フランソワ・ジュリアン・ブラン指揮ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の有名なステレオ録音(かつて国内では東芝EMIから出版されていた)に収録されている、フランツ・フォン・スッペ作曲/レイモン・リシャール編曲「喜歌劇『詩人と農夫』序曲」の冒頭には、長大なサクソフォンのソロが聴かれる。
このサクソフォンは、「ミシェル・ヌオー氏のソロである」という認識が一般的であったが、実際は、フェルナン・ロンム、ミシェル・ヌオー、アンドレ・ブーン、ジョルジュ・ポルト(2022/9/17訂正)の3本のサクソフォンのユニゾンである、というのが、演奏者自身のコメントだ。
これは、一般的な復刻やシステムで、さらに「ヌオーのソロだ」という先入観ありきで聴くとなかなか判らないのだが、先入観を捨てると「ソロではないのでは?」という疑いが出てきて、さらにきちんとしたシステムで聴くと3本の分離が判る(木下直人さんのご自宅のシステムで実際に耳にしたことがあるのだが、たしかにそのように聴こえた)。
過去の常識の過ちをきちんと正す必要はあると考えており、かつてこのブログでも触れた内容ではあるが、再掲した次第。掲載した写真は、国内盤LPのジャケット(Angel=東芝)。
フェルナン・ロンㇺは1961年来日後しばらくして定年退職しています。
返信削除録音が1967年と思われるので、1番がヌオー、2番がブーン、3番がジョルジュ・ポルトと思われます。
1959年録音のモノーラル盤のFC25032の「詩人と農夫」はロンㇺのソロと思います。
いずれの盤も超名演で、特にモノ盤の「スペイン」は緊張感が半端でなく好きです。
ステレオの4曲は吹奏楽の今後も越えられない頂点の演奏で、編成の問題よりもやはり演奏を左右するのは指揮者かと納得させられます。
ご指摘ありがとうございます!確かに、録音年から推測するとそうなりますね。頭の中で1961年の編成と混ざっていました。ステレオ録音、そして杉並公会堂でのワンテイクの3曲は、おっしゃる通りの頂点の演奏、吹奏楽の道標とも言うべきもので、今後も永遠に残る録音だと思います。
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