イタリアのサクソフォン奏者、マリオ・マルツィ Mario Marzi氏がフランス作品に取り組んだアルバムをご紹介。マルツィ氏といえば、ひとむかし前まではイタリア・サクソフォン四重奏団のテナー奏者としての活動が有名であった。最近、独奏活動や、教育・執筆活動等、取り組んでいる内容について、録音・録画・書籍といった形で目にする機会が多くなり、その多才ぶりにますます注目しているのだ。
15年近く前のアルバムだが、当時からマルツィ氏が独奏者として素晴らしい音楽性を備えていたことが良く分かるアルバムだ。イベール、ジョリヴェ、ミヨー、ドビュッシー、フランセ、シュミット、デザンクロと、サクソフォンを学ぶ者なら必ずこの中の一つや二つは取り組んだことがあるだろう…それだけ、王道中の王道といえるフランス作品を取り上げている。
J.イベール - 室内小協奏曲
A.ジョリヴェ - 幻想的即興曲
D.ミヨー - スカラムーシュ
C.ドビュッシー - ラプソディ
J.フランセ - 5つの異国風舞曲
F.シュミット - 伝説
A.デザンクロ - PCF
確かに疑いようもないクラシックなのだが、日本で普通の("普通"だなんて、そんな定義はないけれど、"大多数の"と言ってもよいかも)演奏を聴いているばかりだとめったに出会うことのない、新鮮な演奏を次から次へと聴くことができる。
これがどのような演奏であるかは、聴いてもらうしかないだろう。ひとつ言えることは、イタリアのサクソフォンって、どこかしら"歌"が出てしまうものなのだなあ…と、これはステレオタイプでもなく、実際にそうなのだろうと思わせる演奏だ。ちなみに、技術的にスキがないのはもちろんだ。録音も優秀。
お気に入りはイベールとフランセ。特にフランセは、原曲が持つ明るさの中のどこかしらの切なさ、哀しさをも、"音"として表現しているかのようで、何とも味わい深い。ちなみに、ミヨーの「スカラムーシュ」の第3曲"ブラジレイラ"は意外にもおとなしいなあ。
どうでもいいことかもしれませんが、組曲は楽章とはいいません。第?曲という具合です。
返信削除楽章はソナタ形式を含む数曲からなる器楽曲の場合に用います。
釈迦に説法ですね。
読まれたら削除してください。
ご指摘ありがとうございます!早速修正いたしました。助かりました。
返信削除ぼんやりとしていて間違えてしまいました…。