2013/08/07

吹奏楽版のトマジ「協奏曲」録音

本日のアプリコ(フルモー氏&TKWOのトマコン演奏)は仕事が終わらなかったため残念ながら伺えず、代わりに家で「英雄の時代(佼成出版社 KOCD-4002)」を聴いている。アンリ・トマジの「サクソフォン協奏曲」といえば、今でこそ、Tassot氏の録音やドゥラングル教授のcdが入手できるし、YouTubeを探せば国際コンクールの録音や彦坂眞一郎氏の演奏を観ることができる。しかし、私がサクソフォンを聴き始めた頃は、アンリ・トマジの「協奏曲」が収録されたCDなんて簡単に入手できるはずもなく、唯一入手できたのが大きなCD屋さんの吹奏楽の棚に置いてあったこのCDだった。この演奏でトマジに触れることができたのは、幸いだったかもしれない。

原曲がもつある種のヘヴィさ…言ってしまえば若干胃もたれするようなしつこさは、同曲を聴いたことのある方なら感じたことがあるだろう。仲田守氏(TKWOのテナーサクソフォン奏者でもある)によるアレンジは、吹奏楽ならではの色彩感を引き出しながら実にすっきりとまとめ上げており、好感が持てる。

もちろん、須川展也氏による独奏も非常に素晴らしいもので、緩徐部分でますます歌い方が濃密となる様は、曲の性格に良く合っているものだと思う。そして、特筆すべきは山下一史指揮TKWOの熱演。特に独奏をも掻き消すほどの(笑)熱い音楽は、数あるTKWOのセッション録音のなかでも、トップクラスに位置づけられるものと思う。須川展也氏とフィルハーモニア管弦楽団とのセッション録音の響きが頭のなかにあると、ちょっと驚くくらいかもしれない。

佼成出版社は今後CDの取り扱いをやめて、(もう既にやめてしまった?)配信専門に移行してしまうので、在庫があるうちにどうぞ。Amazonへのリンク

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