2006/03/10

北欧のスーパーサックス

学類の計算機(パソコン)入れ替えのためしばらく更新が滞っていた。今まではWindowsだったのだが、今後はMac!いくらUnixベースとはいえ、Windowsを使い慣れている身にとっては未知の領域で、なかなかまだ慣れない。ftpはtcshから起動できるコマンド「ftp」の機能を使い、htmlエディタはemacs。Windowsであればオンラインソフトをつかってなんとかするタチなので、戸惑いは大きい。

久々なので新着のCDをご紹介。ヨリエン・ペッテション氏のソロCD「サクソフォン・コン・フォルツァ」。下記のラーション作品集と一緒にノルディックサウンド広島(→http://www.nordicsound.jp)から購入したもの。ノルディックサウンド広島の取締役の方がおっしゃっていたのだが、北欧からは未だ無名ながらも優秀なサクソフォニストが数多く輩出されているようなのだ。北欧出身の作曲家で固めたプログラムに加え、ペッテション氏自身もノルウェー生まれのプレイヤーで、北欧のサクソフォン界の一辺を見ることができる。

一曲目「トリオ・ソル」から微分音だらけで驚くが、響きは洗練されていて意外と聴きやすい。「ポエム」ではゆったりとした無調性バラード風のフレーズに時たまふと現れる超フラジオ音域を見事にピタリと当て、続くパーカッションとのデュオによる「ダンス」は短いなかに民族的なエッセンスが凝縮され、面白い。

「寺院」はバスサックスの無伴奏作品で、どちらかといえば「寺院」というよりF1レースのエンジン音のような音を並べた作品。解説を見ると「まるでF1レースのように楽器と戦っている」とのこと、納得。アルバム最後を飾る「10の絶壁」はパーカッションを模したコンピューターサウンドに対峙しながら8分間に渡る超絶技巧を披露。あまりに凄すぎて開いた口が塞がらない。

こんなにすごいサクソフォンの世界もあるぞ、ということで一聴に値するアルバム。また、ペッテション氏は現代的な奏法を駆使しているもののとても美しい音色を持つプレイヤーだという感じで、北欧のサクソフォン界のこれからを期待させる。

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