2010/05/11

In Two Worlds

Innovaから出ている、Susan Fancherの最新の(というほど新しくないか)アルバムを聴いた。「In Two Worlds(Innova 736)」という、全編サクソフォンとエレクトロニクスのために書かれた作品を収めたアルバムだ。

同じコンセプトのものであると、Stephen Cottrellの「The Electric Saxophone(Clarinet Classics)」、John Sampenの「The Electric Saxophone(Capstone)」、Fabien Chourakiの「Paysaginaire」、Daniel Kientzyの各種アルバム、国内でも齋藤貴志氏の「絶望の天使(コジマ録音)」等々があるが、まだまだ少ないなあという状況。もっと増えてほしい。

James Paul Sain - Slammed
John Anthony Lennon - Aeterna
Morton Subotnick - In Two Worlds
Reginald Bain - Jovian Images
Mark Engebretson - SaxMax
Edmund Campion - Corail
Judith Shatin - Penelope's Song

サクソフォンとエレクトロニクスのCDを聴くときは、基本的に「良い曲探し」となる。同じ作品が何度も録音されることは稀だし(本当はそれじゃいけないのだが)、やっぱりツボにはまる作品を見つけた時の嬉しさを求めてこそだ。そういった観点からすると、「私的大ヒット!」という作品は残念ながら含まれていなかったなあ。いちばん面白かったのが、マーク・エンゲブレツォンの「SaxMax」だが、タイトルからもうちょっと派手なサウンドを想像していたところ、やや拍子抜け。Maxって、MAX/MSPのMax?

多彩なサウンドで、各作品のエレクトロニクスパートの個性を感じることができたのは良かった。サクソフォンと濃密に絡んだり、バックに徹したり、エフェクトがかかったり…。また、サクソフォンソロパートも、様々な工夫が施してあって、聴いていて飽きない。

スーザン・ファンチャー Susan Fancher氏の演奏は、かなり技術レベルが高い。作品をダイレクトに聴き手に届けてくれている印象を受けた。ファンチャー氏の「Ponder Nothing」、まだレビューしていなかったなあ。今度記事を書こう。

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