珍品。かつてCBSソニーが管楽器入門シリーズとして販売していたLPのサクソフォン版で、レコードの音を聴きながら練習できるというもの(CBS SONY 36AG 336, 337)。それだけであったら、現在でも"サックス入門用ビデオ"的なタイトルで売り出されてるが、このレコードはそんなものと比べてはいけない。お手本演奏を吹くのは鈴木英之氏(元東吹団員、現洗足音大講師)であり、さらに監修はあの大室勇一氏(!!)(言わずと知れた、阪口新氏と共に日本のサクソフォン界の基礎を築いたパイオニア的存在)なのである。
レコード自体は二枚組で、中にスケールや簡単な曲目の楽譜が綴じられている。あのソニーが、こんな内容のレコードを出していた時期があっただなんで…時代を感じますなあ。ちなみに内容は、こんな感じ。
・はじめに
・はじめての練習
・中音域での基礎練習
・音域の拡大
・高音域の練習
・付点音符、三連音符、音階のまとめ
・スタッカートの練習
・レガートの練習
・アーティキュレーションの練習
・ヴィブラートの基礎練習
・ヴィブラートの応用
・コレルリ「グラーヴェ」
・モンドンヴィル「タンブーラン」
・バッハ「メヌエット」
・ゴーセック「ガヴォット」
・シューベルト「セレナーデ」
・サン=サーンス「白鳥」
・トマジ「コルシカ島の祈り」
・リュエフ「シャンソンとパスピエ」
・クレストン「ソナタより第2楽章」
・パスカル「四重奏曲より第4楽章」
まだ聴いていないのだが、これってたしか大室勇一氏の「しゃべり」が入っている、というウワサを聞いたこともある。基本的に演奏はサックス鈴木氏、ピアノは曽我部玲氏だが、一番最後のパスカルは、デファイエ四重奏団がシャルランに吹き込んでCBSソニーから発売されていたものと同一のテイク(なのだろう)。最近忙しくで、なかなかゆっくり音楽を聴く時間も取れないのだが、図書館に持ち込んで聴いたら、またレビューします。あ、ヘムケ氏のLPも早く聴きたいなあ。
N響の故似鳥健彦先生監修のオーボエ講座を初心者の時に持っていました。素晴らしい教材でした。
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