2024/05/13

Fearful Symmetriesの演奏映像

ジョン・アダムスの「Fairful Symmetries」は、オーケストラの中にSAAB編成のサクソフォンカルテットやサンプラー(打楽器のパートはすべてサンプラーから発せられる)を含む特殊編成の作品。その演奏映像がいくつかYouTubeにアップされている。

昨日の記事でもご紹介したMarin Alsop指揮の映像。オーケストラはNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(旧名:ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)。サクソフォンもしっかり映っている。

こちらは、オランダのNederlands Blazers Ensembleによる演奏。アレンジが入り、かつ一部を抜粋した演奏。グルーヴ感があり、ほとんどポップスの装いである。


2024/05/12

ウィーン放送響の「City Noir」

今年リリースされたばかりの、Marin Alsop指揮ウィーン放送交響楽団演奏の「City Noir」。これまで、ジョン・アダムス「City Noir」商用録音としては初演のLAフィルライヴ盤、初セッション録音のセントルイス交響楽団のものがあり、どちらも素晴らしい内容であったが、そこにまた一つ素晴らしい録音が追加された。

サクソフォンについてはクレジット記載が無い。ティモシー・マカリスター氏とは若干解釈が違うようにも感じるが、誰が吹いているのかは調べがつかなかった。

「Fearful Symmetries」には、サクソフォン四重奏がフィーチャーされている。アダムス氏は様々な作品でサクソフォンを活用しているが、この作品は知らなかった(John Sampen氏が、「Postmark」というトラックタイトルでソロアルバムに抜粋を吹き込んでいる)。こちらの作品は、お膝元のNonesuchからも1989年時点で録音がリリースされており、そちらの演奏も気になり始めているところ。


2024/05/06

アメリカの奏者の「シャコンヌ」四重奏版映像

不思議と(?)アメリカで流行している伊藤康英氏編曲のバッハ「シャコンヌ」サクソフォン四重奏版。Spiro Nicolas氏がアップしたこの動画、奏者名のみで団体名も書かれていないが、このアメリカの奏者たちによる演奏は、数あるYouTube上の動画の中でも、かなりハイレベルなものであると感じた。



2024/04/29

Quatuor de saxophones contemporainのアルバム

昨日の記事で、ジャック・シャルル氏に関連して話題に出したQuatuor de saxophones contemporain(Sop:Jacques Charles、Alt:Pierric Leman、Ten:Ghislain Mathiot、Bar:Max Jezouin)のアルバムを、多くのサブスクリプションサービスで聴くことができる。

https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mGVDS9610zscIgpyWSNrtfnxN4D8v1KGU&si=54gG4Cn_KZGp4mRD

サンジュレ「四重奏曲第一番」、スカルラッティ「3つの小品」、ワイルの「三文オペラ」抜粋(しかも、ジョン・ハール氏のアレンジを使っている!)、ルジェ「オーブ・マリーン」という、古から現代まで満遍なく取り上げた内容。サンジュレは時々大味な響きなどもあり、あまり落ち着いて聴いていられなかったのだが、ワイルやルジェの作品は、良い意味で遠慮のなく、体当たりな演奏が楽しい。

録音年・出版年について、どこにも記載が無いが、エディット・ルジェ氏のページによれば、どうやら1984年とのこと

以下は、Discogsのページから引用したオリジナルジャケット。


2024/04/28

ベルノーのデュオ(J.P.バラグリオリとJ.シャルル)

ジャン=ピエール・バラグリオリ Jean Pierre Baraglioli氏と、ジャック・シャルル Jacques Charles氏という、フランス・サクソフォン界の大御所二人によるアラン・ベルノー「デュオ・ソナタ」の映像。映像にエフェクトもかかっている。

バラグリオリ氏は日本の方にもおなじみだが、ジャック・シャルル氏はピンとこない方も多いと思うので、簡単に経歴を。1975年にパリ国立高等音楽院のダニエル・デファイエ氏のクラスを卒業。同年、Quatuor de saxophones contemporainを結成し、同時代の作曲家の作品を数多く取り上げた(アルトにピエリック・ルマンが参加していた)。1976年より、Rochelle音楽院教授。その後、パリ区立15区ショパン音楽院教授を務めた。As.Sa.Fraの会長としても活躍した。

激烈に難しいこの作品だが、飄々と(バラグリオリ氏は実演・録音とも多く触れたことがあるが、いつ聴いてもこの雰囲気は崩れない)吹きこなしてしまう。楽譜の捉え方、アンサンブルの捉え方について、何かの境地を垣間見るようで、実に面白い。


2024/04/22

B.Marsalis plays "Hot Sonata"

アンドレイ・ボレイコ指揮ニューヨーク・フィルと、ブランフォード・マルサリス氏の共演による、エルヴィン・シュルホフ「ホット・ソナタ」の録音。

https://archive.org/details/cd_tuur-schulhoff-harbison-lutoslawski-hambre_bengt-hambreus-erkki-sven-tuur-ervin-schul/disc1/

デンヴァーポスト紙上にも、この演奏会のことが書いてあった。

https://www.denverpost.com/2010/07/29/branford-marsalis-hits-classic-note-in-vail/

これ見よがしに出てくるオールド・ジャズの雰囲気が、マルサリス氏の奏でる演奏の雰囲気とマッチしており、この作品の数ある演奏の中でも最高のものの一つだと感じた。

かなりレトロな音色を意識しているようにも思えるが、当時のセッティングが気になるところ。下記、おそらく演奏会に際して収録されたインタビューでは、バリバリのクラシック・セッティング(Vandoren)になっているが…。

Prism Quartetの2000年のライヴ録音

Internet Archive上にて、Prism Quartetの過去の演奏会のライヴ録音は見つけた。2000年6月24日、フィラデルフィアのFree Library of Philadelphia、Montgomery Auditoriumでの演奏とのこと。同月20日にもニューヨークにて同じプログラムで演奏している。

https://www.prismquartet.com/concerts/2000-new-york-philadelphia-recital-series-iii-new-sounds-worldwide/

プログラムは以下の通り。VieruとGriseyの各作品はソロ。イタリア、ルーマニア、アメリカ、フランス、オランダ、ギリシャと、多国籍な作品が並ぶ。ティケリ「Out of Blue」は、このニューヨーク~フィラデルフィアのコンサートシリーズにおいて初演されたとのこと。

F.Donatoni - Rasch
A.Vieru - Doux Polyson
F.Ticheli - Out of Blue
G.Grisey - Anubis et Nout
T.Keuris - Quartet
I.Xenakis - XAX

https://archive.org/details/cd_live-in-hall-recordings-vol-94_franco-donatoni-anatol-vieru-frank-ticheli/disc1/