2014/04/23

2pf 1st LIVE(2台ピアノの演奏会)

かっこよかったなあ!

【2pf 1st LIVE】
出演:菊池広輔、田代あかり
日時:2014年4月23日 19:00開演
会場:大泉学園ゆめりあホール
プログラム:
吉松隆「ランダムバード組曲」
グラハム・フィトキン「T1」「T2」
ポール・デュカス「魔法使いの弟子」
旭井翔一「Anthologia(集華)-prelude and pop fugue-」
アラム・ハチャトゥリアン「剣の舞」
フランツ・リスト「ハンガリー狂詩曲第二番」
アレクサンダー・ローゼンブラッド「2つのロシア主題によるコンチェルティーノ」
リチャード・ロドニー・ベネット「4つの小品組曲」

東京音大ピアノ科出身の田代あかりさんにご案内いただき、伺った。大泉学園駅は職場からかなり遠く、あわや遅刻かと思われたが何とか間に合った。

普段サクソフォンのことばかり調べているもので、2台ピアノと聞いて思い浮かべるものは少なく、せいぜいのだめと千秋の2台ピアノシーンとか、グラハム・フィトキンの「ハードな妖精」とか、ジャン・マルティノンの「サクソフォン四重奏のための協奏曲」といった程度。オリジナル作品はほとんど知らず、個人的には初物づくしだったが、たいへん楽しむことができた。

最初の吉松からノックアウトされてしまった。様々なジャンルを横断的に、しかもテクニカルに、ということで、最初に置かれることがとても相応しいのではないかなと思った。普段聴くピアノのイメージを覆されるほどの恐ろしいほどのダイナミクスレンジと表現力(物凄い音の立ち上がりを見せたかと思えば、次の瞬間にはレガートと、コロコロ変わる)。さらに二人のアンサンブルの息もぴったりだ。フィトキンの、ポスト・ミニマル形式の珍しい作品をライヴで聴けたというのも嬉しい。「T2」での、これこれ!と膝を打ちたくなるようなフィトキン・コードが楽しかった。

魔法使いの弟子も、最初の朝焼けのような淡い感じから、嵐のような後半部への構成感が見事。テクニカルな面を完全にクリアしているというあたりは、やはり普段サクソフォンをやっている身からすると、楽器としての完成度や演奏者のレベルなど、ちょっとコンプレックスを感じてしまうほどだ。続いて演奏されたおなじみ、旭井さんの新曲は、相変わらずの素敵な作品。鍵盤ハーモニカや、ピアノ本体を叩くような奏法までも交えての、実にソフィスティケイトされた味わいを持つ内容が印象に残った。

後半は、MCやちょっとしたアクションも交えながらのエンターテイメントに徹した内容。しかし技巧的な部分はないがしろにされず、だからこそ聴いて見て完成度が高くいステージに仕上がっているのかなと思った。いきなり!演奏された「剣の舞」に続いて、「ハンガリー狂詩曲」のようなクラシカルな作品であっても遊びを交えてくるのだ。さらにパワーアップしてのローゼンブラッド作品は連弾にて演奏された。最後にはもはや主題となる民謡の面影はなく、圧巻のまま幕。ベネットは楽章ごとにきっちりとキャラクターを描きわけ、最後の最後まで完成度高く弾ききった!アンコールは、なんと譜めくりストまで交えての、四人八手連弾のラヴィニャック「ギャロップ・マルシェ」。

いやはや、ピアノという楽器の、そして2台ピアノという演奏形態の懐の深さをまじまじと見せつけられた感じだ。すごかった!

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(4/24追記)

ジャン・マティシアの「Chinese Rag」の演奏動画を観ていたところ、なんと後半でこの日アンコールで演奏された「ギャロップ・マルシェ」が演奏されているではないか!驚いた。
https://www.youtube.com/watch?v=w4IAZABcN24

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