2014/12/31
ドゥラングル&コレゾフ plays サンンジュレ on YouTube
オーケストラアレンジは、Adrian Delmer氏。ソプラノがクロード・ドゥラングル教授、アルトがセルゲイ・コレゾフ氏。2014年にロシアのサンクトペテルブルグで開かれた、The "Saxophone" 1st International Festivalという催しでの演奏だそうだ。そんなフェスティバルが開かれてたのか…。
演奏は見事!のひとこと。このくらい上手いと(ともに世界最高クラスですからねえ)、もはやどう評して良いのか良くわからなくなる。オーケストラの演奏も良い。
Claude Delangle plays 野平一郎 "Entrelacs" on Vimeo
http://worldsax.tv/web/20140503-sax-ensemble-nodaira/
この作品は、2013年11月にいずみシンフォニエッタ創立60周年記念のために作曲されている。これまで野平一郎氏のサクソフォンのための作品は下記があるが、また強烈な作品(名曲)が追加されたなあと思うのだった。ちなみに私が個人的に一番好きなのは「舵手の書」である。
アラベスクIII(サクソフォンとピアノ)
サクソフォン四重奏曲
舵手の書(サクソフォンとメゾ・ソプラノ)
息の道(サクソフォンとエレクトロニクス)
Eastman Sax Project plays Chaconne on YouTube
2014年11月16日、イーストマン音楽院内のホールでの演奏会とのこと。編曲は、Matthew Evans氏。動画を観る限り、SSAATTBBBsという編成のようだ。
バッハ「シャコンヌ」のサクソフォン・アンサンブル版といえば、古くはGary Scudderのサクソフォン四重奏版、また、私が傑作と信じて疑わない伊藤康英先生のサクソフォン四重奏版があるが、このような、九重奏でのアプローチを試みる団体が現れるとは意外だった。非常に豪勢な響きがするが、これはこれでありだなあ。
斎藤高順氏のこと少し
私が斎藤氏について持っていたイメージはその程度だったのだが、調べてみたところ、小津安二郎監督の映画作品の作曲家としても活躍したそうだ。あの名作「東京物語」の音楽も手がけたそうで。この事実は、私にとってちょっとした「へえ」であった。これをきっかけに「東京物語」を観たのだが、原節子演じる紀子が尾道から出てきた義理の両親を東京案内するシーンで流れるポップな音楽が、いかにもサクソフォンが含まれていてもおかしくなさそうな、そんな雰囲気なのであった(実際にサクソフォンが「東京物語」のBGMに含まれている、ということではない)。
フランスもそうだが、映画音楽に関わった作曲家が、サクソフォン作品の作曲に関わるケースって、結構多い気がする。もしくは、この時代、サクソフォン作品を作るほどの作曲家は映画音楽を定常的に手がけていた、ということなのだろうか。
ちなみに、斎藤氏自身がサクソフォンに興味を持ったきっかけは明らかで、東京音楽学校在籍中に軍楽隊へと徴兵された際、意図せずではあるがサクソフォンを担当させられた、という経歴による(同じくサクソフォンを担当した同期に、作曲家の芥川也寸志もいる)。
2014/12/29
2014/12/28
海藻姉妹ショー(12/27公演)
【海藻姉妹ショー(12/27公演)】
出演:わかめ、こんぶ(以上sax)、めかぶ(pf)、海藻ブラス
日時:2014年12月27日 13:00開演
会場:3331アーツ千代田
プログラム(全てめかぶの作編曲):
谷中ブギウギ
海藻サラダ
キャンディ・ガール
人力マシーン
時間(とき)のワルツ
みうん
リンゴの唄
よっちょれラプソディー
海の子守唄
うなぎ祭り
さんさきっど(アンコール)
ライヴの予告動画。
2人のサクソフォン奏者と、1人のピアノ(アンデスや鍵盤ハーモニカも駆使)によるユニット。閉校した学校跡をアートギャラリーに改築したという会場、チューニングの狂ったアップライトピアノ、妙に昭和テイストな衣装やヘアメイク(実に可愛らしい!)等々、ちょっと異世界の雰囲気。オリジナル・キャラクターやロゴは、専属?イラストレーターのゆん・ゆんぐふらうよっほ氏の手による。カヴァー曲を収録したミニアルバムのプレゼントも!
飛び出す音楽は実に魅力的であった。ふらっと会場に来て、観て・聴いて、楽しめて、ほっこりした気持ちで帰っていくという、当たり前のプロセスを思い出させてくれるような時間だった。
作品としても面白い!作品そのものの面白さもあるのだが、その作曲背景などをMCで聞くとさらに面白さが倍増する。例えば、「海藻サラダ」は、前半のふわふわした部分が、海の中でゆらめいている海藻の様子、後半のマーチっぽい部分が、海藻がサラダとして食卓にならんでいる様子、とのことで、こうして文字に起こしてみるとくだらないといえばそうなのだが(笑)、妙な雰囲気にあてられてついつい笑ってしまうのだった。
お三方とも、東京藝術大学のご出身なのだが(くらいは書いても良いよね笑)、音色も美しくテクニックも高い。サクソフォンのお二方は、クラシックをバリバリ吹いているのを聴いたことがあるので、その上手さは良く知っているのだが、その高い技術をこういったジャンルにアダプテーションする、という、逆説的アプローチが個人的にツボなのであった。海藻ブラスを交えた乱痴気騒ぎも、また楽しい。
そういえば、物凄く穿った見方かもしれないが、私が好きなゲルニカというバンドを思い出した。さながら、わかめさんとこんぶさんが戸川純、めかぶさんが上野耕路、ゆん・ゆんぐふらうよっほさんが太田螢一というところだろうか。
会場の後ろに掲げられたのは、ゆん・ゆんぐふらうよっほ氏制作の横断幕。大きい!
BASUYA Live Concert@ドルチェ楽器東京
出演:BASUYA(渡瀬英彦、榎田雅祥、斎藤和志、寺田正彦)、荒川洋、山田くに子、池田さく子、中島恵、川口沙希
日時:2014年12月23日(火・祝)19:00開演
会場:アーティストサロン"Dolce"
プログラム:
荒川洋 - BASUYAのための音楽
三代目杵屋正治郎
中川晋平 - うさぎのダンス
荒川洋 - BASUYAのための音楽
J.ラフ - カヴァティーナ
服部良一 - 蘇州夜曲
P.デスモンド - 蘇州夜曲
T.メールラ - シャコンヌ
H.マンシーニ - 小象の行進 他、順不同
ドルチェ楽器名古屋で東名高速サックスを第二部まで聴いたのち、新幹線に飛び乗って、ドルチェ楽器東京へと移動。バス・フルートユニット、BASUYAのライヴを聴いた。
バス・フルート以下の音域の楽器を駆使し、バロック時代以前のアレンジから最新作までを網羅する。バス・フルートの響きは、理屈というよりも、もっと身体の奥底から湧き上がってくる、まるで音楽の始原を垣間見るような印象がある。聴きなれたあの曲が、この曲が、その曲が、新たな感動を持って立ち上がる様は、一度体感してみると病みつきになる。
MCやステージングのゆるさは、少々お客さんを選ぶかもしれないのだが、これはこれでBASUYAをBASUYAたらしめている要素の一つなのだから、まあ良いのかな(笑)
斎藤氏作曲の作品は、やはり1、2本ネジがぶっ飛んでいるような印象があり、自由な要素も多分に交え個人的に大変面白く聴いた。メルラの「シャコンヌ」は、「シャコンヌ」という響きから想像する形式ばった響きからは遠い荒々しい即興的な音楽で、その異常性はなんとなくギョーム・ド・マショーあたりに通じる部分もあるのかなあと(適当なことを)思いつつ聴いていた。
演奏中に写真撮影大歓迎という、極めて珍しいアナウンスがあったため、手持ちのカメラで何枚か写真を撮影した。
2014/12/27
東名高速SAXOPHONE QUARTET 2014名古屋公演
【東名高速 SAXOPHONE QUARTET 第2回~日本一の富士盛りライブ!!~(名古屋公演)】
出演:瀧彬友、川地立真、松下洋、上野耕平(以上sax)、黒岩航紀(pf)
日時:2014年12月23日(火曜)14:30開演
会場:ドルチェ楽器 名古屋店
プログラム:
R.ロジャース - レッスンズ・オブ・ザ・スカイ [瀧、黒岩]
R.グリエール - トランペット協奏曲 [川地、黒岩]
R.シューマン - 3つのロマンス [松下、黒岩]
逢坂裕 - ソナタ [上野、黒岩]
N.カプースチン - トッカティーナ(8つのエチュードより)[黒岩]
F.ショパン - 英雄ポロネーズ [黒岩]
M.ジャクソン - スムース・クリミナル [松下、川地]
S.ラフマニノフ - ヴォカリーズ [上野、松下、黒岩]
S.バーバー/生野裕久 - 思い出より1,6 [瀧、上野、川地、黒岩]
~後ろ髪を引かれつつここで途中退出~
G.ガーシュイン - ソングブック
P.チャイコフスキー - くるみ割り人形 他
実に面白いライヴだった。新進気鋭の、東京で、名古屋で、はたまた世界で、それぞれ活躍しまくっている奏者たち(まだ全員20代だ!)の、個性のぶつかり合いなのだが、互いを尊敬する、というエッセンスが演奏のそこかしこに感じられる。ピアノの黒岩さんも定常メンバー入り、ということで、来年からはクインテットに改名するとのこと。いまから楽しみになってしまう。
第1部はソロ・ステージ。瀧さんの演奏は、やはりソプラノの美音が映える。まるで楽譜が透けて見えるような、ピタリとはまった変拍子の応酬、そしてドライブ感が心地よい。最近ロジャースのこの曲、流行っているなあ。川地氏は、ビジューSQのイメージが非常に強かったところ、ロマンティックなグリエールの「協奏曲」をテナーサクソフォンで演奏し、その芯の通った演奏や芳醇な音色に感銘を受けたのだった。松下さんのシューマンは、昨年のリサイタルを思い出すような、これもまた良い演奏(ギアはずいぶんとローで制御されていたような雰囲気もある)。上野さんは、20分にも及ぶできたてほやほやのソナタを、隅々まで隙なく構築して、見事に吹ききったのだった。これは流行るかも。
第2部はピアノソロとアンサンブル。黒岩さんはコンサート中ほぼ出ずっぱりで、現代作品からシューマンから何から、見事なサポートを繰り広げていたが、ソロもまた素晴らしい。まさかここでカプースチンの「トッカティーナ」を聴けるとは!そして、黒岩さんご自身が子供のころから大好きだったというショパンもまた、まるでソロ・リサイタルの一幕を観るがごとく、気合いの入ったもので、会場が湧いたのだった。
マイケル・ジャクソンは、2 Cellosの編曲を2本のバリトンサクソフォンで演奏。「(MCでマイクを持ってしゃべると)フワっとした2人で演奏します」とは松下さんのMCの言だが、いやはや演奏はMCと相反し、激烈であった。あまりにかっこよすぎて、楽譜買おうかなと思っちゃったほどだ。音色は全然違うのだが、それがまた強烈なグルーヴ感の源泉となっているように感じた。ラフマニノフは、アルトサクソフォン2本でしっとりと。松下さんと上野さんがデュオを吹いている、というのも、なんだかすごい光景だなあ。最後は、楽しみにしていたバーバー!私自身も、ずっと昔に1,5,6を吹いたことがあったのだ。懐かしい。期待に違わぬ、音が重なるキラキラ感と、フレーズにさりげなく織り込まれる各人の音楽性を堪能した。
第2部が終わったところで、後ろ髪を引かれつつ途中退出し、ドルチェ楽器東京へと移動した。第3部もかなり盛り上がったようで、うーむ、聴きたかったなあ。
富士盛りライヴ…ということで、22日に新幹線車内から撮影した富士山の画像を。
2014/12/26
野平一郎編「ゴルトベルク変奏曲」(サクソフォン入り)
それによれば、2010年に、セントラル愛知交響楽団によりJ.S.バッハ/野平一郎編「ゴルトベルク変奏曲」が三井住友海上しらかわホールにおいて初演されたとのことだ。そして、解説映像・演奏映像を見る限り、ソプラノサクソフォンとアルトサクソフォンがオーケストラの中に座っているようだ。この2010年の映像の中に座っているのが瀧さんなのだろうか?
解説動画前半では、Variation 7について触れられている。ソプラノサクソフォンとアルトサクソフォンが極めて目立つ形で使われているそうだ。他にも面白い仕掛けが多数あるようで、これはぜひ全編をどこかで聴いてみたいな、と思うのだった。
Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~(後半)
後半は、オーボエの荒木奏美氏の演奏から。まだ芸大の3年生だというが、さすが基本的な奏法はさすがにしっかりしている。それにしても、オーボエって難しい楽器ですね。一瞬の迷いや不確実性が、すべて音になって反映されるのだ。ちょっと垢ぬけなさが残りつつも、カリヴォダを始めとして歌心ある演奏が心地よかった。音色の美しさも、さすがである。
そして、トリは中島諒さん。ギター、クラリネット、サクソフォンと渡り歩いてくると、サクソフォンが舞台へと登場した瞬間に、場の空気が変わる。良く言えば、見た目にも華やぐ絢爛さがあるが、悪く言えばクラシックの中で色物を見るような会場の聴衆の目を感じる。そういった奇異な視線のなかで、まず演奏されたのはクリスチャン・ロバの「Kabuki」。中島さんの第4回ロンデックスコンクールでの演奏は、ロバ氏自身から絶賛された(下記動画)。ゆるんだ空気を凛とさせるような無伴奏の演奏だった。若干の"良い"ノイズが入った響きは美しく、また中間部の見事なテクニックも素晴らしい。
続いて野平一郎「アラベスクIII」が演奏され、最後はデザンクロの「PCF」。自身のやりたいことをそのまま表出させたような演奏で、なんだか感動して軽く涙してしまった。仮にコンクールという場であったらなかなか受け入れられないかもしれないが、自由闊達で何にも捕らわれない(もちろん基本的な部分はすべてクリアしたうえで)演奏は、尋常ならざる印象を残すのであった。
終演は21:30ちょっと前。素敵な余韻を感じつつ、このあと蒲田へと移動し、個人練習のためにスタジオに籠ったのだった(24:00まで練習し、さすがに疲れた)。
2014/12/25
Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~(前半)
サクソフォンの中島君にご案内いただいて伺ったのだが、非常に面白いコンサートであった。二回に分けて紹介する。
【Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~】
出演:マルコ・トプチー(ギター)、田中香織(クラリネット)、荒木奏美(オーボエ)、中島諒(サクソフォン)、仲地朋子、宇根美沙恵、秋山友貴(以上ピアノ)
日時:2014年12月11日(木)19:00開演
会場:ヤマハホール
料金:2000円
プログラム:
マルコ・トプチー(ギター)
F.タレガ/ヴェニスの謝肉祭
F.タレガ/アルハンブラの思い出
M.カステルヌオーヴォ=テデスコ/悪魔の奇想曲 Op.85
田中香織(クラリネット)
J.フランセ/主題と変奏
J.ヴィトマン/5つの断章
C.ドビュッシー/クラリネットのための第1狂詩曲
荒木奏美(オーボエ)
G.Ph.テレマン/無伴奏フルートのための12の幻想曲より
R.シューマン/アダージョとアレグロ Op.70
J.W.カリヴォダ/オーボエとピアノのためのサロンの小品 Op.228
中島 諒(サクソフォン)
C.ローバ/KABUKI
野平一郎/アラベスク Ⅲ
A.デザンクロ/前奏曲、カデンツァと終曲
演奏会は"新星"とのタイトルながら、前半の2名はもはや垢ぬけて独奏者としての貫録を湛えている演奏家だなと感じた。
ギターのトプチー氏…クラシックギターのことはあまり良くわからないのだが、見事なテクニックやフレージング感、なによりも音色の絶妙な変化に感動した。音量は控えめだが、この規模のホールで耳をそばだてて聴く、というのも、逆に集中力を助長するような効果もあるのかなと思った。テデスコの「悪魔の奇想曲」は、とんでもない曲で、聞くところによればパガニーニを讃えた作品なのだとか。随所に現れる技巧フレーズをばったばったと切りさばいていく様子がすさまじかった。
田中香織氏は、もしかしたらこの演奏会の白眉だったかもしれない。2009年第78回日本音楽コンクール1位受賞とは、またすごい。国立音楽大学を経てバーゼル音楽院へ渡り、長きにわたってスイスで活躍していた奏者。2014年より活動拠点を日本に移したそうだ。フランセの、人を喰ったような難曲、そしてピアノの内部奏法や現代奏法を駆使するヴィトマンの作品は、実に素晴らしく、こんな奏者がいるのか…!という驚きを隠せなかった。ドビュッシーは意外とふつうに聴こえたのだが、もしかしたらヴィトマンの演奏でピアノの調律が狂っていたせいなのか…(笑)。田中氏の演奏は、ぜひまた通しのリサイタルで聴いてみたいと思うのだった。
(続く)
2014/12/23
22日から23日
明けて23日は、コンパル(喫茶店)→買い物→ひつまぶし後、東名高速サックスの演奏会@ドルチェ楽器名古屋へ。名古屋のお友達の皆様にも久々にお会いでき、また、それぞれの素晴らしい!演奏も堪能した。後ろ髪を引かれつつ二部終わり後にで退出し、新幹線に飛び乗ってドルチェ楽器東京へ。BASUYAのライヴを楽しんだ。これもまた面白いこと!
それぞれの演奏会の詳細なレビューは、後日書く予定。いろいろと溜まっているので、順番に…。
2014/12/22
TSQ Vol.6終演
2014/12/20
演奏会案内:TsukubaSQ Vol.6
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
12/21 TSQ演奏会の曲目について(アルマンド・ルンバ)
オリジナルはピアノ、ヴァイオリン、ベース、クラッピングという編成。2013年に松下洋氏から旭井翔一さんに対して編曲委嘱、アルトサクソフォンとバリトンサクソフォンのためのアレンジが生み出された。
このアレンジは、松下くんがPEDROSAXOを日本に招聘した際の、デュオ・リサイタルで初演された。PEDROSAXOの自作自演の強烈さに対抗するにはチック・コリア!と考えたことがきっかけになり、松下くんから旭井さんへの委嘱が行われたとのこと。「アルマンド・ルンバ」の他にも「チルドレンズ・ソング」などいくつかの作品が演奏され、同リサイタルにおいては、松下くんが手掛けたチック・コリアのステージもPEDROSAXO以上に鮮烈、大変な感銘を受けたことをよく覚えている。名古屋公演では瀧彬友さん、横浜公演では塩塚純くんがバリトン・サクソフォンをそれぞれ担当した。横浜公演の時の動画が、YouTubeにて公開されている。
このアレンジは四重奏でもマッチしそうだ…と思い、アレンジができないか旭井さんにご相談、再編曲をお願いした次第。四重奏編曲版の初演となる。"Tsukuba Saxophone Quartetのために書かれた作品(アレンジ)"ということになるのだが、なんだか嬉しいですね。先日の練習では旭井さんに聴いてもらった。
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ということで、これで演奏予定曲の紹介も完了。明日(というかもう今日か)は、一日練習で日曜日の本番に備える。チケットあと30枚強出すことができそうな雰囲気。
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
2014/12/19
12/21 TSQ演奏会の曲目について(トルメンタ・タンゴ)
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アウレリア・サクソフォン四重奏団のアルバム「tangon(Challenge Classics)」は、現代の作曲家たちの手によるタンゴを集めたアルバムである。このアルバムに収録された曲の多くはサクソフォン四重奏+ピアノ+バンドネオンという編成で演奏されているのだが、その中で唯一サクソフォン四重奏のみの編成の曲がこの「トルメンタ・タンゴ」である。CDを聴いて、これは!と思って楽譜を探す、というのは、良くあるパターン。
作曲家のJuan Luis del Tiloに関する情報も、作品自体に関する情報も、皆無。なのであまり書けることがないのだが、とにかくカッコいい作品であることは間違いがない。サクソフォンならではの特殊奏法も交えた、濃密な5分間の音楽である。2014年6月28日、第5回サクソフォン交流会においてTsukuba Saxophone Quartetが日本初演。
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
2014/12/18
12/21 TSQ演奏会の曲目について(ハデヴィッヒ2)
「ハデヴィッヒII」は、2012年、第1回洗足現代音楽作曲コンクール・サクソフォン作品部門に応募するために作曲された。同コンクールでは、聴衆賞を獲得している。
パワーに圧倒される作品なのだが、楽譜を眺めると、非常に細部まで綿密に書かれたスコアであることが印象深い。だがしかし作曲者が求める響きは楽譜の注釈にもあるとおり「This piece need noisy tone. And this piece is not so colled comtemporary musc, this is noise Jazz - Rock music.」「Composer wants to produce as fast as possible & as loud as possible like Free Jazz - Rock improvisation」とされており、精密な現代音楽の表現とはかけ離れたものである。そのギャップが実に面白い。かの中川俊郎氏は「音楽の枠組みの向こう側、ゾッとする「彼岸」を覗こうとする探求心を見る(第6回JFC作曲賞本選に選出された「ハデヴィッヒ1」の評より)」と表現した。オプションでPAの使用によって120dbへのアンプリファイが推奨されている。
タイトルのハデヴィッヒ(ハデウェイヒ)とは、13世紀の女流詩人であり、神秘主義者である。ブリュノ・デュモン監督が、2009年にそのハデヴィッヒを題材に作り出した映画を観た作曲者が「その映画のBGMが気に入らなかったので作ってみた」とのこと。映画のストーリーとコンセプトは下記のようなものである。
修道院で生活するセリーヌは、13世紀フランドル地方のキリスト教神秘主義的詩人ハデウェイヒに傾倒し、激しく感化され、その盲目的な信仰心ゆえに修道院を追われる。パリの大邸宅に戻るが、裕福な家庭で、やり場のない気持ちをもてあました彼女は、イスラーム系のふたりの男性ヤシーヌとナシールと出会う。やがてセリーヌは神への情熱的で倒錯的な愛に駆られ、恩寵と狂気のはざまで、危険な道へと導かれてゆく。
監督の出身地方であるフランドルに実在した13世紀のキリスト教神秘主義的詩人ハデウェイヒの化身の如き少女、セリーヌ(ジュリー・ソコロフスキ)の盲目的な信仰心故のキリストへの一途な愛と、イスラム系青年との出会いを通じて、テロリズムの世界へと足を踏み入れて行く脆弱さ、宗教の現代性と普遍的な“愛”と“暴力”が同居してしまう人間存在のリアリティを、シンプルながら力強く、美しい映像で描いた。
公式予告編
木山氏が言うBGMとは、この場面のことかな?
最初この作品を取り上げようと思ったきっかけは、コンサートのコンセプト「聖と俗」の"俗"に沿った作品を探していたことがきっかけだった。メタルかファンクか、というような激しさに感銘を受け、第一部"俗"の最終曲としてこの作品を取り上げることになったのだが、まさかこのような(キリスト教的な要素を含む)経緯で作られているとは知らなかった、というか、むしろよりそのコンセプトに沿った作品であるというあたりが面白い。修道院を追われ、普通の世界へと足を踏み入れることは、聖と俗の境界を描き出しているということにほかならず、チラシにしたテッツィアーノ「聖なる愛と俗なる愛」)の聖と俗が混ざり合うその狭間に位置する作品だと言えるのだ。第一部"俗"の最後に演奏する曲として、これ以上良い作品はないだろう。
最初のころは、演奏技術的に全く追いつかず、個人ごとに練習してようやく作品が求めるところまでたどり着いた。目的のために手段を鍛錬する、という時にこそ、演奏技術は上がっていくのだと思う。
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
2014/12/17
12/21 TSQ演奏会の曲目について(シャコンヌ)
康英先生は、かつてバッハ「シャコンヌ」のフェルッチョ・ブゾーニによるピアノ版を吹奏楽用にアレンジしている。全曲ではないのだが、トロンボーンの和音から始まるアプローチが印象的で、吹奏楽ならではの色彩感を見事に活用したスコアが素晴らしいのだ。最近、再発売となった。
J.S.バッハ/伊藤康英「シャコンヌ」(吹奏楽編)
サクソフォン四重奏版も、特に明記されてはいないもののブゾーニ版をベースに再構築したのは明らかである。ところで、私はかつて、「The SAX」誌上の"私が選ぶサクソフォン四重奏曲の傑作"という企画において、グラズノフ、デザンクロ、クセナキス、マスランカとともに、敢えてアレンジ作品であるこの作品を選んで入れた。いや、本当に、オリジナルとしてサクソフォン四重奏のために書かれた、と言ってしまいたいほどの魅力に溢れている。"作曲"とほぼ同レベルの創造作業を経たスコアと言えるだろう。さすが康英先生!!
雲井雅人サックス四重奏団の定期演奏会での演奏は、それはそれは素晴らしいものだった。その演奏は、雲井雅人氏のSoundCloudページに掲載されているので、ぜひ一度お聴きいただきたい。
その演奏を聴いたとき、アレンジの素晴らしさにも感激してしまい、ぜひ演奏したい、というようなことを、来場していた康英先生と話した(そういえば、この時杉森さんにも会ったんだよな)。ちょうど四重奏のレパートリーを探していた時期にぶつかったりで、2005年10月3日には康英先生に宛てて出版依頼メールを送っている。楽譜の準備が整ったのは2006年の4月である。
その後すぐに楽譜を購入したのだが、あまりの難しさに、ずっと(5年間も!)取り上げられないでいた。ようやく練習を開始できたのが2010年、その後、2010年9月のカット版(Major Keyの変奏をまるっとカット)の演奏、2011年2月協会コンクール提出用の録音(Major Key開始の直前まで)を経、2011年3月21日の日本サクソフォーン協会第8回アンサンブルコンクールの演奏に向けて全曲の練習を続けていたが、コンクールは中止となった。初めて全部演奏できたのは、2011年5月22日の演奏会。そこまで出版から実に5年以上を経ており、感慨深かった。2012年7月には、世界サクソフォン・コングレス(イギリス・スコットランド)において演奏。さらにさらに2年以上を経ての今回の再演となる。
そういえば、版元のIto Musicや、ブレーンミュージックの通販サイトには、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏映像(2011年の演奏会)が、参考演奏として掲載されているのだ。嬉しいことである。
雲井雅人サックス四重奏団以来、あまり取り上げる団体はなかったのだが、最近はSaxaccordや、Quatuor Bといったプロフェッショナルの団体が取り上げたり、また、音楽大学の学生も取り上げていると伝え聞く。この素晴らしいアレンジが徐々に拡がりつつある実感があり、これまで何度も取り上げてきた身として、嬉しさを感じる。
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
2014/12/15
12/21 TSQ演奏会の曲目について(レシテーション・ブック)
最初はディヴィッド・マスランカ氏作曲の「レシテーション・ブック」。取り上げるのは5回目となる(TSQ Vol.1、TSQ Vol.3、マスランカ来日マスタークラス、サクソフォン交流会)。全曲を演奏するのは2回目。おそらくアマチュアでこの作品に取り組んだのは、Tsukuba Saxophone Quartetが最初ではないかな、と思っているのだが、どうなんだろう。
そもそも取り上げようと思ったきっかけは、2007年の雲井雅人サックス四重奏団の定期演奏会で同作品の日本初演を聴いたのがきっかけである。その時のブログ記事を読み返してみた。
…「レシテーション・ブック」、作品・演奏とも、想像をはるかに超えた強靭さと、美しさを兼ね備えたものだった。ホールの中に凄いことが起こったのは覚えているのだけれど、あれはいったい何だったんだろうか。究極の慰めの表情から、天地がひっくり返って世界が終わってしまうのではないかというような狂気の渦、そして昇華。本当の音楽は、私たちを日常から切り離し、はるか彼方へ連れ去ってしまうのだな、と実感した瞬間。
なんとか文字で表そうと書いてはみたものの、こういった"言葉"を鼻の先で吹き飛ばすような作品であることは間違いない。吹くほうも大変だが、聴くほうも大変。まったく、凄まじい作品だ。キリスト教的世界観をベースにした作品で、私自身は"宗教"というものに深く関わったことはないのだが、人間的な世界を超越した響きを感じ取ることができる。
以前、同曲内に出現するメロディについて調べてみたこともある。
http://kurisaxo.blogspot.jp/2008/01/blog-post_31.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2009/02/blog-post_13.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2009/03/blog-post_8989.html
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
詳細:http://www.tsukubasq.com
2014/12/14
TSQコンサートまであと一週間
今日は一日合わせ練習だった。編曲者の旭井さんに来てもらって「アルマンド・ルンバ」を聴いてもらいアドバイスいただいたほか、通し練習も行って、体力配分や落とし穴の確認をした。ここまで来ると、練習のほうは選択と集中が重要になってきて、それ以外では体調管理を筆頭に気をつけなければいけないことが多い。
ということであと一週間。
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
2014/12/11
レオポール・ベラン国際音楽コンクールの録画
https://www.youtube.com/channel/UCW2Exfw3G1F4ETbFpudwEcA
サクソフォン関連も、小澤瑠衣さんの演奏動画他いくつかアップされており、なかなか楽しい。動画タイトルには何かの賞の名前が書いてあるようだが、うまく日本語には訳すことができない。
Rui OZAWA
W.Albright - Sonata
Guillaume BERCEAU
L.Berio - Sequenza VIIb
A.I.Khachaturian - Violin Concert Mov.1
Eudes BERNSTEIN
E.Denisov - Sonata
(?) ムスティクス・エチュードのような、そうでないような
Quatuor INFINITES (Anna TAKAKU, Tomotaka NOHARA, Mei YAMASAKI, Kento Motegi)
E.Bozza - Andante et Scherzo
C.Pascal - Quatuor
と、いろいろ観たのだが、際立ってインスピレーションを受けたのはこれ。シンセサイザー、リードホーン、そしてなんとボイスパーカッションによるジャズ。最後には「ギリシャ組曲」まで登場し、面白いことこの上ない。
2014/12/10
TsukubaSQ事前会場リハ
ホールの特性がかなりわかったのは収穫であった。それなりに落ち着いた響きがすることは良く知っていたが、ステージ上でやっていることがそのまますべて客席に聴こえる=ブレスノイズもキイノイズもすべて客席に飛んでいく、という、厄介な特性を把握することができた。当日リハだけで臨んでいたら、慌ててしまったことだろう。残された練習は少ないが、ホールの特性を念頭に置いてうまく練習を進めていきたい。
チケットは、200枚中145枚ほど売れた。残り55枚!
【Tsukuba Saxophone Quartet – Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1,000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 – アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ – トルメンタ・タンゴ
木山光 – ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 – シャコンヌ
D.マスランカ – レシテーション・ブック
チケット問い合わせ:info@tsukubasq.com
ホールの内観。上手袖にクリスマスツリーが飾られていた。
2014/12/09
演奏会情報:Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~
https://www.yamahaginza.com/public/seminar/view/1629
近年のコンクール入賞者によるガラ・コンサートといった趣き。
マルコ・トプチー(ギター)→第56回東京国際ギターコンクールで優勝
田中香織(クラリネット)→ジャック・ランスロ国際クラリネットコンクール2014第2位
荒木奏美(オーボエ)→第31回日本管打楽器コンクールオーボエ部門第2位
中島諒→第31回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第1位を受賞
何といってもサクソフォン的注目は、中島諒さんの演奏である。作曲者であるクリスチャン・ロバ氏自身にロンデックスコンクールの演奏が絶賛されたソプラノの無伴奏曲「Kabuki」、そして、管打楽器コンクールの二次で聴衆を圧倒した野平一郎「アラベスク3」には要注目。また、中島さんがこれまでに何度も取り上げているであろうデザンクロ「PCF」の演奏も楽しみだ。
ということで、私自身も伺う予定。仕事が最近急に忙しくなってきたのだが、だいぶ前からご案内いただいていた関係もあり、何とか調整できそうだ。
【Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~】
出演:マルコ・トプチー(ギター)、田中香織(クラリネット)、荒木奏美(オーボエ)、中島諒(サクソフォン)、仲地朋子、宇根美沙恵、秋山友貴(以上ピアノ)
日時:2014年12月11日(木)19:00開演
会場:ヤマハホール
料金:2000円
プログラム:
マルコ・トプチー(ギター)
M.カステルヌオーヴォ=テデスコ/悪魔の奇想曲 Op.85
F.タレガ/ヴェニスの謝肉祭
F.タレガ/アルハンブラの思い出
田中香織(クラリネット)
J.フランセ/主題と変奏
J.ヴィトマン/5つの断章
C.ドビュッシー/クラリネットのための第1狂詩曲
荒木奏美(オーボエ)
G.Ph.テレマン/無伴奏フルートのための12の幻想曲より
R.シューマン/アダージョとアレグロ Op.70
J.W.カリヴォダ/オーボエとピアノのためのサロンの小品 Op.228
中島 諒(サクソフォン)
C.ローバ/KABUKI
野平一郎/アラベスク Ⅲ
A.デザンクロ/前奏曲、カデンツァと終曲
チラシは下記リンクより参照いただきたい(PDF)。
https://www.yamahaginza.com/static/upload/www.yamahaginza.com/file/8612/1211LEEF.pdf
2014/12/08
TSQの練習
和声の確認は、次回練習でもう少しやることにしよう…。
あと2週間を切った!
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.6】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 - アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ - トルメンタ・タンゴ
木山光 - ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 - シャコンヌ
D.マスランカ - レシテーション・ブック
問い合わせ:
info@tsukubasq.com
チケットの売れ行き・予約もようやくそれなりの枚数まで到達。今のところ200席中140席まで売れている。いらしていただける方、ぜひ事前にご連絡いただけると嬉しいです!
ビジネスクラスサクソフォンアンサンブル2014
【Business Class Saxophone Ensemble Concert】
出演:Business Class Saxophone Ensemble、アマキオト(dance)
日時:2014年12月6日(土曜)15:00開演
会場:小松川さくらホール
プログラム:
A.ピアソラ/黒川圭一 - ブエノスアイレスの春
T.エスケシュ - タンゴ・ヴィルトゥオーゾ
M.ラヴェル - 亡き王女のためのパヴァーヌ
B.バルトーク/黒川圭一 - ルーマニア民族舞曲
櫛田胅之扶 - 万葉
R.シュトラウス/宇田川不二夫 - 楽劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り
S.プロコフィエフ/宇田川不二夫 - バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
M.ラヴェル - ボレロ(アンコール)
小松川さくらホールは、第2回&第3回のサクソフォン交流会で使用したため、打ち合わせを含めれば5回目くらいの訪問となる。ちょっと駅から遠いのが難点だが、音響は意外なほどに良いのだ。
前半は、4重奏~6重奏での演奏。ダンスをテーマにしたコンサートで、ラヴェルのパヴァーヌとは意表を突く選曲だったが、ラヴェル自身の言によればこの曲は「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」とのことだから、ぴったりだ。各メンバーの地力の高さはさすがで(ピアソラやエスケシュは、音符がかなり細かいが、見事に切り抜けていた)、その中でも特にやはりいつもながら凄いなあと思う部分は、音色が美しいことである。
後半1曲目で、BCSEの4重奏と、ダンスグループ・アマキオトとの共演。どのような経緯でこのグループとのコラボレーションが実現したのかはわからないが、面白い効果を出していた。なんとなくダンスにはストーリーがあったように見え、それは「万葉」の各楽章に添えられた短歌とは関係は独立した内容と思われた。どういった着想を経てあのダンスの振り付けがなされたのか、興味あるところだ。最後に2曲置かれた8重奏は、さすが、である。特に、シュトラウス作品の演奏に感銘を受けた。難易度の高いスコアをうまくまとめており、かなり前から8重奏に積極的に取り組んできたBCSEならではの演奏だ、と思ったのだった。
2014/12/06
SAX14の動画(協奏曲)
Milhaud - La création du monde (saxo: Niels Bijl)
Martin - Ballade (saxo: Claude Delangle)
Bizet - L’Arlésienne Suite (saxo: Niels Bijl)
Baez - L'Arlésienne Fantasy Concerto (saxo: Arno Bornkamp)
2014年11月21の録画とのこと。Bas Wiegers指揮、Nederlands Kamerorkestとの共演。これはライヴで観てみたかった。
修正版がアップされました。
2014/12/04
サクソフォン交流会事務局の打ち合わせ
打ち合わせ後は、春日亭で油そばを食す。安定の美味しさ。
帰りの電車の中では、将来のアイディアについてTさんといろいろ盛り上がってしまった。
2014/12/02
プロースト交響楽団第20回定期演奏会
【プロースト交響楽団第20回定期演奏会】
出演:大井剛史指揮プロースト交響楽団、馬原裕子(sop)、富岡明子(alt) 、小原啓楼(ten)、浅井隆仁(bar)、日本フィルハーモニー協会合唱団
日時:2014年11月30日(日曜)14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
プログラム:
A.ドヴォルザーク - 交響詩「金の紡ぎ車」
L.v.ベートーヴェン - 交響曲第9番「合唱付」
素晴らしい演奏であった。普段あまりオーケストラは聴かないのだが、時折アマチュアのオーケストラを耳にすると、弦楽器の高音の音程のばらつきが気になったり、管がいまいち低調だったりと感じるのだが、このオーケストラからはそんなことを全く感じない…どころか、集中力やアンサンブルという点で、相当な高いレベルに踏み込んでいると感じた。子音が良く立ち、発音がはっきりしているのは、今回指揮者の大井氏(TKWOの正指揮者でもある)の音楽づくりによるところも大きいのだろうか。お知り合いが乗っている木管セクションの仕事は、アマチュアらしからぬ素晴らしいもので、シンプルなフレーズの連続だけに普段から基音を磨いている、そんなところが窺えた。
ドヴォルザークも美音や流麗な音楽性で魅せたが、やはりというか何というか、ベートーヴェンでの気合いの入りっぷりは凄まじかった。交響曲の「金字塔」とも言える作品を、このような演奏で聴くことができ、嬉しかった。
それにしても、こうやって聴くと「第九」の特殊性というか、異常性が良くわかる。交響曲なのに、こと、第4楽章は形式が意味不明!冒頭って、楽章回想が入るロンド形式(主題は中低弦のレチタティーヴォ)だと思っていたのだが、なんか違うのね(´・ω・`)独唱あり、大合唱あり、声楽アンサンブルあり、器楽と声楽のアンサンブルあり、そして歌詞も人類愛を高らかに歌い上げて、最後は爆速で終わる…という。初演を聴いた当時の人たちは、この曲から何を感じ取ったのだろうか。
ミューザ川崎シンフォニーホール外観。
2014/12/01
海老原恭平サクソフォンリサイタル~Rhythmic Melody~
【海老原恭平サクソフォンリサイタル~Rhythmic Melody~】
出演:海老原恭平(sax)、田代あかり(pf)、田村拓也(perc)
日時:2014年11月29日 19:15開演
会場:アミュゼ柏クリスタルホール
プログラム:
Russell Peterson - Duo for Saxophone and Percussion
Pedro Iturralde - Suite hellenique
→Pia-no-jaC← - 組曲『 』
JacobTV - Garden of Love
旭井翔一 - Jazz SonataよりAzure Skies, A small adventure in the summer
Graham Fitkin - Hard Fairy
開演の少し前にチラシ挟み込みに伺おうと、柏駅に到着し東口を出ると、地元候補の応援に安倍晋三首相が来ており、駅前広場が大混雑。びっくりした。
まずはプログラムの特異性(笑)について少々述べる。おそらく海老原さんの趣味による選曲なのだと思うが、この魅力的な内容!コンセプトである"Rhythmic Melody"とは、良く言ったものだ。クラシックでありながら、ポピュラーミュージックや、ジャズからの影響を受けた作品群は、私も大好きなものだ。ラッセル・ピーターソンは、アメリカのサクソフォン奏者・作曲家。サクソフォン奏者観点でとにかく「カッコいい」曲をばんばん世に送り出しており、最近ではサクソフォン、フルート、ピアノのための「トリオ」が流行っている。サクソフォンとパーカッションの「デュオ」は、Cajónを使うなどバラエティに富んだ楽章構成が魅力だ。JacobTVの「Garden of Love」は、言わずと知れた名曲で、現代風のサウンドの中に、ウィリアム・ブレイクの詩が紛れ込んでいるという異色さが楽しい。もっともっと皆が演奏するようになっても良い曲!こういった場所で、高校生くらいの観客のみなさんが多いなかで聴かせてしまうのも、また面白い。
旭井さんの「Jazz Sonata」は、海老原さんの委嘱作品なのだが、徐々に取り上げるプレイヤーが多くなりつつあり、これからさらに流行るのではと思う。松下洋さん、最近では大城正司先生も取り上げている。そして「Hard Fairy」!作曲家のグラハム・フィトキンは、イギリス出身のキーボード奏者だが、物凄く厚い和音を武器に独特の作品を世に送り出している。ソプラノサクソフォンと2台ピアノのための作品で、とにかくカッコいい作品。編成の特殊性から演奏機会は少ないが、今回はなんとマリンバで2台目のピアノを担当するというアイディアが面白かった。
ということで、プログラミングの時点で大興奮してしまい、あまり冷静に聴けていないのだが、どの演奏も強く印象に残った。ピーターソン作品は、ソプラノの、最初の空気を切り裂くようなストレートな音で一気にアピールし、Cajónとのアンサンブルも上々で、のっけから観客を惹きつけた。パーカッションの田村さんは、つくばカピオではマリンバしか演奏していなかったのだが、皮モノもこんなに自在に操るとは…と驚いた。イトゥラルデでは、第2楽章でブイブイ即興を取り…海老原さんはソプラノが本当に似合う。ジャズが大好き(なのだとおもう)なあかりさんのピアノも、イトゥラルデ新解釈、という雰囲気が楽しかった。そして、まさかの→Pia-no-jaC←の「組曲『 』」を、ピアノとパーカッションで。まさかここで聴けるとは(笑)
後半は「Garden of Love」から。スピーカーの遠さもあり、さすがにアンサンブルには難儀している様子が窺えたが、曲の特殊性はきっちりと観客に伝わっていたと思う。旭井さんの「Jazz Sonata」は、初演以来聴いたが、時間を経たこともあってか、充実した演奏となっていた。やはり名曲ですね。「Jazz」を謳っているが、美しく、なんだか「Lessons of the Sky」を思い出してしまう。最後の「Hard Fairy」は、メイン曲だけあってとにかく演奏はこの日の白眉、であった。原曲を良く知っているせいで、意外と面白い効果が現れるところが多いことに気づき、なんだかこの曲の新たな側面を見る思いだった。
アンコールは、旭井さん作の小品と、モンティの「チャルダーシュ」。いやはや、楽しい時間であった。打ち上げも参加させていたいた(ありがとうございました)。
次はどんな企画で魅せてくれるのか、楽しみである。
2014/11/29
2014/11/28
井澤裕介さんのライヴ@上福岡
昨日になるが、終業後に上福岡へと向かい、井澤裕介さん主催のライヴを聴いてきた。上福岡は思ったよりも遠く、会場に着くまでは大変だったのだが、本当に行って良かったと思ったのだった。
【Classic Music Live!! vol.3】
出演:井澤裕介(sax)、柏木かさね(vn)、大嶋千暁(pf)
日時:2014年11月27日(木)19:30開演
会場:Blanc(上福岡)
プログラム:
?***
A.リード「バラッド」*
J.ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第一番」より第一楽章**
A.ピアソラ「忘却」***
A.ピアソラ「エスクァロ」***
「スウィート・メモリーズ」(松田聖子)*
「ひこうき雲」(荒井由実)**
佐藤信人「さくらうさぎの香り」***
佐藤信人「もみじの香り」(委嘱作品・初演)***
M.アイシェヌ「カンティレーヌとダンス」***
「青春の輝き」(カーペンターズ)(アンコール)*
アンコール2曲目なんだったっけ***
*=サクソフォン+ピアノ
**=ヴァイオリン+ピアノ
***=サクソフォン+ヴァイオリン+ピアノ
上福岡から近い…が、なかなか分かりづらい場所にあるBlancというライヴバーで開催された。ゆったりとしたスペースで、ピアノとドラムが備え付けられ、音響は意外にも良い。
サクソフォンの井澤さんは、尚美学園大学を卒業され、現在東京音楽大学の大学院2年生。このたび、大阪市音楽団のバリトンサクソフォン奏者のオーディションに合格し、2015年より大阪に移住する予定とのことだ。井澤さんからは、今までも何度か演奏のご案内をいただいていたのだが、予定が合わず、今回初めて井澤さんの演奏を聴いたのだった。ピアノの千暁さんの演奏を拝聴するのも久しぶり。相変わらずお忙しそうで各所でご活躍だが、ますますアンサンブルピアニストとして磨きがかっているのは、すばらしい。
さて、井澤さんの演奏である。セルマーの楽器(Serie3)に、セルマーのマウスピースというごく一般的なセッティングなのだが、ちょっと聞いたことのない、なんとも蠱惑的な音が飛び出した。その音色に耳が吸い付けられたまま、気がついたらライヴが終わっていた…。それにしても、若い方でこのような音のアプローチをされることが、とても興味深い。井澤さんの美意識がそのまま音として客席に届いているのだろうか。師匠である小串先生の影響も感じるが、方向性は同じにしつつもコピーではないところが、井澤さんの演奏の個性だろう。
「うた」をテーマにしたということだが、どんな曲にあっても、極々自然であり、変な誇張や仕掛けなどは全くない。喋った言葉がそのまま音になり、それはそのままフレージングや音色として会場に広がってくる。若手奏者(などと上から目線的な言葉を使うのもおこがましいが)としては珍しいタイプの演奏家であると思った。私自身はテクニカルだったり派手だったり、というのも好きだが、こういうさり気ない作品を魅力的に聴かせられる「趣味の良さ」を携えていたとは!驚いた。だからこそ大阪市音楽団に迎えられた、というのもあるのかもしれない。ミュール編の小品とか、ばんばん吹いてほしいぞ。
演奏された作品は、アレンジ物、オリジナル物様々だが、佐藤信人さんの作品がまた良かった。京のお香を題材にとった作品という事だが、和風な全体を覆う雰囲気がなんとも言えず素晴らしく、聴き入ってしまったのだった。アイシェヌも、まさかこういった機会に聴けるとは意外ながらも嬉しく、カンティレーヌ、ダンスとも、集中力の高い演奏を楽しんだ。
打ち上げも参加させていただき、遅くまで楽しい時間を過ごしたのだった。大阪でのますますのご活躍を祈念する次第。また、こちらでの演奏もちょくちょく考えてはいるとのことなので、次に聴く機会を楽しみに待っていたい。
2014/11/27
佐藤渉さんのレッスン
月曜日、都内某所にて、Tsukuba Saxophone Quartetで佐藤渉さんのレッスンを受けた。曲は、マスランカ「レシテーション・ブック」の全楽章。12/21の演奏会に向けての練習の一環だ。
これまでにも、二度、TsukubaSQは佐藤さんのレッスンを受けたことがある。そのときもやはり、演奏会に向けて練習していた「レシテーション・ブック」だった。
佐藤さんのレッスンは、音楽的な表現や、技術的な指摘に留まらず、さらに奏法にまで細かく指摘してくださるもので、とても充実したものだった。また、雲井雅人サックス四重奏団にて初演を手がけて以来、作曲家とのコラボを行いながら、この曲の世界最高の演奏を常に世に送り出し続けてきた、その経験に基づく言葉は、何物にも変えがたい至言の数々である。
いろいろ宿題をいただいたので、頑張らなければ!
2014/11/26
The Top 10 Colleges for Saxophone Performance (?)
直訳すると、"サクソフォン演奏を学べるトップ10大学"というところだろうか。アメリカの、サクソフォン学府の順位付け記事である。いったいどんな基準で選ばれているのか、謎。こういう記事を書く際には、順位を付ける基準を示すべきだと思うのだがなあ。
http://musicschoolcentral.com/the-top-10-colleges-for-saxophone-performance/
上記記事に書かれている順位を書き下してみた。バルティモアのピアボディ・インスティテュート、という名前は初めて知った。順位については基準がわからないのでノーコメント。各学校説明についてはおそらくきちんとしている…のではないかと思う。
1. University of Michigan School of Music, Theatre, and Dance – Ann Arbor, MI (Timothy McAllister)
2. Northwestern University Bienen School of Music – Evanston, IL (Timothy McAllister)
3. University of Iowa – Iowa City, IA (Kenneth Tse)
4. Indiana University Jacobs School of Music – Bloomington, IN (Otis Murphy)
5. Eastman School of Music – Rochester, NY (Chien-Kwan Lin)
6. University of Minnesota School of Music – Minneapolis, Minnesota (Eugene Rousseau)
7. Peabody Institute – Baltimore, MD (Gary Louie)
8. Manhattan School of Music – New York, NY (Paul Cohen)
9. Bowling Green State University – Bowling Green, OH (John Sampen)
10. Ball State University – Muncie, IN (George Wolfe)
I don't know HOW does author rank these colleges...
2014/11/25
トーマス・ドス「スポットライト」
そのドス氏が、サクソフォン四重奏と吹奏楽のために書いた協奏曲が「Spotlights」である。オーストラリアのウィーン音楽院で学んだ若手演奏会により結成された、Mobilis Saxophonquartettにより、2014年4月14日に初演された。吹奏楽らしさをベースに残しつつ、サクソフォン四重奏の機動性やアピール度を多分に含む10分ほどの作品。その初演ライヴの演奏は、モビリスQのサイトから聴くことができる。
日本でも誰かやらないかなあと思っていたところ、なんと9月に演奏されていた…とういことを、滝上先生より教えていただいた。名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラの演奏会で、三日月孝、滝上典彦、中山順次、櫻井牧男各氏がソリストとして立ち、そして指揮はヤン・ヴァン=デル=ロースト氏という布陣だったそうだ。この演奏が、日本初演となったそうだ。
【名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ第33回定期演奏会】
2014年9月25日(木)18:30開演(18:00開場)
会場:日本特殊陶業市民会館フォレストホール
指揮:竹内雅一
演奏はde Haskeにレコーディングされ、本年末~来年頭頃リリース予定とのこと。本作品の世界初録音となる。
吹奏楽界で著名な作曲家は、時に非常に面白い作品を、独奏曲、協奏曲、四重奏曲といった形でサクソフォン界に送り込んでくることがあるのだが、意外と見過ごされることが多い…のは気のせいだろうか。
ちなみに、トーマス・ドス氏のこれまでのサクソフォン作品リストは、下記のような感じ。「モビリス」という作品が気になるなあ…。
Etude for Alto Saxophone [asax]
In Museum [asax, pf]
Mobilis [11sax]
Mobilis XL [11sax & Jazz Combo]
Wurdalak [chamber]
この名古屋芸術大学ウィンドオーケストラの演奏会では、もう一曲面白そうな作品が演奏されたのだが、その話題はまた今度。
2014/11/24
ヤマハ目黒吹奏楽団 Autumn Concert 2014
2011年、なめら~か等でご活躍のサクソフォン仲間のHさんに誘っていただいて以来、ステージマネージャーとして携わるようになった。毎回、いろいろと勉強させていただき、また、演奏もステージ袖から楽しませていただいている。
【ヤマハ目黒吹奏楽団 Autumn Concert 2014】
出演:ヤマハ目黒吹奏楽団、鳥谷部武夫(指揮)、大田昌穂(司会)
日時:2014年11月23日(日)14:00開演
会場:めぐろパーシモンホール・大ホール
プログラム:
G.ロッシーニ/F.チェザリーニ - セヴィリャの理髪師
足立正 - 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」
J.ウィリアムズ/J.カーナウ - カウボーイ序曲
P.チャイコフスキー/M.ハインズレー - バレエ組曲「くるみ割り人形」より
H.ジマー/明光院正人 - バックドラフト
F.チャーチル/L.モーリー - ディズニー「白雪姫」より口笛吹いて働こう
M.ハムリッシュ/森田一浩 - コーラスライン・メドレー
V.マッコイ/岩井直溥 - アフリカン・シンフォニー
R.ヘルナンデス/岩井直溥 - エル・クンバンチェロ
久石譲・木村弓/鈴木英史「千と千尋の神隠し」Highlights
れりごー(アンコール)
L.アンダーソン - そりすべり(アンコール)
(この写真は、2013年のもの…)
クラシックあり、ポピュラーあり、様々な曲を一挙に集めたようにも思えるが、プログラムのコンセプトとして、演奏会開催日である"勤労感謝の日"にちなんで、「はたらく」ということをテーマにしたのだという。なるほど。確かに、職業にちなんだタイトルが多い。
お客様は最終的に800名以上。会場には熱気があふれていた。
いつも思うのだが団員の皆様の、純粋な合奏が楽しいという気持ちがそのまま音に乗って滲み出てくるという印象を受ける。だから、聴いていてとても心地よいし、しかも技術的にもきちんとしているため、演奏として見事なものになっているのだ。今回とくにびっくりしたのは、かなりクラシック寄りの作品においても、きっちりとまとめてくることである。ロッシーニ、チャイコフスキーがそれにあたるのだが、この音の薄い作品を聴かせる苦労は相当なものと拝察する。にもかかわらず、良いアンサンブルが聴こえてきて、改めてヤマハ目黒吹奏楽団さんの地力の高さを垣間見た思いがするのだった。
プログラム的に、第一部の編曲者が個人的にツボですね。チェザリーニ、カーナウ、ハインズレーとは、なかなか面白い(笑)。
そして毎回恒例、大田先生の司会・名調子も楽しい。"吹奏楽の司会"で、こんなにすごい司会はほかに接したことがない。
打ち上げも参加。終電まで(笑)。打ち上げ企画でまさかのドラえもんクイズあり。
そういえば、7回もやっていると、新しく入団される方もいれば、退団される方もいる。今回は特に、個人的にいろいろとお世話になった方が数名、退団されることもあり、お疲れ様でしたと思うと同時に、寂しい気持ちにもなるのだった。
2014/11/22
TSQ合わせ&明日はヤマメのステマネ
明日11/23は、ヤマハ目黒吹奏楽団のステージマネージャーのお仕事。なんだかんだ、2011年の冬季演奏会にお呼びいただいてから、7回目になる。お時間ある方はぜひ~
http://www.yamame-winds.net/main/index.html
2014/11/21
ご案内:Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.6
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一か月後に迫った、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏会をご案内。
委嘱アレンジ作品を含むプログラムで、気が付いたらヘヴィな曲ばかり…。とはいえ、とにかく名曲揃いで、サクソフォンの方にも、そうでない方にも、楽しんでいただけるかと思う。詳しいコンセプトは、後述のコンセプト文をお読みいただければと。
ぜひぜひ、お越しください!きっとご満足いただけることと思います!
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.6(自主公演)】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 - アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ - トルメンタ・タンゴ
木山光 - ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 - シャコンヌ
D.マスランカ - レシテーション・ブック
http://www.tsukubasq.com/
[コンセプト解説]
真鍮製の管体に葦の発音機構を持ち、路上からライヴハウス、音楽ホールまで、いかなるシチュエーションにおいてもピタリと当てはまるサクソフォン。
本コンサートでは、キリスト教的世界観に基づいたクラシック作品2曲をメインに
据えた。バロック時代を代表する作品の一つであるバッハ「シャコンヌ」、そして、賛美歌・グレゴリオ聖歌を、現代的な作曲フォーマットによって再構築したマスランカ「レシテーション・ブック」である。いずれも、クラシカル・サクソフォンの魅力を最大限に引き出した傑作だ。
一方、ジャズ、タンゴ、ロックのエッセンスを取り入れたサクソフォン四重奏の名品も多く存在する。「シャコンヌ」「レシテーション・ブック」の響きを"聖"とすれば、これらの作品の響きはさながら"俗"といったところだろう。その中でも、今回は際立った個性を持つ以下の3曲を取り上げた。
「アルマンド・ルンバ」は、スペイン情緒あふれるジャズ・ナンバー。サクソフォン四重奏版のアレンジを、新進気鋭の作曲家・旭井翔一に委嘱し、本コンサートで初演する。「トルメンタ・タンゴ」は、トルメンタ(嵐)の名にふさわしい賑やかかつスピーディな展開が魅力の作品。「ハデヴィッヒ2」は、ロックの影響を受けたポスト・ミニマル風のサウンドの中に、緻密に計算された書法が光る。
”聖"と"俗"、極端な二面性から導き出されたこのプログラム。サクソフォンが持つ無限の可能性とTSQの現在(いま)を、存分にお楽しみいただければ幸いである。
(チラシはクリックして拡大)
2014/11/20
コスタリカのSONSAX
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サクソフォン四重奏+パーカッションという編成は、あるようであまりなくて、ぱっと思い付くのだと日本のBijou Sax QuartetとかHIBI★Chazz-Kだが、コスタリカに面白い団体がある。その名もSONSAX(ソンサックス)。ラテン・ミュージックに的を絞り、暗譜で時に振りまで交えながら、ダンサブルな音楽を奏でる彼らは、クラシックとはやや離れた位置にいるのかもしれないが、この上なく魅力的だ。
トップはJavier Valerio氏は、インディアナ州立大学への留学経験があるのだが、実はそこで石渡悠史先生に習ったことがあるのだそうだ(と、石渡センセがおっしゃっていた)。
YouTube上を探すと、いろいろアップされているのだが、私自身はこの演奏が好きだ。2012年のサクソフォン・コングレス@セント・アンドルーズにおける、Lap of Honour(総まとめコンサート)の模様。会場は、Buchanan Theaterだ。このカッコよさ、そして客席の熱狂ぷりといったら、なかなか観ることができない。アンコールではコングレス総監督のRichard Ingham氏が出てきて踊ってるし…(笑)。楽しい音楽の時間だ。
http://youtu.be/WusZgn-X4ws?t=33m3s
ちなみに、SONSAXの後にはPedrosaxが登場している。そして、最後にはストラスブール音楽院のサクソフォンアンサンブルが「Klezmer Salsa(1:35:40くらいから)」を演奏しているのだが、その中にSONSAXのメンバーも参加している。こちらの熱狂も、すごい。
こういった、Funkyな感じの曲もカッコいいですね。ブルース~。
2014/11/19
情報:シンタ&マカリスター両氏参加のフランス音楽作品集
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ピアノのキャスリーン・グッドソン Kathryn Goodson氏がプロデュースした、フランス音楽作品集がNavona Recordsからリリースされた。サクソフォン、ホルンmバストロンボーンが参加し、オリジナル作品・アレンジ作品を演奏する。サクソフォンは、なんとドナルド・シンタ Donald Sinta&ティモシー・マカリスター Timothy McAllister両氏参加ということで、非常に興味深い(録音は2010年)。
詳細は下記リンクから辿ることができる。
http://www.navonarecords.com/bellenuit/index.html
サクソフォンが入っているのは、以下の曲。マカリスター氏のフランクや、シンタ氏のドビュッシー、さらに共演曲もありと、面白そうだ!
C.ドビュッシー - ラプソディ(シンタ)
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタ(マカリスター)
J.B.サンジュレ - デュオ・コンチェルタントより第2楽章(シンタ&マカリスター)
C.ドビュッシー - 美しき夕暮れ(シンタ)
M.ラヴェル - ハバネラ形式の小品(シンタ)
O.メシアン - ヴォカリーズ・エチュード(マカリスター)
J.マスネ - タイスの瞑想曲(シンタ&マカリスター)
Amazonでも取扱いを開始していた。こちら→Belle Nuit 購入したらレビューする予定。
2014/11/17
第6回サクソフォン交流会申し込み開始→終了
https://sites.google.com/site/saxkouryukai/
さっそく予定の枠が埋まり、申し込みを終了した。
開始2分で10団体の応募があり、さらに3分後には予定数に達してしまったのには驚いた。
2014/11/16
Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert
【Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert】
出演:Green Ray Saxophone Quartet
日時:2014年11月15日 18:00開演
会場:古賀政男記念館 けやきホール
プログラム:
三浦真理「ティータイムの画集」
織田英子「東回りの風」
平部やよい「倖せヲ呼ぶ嶌」
F.デクリュック「変奏曲」
I.ゴトコフスキー「四重奏曲」
山本哲也「Green Sonatine」(アンコール)
女性作曲家をコンセプトとしたプログラムだという。そのコンセプトを聞いた時に、リュエフ、ゴトコフスキーあたりが来るのかなあと思っていたのだが、まさかのデクリュックの秘曲(聴いたことない)と、平部やよい作品(大好きな曲の1つ)という、他のカルテットが取り上げないようなプログラミングに驚いた。演奏が上手いのはもちろんだが、ストレートボールのなかに巧みに変化球を混ぜてくるプログラミングも、GRSQの魅力の一つだ。
演奏は相変わらず素晴らしい。あいまいな部分を最小化してピタリと決めてくるあたり、作品に取り組む際の真摯な姿勢が窺える。音色や和声感は、現代のトレンドを感じたり、師である雲井雅人氏の影響を感じたり…最終的に彼らなりの美意識に基づくところに落ち着けているのだろう。
前半に邦人作曲家、後半にフランスの作曲家がそれぞれ並んだが、やはり私自身がニッポンジンだからなのか、特に前半が面白く聴けた。基本的な部分がしっかりしているので、比較的シンプルな「東回りの風」のような作品であっても、楽しんで聴くことができる。また、楽章ごとに変わる表情と演奏とがリンクして、説得力ある演奏となっていた。「倖せヲ呼ぶ嶌」は、パワーある演奏!見事だった。初演の東京サクソフォンアンサンブルの演奏とはまた大きく違った方向に舵を切った内容で、立体的な構造が浮き上がるのが印象的。
後半はデクリュックから。主題からして想像以上にシンプルな作品で、淡々とした音運びに、別の意味で驚いた。デクリュックって、ほかにも四重奏曲書いていたっけなあ。今度調べてみようっと。ちなみにこの作品は、メンバーの内田氏が国立音楽大学の図書館で見つけてきたのだそうだ。さすが国立音楽大学図書館の蔵書量のハンパなさ。ゴトコフスキーは、やっぱり良い曲ですね。演奏も、ひたすら内面を掘り下げていくという感じで圧巻だった。聴くたびに思うのだが、ゴトコフスキーさんてどんな人となりなのだろう。緩徐楽章と急速楽章での、響きの違いっぷりがやはり面白い。
アンコールは、山本さんがGRSQのために書いた作品。耳に残りますね(笑)。
第4回も大いに期待!
打ち上げも参加させてもらい、メンバーやお知り合いの方や、あと意外な方々(笑)との邂逅もあり、楽しかった。
2014/11/14
A performance edition and technical guide to Bach's Chaconne for Alto Sax.
そのペイジ氏の論文で、「A performance edition and technical guide to Johann Sebastian Bach's Chaconne from Partita in D minor, BWV 1004, for alto saxophone」というタイトル。バッハの「シャコンヌ」をアルトサクソフォンで取り組む際の、編曲のアイディアと裏付け、演奏のアドバイス、並びに編曲譜を付録として掲載…というような内容。
下記リンク先の「Download」ボタンをクリックすると、PDF形式で全文を読むことができる。
http://ir.uiowa.edu/etd/5034/
そういえば、バッハの「シャコンヌ」を独奏で演奏する、といえば、ダグラス・オコナー氏も取り組んでしていたが、アメリカではけっこう流行っているのだろうか。ペイジ氏自身の演奏も聴いてみたいなー。
2014/11/12
演奏会情報:Green Ray Saxophone Quartet 3rd
【Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert】
日時:2014年11月15日(土)開場 17:30開演 18:00
会場:古賀政男音楽博物館内 けやきホール(新宿駅より小田急線、地下鉄千代田線 代々木上原駅下車 徒歩3分)
料金:2,000円(全席自由、当日500円増)
プログラム:
F.デュクリュック - 変奏曲
I.ゴトコフスキー - サクソフォーン四重奏曲
平部やよい - 倖せヲ呼ぶ嶌 他
問い合わせ:
green.ray.sax.iuki@gmail.com
http://nonaka-actus.com/?pid=80777799
2年前の第1回の演奏会に伺ったのだが、非常にぴしっとしたアンサンブルや、良く響く音色、ちょっと珍しいプログラムに感銘を受けた。残念ながら昨年の第2回演奏会には都合が合わなかったのだが、今年は休日ということもあり、伺う予定。
今年は、女性作曲家をテーマにした演奏会なのだそうだ。難曲ゴトコフスキーとともに演奏されるのは、なんとあのデュクリュックの四重奏作品(聴いたことがないぞ…笑)、そして、今年前半の東京サクソフォンアンサンブルの再結成において委嘱・初演された、平部やよい氏作曲の名曲「倖せヲ呼ぶ嶌」である。あの曲を想像すると、Green Ray Saxophone Quartetにとてもマッチしているような…。どのような演奏が展開されるのか、とても楽しみだ!
個人練習再始動
今日は「ハデヴィッヒII」と「レシテーション・ブック」を。どの曲も大変だが、新しくさらうのとはまた違った難しさ(以前の癖を抜きながら、精度高くさらいなおしていく作業)がある。また、小さい音量のコントロールなども、試行錯誤の連続。
しばらく、週2~3回のペースくらいでコンスタントにこなしていく予定。まずは、週末の「レシテーション・ブック」の合わせに向けて加速しよう。
明日も21:00-23:00で練習。
2014/11/11
第6回サクソフォン交流会のアンサンブル参加団体募集
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第6回サクソフォン交流会 in 香川の、アンサンブル参加団体募集を、2014/11/16(日曜)22:00に開始いたします。下記ページより要項を確認の上、ぜひ参加をご検討いただければと思います。
https://sites.google.com/site/saxkouryukai/
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ということで、現地打ち合わせも済ませ、本格的に始動している。印刷物やら企画ステージやら、いろいろと業務が増えてくるが、着実にこなしていきたい。今回は事務局内でサブマネージャーを立てたこともあり、それなりに負荷分散されて、今のところ上手くいっている…のではないかと。
2014/11/10
雲井雅人サックス四重奏団第12回定期演奏会
出演:雲井雅人サックス四重奏団、フレデリック・ヘムケ(客演)
日時:2014年11月8日 19:00開演
会場:津田ホール
プログラム:
John Mackey - Unquiet Spirits
Antonin Dvorak / 阪口新 - String Quartet No.12 "America"
Simon & Garfunkel / 佐藤信人 - Simon & Garfunkel Medley
Phil Woods - Three Improvisations (rev. 2001)
George Gershwin / Jonah Blum & Frederick L. Hemke - Scenes from "Porgy and Bess"
George Gershwin - Embraceable You (encore)
George Gershwin - Fascinating Rhythm (encore)
土曜日の東京公演を皮切りに、日曜日に名古屋で昼夜公演、今日月曜日は〆の大阪公演を行ったとのこと。なんとパワフルな!
私は東京公演に伺った。都内でも屈指の音響を誇る室内楽ホールの津田ホールだが、もうすぐ無くなってしまうという。ここで雲井雅人サックス四重奏団の演奏を聴いたのは、2005年9月以来だが、その時からさらに進化したサウンドをここで聴くことができるとは、なんという僥倖であろうか。
ジョン・マッキーの「Unquiet Sprits」を、雲井雅人サックス四重奏団(以下、雲カル)が取り上げるのは少し意外な感じがした。アメリカの若手四重奏団、Zzyzx Quartet(ザイジクス・カルテット)の委嘱により制作され、2012年のサクソフォン・コングレスで第1楽章が初演された。マッキー氏の他の作品に比べてなかなかハードな響きがするが、リズムの遊びにマッキー氏らしさを感じる。続いてドヴォルザークのアメリカ。いやはや、この1曲で大感動してしまった。さりげない冒頭から、テナーの主題提示(この瞬間に魂を抜かれた)、フレーズが折り重なり、いつしかその芳醇な響きに溺れていった。耳が幸せな響きで埋め尽くされるという、稀な体験をした。
後半は、まさかの「サイモンとガーファンクル・メドレー」から開始。ポピュラー・ミュージックとはいえ、なかなか精神性の高い内容は、雲カルの方向性にぴったりだと感じた。アレンジは尚美学園大学の院生の佐藤氏。才気を感じる。フィル・ウッズの「3つの即興曲・改訂版」は、以前も取り上げられた作品だ。個人的には、改訂前のバージョンでもぜひ聴きたいと思っているのだが、雲カルの演奏で第1楽章の充実度合を聴いてしまうと、もはや何も言えなくなってしまう。
そしてフレデリック・ヘムケ氏登場!もうね、出で立ちからカッコ良すぎ。79歳にして、雲カルの響きと渡り合う鮮烈なサウンド。メタルのマウスピースに、セルマーのサクソフォン。ヘムケ氏の音の方向性は、LP時代から微塵も変わっていないが、しかし未だに進化し続けていることを確信した。ガーシュウィンの曲を、こうやって姿勢を正して聴いたのは初めてだったかもしれないが、何はともあれ貴重な機会に臨席できたことを喜びたい。アンコールに、「エンブレイサブル・ユー」と「魅惑のリズム」を、いずれもヘムケ氏をフィーチャーして演奏。
津田ホール外観。
2014/11/09
6th Dinant Competition (2014): 主要紙ネット版に結果が掲載
(最初はスポーツ紙だけの掲載だったのですが、スポーツ紙以外も取扱いを始めたため、記事タイトルを変更ならびにリンクを追加しました)
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/m20141111k0000m040046000c.html
日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H1F_Q4A111C1000000/
サンケイスポーツ(産経系列)
http://www.sanspo.com/geino/news/20141109/sot14110912090007-n1.html
産経ニュース(産経系列)
http://www.sankei.com/world/news/141109/wor1411090019-n1.html
日刊スポーツ(朝日系列)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20141109-1394058.html
スポーツ報知(読売系列)
http://www.hochi.co.jp/topics/20141109-OHT1T50075.html
スポーツニッポン
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/11/09/kiji/K20141109009253960.html
6th Dinant Competition (2014): 本選結果が発表
日本からの参加者について、上野氏は2位、田中氏は6位だった。
1st prize:Nikita Zimin, Russia
2nd prize:Kohei Ueno 上野耕平, Japan
3rd prize:Asya Fateyeva, Germany
4th prize:Guillaume Berceau, France
5th prize:Nicolas Arsenijevic, France
6th prize:Takuya Tanaka 田中拓也, Japan
2014/11/08
6th Dinant Competition (2014): 本選の中継予定(2日目のみ)
11/8
Name, Selected Work, CST, JST(11/9)
Nicolas Arsenijevic, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05, 4:05
Guillaume Berceau, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50, 4:50
Asya Fateyeva, Jean Denis Michat - Shams, 21:35, 5:35
ファブリス・モレティ2014東京公演
【CD発売記念 ファブリス・モレティ サクソフォーンリサイタルツアー2014 東京公演】
出演:ファブリス・モレティ(sax)、服部真理子(pf)
日時:2014年11月6日 19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷・音楽ホール
料金:3500円、学生2500円(当日各500円増し)
プログラム:
J.B.サンジュレ - ファンタジー・ブリランテ
P.A.ジュナン - ソロ・ドゥ・コンセール
B.ハイデン - ソナタ
M.コンスタン - ムジク・ドゥ・コンセール
H.トマジ - エヴォカシオン
P.イトゥラルデ - ギリシャ組曲
A.グラズノフ - 協奏曲
R.プラネル - 感傷的なワルツ(アンコール)
林光 - キュンキュン(アンコール)
E.ボザ - アリア(アンコール)
ファブリス・モレティ Fabrice Moretti氏は、マルセル・ミュール、ダニエル・デファイエと続くエコール・フランセーズの継承者として、サクソフォンの伝統的なクラシック作品を趣味良く聴かせる、数少ない奏者の一人。少し前まではデュオ服部の招きで、最近は鈴研音楽会の招きで、毎年来日している。今年はなんと、アドルフ・サックス生誕200周年のその日にリサイタルを開催。コンサート中のMCによれば、昨年来日した折に「この記念すべき日を日本の聴衆の皆さんとお祝いしたい!」と決め打ちで選んでホールを確保したそうだ。私自身は昨年は伺えず、2年ぶりとなったが、期待通りの、いや、期待以上のリサイタルであった。
クランポンの最新機種"Senzo"を携えたモレティ氏。もちろんS-3プレスティージュ時代も美しい音色で魅了したが、さらにその音色に磨きがかかっていると感じた。個人的な感想だが、金属的な音色の成分がやや縮退し、まろやかさが全体を覆い、さらにダイナミクスのコントロール(特にp)が進化していると感じた。開発に深く携わっただけあって、やはりわが意を得たりというようなコントロールが随所に見られた。
古い2作品を"Senzo"で聴く。響きは芳醇で、アドルフ・サックスの制作したサクソフォンとはかけ離れているが、違和感は感じない。色気…というか、エスプリを振りまきながら、見事に吹ききるモレティ氏。コンサート最初から喝采モノである。モレティ氏のコンサートは、ピアノの服部真理子氏との掛け合いのMCも魅力だ。新しく録音したCDの話、Senzoの話、アドルフ・サックスの話、作曲家の話…どれも聞いて楽しいものだ。ハイデンは、なかなかライヴで演奏する奏者もおらず、珍しい作品だが、今までのこの作品のイメージをい覆されるような(第3楽章の爆速であること!)凄みがあった。コンスタンほど現代に近づいても、モレティ氏の演奏はまったくブレず、しっかりしたテクニックの下地、芳醇な音色、趣味の良さ、どれをとっても一級品だ。
後半は、民族音楽に影響を受けた佳作「エヴォカシオン」「ギリシャ組曲」が続く。「ギリシャ組曲」は、スパニッシュ・ジャズではあるが、モレティ氏が吹くとまるでフランスのおしゃれなシャンソンのごとく響く。これはこれでアリだな(笑)。最後のグラズノフは、アドルフ・サックス200周年を祝うハッピー・バースデーの曲にも聴こえてしまったほどだ。名演奏とは、このような演奏のことを言うのだろう。筆舌に尽くしがたい。
アンコールは…林光作品が面白い!最後は「アリア」でしっとりと。
ツアーはまだまだ続く。ぜひお近くの方は聴いてみることをおすすめする。
2014/11/07
6th Dinant Competition (2014): 本選出場者の簡単な経歴、選択曲、スケジュール
Takuya Tanaka 田中拓也, Japan
東京芸術大学大学院修士課程在学中。第25回日本管打楽器コンクール第1位並びに特別大賞受賞。ブルー・オーロラ・サクソフォン・カルテットのメンバーとして活動。現在は、洗足学園音楽大学講師。サクソフォンを、冨岡和男、平野公崇、原博巳の各氏に師事。
Kohei Ueno 上野耕平, Japan
東京芸術大学学士課程在学中。第28回日本管打楽器コンクール第1位並びに特別大賞受賞。NHK-FM名曲リサイタル出演、題名のない音楽会出演など、メディアへの露出も多い。2014年10月、ファーストアルバム「アドルフに告ぐ」。サクソフォンを、鶴飼奈民、須川展也、原博巳の各氏に師事。
Nikita Zimin, Russia
グネーシン音楽学校でマルガリータ・シャポシュニコワ教授に師事、パリ国立高等音楽院でクロード・ドゥラングル教授に師事し、修士課程を卒業(修士リサイタルではサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を吹き、居並ぶ聴衆を圧倒した。)。ロストロポーヴィチ財団より奨学金を得る。第5回アドルフ・サックス国際コンクールにおいて第2位受賞。そのほか、数々の国際コンクールで入賞しまくっている。オーケストラとの共演も多数。YouTubeに動画・録音がアップされてまくっているので、そのロシアの雄大な大地を思わせるようなスケールの大きな演奏を耳にされた方も多いはず。
Nicolas Arsenijevic, France
サン=モール音楽院でニコラ・プロスト氏に師事、セルジー・ポントワーズ音楽院でジャン=イヴ・フルモー氏に師事、パリ区立13区音楽院でクリスチャン・ヴィルトゥ氏に師事。その後、パリ国立高等音楽院に入学した。ナント国際コンクール、ギャップ・ユーロピアンコンクール等で入賞。現在は、Conservatoire à Rayonnement Communal in Vincennesの講師。けっこう前からこの方の名前は存じている。というのも、まだニコラ氏がパリ13区音楽院の学生であった際に、大西智氏さんから「超おすすめの奏者!」というような触れ込みで、ニコラ氏が吹くサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」の録音を送ってもらったのだ。その上手さに飛び上るほど驚き、いつか大物になると思っていたところ、あれよあれよという間にパリ国立高等音楽院に入学、そして今回のコンクールでもファイナルへと残った。
Guillaume Berceau, France
Rayonnement音楽院でEric Devallon氏に師事、Toulouse音楽院でPhilippe Lecocq氏に師事。続いて、パリ国立高等音楽院に入学し、クロード・ドゥラングル教授に師事した。ナント国際コンクール、ギャップ・ユーロピアンコンクール、UFAM国際コンクールで入賞。いくつかの音楽院で、講師として活動中。Nicolas Arsenijevic氏とも親交があるようで、LE RESTAURANTという、テアトル・ミュージックの企画に出演していたようだ。
Asya Fateyeva, Germany
Simferopol Schoolを経て、グネーシン音楽学校でマルガリータ・シャポシュニコワ教授に師事した。その後、ドイツのHochschule fur Musik und Tanz in Cologneでダニエル・ゴーティエ氏に師事、続いてリヨン国立音楽院でジャン=ドニ・ミシャ氏に師事した。キエフ、モスクワ、ハンブルク、ニュルンベルク、ギャップにおけるコンクールで入賞経験がある。オーケストラとの共演も数多い。これまでのアドルフ・サックス国際コンクールの中で、女性としてファイナルに残った初めての奏者となる。
本選においては、各奏者は次の曲を吹かなければならない。
課題曲:
Jan van der Roost - Images(コンクールのために書かれた新作)
選択曲(下記リストから1曲選択):
Chant des Ténèbres by Thierry Escaich
Concerto, Op. 14, by Lars-Erik Larsson
Fantasia by Heitor Villa-Lobos
Ostinati by Frédéric Devreese
Rhapsody for Alto Saxophone by André Waignein
Shams by Jean-Denis Michat
本選出場者の選択曲とスケジュール(現地時間CET)は、下記の通りである。ラーション祭りだ!(笑)
11/7
Takuya Tanaka, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05
Kohei Ueno, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50
Nikita Zimin, Lars Erik Larsson - Konsert, 21:35
11/8
Nicolas Arsenijevic, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05
Guillaume Berceau, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50
Asya Fateyeva, Jean Denis Michat - Shams, 21:35
(1014/11/08 23:19修正)
2014/11/06
アドルフ・サックス生誕200周年の日
素晴らしい楽器を発明した、このベルギー・ディナン生まれの才気あふれる楽器職人に、われわれサクソフォン奏者は改めて感謝しなければならない、と思う。サクソフォンがない音楽界など、もはや考えられない…とは言い過ぎだろうか。
とはいえ、改めて、ここまで素晴らしい管楽器もなかなかないとの思いを強くする。それは、この楽器が自然発生的に進化てきたのではなく「発明」されたからなのだが、オクターヴキィがあり、音量のコントロールが自由自在、音色もヴァリエーション豊富、人間工学に基づいたキィ配置でフィンガリングも限界がなく、音程も作りやすく、同族楽器で高音から低音までカバーし、しかも互いに音色が溶け合い…こういった特徴を並べるだけでも、いかにサックス氏がしっかりした考えを持って、この楽器の基礎を作ったのか…氏の生真面目さか、天才性かはわからないが、その凄さが良くわかる。
ところで、サックス氏は、軍楽隊における木管と金管の音色の融和を狙ってサクソフォンを考案したと伝えられている。実際、当時のサクソフォンを吹いてみると、音量や音色など、非常に控えめであり、現代の楽器特性とは似ても似つかないものである。楽器やマウスピースの構造の変化によって、サクソフォンはその特性を徐々に進化させてきたことはよく知られているが、誰がどのようにして(演奏家か?指揮者か?楽器職人か?)その特徴を持たせるきっかけ、ならびに方向性を作っていったのか、という経緯を詳しく知ることができればと、常々から思う。
サックス氏が最初考案したサクソフォンのままでは、ジャズを中心としてここまでの市民権を得るには至らなかっただろう。また、クラシックの世界においても、ここまで多くの充実した作品(現在、サクソフォンのために書かれたクラシック作品は、およそ30000作品ある、と言われている)は生まれ得なかったであろう。サックス氏の功績とともに、そういったサクソフォンの方向性を決定付けた「何か」について、同列に論じられるようになってほしいと考えている。
2014/11/05
6th Dinant Competition (2014): 二次予選通過者(ファイナリスト)発表
日本からは、田中拓也氏、上野耕平氏の2名が通過した。日本の方が2名通過するのは、第1回(大和田氏、戸田氏)&第2回(原氏、林田氏)以来となる。
Takuya Tanaka, Japan
Kohei Ueno, Japan
Nikita Zimin, Russia
Nicolas Arsenijevic, France
Guillaume Berceau, France
Asya Fateyeva, Germany
公式発表は下記リンクから。
http://sax.dinant.be/concours/6e-cias---2014/resultat-des-demi-finales
本選での皆様の健闘を祈りたい。
2014/11/04
演奏会案内:ファブリス・モレティ2014
最新作のCDも気になっている。今回は、パスカル「ソナチネ」、ガロワ=モンブラン「6つの小品」、プラネル「ロマンティック組曲」、トマジ「エヴォカシオン」、デュボワ「ディヴェルティスマン」、トマジ「バラード」という、なかなか強烈なラインナップ。会場での販売もあることだろう。
狙ったのか、たまたまか、この日はアドルフ・サックス(1814 - 1894)生誕200周年の、ちょうどその日である。記念すべき日に臨席するのにふさわしい、充実したリサイタルとなりそうだ。ぎりぎりまでわからないが、仕事の都合もなんとかつく…かな?
【CD発売記念 ファブリス・モレティ サクソフォーンリサイタルツアー2014 東京公演】
出演:ファブリス・モレティ(sax)、服部真理子(pf)
日時:2014年11月6日 19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷・音楽ホール
料金:3500円、学生2500円(当日各500円増し)
プログラム:
J.B.サンジュレ - ファンタジー・ブリランテ
P.A.ジュナン - ソロ・ドゥ・コンセール
B.ハイデン - ソナタ
M.コンスタン - ムジク・ドゥ・コンセール
H.トマジ - エヴォカシオン
P.イトゥラルデ - ギリシャ組曲
A.グラズノフ - 協奏曲
問い合わせ:
08012086390(デュオ服部)
suzuken_concert@yahoo.co.jp(鈴研音楽会)
また、東京公演を皮切りに11/8@名古屋、11/17@山口、11/19@福岡とツアーが続く。詳細は下記チラシ画像をクリックしてご確認いただきたい。
6th Dinant Competition (2014): 二次予選選択曲・自由曲割合
二次予選においては、各奏者は以下の3曲を演奏しなければならない。
・必須課題曲(ピアノとのデュオ)
Jan Van Landeghem - 3 Pieces
・選択曲(ピアノとのデュオ)
Ichiro Nodaira - Arabesque III
Jean-Luc Fafchamps - Décalcomanie de Reich et Ligeti (avec Piazzolla en surimpression)
Henri Pousseur - Duel de Capricares
Claude Ledoux - Kyoko’s Dance
Florent Schmitt - Légende
Gregory Wanamaker - Sonata Deus Sax Machina
William Albright - Sonata
Edison Denisov - Sonata
・自由曲(無伴奏曲)
必須課題曲のJan Van Landeghem「3 Pieces」は、具体的に言葉では表しづらいのだが、特に2楽章と3楽章はやや短絡的ながらも、とても良い作品であると感じた。コンクールに留めず、リサイタルなどで演奏する人がいてもおかしくないのではないかな。演奏者的にはどうなんだろう。
選択曲と、自由曲の割合をそれぞれグラフ化してみた。母数が小さいので、あまり意味はないかもしれないが…。クリックすると拡大できる。
そもそも、選択曲に入っているプログラムがどれも強烈に難しい作品ばかりだ。参考までに第4回の二次予選の選択曲は、イベール、吉松、デニゾフ、シュミット、シュルード、クレストン、デザンクロ、ヒンデミットであった。ここ8年での、サクソフォン界における若手の技術力・音楽性の向上を如実に表しているものだ…とは、言い過ぎだろうか。とはいえ、力のある奏者は存分に実力を披露して差別化できるわけで(コンクールだからね)、願ったりというところなのだろうか。
割合が多いのはオルブライト。この作品、容易には登攀不可能な作品だと思っていたのだが、今やそういう時代ではないのだな…。吹きこなせれば、どこまでも良い演奏を展開することが可能(と個人的には思っている)な作品であることには間違いない。ワナメーカーやファフシャンの作品が演奏されないのが少し残念だ。ロシアのノヴィコフ氏とツィミン氏が、ともにデニゾフを選択していたのが興味深い。彼らに限らず、ロシアからの参加者は全員デニゾフを選択していたようだ。
無伴奏作品は、ロバ「ジャングル」が多い。そのほか、聴いたことのない作品も演奏されるが、こういった新たなレパートリーの存在を知ることも、このコンクールの醍醐味。
全リストは下記の通り。クリックすると画像を拡大できる。楽譜は出版されているが聴いたことのない西村朗「水の影」や、そもそも曲名すら耳にしたことのないアペルギスの「P.S.」(楽譜はここからDL可能)、ミシャの「Clos Guinguet」が特に気になっている。
2014/11/03
6th Dinant Competition (2014): 二次予選スケジュール
ライヴ中継はAdolphesax.comより参照されたし。
スケジュールは下記の通り。日本時間を追記してみた。
CET...中央ヨーロッパ時
JST...日本標準時
CET JST +1:00 +9:00 11月3日 10:02 18:02 NOVIKOV, EVGENY (RUSSIA) 10:45 18:45 PELLENS, PIETER (BELGIQUE) 11:30 19:30 PERETTO, NICOLA (ITALY) 12:15 20:15 Break 休憩 14:02 22:02 RADFORD, JONATHAN (UNITED KINGDOM) 14:47 22:47 SU, NINGXIN (AUSTRALIA) 15:32 23:32 TANAKA, TAKUYA (JAPAN) (※ここから日本時間で11月4日) 16:15 00:15 Break 休憩 16:32 00:32 TRILLAUD, MARTIN (FRANCE) 17:15 01:15 KOHEI, UENO (JAPAN) 18:02 02:02 ZIMIN, NIKITA (RUSSIA) 11月4日 10:02 18:02 ARSENIJEVIC, NICOLAS (FRANCE) 10:47 18:47 BERCEU, GUILLAUME (FRANCE) 11:32 19:32 COMPAGNON, SANDRO (FRANCE) 12:15 20:15 Break 休憩 14:02 22:02 FATEYEVA, ASYA (GERMANY) 14:47 22:47 GARCÍA BEJARANO, JOSE CARLOS (SPAIN) 15:32 23:32 GARCÍA JORGE, ANTONIO (SPAIN) (※ここから日本時間で11月5日) 16:32 00:32 GRICAR, JAN (SLOVENIA) 17:17 01:17 LOUMAN, FLORENT (FRANCE) 18:02 02:02 MATSUSHITA, YO (JAPAN)
京都二泊三日旅行
そういえば、毎年、いろいろと下調べをしてから行くも、何かしら"ハズレ"があるのだが、今年は珍しくすべて"アタリ"という感じ。旅程はこんな感じ。
1日目:西本願寺→京うどん→東寺→平等院→京野菜っぽい夕食→京都駅近辺泊
2日目:京都御所→京都北山の洋菓子店→京都府立植物園→錦市場で昼食→渡月橋→嵯峨近辺泊
3日目:嵐電→鹿苑寺金閣→竜安寺→しま田で昼食→妙心寺
16:00頃の新幹線で京都駅を出発し、18:40には自宅に着いた。新幹線は早い!高いけど(笑)
2014/11/02
6th Dinant Competition (2014): 一次予選通過者(セミファイナリスト)発表
第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の一次予選通過者のライブストリーム中継を見た。
日本人参加者は…田中拓也氏、上野耕平氏、松下洋氏が通過した。
EVGENY NOVIKOV (RUS)
PIETER PELLENS (BEL)
NICOLA PERETTO (ITA)
JONATHAN RADFORD (UK)
NINGXIN SU (AUS)
TAKUYA TANAKA (JPN)
MARTIN TRILLAUD (FRA)
KOHEI UENO (JPN)
NIKITA ZIMIN (RUS)
NICOLAS ARSENIJEVIC (FRA)
GUILLAUME BERCEAU (FRA)
SANDRO COMPAGNON (FRA)
ASYA FATEYEVA (GER)
JOSE CARLOS GARCÍA BEJARANO (ESP)
ANTONIO GARCIA JORGE (ESP)
JAN GRICAR (SLO)
FLORENT LOUMAN (FRA)
YO MATSUSHITA (JPN)
公式情報はこちらから。
http://sax.dinant.be/concours/6e-cias---2014/resultat-des-eliminatoires
二次予選での皆様の健闘を祈りたい。
2014/11/01
2014/10/30
上野耕平「アドルフに告ぐ」
前回の管打楽器コンクールにて、史上最年少の第1位ならびに大賞を得た上野耕平氏。まだ記事執筆時点で東京芸術大学の4年次在学中とのことだが、様々な方面での活躍を見ると、ほぼ間違いなく今後の日本のサクソフォン界を背負う人物の一人となっていくのだろうな、という思いを強くする。
私がこれまで上野耕平氏の演奏を聴いて最も印象に残っているのは、2012年、セント・アンドルーズ大学のバイル・シアターで聴いた「ウズメの踊り」の演奏である。王立北部音楽院吹奏楽団とともに、驚異的な集中力で演奏されたあの演奏と、世界中の奏者から向けられた喝采。今もあの興奮をまざまざと思い出す。あの当時、彼はまだ大学2年生だったはず。
上野耕平氏に対する評として、時折耳にするのは「須川氏と似通っている」というような評だが、私はその言葉は勘違いも甚だしいと思う。どうも上野氏の師匠が須川氏であることから、そのような変な誤解が生まれることになっているのだと思うが、実際の演奏や音色は、まったく違うものだ。その演奏を端的に表すならば、まさに新世代というもので、これまで日本のサクソフォンがプラス、プラス、プラスの積み重ねで発展してきたところに、断絶をひとつ差し込んで提示されたような演奏だ、と思う。澄み切った音色、音楽性、高いテクニック(いちばん好きなのは、超高速のフレーズの隅々まで"うた"があることだ!)は、聴いていて実に魅力的なものである。
【アドルフに告ぐ】
上野耕平(サクソフォン)
佐野隆哉(ピアノ)
吉松隆 - ファジイバード・ソナタ
アルフレッド・リード - バラッド
ポール・モーリス - プロヴァンスの風景
ポール・クレストン - ソナタ
ユレ・ドゥメルスマン - ファンタジー
選曲はとてもスタンダード。ごまかしが効かないぶん、奏者の実力がさらけ出される。どの曲においても、焦点がぴたりと合ったレンズをのぞき込むような、見通しの良さがあると感じた。曖昧な部分をいっさい残さず、しかしそれがまったく"もたつき"へとつながらず、スタイリッシュなスポーツカーのように切り抜けていく様が実に心地よい。この選曲に対し、なんと見事な演奏だろうか。最後に「ファンタジー」が置かれたのは意外だったが、聴いてみるとわかる(笑)こりゃすごいや!
あまり評云々の意味はなく、つべこべ言わず聴いてみてください、としか言えない。Amazonでも取り扱っている→アドルフに告ぐ
2014/10/29
6th Dinant Competition (2014): 一次予選スケジュール
CET JST +1:00 +9:00 10月28日 9:02 17:02 NAKAJIMA, Ryo (Japan) 9:23 17:23 NISHIHARA, Ako 9:44 17:44 NOVIKOV, Evgeny (Russian) 10:05 18:05 NURKKA, Perttu (Finland) 10:26 18:26 OITTINEN, Kalle (Finland) 10:46 18:46 BREAK - PAUSE - DESCANSO 11:06 19:06 OMER, Rueda (Colombia) 11:27 19:27 PASTUSHOK, Taras (Ukraine) 11:48 19:48 PELLENS, Pieter (Belgique) 12:09 20:09 PERETTO, Nicola (Italie) 12:30 20:30 PEREZ RAFELS, Arturo (Spain) 12:50 20:50 BREAK - PAUSE - DESCANSO 14:32 22:32 PFEUFFER, Johannes (Germany) 14:53 22:53 PIERRICK, Philip (USA) 15:14 23:14 POMMEL, Antonin (France) 15:35 23:35 PYALOV, Stanislav (Belarus) 15:56 23:56 RADFORD, Jonathan (United Kingdom) ※ここから日本時間で10月29日 16:37 0:37 BREAK - PAUSE - DESCANSO 16:57 0:57 RODRIGUEZ ORDIALES, Irene (Spain) 17:18 1:18 SAKAI, Nozomi (Japan) 17:39 1:39 SALVI, Mathilde (France) 18:00 2:00 SATO, Nodoka (Japan) 18:21 2:21 SKIBA, Anton (Russian) 18:42 2:42 SOMEYA, Mai (Japan) 10月29日 9:23 17:23 STEKETEE, Femke (Netherlands) 9:44 17:44 SON, Ju-Ang (South Corea) 10:05 18:05 SUSUKI, Yuko (Japan) 10:26 18:26 SU, Ningxin (China) 10:46 18:46 BREAK - PAUSE - DESCANSO 11:06 19:06 SUZUKI, Kengo (Japan) 11:27 19:27 TAKAHASHI, Ryunosuke (Japan) 11:48 19:48 TAKANIZO, Yuina (Japan) 12:09 20:09 TAKEDA, Kaho (Japan) 12:30 20:30 TANAKA, Takuya (Japan) 12:50 20:50 BREAK - PAUSE - DESCANSO 14:32 22:32 TERADA, Remi (Japan) 14:53 22:53 TIEBOUT, Nele (Belgium) 15:14 23:14 TOYAMA, Mai (Japan) 15:35 23:35 TRILLAUD, Martin (France) 15:56 23:56 UENO, KOHEI (Japan) ※ここから日本時間で10月30日 16:17 0:17 UVAROV, Dmitri (Russian) 16:37 0:37 BREAK - PAUSE - DESCANSO 16:57 0:57 VATULYA, Vitaly (Russian) 17:18 1:18 WINTRINGHAM, Jonathan (USA) 17:39 1:39 WYSS, Lisa (Switzerland) 18:00 2:00 XUE, Yusheng (China) 18:21 2:21 YAMASHITA, Tomoyuki (Japan) 10月30日 9:02 17:02 YANIK, Jonathan (USA) 9:23 17:23 YOO, Kyoung Chun (South Corea) 9:44 17:44 ZIMIN, Nikita (Russian) 10:05 18:05 AHN, Taewook (South Corea) 10:26 18:26 AKAKI, Shunsuke (Japan) 10:46 18:46 BREAK - PAUSE - DESCANSO 11:06 19:06 ARIZA, Alvaro (Spain) 11:27 19:27 ARSENIJEVIC, Nicolas (France) 11:48 19:48 BANKS, Steven (USA) 12:09 20:09 BARTHAS, Eva (France) 12:30 20:30 BERCEAU, Guillaume (France) 12:50 20:50 BREAK - PAUSE - DESCANSO 14:32 22:32 BONET, Javier (Spain) 14:53 22:53 BROSHEL, Yuriy (Ukraine) 15:14 23:14 CASAL ARES, Javier (Spain) 15:35 23:35 CHANG, Chih-Yu (Taiwan) 15:56 23:56 CHEN, Li-Fong (Taiwan) ※ここから日本時間で11月1日 16:17 0:17 CHEN, Yiqun (China) 16:37 0:37 BREAK - PAUSE - DESCANSO 16:57 0:57 CLARKE, Harrison (USA) 17:18 1:18 COMPAGNON, Sandro (France) 17:39 1:39 CRISTOBAL LITAGO, David (Spain) 18:00 2:00 CUMMINS, John (USA) 18:21 2:21 DE WIJS, Stefan (Netherlands) 10月31日 9:02 17:02 DEGERY, Maxime (France) 9:23 17:23 DONGGUN, Song (South Corea) 9:44 17:44 GARCIA BEJARANO, Jose Carlos (Spain) 10:05 18:05 EASON, Robert (USA) 10:26 18:26 ELLER, Lauritz (Denmark) 10:46 18:46 BREAK - PAUSE - DESCANSO 11:06 19:06 GRICAR, Jan (Slovenia) 11:27 19:27 FATEYEVA, Asya (Ukraine) 11:48 19:48 FOTUIMA, Roman (Ukraine) 12:09 20:09 FOURNIER, Romain (France) 12:50 20:50 BREAK - PAUSE - DESCANSO 14:32 22:32 GARCIA JORGE, Antonio (Spain) 14:53 22:53 GASZTYCH, Michal (Poland) 15:14 23:14 GIKA, Shiori (Japan) 15:35 23:35 GONG, Yugwi (Japan) 15:56 23:56 EVANS, Matt (USA) ※ここから日本時間で11月1日 16:17 0:17 HALLBERG, JOHN (USA) 16:37 0:37 BREAK - PAUSE - DESCANSO 16:57 0:57 HONDO, Makoto (Japan) 17:18 1:18 HOTTI, Joona (Finland) 17:39 1:39 HYDE, Joshua (Australia) 18:00 2:00 IKEGAYA, Hayato (Japan) 18:21 2:21 INOUE, Haruka (Japan) 18:42 2:42 KADOGUCHI, Keito (Japan) 11月1日 9:23 17:23 KIM, Jong Hwan (South Corea) 9:44 17:44 KIMURA, Arisa (Japan) 10:05 18:05 KUZNETSOV, Dimitri (Russian) 10:26 18:26 KWOK, Tsz Kiu (Hong Kong) 10:46 18:46 BREAK - PAUSE - DESCANSO 11:06 19:06 LAWHON, Steven (USA) 11:27 19:27 LECLERQ, Emilie (France) 11:48 19:48 LEE, Tsung-Tzu (Taiwan) 12:09 20:09 LEE, Wonki (Japan) 12:50 20:50 BREAK - PAUSE - DESCANSO 14:53 22:53 LI, Hantao (China) 15:14 23:14 LOUMAN, Florent (France) 15:35 23:35 MADER, Andreas (Austria) 15:56 23:56 MAENG, Jae-Bin (South Corea) ※ここから日本時間で11月2日 16:17 0:17 MAIOROV, Valentin (Russian) 16:37 0:37 BREAK - PAUSE - DESCANSO 16:57 0:57 MARUBA, Keito (Japan) 17:18 1:18 MERCEP, Lovro (Croatia) 17:39 1:39 MOTEGI, Kento (Japan) 18:00 2:00 MUELLER, Simone (Germany) 18:21 2:21 MATSUSHITA, Yo (Japan)
これまで中継を聴いたことがある中で、もっとも高レベルな一次予選、という印象がある。事前の録画審査が効いているのだろうか。
逆に、いったい誰が上に抜けていくのだ、という判断の難しさがある。第4回だったか、「Germ(s)」という超絶難しい作品が課題曲だった時は、そもそも楽譜通り吹くことができない演奏者が続出して、楽譜通り吹けた人が通る、というような物凄い状態だった。今回は比較的どの課題曲も技術的に突拍子ない、ということがなく、審査員がどのような判断基準を採っているか、気になっている。
6th Dinant Competition (2014): 一次予選選択曲割合
無伴奏課題曲
J.S.Bach - Sonata No.1よりPresto
ピアノとのデュオによる課題曲
Grigorij Markovich Kalinkovich / Alain Crepin - Concerto Capriccio
ピアノとのデュオによる選択曲(以下のリストから1曲選択し、任意のセクションもしくは楽章を演奏)
Boîte de Pandore by Raymond Alessandrini
Divertimento by Roger Boutry
Fantaisie by Jean-Luc Defontaine
La Lune en Paradis by Jun Nagao
Prélude, Cadence et Finale by Alfred Desenclos
San Antonio by John Harbison
Sax in Fire by Alain Crepin
Sonata for Alto Saxophone – fourth movement, by Jindřich Feld.
このうち、105名の一次予選出場者が演奏する選択曲の割合を集計し、円グラフにしてみた。画像はクリックして拡大できる。デザンクロ「PCF」が圧倒的で、続いてブートリー「ディヴェルティメント」、長生淳「天国の月」が続く。ここまで「PCF」に偏るのは少し意外だった。
6th Dinant Competition (2014): 一次予選参加者国籍割合と日本人リスト
一次予選は、2014/10/28より、11/1まで続き、109名が演奏する(録画審査エントリー数266、有効エントリー数263、一次予選への通過数109)。
以前もブログ記事にしたが、その109名の国籍割合を示しておく。最終的な参加者は、プログラム冊子を観る限り105名だが、4名は棄権だろうか。
日本26名、フランス14名、アメリカ11名、スペイン9名、韓国8名、ロシア6名、ドイツ4名、と続く。結果の画像中には109名の国籍内訳をすべて記載してあり、クリックして拡大できる。
また、日本人参加者は、以下の通りである。この日本から参加の皆様を始め、全員の健闘を心より祈念する次第。
AKAKI SHUNSUKE 赤木俊祐
GIKA SHIORI 儀賀詩織
IKEGAYA HAYATO 池谷隼人
INOUE HARUKA 井上ハルカ
KADOGUCHI KEITO 角口圭都
KIMURA ARISA 木村有沙
MARUBA KEITO 丸場慶人
MATSUSHITA YO 松下洋
MOTEGI KENTO 茂木建人
NAKAJIMA RYO 中島諒
NISHIHARA AKO 西原亜子
SAKAI NOZOMI 酒井希
SATO NODOKA 佐藤温
SOMEYA MAI 染谷真衣
SUSUKI YUKO 須々木由子
SUZUKI KENGO 鈴木研吾
TAKAHASHI RYUNOSUKE 高橋龍之介
TAKAMIZO YUINA 高溝ゆいな
TAKEDA KAHO 竹田歌穂
TANAKA TAKUYA 田中拓也
TERADA REMI 寺田麗美
TOYAMA MAI 外山舞
UENO KOHEI 上野耕平
YAMASAKI MEI 山崎明
YAMASHITA TOMOYUKI 山下友教
HONDO MAKOTO 本堂誠
そのほか、知っている奏者の名前をざっくりと拾い上げてみた。Nicolas Arsenijevic, Eva Barthas, Xabier Casal Ares, Matt Evans, Asya Fateyeva, Romain Fournier, Joshua Hyde, Wonki Lee, Lovro Mercep, Evgeny Novikov, Pieter Pellens, Philip Pierick, Jonathan Radford, Ningxin Su, Jonathan Wintringham, Nikita Zimin...いやはや、第一線で活躍する奏者ばかりだ。また、まだ若い、新しい世代の演奏家の名前もちらほら。知らないだけですごい実力を持つ奏者、という可能性があるのも、こういったコンクールの面白さである。果たして誰が上に進むのだろうか。