2009/07/12

pって難しいよね

難しい。特に、記譜のド#から下でppなどと言われた日には、指揮者に向かって土下座して、次の瞬間踵を返し、しっぽをまいて逃げだすしかない。だが、ごくたまに実演で聴くことのできるサックスの素晴らしい演奏の数々は「ここのpやppにゾクゾクした!」とか思うのも事実なわけで、最近ではサックスの最も美しい響きって、pやppにあるのではないかと思っているほどだ。pであなたの心を奪い去ることができれば、それすなわちプロの中のプロなり。わからんけど。

CDなどで「ここのppが!」というのは少ないけれど、やっぱりそれはレコーディングプロデューサーの趣味によるだろう。CDに吹き込まれたところで、それ相応のオーディオ環境を整えなければ、その音も聴こえないだけ、になってしまうから…。

最近は、pでレより下の音が出てきた時には、サブトーンと通常音を使いわけて演奏するようにしている。完全に実用化するには、もう少しサブトーン時のアンブシュアを固定し、さらに音程にアタリをつけることが必要だ。また、通常音とサブトーンの間に、無限の階層を設けて、場合に応じてそれらを使い分けられなければいけないと思う。

心を奪い去るp、pp、出してみたいねえ。ただし、p、ppは表現手段の一であって、それが目的となってはいけないなあ、とも思う。

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