2014/11/16

Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert

演奏会に伺うのは第一回以来だった。今回もまた素敵な時間を過ごした。

【Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert】
出演:Green Ray Saxophone Quartet
日時:2014年11月15日 18:00開演
会場:古賀政男記念館 けやきホール
プログラム:
三浦真理「ティータイムの画集」
織田英子「東回りの風」
平部やよい「倖せヲ呼ぶ嶌」
F.デクリュック「変奏曲」
I.ゴトコフスキー「四重奏曲」
山本哲也「Green Sonatine」(アンコール)

女性作曲家をコンセプトとしたプログラムだという。そのコンセプトを聞いた時に、リュエフ、ゴトコフスキーあたりが来るのかなあと思っていたのだが、まさかのデクリュックの秘曲(聴いたことない)と、平部やよい作品(大好きな曲の1つ)という、他のカルテットが取り上げないようなプログラミングに驚いた。演奏が上手いのはもちろんだが、ストレートボールのなかに巧みに変化球を混ぜてくるプログラミングも、GRSQの魅力の一つだ。

演奏は相変わらず素晴らしい。あいまいな部分を最小化してピタリと決めてくるあたり、作品に取り組む際の真摯な姿勢が窺える。音色や和声感は、現代のトレンドを感じたり、師である雲井雅人氏の影響を感じたり…最終的に彼らなりの美意識に基づくところに落ち着けているのだろう。

前半に邦人作曲家、後半にフランスの作曲家がそれぞれ並んだが、やはり私自身がニッポンジンだからなのか、特に前半が面白く聴けた。基本的な部分がしっかりしているので、比較的シンプルな「東回りの風」のような作品であっても、楽しんで聴くことができる。また、楽章ごとに変わる表情と演奏とがリンクして、説得力ある演奏となっていた。「倖せヲ呼ぶ嶌」は、パワーある演奏!見事だった。初演の東京サクソフォンアンサンブルの演奏とはまた大きく違った方向に舵を切った内容で、立体的な構造が浮き上がるのが印象的。

後半はデクリュックから。主題からして想像以上にシンプルな作品で、淡々とした音運びに、別の意味で驚いた。デクリュックって、ほかにも四重奏曲書いていたっけなあ。今度調べてみようっと。ちなみにこの作品は、メンバーの内田氏が国立音楽大学の図書館で見つけてきたのだそうだ。さすが国立音楽大学図書館の蔵書量のハンパなさ。ゴトコフスキーは、やっぱり良い曲ですね。演奏も、ひたすら内面を掘り下げていくという感じで圧巻だった。聴くたびに思うのだが、ゴトコフスキーさんてどんな人となりなのだろう。緩徐楽章と急速楽章での、響きの違いっぷりがやはり面白い。

アンコールは、山本さんがGRSQのために書いた作品。耳に残りますね(笑)。

第4回も大いに期待!

打ち上げも参加させてもらい、メンバーやお知り合いの方や、あと意外な方々(笑)との邂逅もあり、楽しかった。

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