2012/08/22

The Story of Zzyzx Quartet

先のWSCにも参加していたZzyzx Quartet

Stacy Wilson, soprano saxophone
Stephen Page, alto saxophone
Matt Evans, tenor saxophone
Dana Booher, baritone saxophone

その活動形態は非常に興味深い。Stacyはニューヨーク州ウエストポイント、Stephenはコロラド州グランドジャンクション、Mattはニューヨーク州ロチェスター、Danaはワシントンにそれぞれ居住しながら、あの超高クオリティの演奏を維持しているという。そればかりか、新規レパートリー開拓やレコーディングにも積極的で、アメリカの若手四重奏団として急速に力をつけつつある団体だと言えるだろう。

私はずっと、それぞれが遠隔地に住むメンバーがどのように集まってどのように練習してどのように本番に臨んでいるのかが、ずっと不思議だった。最近更新されたZzyzx Quartetのブログ記事がその答えとなるような内容だったので、Stephen Page氏に許可を取って翻訳してみた。ちょっと翻訳のクオリティが上げられなかった場所もあるのだが、なかなか面白いのでぜひ読んでいただきたい。

WSCのリコーブースで手に入れたZzyzx QuartetのCDを、近日中にレビュー予定。

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(…省略…)私たちはしばしば、どのようにして結成したのか、アメリカ中に散らばって(文面上は)住んでいるなかで、どのように演奏活動をこなしているのか、といった質問を受ける。今日はその話をしよう。そうだな、どこから始めようか…

私たちは、オーティス・マーフィ氏に習うためにインディアナ大学に通っていた(インディアナ大学では美味しいピザが食べられる…というのもひとつの理由だけれど)。私達が学生の頃、一番の活動の中心は独奏に置いていたが、何人かは室内楽のメンバーとしても活動していた。だが、大学での室内楽は卒業や転居などによって、コンスタントに活動できる団体は殆ど無かった。私たち4人は、何年かにわたってとても良い友人だった。週末は一緒にブラブラし、マスタークラスの後にはBear's Placeに繰り出し、昼食を共にし…。StacyとStephenがインディアナ大学での最終学年となったとき、画期的なアイディアを思いついた。「カルテットを組もう!」なぜもっと前からそう思わなかったのだろう…(続く)。

新しいグループを結成するときの挑戦が、そのまま団体名となった。数週間団体名を思案したものの、キャッチーでオリジナリティ、みんなに覚えてもらえるような名前を思いつくことができなかった。ある午後のこと、いつものようにBear's Placeで昼食をとっているとき、まるで「啓示のような」おしゃべりが始まった。Danaが突然「Zzyzxはどう?」と言い出したのだ。みな口を揃えて「なにそれ?」「どんなスペル?」と質問すると、Danaが説明し始めた。Danaがカリフォルニア州のCosta Mesaにある実家へ向かう時に通る道の名前で、不思議なウワサや地元の伝説が絶えない地域を横切っており、「どこへも向かわない道」とも称されているそうだ(この呼称が私達のグループの行き先を暗示しているわけではない!)。Zzyzx Roadを題材とした映画もあるそうだ(いちど観たことがあるけど、オススメはしない!)。私たちはZzyzxという名前についてもう少し調べ、アトラス(地図帳)の索引、辞書、電話帳の項目の最後に載っているのを見つけた!だから、こんなスペリングも難しく、発音も難しい言葉が、良いアイディアだとして団体名をつけたって?冗談はさておき、私たちはこのとてもユニークで記憶に残る言葉をDanaが発案してくれたことをとても嬉しく思った。どういうわけか我々はみなこの名前を気に入り、素敵なおしゃべりのスタートとなったのだった。

結成して最初の一年が過ぎたのち、StacyがWest Point Bandのサクソフォン奏者としての職を得て、ニューヨークへ移住し、Sthephenはアイオワ大学の博士課程へ進むためにアイオワ州へと移住した。この年は、定期的に練習を重ねることができなくても演奏を一緒に続けられるかどうかのトライアルの期間となった。本番も少なかったが、インディアナで一緒だったときより合わせ練習が少なくても、少しずつグループとしての完成度を高められるということがわかった。次の年は、いくつかのツアーとCDのレコーディングがあり、、本番の回数が増えた。CDレコーディングの直後、Danaはワシントンの海軍バンドに職を得、Mattはニューヨーク州のロチェスターにあるイーストマン音楽学校の博士課程に進んだ。

この話を聞いて、何人かの方はこれだけ離れている場所に住んでいながら、室内楽団として機能するのは難しいのではないかと思うかもしれない。しかし、私たちはうまくやる方法を常に模索し続けてきた。メールはたくさん(!)、そしていつもSkypeでレパートリー、演奏、ビジネス等について話し合っている。通常、一年に一度、秋に集中練習として何週間かの週末を一緒に過ごし、新作や次の演奏機会に対してリハーサルを行なっている。ものすごい量の練習をこなすのだ…パート譜はもちろん、スコアの読み込み、各パートとの関連性を示す補助の音符の書き込みと勉強もこなす。一年に一度のリハーサルでは、作品の難しさにもよるが、1日に5時間から8時間の合わせ練習をこなす。演奏のために集まるときは、一日前に現地集合して丸一日掛けてリハーサルを行い、本番に臨んでいる。最も重要なことは、一緒に集まったときは練習だけではなくお楽しみも準備する、ということだ!ずっと仕事、遊びなし、なんてとんでもないでしょ?ともかく、ここ何年にもわたって、私たちは互いに良き友人であり、素晴らしい時間を一緒に過ごしている。Zzyzxで一緒に演奏できることは、私たちの演奏家としてのキャリアのなかで重要な位置を占めており、みんな、これから先の演奏の機会を楽しみにしているのだ。

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