2023/07/08

Michael Colgrassの「Urban Requiem」

吹奏楽形態においてサクソフォン四重奏をフィーチャーした作品の一つ。

アメリカに生まれ、カナダで活動していた作曲家、マイケル・コルグラス氏の名前は、日本国内においては吹奏楽の世界で主に知られている。アルトサクソフォンと吹奏楽のための「Dream Dancer」なる作品も存在しているが、それよりもさらに規模が大きい作品で、コルグラス氏がサクソフォンのためにこのような大規模な作品を残していることを初めて知った。

作曲者のコメントを訳して載せておく:

レクイエムとは、死者の魂に捧げるものである。アーバンレクイエムは、様々な偶然の印象から着想を得た、都市の物語と言えるかもしれない。私は、サクソフォンが生まれた私たちの都市部や、このような環境で日々起こる悲劇や闘争を思い浮かべた。しかし、私はまた、この都市のエネルギーとパワー、そしてその対立に内在するユーモアにも触発された。サクソフォンは、このアイデアに必要なさまざまな感情を表現するのに特に適していると感じている。というのも、サクソフォンは非常に個人的で痛烈な性格を持つだけでなく、力強く、威厳があるからだ。バンシーのように吠えることもできるし、子猫のように鳴くこともできる。要するに、サクソフォンは他のどの楽器よりも人間の声に似ているのだ。私の脳裏には、4本のサクソフォンがヴォーカル・カルテットのように歌い、典礼的な音楽でありながらブルージーな倍音を持つ、一種の "アフター・アワー "レクイエムのように聴こえた。

演奏時間はおよそ30分。各ソロ楽器の見事な音運びと、バックバンドとソロの濃密なインタープレイが魅力的だ。

録音はいくつかあるが、サクソフォン奏者のJoseph Lulloffが参加しているGreat Lakes Saxophone Quartet(この作品のための臨時編成カルテットかもしれない)と、ノーステキサス・ウィンド・シンフォニー、ミシガン州立大学、各バンドと録音を行っているものがオススメ。技術的にはいずれも優れているが、どちらを取るかと言われればノーステキサス・ウィンド・シンフォニーの演奏が好みである。


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