ジェローム・ラランさんから送っていただいた(ありがとうございました!)。ラランさんの私家録音を送っていただいたお礼メールをしていた中で、ダニエル・デファイエ氏の話が出、お互いの所持するデファイエの音源をいくつかやりとりしたのだ。ラランさん曰く「I'm a fan of Deffayet sensei」とのこと。へえぇー。
内容は、各方面の方から頂戴して所持しているCrest盤の4曲、Erato盤のドビュッシー「ラプソディ」、Epic盤のイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」といったものの他に、聴いたことのないものでは以下のようなものが含まれていた。どれも大変状態が良い。
R.ブートリー「セレナーデ」
H.トマジ「バラード」
H.トマジ「サクソフォン協奏曲」
P.ボノー「ジャズのエスプリを伴う小品」
P.M.デュボワ「サクソフォン協奏曲」
A.ベルノー「デュオ・ソナタ」
各録音の出所であるが、例えばブートリーの「セレナーデ」などは、冒頭に女性の声による紹介が入るため、おそらく放送用のライヴ録音ではないかな、と思う。ベルノーの「デュオ・ソナタ」は、三楽章で終わっている…!ということは、1974年のボルドーで開催された世界サクソフォン・コングレスにおける初演、もしくはその直後のライヴ録音である可能性が高いということだ。1975年3月の、デファイエ四重奏団の来日公演では、すでに4楽章で演奏されているのだから…。
他も、一曲ごとに録音の状態が違うのだが、ライヴ録音ぽい雰囲気はしつつも、拍手がないっていなかったりと、まちまち。うーん、今度ラランさんに、これら録音の出所を聞いてみよう。
演奏だが、超高速なフレーズもなんのその、キラキラした音をあちこちに振りまきながら、快調にぶっ飛ばしてゆく、という感じ。そういえば、デファイエ氏のソロのライヴ録音て、あまり聴いたことなかったなあと思い返した。当時の空気を今に伝える、貴重な資料のひとつであると思う。
ベルノーも、すごいっす。ソプラノがデファイエ氏、バリトンを吹いているのはジャン・ルデュー氏なのだが、たった二つの絵の具で、こんな演奏ができることは驚異以外のなにものでもない。気がふれてしまったかのようなテンションと、聴き手を巻き込んでしまうようなオーラを、スピーカーの奥からひしひしと感じ取ることができた。
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そういえば、一緒に送ってもらったものの中に、録音媒体になっていないマルセル・ミュールの録音(ヴェローヌの「協奏曲」の全楽章!)があった。これまた、随分と貴重なものだな。日本にはおそらくないだろう…。
ラランさんと交流があるのですか!?
返信削除すごいですねー!
トマジのバラードやデュボアなんかも、すごいことになっていそうですね!!
個人的には、デファイエ氏のグラズノフやヴェローヌのラプソディなんかが聴いてみたいです。
ラランさんとは、2006年の来日(Mixtionの日本初演、Grab It!の関東初演をやったコンサート)のころからメールのやり取りなどさせていただいています。大変気さくな方で、フェスティバルやコンサートの会場でも、時々お会いしては挨拶します。
返信削除デファイエのグラズノフやヴェローヌ…確かに聴いてみたいです。私は持っていませんが、世界中探したらどこかにはあるかもしれませんね。
おぉー!これはまた貴重な録音ですね。
返信削除デファイエは聴けば聴くほど、その光輝に魅せられてしまいます。
リアルタイムでデファイエを聴けなかったことが残念です。
もしも、タイムマシーンがあるならば、当時にタイムスリップをして、実演に触れてみたいです。
かなわない夢ですが、これが音楽の定めでしょうか。
(^^;
> あきちゃんさん
返信削除タイムマシンがあるなら…というのは、私も同感です。当時、実際にデファイエの演奏に触れられた方のお話を聞くと、レコードなんかよりももっと凄い音だったと話してくれます。
我々の世代は悔やんでも悔やみきれないところがありますね…。
何ヶ月か前に、こんなページを見つけたのを思い出しました。
返信削除http://members.tripod.com/saxowebquebec/deffayet.html
僕にはなんだかよくわかりませんが、なにかのお役に立てれば光栄です。
> Pさん
返信削除ありがとうございます。Web翻訳にかけて読んでみました。デファイエのディスコグラフィを確認するのに役立ちます。
最近も木下さんや静岡のAさんから音源をお譲り頂いたりして分かったのですが、意外とディスコグラフィに含まれていない、録音が多いのではないかな、と思いました。
現に、最近お譲り頂いたものの中には、デファイエのFidelio盤という、存在すら聞いたこともなかったものが含まれていました。