2005/06/23

ギャルドのLP聴きました

聴きました。「サキソフォン四重奏団の魅力 -ギャルドのメンバによる-(EMI EAA-85052)」。大学の図書館にLP再生環境があるのは幸いだった、そうでなければまともな再生環境すらないまま盤だけ買って途方に暮れていたかもしれない。

「START」ボタンを押すとアームがゆっくりと持ち上がり、ゆっくりとレコードの上に針が落ちる。パチパチというノイズの中から響くボザ作曲「アンダンテ」冒頭部の柔らかいソロ・テナーサクソフォンの音色。かなり音場の近いデッドな録音だが、そんな録音上の不利さなど気にならないほど魅力に溢れたLPだ。ヴィブラートを揃えた四人のユニゾンの色っぽさとか、世に数々出ているCDと比べてみても遜色ないほど。

デザンクロの「四重奏曲」での意外なほどのテクニック、最終部TempoIで三回目のモチーフが出現してからの演奏の速さ!誇張抜きで今まで聴いた演奏の中で一番速い。テクニックが向上してきた現在にあって、CDでもなかなか聴くことができない派手な盛り上がり方だ(さすがにヌオーは落ちかけているような)。ヌオーに献呈された曲でもあるショルティーノ(シォルティーノ)「異教徒の踊り」は資料的価値が高いものだろう。いかに昨今のアンコンで演奏されている解釈が不自然なものなのか、という考えを深く認識する。そう、冒頭のsans vibrer.はこうでなければいけない!かもしれない。「異教徒の踊り」を吹く方はぜひ一度接してほしい録音。

こういう古い音源て、テクニックの甘さとか録音状態の悪さとかそういうものを超えて心に響くものがありますね。

余談ではあるが、図書館に持ち込んだときに視聴覚資料室カウンターの係員の方に非常に驚かれた。今時LP聴く人もなかなかいないし。「え、レコードだって!?」「うん、俺もびっくりした」という係の方の会話が聞こえてきた。してやったり。

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