2010/09/28

ミシャ氏のウェブ上コンテンツ

昨日の記事で、ジャン=ドニ・ミシャ Jean Denis Michat氏の演奏動画について紹介した。昨日の記事を書いたあと、ミシャ氏の公式ページ上を散策していたところ、サイト上に非常に有用なコンテンツが多く置かれていることに気付いた。今日の記事では、そのコンテンツについて紹介したい。

コンテンツは、ミシャ氏の公式ページから「FREE」というボタンをクリックし、さらに左のメニューからカテゴリを選択することで入手のページへたどり着くことができる。ここに用意されているのは、ミシャ氏がアレンジした楽譜、ミシャ氏の録音、演奏ビデオ、などである。冒頭に置かれた但し書き「Je ne sais pas si c'est vraiment un cadeau (;-))...mais disons que si ça peut servir...」が、ちょっとエスプリが効いていて良いな。

例えば、「Audio」をクリックしたその先のページから入手できる演奏は、ミシャ氏が2004年に録音したファリャ、グラナドス、アルベニスの作品で、これはおそらく「Cantos de Espana(JDM003)」というタイトルで発売が予定されていたレコーディングだと思う。MP3の32Kbpsということで音質は良いとは言えないが、素晴らしい演奏を堪能することができる。例えば、アルベニス作品における驚異的なソプラノサクソフォンのコントロールなどは、まさに一聴の価値ありだ("アストゥリアス"のスーパー技巧!)。

「Videos」をクリックして観られるビデオのページでは、バッハの「二重協奏曲」、モーツァルトの「オーボエ協奏曲」などの演奏を観ることができる。バッハの「パルティータBWV1013」もある…ということは、昨日紹介したものと同一内容であるようだ。コンテンツの重量を軽くするためだろうか、画質は落とされているが、音を聴くだけとはひと味もふた味も違ったものがある。中には、BGMを付けたフォトアルバム(?)のような動画もあり、これはこれで楽しい。

「Ensemble」「Sonate」「Musique de Chambre」は、楽譜のページ。ミシャ氏が作曲/編曲したサクソフォンのための楽譜を数多く手に入れることができる。例えばグリーグ「ホルベルグ組曲」のラージアンサンブル楽譜だったり、Audioのセクションで聴くことができるアルベニス作品のトランス譜だったり、モーツァルトの四重奏曲だったり、ハッピーバースディの曲だったりと、とにかく充実した量に驚く。

本来であれば、有料だとしてもおかしくない上記コンテンツ群を、インターネット上で、誰もが利用できる形で公開してくれることは、我々のような消費者にとっては非常に嬉しいことだ。こういった取り組みは、サクソフォンの世界ではまだまだ多くない。例えば、ある音楽家が差別化を図るためにアレンジ譜や録音を有料化したり、門外不出としたりするのは、もちろんそれはそれで必要なことである思うが、もし何も目的がないまま有用なコンテンツが宙に浮いていたとしたら、それはとても勿体無いことだと思う。そういった眠れるコンテンツ(?)については、ぜひとも無償なり有償なりでの公開を進めてほしいものだ。

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