2016/07/27

ペッテション「交響曲第16番」の録音

実質的なサクソフォン協奏曲とも言えるアラン・ペッテション Allan Petterssonの「交響曲第16番」は、メジャーレーベルからリリースされているものは、長きに渡って以下の2録音しか存在しなかった。

・ユーリ・アーロノヴィチ指揮ストックホルム交響楽団(サクソフォン:フレデリック・ヘムケ)
・アラン・フランシス指揮ザールブリュッケン放送交響楽団(サクソフォン:ジョン=エドワード・ケリー)

つい最近まで知らなかったのだが、次のコンビによる演奏がリリースされてたのだそうだ。2014年の録音、BISからの発売で、BIS-2110という型番が付いている。

・クリスチャン・リンドベルイ指揮ノールショピング交響楽団(サクソフォン:ヨリエン・ペッテション Jörgen Pettersson)

リンドベルイ氏は言わずと知れた指揮者・トロンボーン奏者であり、ノールショピング交響楽団もそこそこ名のあるスウェーデンのオケだが、サクソフォンのヨリエン・ペッテション氏を知っている向きは少ないのでは。スウェーデン出身の非常に優秀なサクソフォン奏者で、スウェーデンのロイヤル・カレッジとフランスのボルドー音楽を卒業後、主に母国で独奏者・教育者として活躍、特に現代作品の演奏に注力し、これまでに献呈された作品は400を超える。特に「Saxophone Con Forza(Phono Suecia)」と題されたCDは、作品の強烈さと演奏のレベルの高さから、大変興味深いもので、私も時々取り出しては聴いている。ダールの「協奏曲」のCDもあるのだが、それもかなり良い。

そのような演奏者でのペッテション「交響曲第16番」の録音、聴いてみたが、なかなかの演奏。手に入りやすかったザールブリュッケン放送交響楽団の演奏は、少々線が細く、この曲が持つ重量感を表現するには少々不満な部分があった。今回のリリースは、メジャーレーベルのBISからということで手に入りやすく、内容も良い。やはり個人的にはヘムケ氏が参加した盤が好きなのだが、いかんせん手に入れづらく…今後、「ペッテションの交響曲聴きたいんだけどどのCD買えば良い?」と質問されたら、このBIS盤を勧めることになると思う。そんな質問が来るとは思えないが。

メイキング映像をYouTubeから参照可能。リンドベルイ氏が、ヘムケ氏についてもちらっと触れている。

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