2015/07/31

TSQヨーロッパ演奏旅行2015(8日目:ディナンへ)

7/17、アドルフ・サックスの生まれ故郷として有名なディナンを訪問した。

今日は単独行動。荷物をまとめ、ホテルに預けてから朝8時台の電車に乗り、まずはナミュールを目指す。ベルギーの国鉄は非常に重量感のある走りをするのが面白い。加速も減速もゆっくり、ひとたびスピードに乗るとそこそこ速いのだが、時折なんでもない場所で止まったりする。時間はなかなか正確なのだが、駅間は非常に緩いダイヤが組まれているようにも思え…日本がセカセカしすぎているのかも(笑)。

ナミュールで乗り換え、そこからは30分弱。川に沿って電車が走り、穏やかな風景が広がる。そしていよいよディナンに到着。まずは中心街に向かって歩く。すぐに、写真で何度も見たことのある光景が眼前に広がった。

横に流れる川、その川にかかる橋、巨大な大聖堂、絶壁の上の城砦(シタデル)。サクソフォンの発明者であるアドルフ・サックスは、生まれてからほんの数ヶ月しかこの街には住んでいなかったというのだが、とはいえサクソフォン奏者にとっては"聖地"ともいうべき場所であることに間違いはない。眼前に広がる壮大な光景に圧倒されるとともに、そんな場所を訪れることができたという感慨を感じたのだった。また、サクソフォン奏者としてはアドルフ・サックス国際コンクールの開催地として、という場所の意味も大きいのだと思う。この地で闘った奏者たちが、いったいどんな気持ちでディナン駅に降り立ち、そして去っていったのか、そんなことを考えると、なんだか心が震えるのであった。

早速、橋を渡ってアドルフ・サックス通りへ。至る所に、サクソフォンの形をあしらったモニュメントが置かれている。アドルフ・サックスの生家(ごく小さな博物館のようになっている)、そして、サクソフォンのモニュメントとともに写真を撮った。サクソフォンのモニュメントでの写真は、近くにいたスイスから来たという老夫婦に撮っていただいたのだが、ご主人はジャズサクソフォン奏者なんだそうな。やっぱりサクソフォン奏者にとって、この地は一度は訪れてみたい場所なのだろう。

橋の近辺へと戻り、シタデル登り。ロープウェイもあるのだが、登りは階段で。408段の急勾配の階段を登ると汗が吹き出したが、途中の眺望もすばらしく、また至近の大聖堂も圧巻。なんとか登り切ることができた。シタデル上のカフェでビールを注文して喉を潤し、要塞の中を少しだけ見学、また街を見下ろす眺めを楽しんで、ロープウェイで降りた。

シタデルから降りたあとは、川沿いのカフェでビールを飲み、パン屋さんでクック・ド・ディナンを買い、帰路へついた。2時間半ほどの滞在ではあったが、なんだか気持ちが充実したのであった。

ブリュッセルに戻ってきた後は、グランプラス周辺をぶらぶらしていくつかお土産を購入。また、最後のベルギービールを再びリトル・デリリウムで飲み、ホテルで荷物をピックアップしてブリュッセル南駅へ。ブリュッセル南駅からは、Thalysでパリ北駅へと向かった。

パリ北駅からは、メトロ移動。楽器と大きなキャリーケースを抱え、エスカレーターもない場所を大汗をかきながら移動。しかも、治安が悪いと聞いていたので、荷物の防備にかなり神経も使った。サン・ラザール駅の近くのメトロ駅、Malesherbesへ到着し、ホテルまで徒歩で15分(遠かった…が、市内ではなかなかリーズナブルなところを見つけられなかったのだ)。なんとかパリの宿にチェックインすることができた。

荷物を少し整理した後、レストランへと繰り出して、「冷たいステーキ」なる料理を注文。なかなか美味しかった。宿に戻ると、移動の疲れからかすぐに睡魔が襲ってきて、次の日の準備を少しだけやってすぐに眠りについたのだった。

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