2016/11/03

演奏会情報:シャリエ氏、来日

上田卓さんよりご案内いただいた演奏会/レクチャーをご紹介。

ボルドー音楽院教授のマリー=ベルナデット・シャリエ Marie-Bernadette Charrier氏。多種多様なフランスの現代サクソフォン界の中にあって、ロンデックス氏が開拓した現代サクソフォン分野をさらに発展させ続けている奏者・教育者。独奏分野はもちろんのこと、プロクシマ・ケンタウリ(ソントリ)での、室内楽分野での活動実績も多い。ナント音楽院、ならびにボルドー音楽院で、サクソフォン、バソン、室内楽、音楽理論、アナリーゼ、音楽史、和声、対位法を学んだ。国際的に演奏活動を展開する他、室内楽団のプロクシマ・ケンタウリでは芸術監督を務めている。

上記のように凄まじい経歴を持つのだが、平たく言えば…バリトンサクソフォンを操って現代音楽をバリバリ吹きまくる女性奏者、といったイメージ。とにかくカッコイイと思う。アラやロセやアヴェルなど、ボルドー一派の作品は、なかなかクセのあるものが多いのだが、そんな難しさなど微塵も感じさせない、求道者のような演奏が魅力的である。

実際の演奏姿は、フランスのストラスブール開かれたコングレスにて拝見した。Bernhard Lang「DW 24(独奏:Lars Mlekusch)」という独奏サクソフォン+室内楽バックという作品の室内楽パートを、プロクシマ・ケンタウリが務めていたのだが、その中でソプラノ、テナー、バリトンを繰り、独奏とほぼ同じくらいの音符をガンガン並べていたのが、まさにシャリエ氏だったのだ。鬼気迫るという感じ…うっかり独奏よりも注目してしまったほどだったのだ。

そのシャリエ氏が来日する。北京での現代音楽フェスに合わせて、今回の来日が実現したそうだ。前回来日は(おそらく)2004年。静岡芸術文化大学で開催されたNIME(音楽・芸術表現のための新インタフェースの国際会議)のために来日したのを機に、アクタスにてマスタークラスと公演を行った。若き日の小山弦太郎さん(受講曲はロバ「Jungle」「Balafon」)や、大栗司麻さんと貝沼拓実さんのデュオ(受講曲はロバ「Adria」)が、シャリエ氏にマスタークラスを受けている様子、並びに楽曲解説とコンサートについて、サクソフォニストVol.17にて報告されている。この時も、上田卓さんが通訳と司会を務められていた。

今回は、ピアニストの坂口裕美氏との共演となる。作品としても面白そうなものが多く、注目の演奏会である。

コンサート後は、場所を変え、JMLの「現代音楽アンサンブルの運営、継続の作法~Proxima Centauriの活動について~」と題されたレクチャーも開かれるそうだ@JML音楽研究所。

【プロクシマ・センタウリ来日旋風2016】
出演:マリー=ベルナデット・シャリエ(sax)、坂口裕美(pf)
日時:2016年11月5日(土)14:00開演
会場:衎芸館(荻窪駅)
プログラム:
Hans Joachim Hespos - Ikas
Francois Rosse - EDO & Erde
鈴木治行 - 隔世遺伝(初演)
Thierry Alla - Parietal
小櫻秀樹 - 私はボルドーのサックス奏者だ!(初演)
渡辺俊哉 - 色彩配合(初演)
Francois Rosse - Fuku Yama

ちなみに、11/3には洗足学園音楽大学にて、大学関係者向けのマスタークラスならびにミニコンサートも開かれるとのこと。




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