテーブル、マランツ#1イコライザーアンプである。

資料音源集
ピエール・デュポン指揮/ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 (1928~1936 Columbia)

カミーユ・ルケッティ
1. PANPAN L'ARBI "Chant des Zouaves Chant populaire"
2. LA GALETTE "Chanson de Saint-Cyr Chant populaire"
3. LE SOLDAT DE FRANCE "Chanson de route"
4. LA SIDI BRAHIM Hymne des Chasseurs à pied Chant populaire
5. LA MURETAINO "Chanson régionale avec choeurs"
6. LA TOULOUSAINO "Chanson régionale avec choeurs"
ガストー
7. LA MADELON "Marche en oefile"
ジョルジュ・ティル
8. LE CHANT DU DÉPART "Chant patriotique"
9. LE RÊVE PASSE "Chanson patriotique"
10. CE QUE C'EST QU'UN DRAPEAU "Chanson patriotique"
11. HYMNE EN L'HONNEUR DE LA GENDARMERIE

フランソワ=ジュリアン・ブラン指揮 (Rec.1948~1957)
◇ジョセフ・ペイロン
12. F-Julien Brun:RHIN & DANUBE Hymns official de la 1re Armée Française
◇ミシェル・デン
13. Jacques Simonot:J'AI REVE DU PAY
14. Pierre Grosclaude:HYMNE DE LA LÉGION D'HONNEUR
15〜21. ヨーロッパ共同体国歌集(フランス、ベルギー、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ヨーロッパ合衆国)
22〜35. アフリカ諸国及びマダガスカル国歌集(カメルーン共和国、中央アフリカ共和国、コンゴ共和国、コートジボワール共和国、ダオメー共和国、ガボン共和国、オートボルタ共和国、マダガスカル共和国、モーリタニア・イスラム共和国、ニジェール共和国、セネガル共和国、チャド共和国、トーゴ共和国、ルワンダ共和国)

名歌手とともに奏でられるギャルドの演奏は、もちろん純粋に吹奏楽を聴きたい向きからすればちょっと余計にも思われるかもしれないが(正直なところ、私も聴き始めた瞬間はそう思った)、実はこれがとても面白いのだ!逆に新鮮というか、あまり現代にあって吹奏楽伴奏で歌うなどという録音があまりないものだから…。きっとこの頃はこの演奏形態が当たり前だったのだろう。ちなみに、ブラン楽長時代の録音で、ミシェル・デン Michel Densが歌う「J'AI REVE DU PAY」「HYMNE DE LA LÉGION D'HONNEUR」の2曲は、妙にノイズが少ないのだが、これはオープンリールテープか何かだろうか?

このディスク中最大の聴き物は、なんといってもブラン時代の「アフリカ諸国及びマダガスカル国歌集」であろう。原盤はOCORA OCR-13という型番だが、ワンポイント録音にこだわった名エンジニア、アンドレ・シャルランによる録音である。サクソフォン関連では、ダリウス・ミヨー指揮シャンゼリゼ劇場管の「世界の創造」や、デファイエ四重奏団のリュエフ、パスカル、ティスネが入ったLP等を手がけている。この録音でも、ワンポイントとは思えない高解像度の音質とバランスに驚いた。

私は、こういった録音を今の若い人たちにたくさん聴いてもらいたい。もちろん入り口は現代の吹奏楽であっても構わなくて、ただそれだけで思考停止状態となり現代の吹奏楽を至高とするのではなく、20世紀半ばに吹奏楽が到達した極地の録音を聴いて、何かを感じ取って欲しいのだ。もちろん気に入ってくれればなおのこと良いが、極論するならば嫌いになってしまっても良い。ただ、いろいろな側面の演奏を知ってほしいのだ。

Amazonから入手可能:ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団

0 件のコメント:

コメントを投稿