木下直人さんの、現在の復刻環境を教えていただいた。
ステレオLP用カートリッジ:Ortofon SPU-G
トランス:Ortofon Jorgen Schou JS-41
アーム:SME
モノラルLP用カートリッジ:Pierre Clement E25M
SP用カートリッジ:Pierre Clement L5
アーム:オリジナル
イコライザ:Marantz Model1
プレーヤー:Thorens TD-124
CD-Rレコーダー:Marantz CDR-630
ご覧になって判るように、とにかく1950~60年代の音楽を現代に復刻しようと試行錯誤をした上に完成したシステム。木下さんは「当時の奏者を探し出し、再編成し、最高だった当時の音楽を指揮する気分です」とおっしゃっている。なるほど…!!
木下さんが行っているのは、単なる音の復刻ではない。以前も書いた気がするが、当時の音楽の復刻であり、当時のatomosphéreの復刻であり、当時の芸術の復刻である。単純に高い機材を使っているのではなく、当時の音楽に最もふさわしいオーディオ機器を整備して、作業を進められているのだ。
ステレオ盤のカートリッジは、オルトフォン。SPU-GTのトランスを外し、SPU-Gのトランスと交換してあるそうだ。フランスのSP/モノラルLPに関しては、完全に蘇ったPierre Clementのカートリッジが使用されている。ひとつ前の記事に木下直人さんからコメントを頂戴したが、特にダンパーゴム(交換不可能)の修繕には、大変な研究を重ねられたとのこと。
イコライザーは、マランツ#1。これも、完璧にオーバーホールされている(以前はModel 7を利用されていたこともあるそうだ)。ターンオーバー(低域補正)が、ヨーロッパ盤とアメリカ盤の中間となっているとのこと。CDR-630は以前640との聴き比べ盤を送っていただいたことがあったが、現在は630に落ち着いている。
現在の復刻環境の写真を送っていただいた(クリックすると拡大)。以前伺ったときは、Pierre Clementはまだまだ使用不可能な状態であったが、今回はアームの先にしっかりとカートリッジが映り込んでいる!
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