2011/06/26

Paris Saxophone Quartetのバッハ作品集

これも、島根県のF様よりお送りいただいたLPの復刻「J.S.Bach Paris Saxophone Quartet(CBS M39514)」。Paris Saxophone Quartetという団体のLPで、バッハ作品のサクソフォンアレンジ作品集である。前回紹介した「Back to Bach」は、ジャズ風のアレンジ…ということだったが、こちらは至極まっとうなクラシックのスタイルで演奏されている。そういえばこのジャケット、eBayかどこかで見たことがあるなあ…。

ちなみにParis Saxophone Quartetといっても、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団由来となるマルセル・ミュール率いるLe quatuor de saxophones de Parisとは無関係の団体(タイトルだけ読んで期待された方はゴメンナサイ)。下記のようなクレジットとなっている。

Daniel Liger, soprano saxophone
Francis Caumont, alto saxophone
Alain Jousset, tenor saxophone
Phillippe Duchesne, baritone saxophone

この団体について、自分のブログを検索しなおしたところ、連載ダニエル・デファイエの生徒たちで取り上げていた(書いた本人もすっかり忘れていたのだった)。ちなみに、1970年の結成である、とのこと。

収録曲目は、下記の通り。

Badinerie BWV1067
Aria BWV1068 (M.Mule)
Sinfonia No.3 BWV789
Prelude & Fugue in G Minor BWV885 (G.Lacour)
Courante BWV1066 (J.M.Londeix)
Fugue in A Minor BWV947
Chorale "Herr gott, nun schleuss den himmel auf" BWV617
Invention No.8 BWV779
Chorale "Wohl mir dass ich jesum habe"
Sinfonia No.11 in G Minor BWV797
Fugue in C Minor
Vivace in C Minor BWV526
Bourree I&II BWV1066 (J.M.Londeix)
"Aus tiefer not schret ich zudir" BWV686 (G.Lacour)
Contrapunctus No.9

ロンデックス、ラクールのアレンジが目を引くだろう。よく知られているとおり、ロンデックスとラクールはl'Ensemble de Saxophones Françaisという四重奏団を結成し活動していた時期がある(→Thunderさんのブログ記事)。F様の推測によれば、これらのアレンジはその四重奏団のために用意されたものではないか、ということ。そして、そのバッハ作品を集めたLPがかつて出版されていたというのだ!ちょっと調べてみたところ、Billaudotのラクールのページにその情報の一端が掲載されている(→こちら)。それによると、 LPL 4041なる型番にてl'Ensemble de Saxophones FrançaisのLPが出ていたようだ。おそらくこのバッハ作品集を聴いて、Paris Saxophone Quartetが同じコンセプトによるLPを作ろうと考えた…ということなのだろう。

と、話が逸れたが、こちらのParis Saxophone Quartetの演奏もなかなかいいです。禁欲的で淡々と進むかと思えば、ときどき、信じられないほど輝かしい響きになるところがあり、驚かされる。サクソフォンでバッハ、というと小品ばかりになってしまうのだが、できれば大きな作品も聴いてみたかったなあ。驚いたのは、「フーガの技法」の第9番が収録されていること。個人的にずっと昔から好きだった曲なので…(ただし、このトラックだけちょいとアンサンブルが甘い、苦笑)。

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