2012/02/09

サクソフォーン協会誌2011

発刊からかなり時間が経っているが、ブログで紹介していなかったことを思い出したので、書いておく。年に一回発行される、日本サクソフォーン協会の協会誌「Saxophonist」の23号。今回の協会誌には、編集長の服部吉之先生、副編集長の栃尾克樹先生、そして実働リーダーの冨岡祐子さんの下、編集企画委員としても携った。打ち合わせや校正作業などは、なかなか新鮮だったなあ。

校正作業のため、発刊前にほとんど全てを読みきってしまったのだが、やはり発刊されて実際に手に取ると嬉しいものだ。おそらく協会誌史上最多の167ページ。第30回サクソフォーンフェスティバルのライヴ録音ハイライトCD付き。本当に、この協会誌のためだけにサクソフォーン協会へ入会する価値はあると思う。以下、目次を記しておく。

第五回アドルフ・サックス国際コンクール日記:原博巳 7
第3回 ジャン=マリ・ロンデックス国際サクソフォンコンクール:参加報告/野村亮太 15
第28 回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門 18
日本管打楽器コンクール歴代受賞者による サクソフォーン フェスティバル コンサート 30
サクソフォーンにおけるヴィブラート奏法:佐々田 剛 33
デニーソフ作曲≪アルトサクソフォンとピアノの為のソナタ≫曲目分析 87
帝政ロシア~旧ソ連時代のロシア・サクソフォン界 112
演奏会場に於いてサクソフォーン 四重奏の演奏位置についての経験的考察 121
私とSAXOPHONE 126
フランスの小品は宝である:雲井雅人 134
サキソフォン物語 ~悪魔の角笛からジャズの花形へ~マイケル・シーゲル著/諸岡敏行訳(青土社):書評/北山 敦康 137
ストラスブール音楽院とフィリップ・ガイス教授 140
第30回サクソフォーンフェスティバル報告:貝沼拓実 144
フェスティバルコンサート協奏曲の夕べ を振り返って:指揮者 海老原 光 148
金木博幸氏によるバッハ・マスタークラス~「J.S. バッハ/無伴奏チェロ組曲 第一番」~ 153
留学生リレーレポート 159
第30 回 サクソフォーンフェスティバルCD 制作 167

さて、どの記事がオススメかと言われれば、全てオススメである。数年前の協会誌のような、いかにもフェスのプログラムをそのまま載せました、というような記事はひとつもない。全てが良く練られ、情報として貴重なものばかりだ。

佐々田氏のヴィブラート研究、そして須々木氏のデニゾフ研究は、質・量ともに圧巻である。佐々田氏の論文は、私もいつか手がけたいと思っていた、ミュール、デファイエ、ドゥラングルのイベール分析など、定量的なデータを元に実に良く考察してある。以前ブログでも取り上げた須々木由子氏のデニゾフ論文も、余すところなく収録。デニゾフを演奏される向きは、ぜひ読まれたし。

ひとつのブログ記事では全ての内容について紹介しきれないので、また機会をとりたい。

私は、「帝政ロシア~旧ソ連時代のロシア・サクソフォン界」という記事を寄稿した。本当はシャポシュニコワ教授を中心とした現代ロシア・サクソフォン界についても取り上げる予定だったのだが、準備もろもろで力及ばず、旧ソ連時代までで止めることとなった。

2 件のコメント:

  1. ン?CDなんて付いていたんですか!?
    私に届いたものはCDがついていませんでした・・・ショック。

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  2. 最初に発刊されたぶんにはついています!途中入会者用に配布される余りの協会誌には、ついていないんですよー…。

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