2014/12/26

Rising Artists Concert Vol.5~コンクールを制した新星たち~(後半)

昨日の記事の続き。

後半は、オーボエの荒木奏美氏の演奏から。まだ芸大の3年生だというが、さすが基本的な奏法はさすがにしっかりしている。それにしても、オーボエって難しい楽器ですね。一瞬の迷いや不確実性が、すべて音になって反映されるのだ。ちょっと垢ぬけなさが残りつつも、カリヴォダを始めとして歌心ある演奏が心地よかった。音色の美しさも、さすがである。

そして、トリは中島諒さん。ギター、クラリネット、サクソフォンと渡り歩いてくると、サクソフォンが舞台へと登場した瞬間に、場の空気が変わる。良く言えば、見た目にも華やぐ絢爛さがあるが、悪く言えばクラシックの中で色物を見るような会場の聴衆の目を感じる。そういった奇異な視線のなかで、まず演奏されたのはクリスチャン・ロバの「Kabuki」。中島さんの第4回ロンデックスコンクールでの演奏は、ロバ氏自身から絶賛された(下記動画)。ゆるんだ空気を凛とさせるような無伴奏の演奏だった。若干の"良い"ノイズが入った響きは美しく、また中間部の見事なテクニックも素晴らしい。



続いて野平一郎「アラベスクIII」が演奏され、最後はデザンクロの「PCF」。自身のやりたいことをそのまま表出させたような演奏で、なんだか感動して軽く涙してしまった。仮にコンクールという場であったらなかなか受け入れられないかもしれないが、自由闊達で何にも捕らわれない(もちろん基本的な部分はすべてクリアしたうえで)演奏は、尋常ならざる印象を残すのであった。

終演は21:30ちょっと前。素敵な余韻を感じつつ、このあと蒲田へと移動し、個人練習のためにスタジオに籠ったのだった(24:00まで練習し、さすがに疲れた)。

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