2008/03/11

音大生によるサクソフォーン四重奏の夕べ2008

【音大生によるサクソフォーン四重奏の夕べ】
2008年3月10日 16:30開演
川崎市高津市民館ノクティホール
入場無料
プログラム:
P.ランティエ「アンダンテとスケルツェット(常葉学園短期大学)」
A.スティラー「チェンバーシンフォニーより2,4(愛知県立芸術大学)」
A.デザンクロ「四重奏曲(武蔵野音楽大学)」
E.ボザ「アンダンテとスケルツォ(静岡大学教育学部)」
A.デザンクロ「四重奏曲(桐朋芸術短期大学)」
A.ドヴォルザーク「弦楽四重奏曲第12番"アメリカ"より1,4(洗足学園音楽大学)」
C.パスカル「四重奏曲(名古屋音楽大学)」
A.デザンクロ「四重奏曲(東京ミュージック&メディアアーツ尚美)」
G.フォーレ「ピアノ連弾のための組曲"ドリー"より(国立音楽大学)」
A.デザンクロ「四重奏曲(尚美学園大学)」
A.グラズノフ「四重奏曲より(桐朋学園大学)」
J.リヴィエ「グラーヴェとプレスト(名古屋芸術大学)」
A.デザンクロ「四重奏曲(東京音楽大学)」
J.リュエフ「四重奏のためのコンセールより(昭和音楽大学)」
A.デザンクロ「四重奏曲(東邦音楽大学・短期大学)」
A.グラズノフ「四重奏曲より1,3(東京芸術大学)」

真っ昼間に研究室を抜け出して、14:15大学発のバスで出発。銀座線と田園都市線を乗り継ぎ、ノクティホールへ。さすがに一曲目は遅刻してしまったが2曲目からはほぼ全て聴くことができた。駅ビルの11階と12階をぶち抜いて建設されたホールで、洗足学園音楽大学の講堂のような、低めの天井。残響時間は短いが、意外と心地よい響きである。音が上に逃げないためか、後ろの席で聴いていても、まるで眼前で聴いているかのようなサウンドが迫ってくる。

さて、聴き始めが16:30、終演が20:30。さすがに16団体も聴いていられないんじゃないかと、聴き始める前は思っていたのだが、意外と面白く聴くことができた。僭越ながら、印象に残った団体に関していくつか:

・愛知県立芸術大学…プレストは、なかなか勢いがある演奏。ただ、バリトンはCDのコピーでなくきちんと即興でやるべきだと思うし、Vancouverのセリフはきちんと叫ぶべきではないのか(笑)。
・洗足学園音楽大学…奏者の個性が4人それぞれ良い意味で発揮されており、実に楽しく聴けた。第4楽章のリズム処理の見事さに、耳を奪われた。
・東京ミュージック&メディアアーツ尚美…オーソドックスの極みともいえる解釈、また、奏者それぞれの美しい音色が印象的だった。先日の演奏会とは、ソプラノ奏者だけが同じ。
・国立音楽大学…楽器としての響きの豊かさとブレンド感は、もしかしたら一番だったかも。こういった特徴的なリズムを持つ曲の演奏は、上手だなあ。
・昭和音楽大学…すごい!かなりのアンサンブル精度を要求される作品ではあるが、細かいところまで突き詰められた表現ベクトルの一致が心地よかった。
・東京芸術大学…貫禄の演奏。第1楽章と第3楽章は、自分でも演奏したことがあって楽譜も良く覚えているのだが、どんな難所においても安定した技巧は、さすがというほかない。pの表現に4人全員が肉薄していたのは、ここだけかも。

聴きながらいろいろなことを考えていた。まず、アマチュアとは奏法・音量・音色の点についてはまったくレベルが違うのだな、ということ。どのくらいの合わせを経て、ステージに持ち出すのだろうかという謎。一つのステージに対してかける思いというか気迫というかは、アマチュアとはやはり違うのだろうかなあ、と思えてしまう団体もあったかな(最後まで通るのがやっと、という演奏も)。とにかく、いろいろ勉強することができ、聴きに行って良かったと思えた。

最後の団体の演奏が終わった後に、石渡悠史先生がアルベニス「セヴィリャ」に関して面白い話をされていた。昭和30年頃…石渡先生が藝大に入学された頃の楽譜は、現在出版されている今よりも半音高かったそうな。当時は、レコードを聴いて採譜した楽譜を使用し、おまけに藝大が所有していたバリトンの最低音がシ♭(記譜)までしかなかったため?であるとのこと。採譜に関しては、回転数やテープスピードとかの関係でも、変わってきますからね。そんな例を引き合いに出して、楽譜をきちんと分析して演奏を組み立て、音源は参考程度にしよう、ということをおっしゃっていた。

ロビーでは、今までメールでしかお話したことのなかった洗足のKさんにご挨拶することができた(プログラムを見るまでは知らなかったのだが、テナーで演奏に参加されていたのだ)。また、小田桐工房の小田桐さんと名刺を交換することができたのも嬉しかったなあ。あと、けこぅさんがまめこさんとこつぶさんを連れて聴きに来ており、びっくり!

帰り際には、会場で一緒になったつくばサックスのNとともに、友人に招かれて3人で?銀座のLIONにて食事。友人はそこで働いているのだが、けっこうご馳走になってしまいました(写真はチーズ・フォンデュ)。美味しかったあ。

2 件のコメント:

  1. お疲れ様でした。
    お会いできてよかったです。
    自宅から直近なので、喜び勇んで聴きにいってしまいました。

    私は昭和さんが一番好みでした。
    ソプラノかっこよかったです。。

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  2. > けこぅさん

    まさかあの近くにお住まいとは!と驚きです。ノクティだけでなく、洗足の前田ホールの演奏会なども、すぐ聴きに行けるのでしょう。うらやましいです。

    昭和のソプラノさん、私もかっこよいと思いました。練習したのかどうか怪しい演奏も多々あった中、昭和音楽大学を始めとするいくつかの団体は、ずいぶんと気合いを入れてアンサンブルを構築してきてことに、感心してしまいました。

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