2011/02/01

木下直人さんから(フランス名演奏家オムニバス盤)

次の人名リストを見て「うわーー!!と思う」か「ピンと来ない」か、どちらだろうか。

ジャン=ピエール・ランパル(fl)
モーリス・アラール(bsn)
ジルベール・クルシェ(cor)
ロジェ・デルモット(tp)
ジャック・ランスロ(cl)
ダニエル・デファイエ(sax)
ピエール・ピエルロ(ob)

木下直人さんより、フランスPathéより出版された「Les Contemporains écrivent pour les Instruments à vent(Pathé ATX 112)」というLPの復刻盤をCD-Rで頂戴した。私はこのLPの存在を知らなかったのだが、上に挙げた奏者のオムニバスアルバムで、各奏者が1分から3分程度のソロ楽器+ピアノの小品を数曲ずつ吹き込んでいる、というもの。ピアノも豪華で、フランソワーズ・ゴベ、アニー・ダルコという布陣だ。このディスクは、1956年のディスク大賞を受賞しているとのこと。

おそらく、すべての作品が一発録りなのだろう。非常にリアルというか、演奏者の覇気がダイレクトに伝わってくる録音だ。復刻(木下直人さんの手にかかれば!)は言わずもがな、録音の状態もかなり良く、1956年の録音であるということが信じられないほどの音質が飛び出す。フルートやトランペットは、マイクとの位置関係のせいだろうか、まるで眼前で演奏されているかのようなリアリティを感じた。

プログラムリストは、この画像をクリックしてご参照いただきたい。マシス、オネゲル、イベール、ジョリヴェ、オーリック、フランセ、トマジなど、大物作曲家が作品を提供している。サクソフォンはと言えば…なんだか聞いたことのない作曲家ばかりだな(^^;

デファイエは当然として、その他に私が感銘を受けたのはモーリス・アラールのバソンの演奏だった。冒頭の音を何気なく聴き始めたとき、未だかつてこんなバソンの音に出会ったことがないという大きな衝撃を受けた。もちろん、ここに挙げた演奏以外も超一流である。

4 件のコメント:

  1. うちにも頂戴いたしました。
    演奏のそれぞれが素晴らしいのもさることながら、こういう企画を1枚のLPに作り上げた当時の業界の気迫がすごいと思いました。
    なんでもかんでも平均化、インターナショナル化、グローバル化の現代ではこういうことが起き難くなっています。
    もちろん、それが即時代の劣化とはいいませんが、なんとなく音楽の世界もお金にさえなればいいとう感じなのかな?と寂しい限りです。

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  2. > Sonoreさん

    コメントありがとうございます。

    >なんでもかんでも平均化、インターナショナル化、グローバル化の現代ではこういうことが起き難くなっています。

    まったく同意見です。この流れの中では、「巨人」と呼ばれる人たちはなかなか出てこなくなってしまっていますね。寂しいものです。

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  3. おお サクソフォンはルネ・エルバンの作品ですね!拙ブログで取り上げた伝説(フロラン・シュミット )のバイオリン版CDはエルバンの娘さんがピアノを演奏しています。シュミットはエルバンを後輩の様に目を掛けていたとのことで、エルバンもサクソフォンに関心があったのかもしれません。ピアニストとしてはJacque Thibaudの伴奏者で、来日途中に事故死した際に一緒に亡くなったということです。(長々失礼しました)

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  4. > Donaxさん

    ええ!そんな繋がりがあるのですね。貴重な情報ありがとうございます。ジャック・ティボーのピアニストということで、たしかに良く調べてみると情報が出てきました。1953年の逝去…曲目を指定したのは出版社でしょうが、亡くなって間もないエルバンに対する追悼の意味もあったのかもしれません。

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