2011/08/07

上野耕路ライヴ@渋谷Last Waltz

埼玉県大会を聴いた後、併設された図書館で協会誌投稿記事用の資料探索をして、その後渋谷へ移動。上野耕路氏のライヴを聴いてきた。

…とりあえず、ひとこと。もの凄くかっこ良かった!

【Koji Ueno Piano Works+】
出演:上野耕路(pf)、佐々木理絵(fl)、田澤麻美(tp)、矢島恵理子(bsax)、中島オバヲ(perc)、杉野寿之(dr)、谷嶋ちから(bs)、Special:久保田慎吾(vo)
日時:2011年8月7日(日曜)19:00~
会場:渋谷Last Waltz

前半は、上野氏のピアノ・ソロ。新曲?と思われる小品を、非常に繊細なタッチで紡いでゆく。神経質ともとれるほどの演奏と比較して、出てくる音楽は上野耕路氏の音楽そのものだ。強烈なハーモニーのち実にリズミック、時々グロテスク、そして美しく、何よりクール。最初の3曲だけでノックアウトされてしまった。

続く曲は、怒涛のパロディ音楽。「星条旗よ永遠なれ」やら「威風堂々」やらをパラフレーズしたかと思ったら、ガーシュウィンが出現し、お次はニーノ・ロータの「8 1/2」に突入するという…。まるで即興のように音を組み上げていくその様子は、まさに作曲家のピアニズムそのものだ。そして、そこで終わると思ったら、ゲルニカのメロディをたっぷりと引用するパートへ。「夢の山獄地帯」など、おなじみの音楽を楽しんだ。

5曲目は、組曲だったのだろうか?15分~20分はあろうかという長大な音楽で、各パートで関連性のあるメロディが各所に出てきた。ここまで上野氏出ずっぱり、弾きまくり。凄い…。今回はほとんど新曲だったということで、曲名がまったくわからないのが残念だ。

後半は、まずはピアノとフルートのデュオを2曲。続いて、ピアノ、ドラムス、パーカッション+三管(フルート、トランペット、バリトンサックス)編成で妙なリズムのノリの曲。このへんから、なんとなく上野耕路 and His Orchestraのサウンドを思い出して、震えた。よりポップス色が出るものの、ハーモニーもリズムもグロテスク。上野氏の音楽は、一聴するとまさにそれは上野耕路の音楽だとわかる個性に溢れている。さらにベースが加わって、またまた不思議な…この曲からはとっさに"無国籍"というキーワードが浮かんだが、どんなコンセプトで作られたのかはわからない。

この編成のままさらに何曲か続き、最後までハイ・テンションで堪能した。アンコールには、「のぼうの城」のピアノソロ(まさかここで聴けるとは!)と、全員登場・乱痴気騒ぎのヴォーカル入りブギ。各奏者のアドリブまで楽しんで、大盛り上がりのまま終演となった。楽しかったーー!

ところで、ベースはなんと8 1/2にも参加していた谷嶋ちから氏(!)。驚き。さらにアンコールでは久保田慎吾氏が登場。8 1/2のメンバーのうち、3/5が集結したわけで、8 1/2 x 3/5で51/10…だったのか?

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