2013/01/04

John Adams "City Noir"のスコア閲覧

たびたびこのブログでも取り上げているジョン・アダムズ「シティ・ノワール」。2009年10月8日に(シモン・ボリバル・ユース・オーケストラなどで有名な)グスターボ・ドゥダメル氏の、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督就任記念演奏会で初演された管弦楽作品である。3楽章から成り、全編にわたってアルト・サクソフォンが大活躍する。その活躍ぶりたるや、もしかしたら、協奏曲以外でオーケストラの中にサクソフォンが使われた作品としては、史上最多の音数を誇るのではないか…というほどのものである。初演時のアルト・サクソフォンは、ティモシー・マカリスター氏が担当した。以前同コンサートの動画が公開されていたが、現在は公開期間終了に伴い観ることができない。DVDは現在でも売っているようだが。

ジョン・アダムズ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団のRadio4公式動画を、下記リンクから観ることができる。アルト・サクソフォンは、アルノ・ボーンカンプ氏。
http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/09/arno-bornkamp-plays-milhaud-adams.html

で、ここまでサクソフォンが活躍しているならいったいどんな楽譜なんだと気になるのだが、版元であるBoosey&Hawkesのサイトでスコアをオンライン閲覧することができると知った。簡単なRegistrationが必要であるが、そこさえ問題なくクリアすれば全ページの閲覧が可能だ。リンクは下記。
http://www.boosey.com/cr/perusals/score.asp?id=982

第1楽章:p.3~
第2楽章:p.94~(p.99、p.113に特に目立ったサクソフォン・ソロ)
第3楽章:p.125~(p.138、p.146に特に目立ったサクソフォン・ソロ)

御用とお急ぎでない方はぜひサクソフォンパート他を追ってみてはいかがだろうか。全パートに渡ってなかなかぶっ飛んだ作品だということがよく分かる。サクソフォンパートは、譜ヅラとしても難しく、超高速のフレーズ内でニュアンスの変化も要求され、さらに大管弦楽編成の中で緻密なアンサンブルが必要…と、オーケストラ・スタディとしてはトリプルA級であろう。マカリスター氏やボーンカンプ氏がいかに凄いことをやっているのか、ということが良くわかる。もし日本のオーケストラがこの作品を演奏することになったら、サクソフォンは誰が担当することになるのだろうか!(わくわく)

ちなみに「シティ・ノワール」以外にもアダムズ「中国のニクソン」とかライヒ「18人のミュジシャンのための音楽」なども閲覧でき、なかなか面白い。

0 件のコメント:

コメントを投稿